『ミディアン』発表後に出た企画盤EPです。とはいえ全10曲入りで、そのうち新曲が6曲とくれば、立派にフル・アルバムとして聴けます。あとはリメイク3曲と、ゴシック界の大物(?)SISTERS OF MERCYのカヴァー(5)「NO TIME TO CRY」です。これも違和感はそれほどなく、流れの中でいいアクセントになっています。 『ミディアン』で見られたストレートなメタル的プロダクションが聴きやすく、『鬼女と野獣』のように緊張を強いられることもないので、かなり聴きやすいです。曲も総じて良いと思います。 実はこの作品が一番好き。
以前に『PUNISHMENT FOR DECADENCE』と『NO MORE COLOR』のカップリングCDを持っていたんですが、なんか曲が印象に残らなくて、手放してしまいました。その時は速くてフックのある曲を求めてたんですよね~。 でもここの書き込みを見ていたら、また聴いてみたくなりました。売ってるの見つけたら買い直して再チャレンジしてみたいです。
ヘヴィ・メタルを聴き始めたころに買ったアルバムなので、個人的に思い入れがあります。メタルでは本当に1枚目か2枚目くらいでした。 『エデンの秘密』というタイトルがかっこよく思えたんですよね~。今だったら2~3回聴いたら中古CD屋行きかもしれませんが、当時はJUDAS PRIESTの『STAINED CLASS』と同等に聴いてました。 (1)「HEROES OF THE MORDEN WORLD」や(3)「INTEGRATION」といったキャッチーなスピード・ナンバー、荘厳な(5)「BABYRON」、大作曲(6)「GARDEN OF EDEN」、温かいバラード(7)「MUSIC IS THE GATE」等がお気に入りですが、結局全部好きです。バースデイ・ソングをちゃかしたおふざけソング(10)「HEAVY BIRTHDAY」ですらも(笑)。 前作『ルイ14世』で見られた鼓笛隊(?)の導入もなく、けっこうストレートな楽曲が多いです。まあ、ぶっちゃけて言うとB級ジャーマン・メタルなんですが、それなりに多彩で個性もあり、なかなかの作品だと思います。
同名のポップス・グループがいたために、今はGUILD OF AGESと改名しているメロディアス・ハードロック・バンドの2ndアルバムです。 ゼロ・コーポレーションから出ていたので、現在は廃盤でしょうか? でも発売当時B!誌でかなりの高得点だったこともあり、けっこう売れて中古に多く出回ってますから入手はしやすいと思います。GUILD OF AGESと一まとめにしてベスト盤みたいなのも出てたような気もしますが…。 かなり哀愁度の高い楽曲が多く、哀メロ好きの人は買って損はないと思います。作曲、アレンジ能力は一流バンドにも決して劣っていません。80年代なら世界的に売れる可能性も…。 ただ楽曲は文句なしに良いんですが、個人的にヴォーカルにもう少しパワーが欲しかったです。愁いを帯びた良い声なんですが、もうちょっと伸びやかに歌えてるとずっと印象が違うはず。それで10点マイナスくらいかな。
これまた良質のハード・ロックがたっぷり詰まったアルバムです。爽やかで華やかなだけでなく、土臭さもけっこう目立ってきて、いかにもアメリカらしいバンドですね。 ただ1曲1曲はいいんだけど、けっこうイントロで待たせられる曲が多いのが少しかったるい印象も。勢いが途切れるので、もう少し流れがいいと嬉しかったです。おまけみたいな曲も入ってますし…。 でもキャッチーな(3)「BORN TO BE MY BABY」や情熱的なバラード(10)「I'LL BE THERE FOR YOU」を始め、名曲や有名曲たっぷりなので、このアルバムも必聴盤でしょう。
このアルバムはアップテンポのロック曲が多くてバラードが少なめになるという話だったのに、聴いてみるとそんなでもなくてちょっとがっくり。 でもまあ80~90年代のボン・ジョヴィとは違いますが、これはこれで良いです。 9.11のテロ事件に題材をとったダークでヘヴィな感触の(1)「UNDIVIDED」から、ポジティブで前向きな先行シングル(2)「EVERYDAY」の流れでもう引き込まれました。名曲とされる前作の「IT'S MY LIFE」よりもこの曲の方がずっと好きです。 そして開放感あふれるストリングス・アレンジがたまらない(3)「THE DISTANCE」から(4)「JOEY」のピアノ・イントロへのつながり…今回は曲順が練りに練られてる印象で、つい聴き入ってしまいます。 (5)「MISUNDERSTOOD」のサビの「ア~アア~アア~ィ♪」はいかにもボン・ジョヴィらしくて微笑ましいし、ストレートなラヴ・バラード(6)「ALL ABOUT LOVIN' YOU」、(1)のようにヘヴィに始まってサビでいきなり弾ける(7)「HOOk ME UP」と、なかなかにバラエティ豊か。 (8)「RIGHT SIDE OF WRONG」は…いかにもジョンの好きそうな曲で、歌詞含めてけっこう評価が高いみたいですが、個人的に「強盗やってメキシコに逃げようとしたら、警察に踏み込まれて…」みたいな歌詞に欠片も魅力を感じないので。(4)(8)が昔からのボン・ジョヴィのファンに人気みたいなのに、何故かこの2曲がなかったらなぁ、なんて思ってしまうんですよね~。曲自体は別に嫌いじゃないんだけど。 (9)「LOVE ME BACK TO LIFE」は大盛り上がりのサビを一緒に大声で絶叫したら気持ち良さそう。 スティングの「FIELDS OF GOLD」みたいな感触の温かく穏やかなラヴ・バラード「YOU HAD ME FROM HELLO」は、全然ロックじゃないけど、このアルバムで一番好きです。こういう曲は年齢を重ねたからこそつくれた感じですね。かと思うと(11)「BOUNCE」は気恥ずかしくなるくらい若々しいロック・ナンバー! で、最後は「OPEN ALL NIGHT」でしっとり優しく締めると。しかしボーナス・トラックは収録方法が煩わしい。せめて頭出し可能にして欲しかったなぁ。 しかしまあ、アルバムとしての出来はなかなか。長く楽しめそうないいアルバムです。
マグナムのヴォーカリスト、ボブ・カトレイがTENのゲイリー・ヒューズと組んだソロ作の2枚目。なーんて言ってまだマグナム聴いたことないです。そのうち買おう。 TENを聴いてていつも思うのが、メロディアスでいいけど、ゲイリーの歌い方がもうちょっと熱かったらな~ってことでした。歌い方も歌メロも煮え切らなくて、もどかしいままに終わってしまうことが多い。 それが、彼の曲をボブ・カトレイが歌ったらあなた、素晴らしく胸を打つじゃありませんか。ゲイリーには他人にたくさん曲を提供してもらいたいものです。 このアルバムの内容は、シンフォニックでクサクサなメロディアス・ロックです。さすがに気恥ずかしくなるような曲や、やっぱり煮え切らない曲もありますが、全体的に感動的な美しい作品。情感のこもった湿り気を帯びた歌声がたまりません。 『嵐が丘』に題材をとった感動的なバラード(7)「A BEAUTIFUL NIGHT FOR LOVE」と、胸の奥に熱いものが広がる(10)「WHERE THE HEART IS」がお気に入り。
3rdまではまだ聴いていないので、これが最高傑作かどうかは断言できませんが、4thから後のアルバムでは一番好きです。 メロディ、曲構成、バラエティ、サウンド、どれも好みで飽きずに聴けます。この前はストレート過ぎて飽きが来るし、この後は詰め込み過ぎてバランスが悪いように感じます。 上のKOZYさんの書き込みを見てなるほどなと思ったのが、ドラムでメロディーを奏でる為に叩いているという指摘です。確かにドラムが違う気がします。普通のジャーマン・メタルの域を超えた表現力ですよね。でもこの後のアルバムだと今度は音を重ね過ぎてドラムは目立たない(泣)。 (1)「IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE」と(7)「BRIGHT EYES」が特に気に入ってますが、全曲素晴らしいと思います。複雑な構成だけどメロディが充実しているし、激しさもしっかり保たれています。 たぶん、ずっと聴き続けられるアルバム。
スウェーデンのハード・ロック・バンド、ビスカヤの唯一のアルバムです。長らく幻の名盤扱いだったらしいですが、私が知った時にはもうCD再発されてたので、すんなり入手。 いかにもヴァイキングなジャケが微笑ましいですね。 音の方はディープ・パープルの影響がモロのハード・ロックです。 疾走様式美曲(1)「HOWL IN THE SKY」と人気バラード曲(3)「SUMMERLOVE」が有名です。 昔ながらのロックン・ロールやジャズの影響がうかがえるグルーヴィな曲(それもまたディープ・パープルの影響かな?)もあるので、北欧の美旋律を期待すると肩透かしを喰いますが、私はけっこうそっち系統の曲の方が楽しめたりします。名曲とは言いませんが、(4)「WEEKEND」や(6)「SINGING IN HARMONY」といったファンキーにスウィングする楽曲からはロックをプレイする楽しさが伝わってきます。北欧だからって、叙情的な曲や暗鬱な曲ばかり好きなわけないですもんね。 他にも優しい雰囲気のインストや、いかにもなハード・ロック曲も入ってます。 いま客観的に聴き直せば、そりゃイモ臭いし、散漫な内容ではありますが、北欧メタル黎明期の重要盤としての価値は揺るがないでしょう。
2ndが国内盤も出たのでけっこう有名だと思われるバンドの1stです。基本的にはグラインド/ファストコアをやってます。 しかし数十秒で終わる曲がテンポよく続いたと思うと、いきなり(8)「STOOD UP AND SOLD OUT」は8分台のドゥーム/スラッジ・コア。ひたすら重く遅~く攻め立ててきます。このあたり、まるでブルータル・トゥルースの2ndみたいですね。まあ世界最速のナパーム・デスの次に世界最遅のカテドラルを結成したリー・ドリアンの例もあるように、エクストリーム・ミュージックの求道者にとっては、激速も重遅も共に魅力的な要素なんでしょうね。 まあ、大半の曲は短かめのグラインド/ファスト/ハードコアなので、気持ちよく聴けます。フィードバック・ノイズの後に曲が始まって、爆走して終わるってパターンが多いです。そこらへん、やっぱりジャムっててそのまんま曲にしてるみたいな感覚なんでしょうか。 一応本編21曲。であと、10数曲ボーナストラックがついてます。 特に目新しさがあるわけでもないですが、グラインドコアが好きな人は気に入ると思います。
1曲目のプレリュードのメロディを引き継いで始まる(2)「SOLDIER OF TIME」のあまりなクッサクサ加減にいきなり「ぐはぁっ!」とやられ、(3)「THE BRAVE AND THE STRONG」で赤面しつつ苦笑し、(4)「HEART OF STEEL」まで来たらもう「うっひぃ~、ままま参りました!」と降参するしかありません。アバのカヴァー曲「S.O.S.」はネオクラ様式メタルに変貌(こんなに合うなんて…)し、流れに見事に溶け込んでて度胆を抜かれるし、(7)「PRINCESS OF THE NIGHT」なんて悶絶のバラードは入ってるし……。 「最高だよあんたら、これだよ、このクサさこそがたまらんのじゃ~!」と思わず叫んでしまいそうな純度100%のクサメタルでございます。捨て曲などありません。前作のとっ散らかった印象はなく、最初から最後まで統一感があり外しません。(10)で終わってればちょうど良かったのにとも思いますが、(11)のショパンや、スーパートランプのカヴァー(12)も違和感は特にないです。2ndでここまでやれるのは素晴らしい。 ラプソディーぐらい大仰にやられるとなんか違っちゃうんですが、プレイング・マンティスや初期ノクターナル・ライツ級のメロメロさがあって、たまりません。演奏力や歌唱力はバッチリなので、必要以上にイモ臭かったりしないのがミソ。 メロディアス派のメタラーは買って損はないと思います。
なかなかバラエティ豊かなアルバムです。日本盤ボーナス・トラックこみで聴くと散漫すぎですが、それはおまけと割り切ればいいわけですから。カバー曲だし。 曲はネオ・クラシカルやメロスピ系のどこかで聴いたことがあるようなのばかりですが、ヴォーカルがパワフルな声で、しかも上手いのがポイントですね。 お気に入りはバラード(8)「LOST IN YOUR LOVE」とクッサクサなジャーマン風メタル(9)「POWER & GLORY」です。
初めて聴いたのがこの2ndでしたが、テクニカルでプログレ的なネオ・クラシカル・プレイが炸裂して、歌唱力抜群のヴォーカルが歌いあげるというその音楽性に衝撃を受けました。とにかくジョン・ウェストの歌の物凄さに圧倒されました。ミドルの力強さ、ハイトーンの伸びと安定感。ほんとにびっくりしました。JUDAS PRIESTファンなので、こういうのに弱いんですよね~。 特に(3)「VALLEY OF THE KINGS」なんて叙情的で大好きだったんですが…あとで1st聴いたら歌メロが一部1stの「THE KEY」の焼き直しっぽくて…他の曲もけっこう同じような感じで、メロディのバリエーションが少ないんだな~と。まあネオクラは似たような曲が多いのが常なんですけどね。しかし2ndの方が1stより勢いはあるし、緩急のつけかたも上手くて、ダレないで聴けます。超絶ハイトーン・シャウトもこっちの方が迫力あるし。 初めて聴いただけに思い入れもあって、好きなアルバムです。
'91年発表の企画盤です。カヴァー曲やライヴ音源、新曲や新ヴァージョンなんかをごった煮のようにぶち込んでいます。 お遊び的側面が強く、作品としての統一感なんてものは求めるだけ野暮ってもんですが、らしさはあります。 1曲目からS.O.D.の疾走曲「MILK」をカヴァーしているのが燃えます。この曲、ブラスト・ビートの存在を世に広げた曲としても有名らしいですね。さすがにS.O.D.ヴァージョンほどがむしゃらな突進力はないですが、長尺化していてじっくり楽しめます。 2曲目はパブリック・エネミー「BRING THE NOISE」のカヴァーというはちゃめちゃぶり。オリジナル曲とはノリがやっぱり違ってるのがいいですが、もちっとギターとかあると好み。ところでこの組み合わせ、ランD.M.C.のやったエアロの「WALK THIS WAY」と並んでHR/HMとラップ/ヒップホップの合体ものとしては有名ですよね。 まあ7曲目のオリジナルラップ曲「I'M THE MAN」なんて'87年から演ってたわけですが。そう考えるとアンスラックスはすごい進んでますね。このころだとレッチリとFAITH NO MOREくらいですか、こういうミクスチャー。 他もおふざけ脱力ソング(4)(12)とかベンチャーズのカヴァー(9)とか色々入ってて楽しいアルバムです。 まあ名盤じゃなく迷盤ですけど、アンスラックスの懐の深さが垣間見えて興味深い作品だと思います。
哀愁メロディー・メイカーとしてのアンディ・デリスがたっぷり堪能できます。 PC69ファンは文句なしに魅了されるでしょうが、HELLOWEENファンには物足りないかもしれません。(5)「THE KING OF 7 EYES」で一応フォローしてますが。 ポップなのもハードなのも暗~いのも暖かいのもそろってます。 歌詞含めて号泣ものの2曲、(3)「1000 YEARS AWAY」と(4)「GOOD BYE JENNY」があまりにも突き抜けていて他が埋もれてしまってるかも。みんないいメロディーなんですが。 (7)「SOMEWHERE,SOMEDAY,SOMEWAY」が切なくて好きです。 (12)「IN THE LIGHTS OF THE SKY」がラストでいきなりRAINBOWになるのは遊びでしょうか?