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うにぶさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 2101-2200

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うにぶさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 2101-2200

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GARY MOORE - Wild Frontier ★★ (2003-07-21 20:41:00)

ゲイリー・ムーアにもう一度この路線でやって欲しいとは思わないけれど、一番好きなアルバムはと言えばやはりこれ。驚異の完成度を誇る孤高の名盤です。
メロディの美しさは絶品で、ギターも泣きまくり。アイリッシュの哀愁のメロディは涙腺を刺激して已みません。
感情を揺さぶる魂の音楽。


JUDAS PRIEST - Live in London ★★ (2003-07-21 20:01:00)

『DEMOLITION』のツアーの時、ライヴで拳を振り上げながら、このツアーもライヴ盤になってくれたら嬉しいけど、前のツアーで出したから無理だよな~と思ってました。そしたらロンドン公演のDVDが発売、おまけみたいにCDも発売となり、むっちゃ嬉しかったです。
でもこれがリッパーの参加した最後の作品になるなんて(T-T)
リッパーの歌唱は相変わらず最高級。名曲もいっぱい。MCとかもうちょっと工夫しようよっては思いましたが、充分満足のいく出来です。これを出しておいてくれて良かったです。


JUDAS PRIEST - Demolition ★★ (2003-05-17 23:04:00)

JUDAS PRIESTの21世紀第1作目となる'01年発表の14thアルバム(通算17作目)です。
前作『JUGULATOR』同様ミドル・テンポのヘヴィ・リフ主体ながら、叙情性やメロディアスさも戻って来たってことでけっこう好評だけど、一方でボロクソに言われたりもしています。まあ昔のJUDAS PRIESTに戻って欲しいって人には駄作でしょうね。個人的にはこのアルバムもかなり気に入っています。
(3)「HELL IS HOME」はヴォーカル・ラインが実に魅力的で、叙情的な名曲。(5)「CLOSE TO YOU」と(11)「LOST AND FOUND」は今までのJUDAS PRIESTのバラードとはタイプが違うけど、切々と響いてきます。ハイトーンを駆使した技巧的な劇的バラードも良いけれど、感情のこもった素朴な感じの歌も素晴らしい。地味なようで実際には無茶苦茶難しい歌だとは思いますけどね。こんな声出せない~。(8)「IN BETWEEN」も激しくも哀感を感じさせる曲で、このアルバムって彼らにしてはバラード系の曲がずいぶん多いですね。
(9)「FEED ON ME」、(10)「SUBTERFUGE」はモダンな若手バンドの影響も見受けられるけれども、それをしっかり自分達流に咀嚼した見事な今風メタルで、聴いてて気持ち良いです。リズミカルな歌がさらに今どきっぽい(13)「METAL MESSIAH」までいくとずっこけそうになりますが、いやいや、面白い。タイトル含めてユーモラスで余裕を感じさせます。
アルバム全体で見るとちょっと似たような曲調(特にテンポの面で)が多いのと、曲数やイントロ、曲の長さが冗長さを感じさせる部分もあるのが少し痛いかな~。あの流れではドヨ~ンとした(12)「CYBERFACE」あたりでダレてしまいます。(1)「MACHINE MAN」は彼らの曲で最速なんて言われたけど、曲自体はそれほど疾走感ないし、もうそろそろ速い曲が聴きたくなってきます。今の曲調も大好きだけど、もっとメリハリが欲しい。でも(7)「BLOODSUCKERS」みたいに過去の焼き直しっぽい曲もあんまり増えて欲しくないなぁ。
あと前作に比べるとサウンドに迫力が欠けるのもちょっと残念。「MACHINE MAN」のイントロのドラムがもっと前に出てたらな~。
しかしとにかくこのアルバムは、ティムの声の新たな魅力の発掘、彼の個性と持ち味の追求に重点が置かれている感があって、そういった点でグレンの曲づくりの巧さはさすがの一言。完全にロブの幻影を吹き飛ばしました。これはリッパーのアルバム!って印象。
そのリッパーが曲づくりに参加した「WHAT'S MY NAME」(日本盤ボーナス曲)は、いかにも数年前のアメリカの若者が好みそうな感じで、決して名曲ではないのですが…どこかのサイトで言われてましたが、これ終った直後にブレイクなしで「THE RIPPER」が始まるという流れで想像して聴くと、いきなり最高にかっこよく思えたりして(^^;
何故か文句が多くなってしまったけれども、このアルバムも聴けば聴くほど素晴らしい出来。現在のJPが未だに成長、進歩を続ける驚異的なバンドであるということが伝わってきて、嬉しい限りです。


JUDAS PRIEST - Painkiller ★★ (2003-05-04 22:31:00)

'90年発表の12thアルバム(通算14作目)にして、ロブ・ハルフォード在籍時最後のアルバムです。こんな大傑作を残して脱退とは…まあおかげでティム・“リッパー"・オーウェンズという素晴らしいヴォーカリストが世に出たんだけど…後追いの身としては、ファンになった時ロブがもういなかったというのはショックだったなぁ。
『PAINKILLER』は個人的に今まで聴いた全ての音楽作品の中で、最も好きなアルバム。ついでには最も好きな曲は「PAINKILLER」です。
このアルバムに、曲に出会わなければ、JUDAS PRIESTというバンドを、ヘヴィ・メタルという音楽を、これほど好きにはならなかっただろうな~。
「PAINKILLER」は最初から最後まで、一瞬たりとも気に入らないところがないです。はっきり言ってメロディは変。良いメロディとか、そういう観点で言えば名曲とは言い難いと思います。でもそんなの関係ないし、知ったこっちゃない。こんなに興奮させてくれる曲は他にないのだから。そして何百回聴いても飽きるということがない。もー奇跡の超名曲です。
思い入れが強すぎて、1曲ごとに語っていくと長くなりすぎるから省きますが、捨て曲なし。最初から最後まで素晴らしいアルバムです。そりゃ全曲「PAINKILLER」級の名曲とは言いませんが、アルバムの構成としては文句なし。
サウンドづくり、歌、演奏のテンション、何もかもが素晴らしいです。聴く度に恍惚となってしまう、最高のヘヴィ・メタル。
ジャケや歌詞やタイトルがアホくさいのも、ここまでハイ・テンションだと逆に魅力に変わってしまう(笑)。
このアルバムはヘヴィ・メタルとは何かという問いに対する、明確にして不滅の答えのひとつです。
JUDAS PRIESTの作品中、最も疾走曲が多いので、速い曲が好きな人はまずこれから聴くといいと思います。
リマスター盤ボーナス曲「LIVING BAD DREAMS」は感動的な名曲(しかしロブがこんな歌詞で歌うとあまりに妖しい…)です。『PAINKILLER』という隙のないアルバムに入れる余地はないですが、未発表でいたのはあまりにもったいない。
「LETHER REBEL」(LIVE)は、出来はともかくレアなので嬉しいですね。


JUDAS PRIEST - Priest... Live! ★★ (2003-05-03 23:45:00)

『TURBO』発表後のツアーでの2回の公演から収録された、2作目のライヴ・アルバムです。'87年発表。
スリルや攻撃性という点ではあまりパッとしない内容で、『TURBO』が好きじゃなかった人には辛いかも。JUDAS PRIESTのポップで明るい側面が強く出ています。個人的にはこういう雰囲気も好き。ロックのライヴは楽しめるエンターテイメント・ショウであることも大事です。(ひたすらシリアスで激しいのもありだけど)
1曲目がいきなりゆったりとした「OUT IN THE COLD」から始まるという曲順も評判の悪いところ。でも決して悪いライヴ盤ではないです。かなりの高品質。演奏も歌も手直しはあるかもしれませんが、素晴らしいです。
「BREAKING THE LAW」はライヴ・ヴァージョンを聴いてしまうとスタジオ録音のはかったるくなっちゃうくらいだし、「FREEWHEEL BURNING」を始め、最近のライヴで聴けない曲が聴けるのも嬉しい。パイロ(?)の炸裂する音なんかも、今の日本のライヴでは経験できないから興奮します。
このアルバムでは「THE HELLION / ELECTRIC EYE」が「ELECTRIC EYE」とだけ表示されてますが、ちゃんと組曲になっています。あとリマスター前にあったロブと観客の掛け合い「SHOUT - OH YEAH!」も、リマスター盤では表示されてないけど、ちゃんと入っています。
リマスター盤ボーナス・トラックとして最後に「SCREAMING FOR VENGEANCE」「ROCK HARD, RIDE FREE」「HELL BENT FOR LEATHER」3曲が追加されています。本編と同じ時の公演から収録されたかは不明です。(たぶん別かな)
「SCREAMING~」のライヴ音源は実に貴重で、また出来も良いので、これ1曲だけのためにリマスター盤を買うのもありでしょう。しかし「ROCK~」はロブ苦しそう。


JUDAS PRIEST - Turbo ★★ (2003-05-03 00:34:00)

'86年発表の10枚目のスタジオ・アルバム(ライヴ盤含めば通算11作目)です。10枚目、結成15周年(ほんと?)を記念して、ポップなアルバムとヘヴィなアルバムの2枚組にしてファンのために1枚分の値段で発売しようとしたら、レコード会社に拒否されたらしいという話も。実現してたら素晴らしかっただろうに。プリーストって、稼ぎをライヴのセットに注ぎ込んだり、リマスターしても値段は安く抑えてリリースしたりと、ファンに対して常に気を使ってくれるバンドなんですよねー。(それだけにGullレーベルを苦々しく思っているっていうし)
このアルバムはギター・シンセサイザーの導入とか、メタル・マニア以外の一般層の取込みを狙ったポップな曲調といった部分で、問題作として扱われています。まあ確かにこういう作品でメタル・ゴッドとか言われてもなぁと思っちゃうのも仕方ないことでしょう。でもあまり激しいメタルが好きでない人が入門編にと聴くのには最適かも。曲は良いですからね。
あとこれが好きな人は『POINT OF ENTRY』も気に入るんじゃないかと思います。あれも問題作とされてますが。
みんなポップでキャッチーな秀曲(「OUT IN THE COLD」だけは荘厳な曲)なんですが、(1)「TURBO LOVER」は特に素晴らしいです。たぶんこの時代は打ち込みのビートを使ったダンス・ポップなんかが流行ってたと思うんですが、そういう音楽の要素をうまく消化して、面白いハード・ロック曲になっています。ダンスったって早いリズムじゃないんですが。
けっこうインダストリアル・ボディ・ミュージックなんかに通じるものもありますね。メロが良くてリズミカルだから、ポップス・ファン、ロック・ファン、あとクラブ・ミュージックとか聴いてる人にもそれぞれ訴えかけられる、広範な魅力を持った曲だと思います。
あとラストの(9)「RECKLESS」は…なんでこの人たち、こんな曲がつくれるんでしょう?
「TURBO LOVER」もジューダス・プリーストにとっては異色曲ですが、この曲もなんか突然変異的な曲です。どこに引き出しがあったのかわからない。メロディアスで隙のない名曲で、もしアメリカの若くてルックスの良いバンドがこんな曲をつくったら、当時絶対に大ブレイクしたはずってくらいの出来です。↑でYOSIさんが指摘されてますが、全然それまでのジューダス・プリーストっぽくないです。しかし極上のメロディアス・ハード。バンドの底知れぬ才能が恐ろしくなるような、凄い曲だと思います。
このアルバムで少し気になるのは、(2)「LOCKED IN」のギター・ソロで「ELECTRIC EYE」のリフみたいなフレーズがちょこっと入ったり、(4)「PARENTAL GUIDANCE」で最後に「YOU'VE GOT ANOTHER THING COMIN'」の歌詞が入れられたりといった、『SCREAMING FOR VENGEANCE』を連想させるお遊びみたいな部分です。アメリカや世界各国でのブレイクのきっかけになった作品だったから、ファンにちょっと楽しんでもらおうとしたんでしょうか。
リマスター盤ボーナスの「ALL FIRED UP」は、な~んか面白いですねぇ。これまた彼らにしては異質な感じ。名曲ってわけじゃなくて、どっちかと言えばB級っぽさがあるんですが、ちょっとコミカルで楽しいです。最近のRACER Xみたいな雰囲気。
「LOCKED IN」(LIVE)は、リマスター盤ボーナス・ライヴの中ではかなり上等です。


JUDAS PRIEST - Defenders of the Faith ★★ (2003-05-01 23:29:00)

前作の大成功を受け、さらに磨き抜かれた楽曲で黄金時代の絶頂期を迎えた'84年発表の9thアルバムです。邦題は『背徳の掟』。メタル様式美の究極形を示し、同時に実験的な作風にも挑戦。自らを“MASTER OF ALL METAL"と呼び、ヘヴィ・メタルの守護者たることを宣言したこの作品は、最高傑作の呼び名も高い驚異の完成度です。(個人的にも完成度は1番だと思いますが、好みで言えば4、5番目くらいかな)
まさしくヘヴィ・メタルの教科書。
(1)「FREEWHEEL BURNING」は攻撃性を前面に押し出した疾走曲で、かなり異色で強烈な曲。(2)「JAWBREAKER」、(3)「ROCK HARD RIDE FREE」、(4)「THE SENTINEL」はそれぞれヘヴィ・メタルの最高峰と言って過言ではない超名曲で、文句のつけようがありません。この冒頭4曲の隙のなさは信じ難いほどで、あまりに美しく、凄絶。リフ、ツイン・リード、歌、全てが完璧で、1音たりとも不必要なところがありません。
では最初の4曲以外はどうなのかと言うと、実は次の4曲もまた名曲だったりするのが恐ろしすぎ。(5)「LOVE BITES」はロブの妖しさ炸裂の、独特の雰囲気を持った曲。こんな曲を名曲にできるのは、グレン・ティプトンとK.K.ダウニングという奇跡的なコンビの才能あってこそ。(6)「EAT ME ALIVE」は獰猛さを持ちながらも小気味の良い疾走曲。威厳に満ちた(7)「SOME HEADS ARE GONNA ROLL」、荘厳で叙情的な(8)「NIGHT COMES DOWN」はいずれもメタル・ゴッドの貫禄を感じさせる重みのある曲。
で、最後に(9)「HEAVY DUTY」~(10)「DEFENDERS OF THE FAITH」という小粒な組曲で締められるわけですが、これが前の曲までの出来に比べるとさすがに落ちるので、捨て曲扱いされることが多いようです。でもこれはライヴ合唱用メタル・アンセムだし、重厚かつキャッチーで、悪い曲ではないんですよね。途中に入ったらアルバムぶち壊しですが、最後にまるでアンコールのように入っているのは納得できます。
メタル・マサ氏によるアルバム解説も、やっと報われたぜ、どうだ俺の眼に狂いはなかったろってな感じで自信に満ちあふれております。
リマスター前のアルバムは録音レベル(音量)が低く、そこに不満があった人も多かったと思いますが、リマスターで改善されています。
リマスター盤ボーナスのバラード「TURN ON YOUR LIGHT」は穏やかで美しい曲で、こんな良い曲を未発表にしていたなんて、もったいなさすぎ。なんて贅沢なバンドでしょう。
「HEAVY DUTY / DEFENDERS OF THE FAITH」(LIVE)は、聴いててちょっと辛い出来でした。レアな曲だけに、もっと良いヴァージョンを聴いてみたいです。


JUDAS PRIEST - British Steel ★★ (2003-04-24 21:45:00)

'80年発表の6thアルバムです。ヘヴィ・メタルという音楽を体現した歴史的名盤……という評価しか知らずにいましたが、YOSIさんのレヴューや「語れ!」での発言を読んで、実際には拒否反応の多い問題作だったらしいことを知りました。
シンプルでかっこいいと思っていたけれど、よくよく聴けば確かに異質ですね。NWOBHMの牽引役にもなったという評価を鵜呑みにしていましたが、NWOBHMで私の知っているバンドたちの作品とは、明らかに別物。KISSやAC/DCに通じるような、シンプルかつキャッチーなヘヴィ・リフ攻撃だけど、本当に独特。NWOBHMだけでなく、その後のHM作品を何百枚と聴いているのに、雰囲気の似た作品が思いつけないです。
やっぱり変なバンドだ(笑)。だいたい前作までも変わり続けていたとはいえ、この進化は一足飛びで飛躍しすぎ。
伊藤○則さんの相変わらず気恥ずかしいまでに熱い解説、バンドが変化し前進する姿勢を正当に評価する発言は、そのことを考えると驚くほど鋭い感性によっています。今現在はともかく、やっぱ凄いお人だったんですね。
リマスター盤は、それまでの日本盤と曲順が変わっていまして、(1)「BREAKING THE LAW」、(2)「RAPID FIRE」、(3)「METAL GODS」となっていたのが、「BREAKING THE LAW」が3曲目に入っています。たしか最初のイギリス盤がこの曲順だったんだったかな? 最初は違和感ありましたが、今はこっちの方がかっこいいかもと思っています。
シンプルなようでいて、バラエティ豊か、ゴツゴツと硬質でいて、親しみやすい曲がいっぱい。メタル・ゴッドの代表作にして歴史的な重要作です。リマスター盤の方が迫力が出ているので、そちらをおすすめします。(昔のは軽くスカスカに聴こえちゃうとこがあるので)
ただこのアルバムの曲って、ライヴで聴いちゃうとスタジオ・ヴァージョンは物足りなくなっちゃうんですよね~。しょうがないんだけど。
アートワークは高い評価を得ているようですが、個人的にはさっぱり良さがわからなかったり。これはかっこいいのだろうか…。
ボーナス・トラック「RED, WHITE AND BLUE」は愛国的な歌…ってことでイギリスの人には感動的かもしれません。おまけとして聴く分には悪くないです。
「GRINDER」(LIVE)の出来はやっぱりもうちょっと。


JUDAS PRIEST - Unleashed in the East: Live in Japan ★★ (2003-04-24 21:07:00)

『KILLING MACHINE』発表後の日本でのライヴを収めたアルバムです。'79年発表。初期の彼らを手っ取り早く知るためのベスト盤としても使えるでしょう(1stの曲がないけど)。DEEP PURPLEやCHEAP TRICKの作品と並ぶ、ライヴ・イン・ジャパンの傑作。
ロブが喉を痛めて歌を入れ直しているのは日本盤を買った人には周知の事実ですが、デヴィン・タウンゼントみたいに、「俺は彼らが修正してたことをエンジニアに聞いて知っている。俺は自分のライヴ盤を修正してることを隠したりしないよ」ってなことを言う人もいます(笑)。PRIESTも別に隠してないってばさー。
この作品、とにかく頭4曲の怒濤の突進力は凄まじいです。まさにHMへと転換していく瞬間のエネルギー。1曲目の「EXCITER」のかっこよさと言ったらありません。全曲そうですが、スタジオ・ヴァージョンが霞む出来。今のライヴみたいにいちいちMCで流れを分断せず、続けざまに畳み掛けるところが嬉しいですね。5曲目以降も名曲満載だし、まさに名盤。
バンドにとっても勝負作だったようで、このライヴ盤が高評価を得たことで、彼らの人気は決定的なものになった!……らしいです。後追いなのでわかりませんが。
リマスター盤ボーナスの曲は、以前から日本盤には収録されていたものなので、このアルバムだけお得感は薄いかも。リマスター前の音もそんなに悪くなかったし、どっち買ってもいいかな。でもJUDAS PRIESTの良心的なところは、リマスターした上にボーナス・トラック入れても、ファンのために定価を安いままにしていてくれてるところ。新品を買う分には、リマスター盤が良いですね。


JUDAS PRIEST - Killing Machine (Hell Bent for Leather) ★★ (2003-04-23 23:43:00)

前作までの「決して晴れることのない英国の空」的な翳りが薄れ、けっこう明るくロックするようになった'78年発表の5thアルバムです。↑の方々やバンド自身が言っている通り、多様性に富んでいて、バンドが前進しようとしている強い意志が感じられます。アルバムの解説を読むと、この時点ではずいぶん進歩的な作品でもあったみたいですね。今聴いてそう実感するのは難しいですが。
ある一定の音楽性に留まったJUDAS PRIESTを求める人には方向性の定まらない散漫な内容に感じられるかもしれません(私も最初はあんまり好きになれない曲が多かったです)。でもよく聴くと実はバランスが良くて、それまでにないような曲もしっかり消化して演ってる印象があります。最初は「HELL BENT FOR LEATHER」と「RUNNING WILD」ぐらいしか好きじゃなくて、ミドルテンポ主体、ロブの歌も中音域主体でハイトーンもあまりなしというこのアルバムはつまらないと思っていましたが、このごろになって全曲良いじゃんと思うようになりました。
ところでバラードの「BEFORE THE DONE」って、初めて聴いた時からイントロがゴダイゴの「ガンダーラ」みたいだなって思ってたんですが、他にそんな人はいらっしゃいますか?(汗)
このアルバムも伊藤○則氏の解説の熱いことと言ったらもう…。「墓場に持っていくアルバム」みたいな表現がメタラーに多いのって、このライナーの影響でしょうか?
リマスター盤ボーナス「FIGHT FOR YOUR LIFE」は、一部が『DEFENDERS OF THE FAITH』収録の名曲「ROCK HARD, RIDE FREE」の元になった曲で、彼らが何をどう変えて曲を完成させたのかが窺えて興味深いです。(もちろん後に完成した曲の方が数段良い出来)
「RIDING ON THE WIND」(LIVE)は、これもロブの声が苦しそうだけど、リマスター・シリーズに入ってるボーナス・ライヴの中ではましな方です。


JUDAS PRIEST - Stained Class ★★ (2003-04-22 00:08:00)

'78年発表の4thアルバムです。初めて買ったPRIESTのアルバムで、たしかメタルに手を出した初めてのアルバムでした。でもここではまだハード・ロックかな。HM黎明期の作品って感じかも。なぜ買ったかというと、中古で安く見かけて、バンド名に聞き覚えがあって(マンガの影響でした…)、ジャケがなんとなくかっこよさげだったからかな。
後のスピード・メタルに多大な影響を与えたであろう疾走曲「EXCITER」、名バラードと名高いドラマティックな「BEYOND THE REALMS OF DEATH」が入ってるだけでも買いです。後にとんでもない言い掛かりをつけられて裁判沙汰に巻き込まれたカヴァー曲「BETTER BY YOU, BETTER THAN ME」も収録。その他の曲はあんまり話題にされないことが多いんですが、全曲出来が良いです。
しかしこのアルバムと同じ雰囲気を持つ作品を他に知りません。本当に独自の雰囲気を持ったアルバムです。歌詞も曲調もPRIESTらしいと言えばらしいんですが、やっぱりどこか他のアルバムとは異質の感触があります。音づくりが独特なせいでしょうか。サウンドがこのアルバムだけちょっと違うんですよね。音がひどいとか、ギターのヒャカヒャカした音色が間抜けとか言われますが、個人的には気になりません。まあ典型的なメタル・サウンドを全く知らない時に初めて聴いて、そういうもんだとすんなり受け止めたせいもあるかもしれませんが。味があって好きなんですよね、この音。
それにしてもここで聴けるロブの声ってほんとに個性的。面白いな~。
リマスター盤ボーナスの「FIRE BURNS BELOW」はつくりかけだったようで、完全ではないんですが、7分近い叙情的な曲で、なかなか美しいメロディが聴けます。特にギターは絶品!
「BETTER BY YOU, BETTER THAN ME」(LIVE)は、ちょっとロブの声がヨレヨレで厳しいです。
あと作品自体には関係ありませんが、このアルバムは解説が超豪華。大貫憲章、東郷かおる子、伊藤政則というビッグな3氏によるライナーノーツ。今だったらギャラいくらでしょう?(笑)
特にマサ様の解説の熱いこと熱いこと……感動的ですよ。


JUDAS PRIEST - Sin After Sin ★★ (2003-04-21 23:06:00)

邦題『背信の門』。これまた初期の名盤の呼び名も高い3rdアルバムです。ってゆーかこの後『BRITISH STEEL』まではみんな名作と呼ばれてる気も…(名作だらけのバンドなんですよね)。ともかく完成度の高いHRアルバムです。ジャケの荘厳な雰囲気に合った、宗教的な重さを感じさせる曲ばかり。
このあたりから徐々にHMに通じる攻撃性が顔を出してきています。それが顕著なのが冒頭の「SINNER」です。後追いの私はベスト盤で彼らにはまったのですが、「PAINKILLER」などの猛烈HMソングにも負けない迫力のこの曲が、はるか昔の'77年のアルバムに入っていたと知って驚愕しました。そうそう、後でアルバムを買って、音のショボさにまた愕然としたりも(笑)。リマスター盤では改善されて迫力が出ています。
リマスター盤と言えば、私の持っているリマスター以前のCDでは、本来(5)「LET US PRAY / CALL FOR THE PRIEST」、(6)「RAW DEAL」のはずがなぜか(5)「LET US PRAY」、(6)「CALL FOR THE PRIEST / RAW DEAL」となっていました。(5)で「Call for the priest~」って歌っているのに何故?と長らく思っていたんですが、ミスプリントだったんですかね。アートワークの色合いもリマスター盤の方が良いし、買うならリマスター盤ですね。
ボーナス・トラック「RACE WITH THE DEVIL」は初期のジャムからのものらしいですが、イントロはともかく中身は軽快なHRナンバーで、アルバム本編に入れたらやっぱり浮いちゃう曲です。でもリフが印象的で、キャッチーな佳曲です。『KILLING MACHINE』あたりになら入ってても良かったんじゃないかな~。
もうひとつのボーナス曲「JAWBREAKER」(LIVE)はあんまり良い出来のライヴではないですね。まあおまけということで。


JUDAS PRIEST - Sad Wings of Destiny ★★ (2003-04-20 23:23:00)

初期の名盤と名高い'76年発表の2ndアルバムです。邦題『運命の翼』。叙情的でドラマティックなブリティッシュ・ハード・ロック。
しかし…どうやってこんな曲をつくれるんだろうと思うような奇妙な曲が多いですね。↑でも皆さんに言われてますが。
「VICTIM OF CHANGES」のメロディや展開って全然普通じゃないし、「THE RIPPER」のリフはなんかもうヤバいです。ゾクゾクします。ロブの歌も妖し過ぎ。「ISLAND OF DOMINATION」の素頓狂な叫びも病んでるなぁ…。1回聴いただけで好きになる人っているんでしょうか、この作品。
まあ美しい「DREAMER DECEIVER」(声高い~!)や「EPITAPH」、普通にかっこいい「TYRANT」「GENOCIDE」といった曲はとっつきやすいと思いますが。
たぶん聴いてみて「これのどこが名盤なの?」って思う人も多いと思いますが、慣れてくると病みつきになっちゃったりするんですよね。
やっぱり昔からずっと、面白いバンドです。


JUDAS PRIEST - Rocka Rolla ★★ (2003-04-20 23:03:00)

メタルの神と呼ばれるジューダス・プリーストの、記念すべき1stアルバムです。音楽性はと言えば'74年発表ということを考えに入れてもいささか古臭いくらいのブリティッシュ・ハード・ロックです。メタル・バンドとしてのプリーストを求めて聴くと違和感が大きいことでしょう。
湿った陰鬱な雰囲気はまさしく英国風味。しかしかなり泥臭く、あまり洗練されていません。一番若い時の作品なのに、一番渋くて若さがないような気が……。ロブ・ハルフォードも深みのある声で人生に疲れたような歌詞を歌ってたり。なんかドアーズでも聴いてる気分になってきちゃいます。
しかし曲自体は全然悪くありません。なかなかドラマティックで、リフやソロも味があり、完成度は高いです。捨て曲も特に思いつかないですね。「RUN OF THE MILL」「DYING TO MEET YOU」といった曲は貫禄すら感じさせる荘厳な曲です。味わい深い。曲順の流れも非常にこだわっているようで、組曲っぽい流れもあります。
ブラック・サバスやジミヘンなんかの影響もチラホラありますが、「○○のフォロワー」って感じではなく、一応独自性は出ていると思います。まあ'70年代の音楽にそんなに詳しいわけじゃないですが、少なくともサバスともクィーンともパープルともツェッペリンとも微妙に違っています。でもブリティッシュHRど真ん中。その手の音が好きな人は楽しめると思います。しかし普通のメタル耳には厳しいと思うので、マニア向けかも。
ジャケのデザインやロゴがアレですが、まあそこは目をつぶってあげましょう(笑)
1st、2ndとも、ビクター盤を買うと音が良いので、そちらをおすすめします。ちょっと曲が抜けても構わないという人は、2枚を編集した『ヒーロー、ヒーロー』なんかを買ってもいいでしょう。
しかしGullレーベルの商売の仕方はひどいですよね…。


ANTHRAX - Spreading the Disease - Gung-Ho ★★★ (2003-04-20 18:42:25)

この曲がなかったら、ANTHRAXというバンドにあんまり魅力を覚えなかったかもしれないってくらい、個人的に重要な曲です。
いかれた爆走っぷりが素晴らしいです。SLAYERをも凌ぐような、とんでもない疾走感。スラッシュ・メタルの理想形のひとつだと思います。
バカっぽい明るい雰囲気が、他のスラッシュ四天王とは違ってて良いんですよね~。


ANNIHILATOR - Alice in Hell - Human Insecticide (2003-04-20 18:32:21)

笑っちゃうくらい凄まじいです。こんな速いリフを刻んで、腕は無事なんでしょうか。
リフのとんでもなさだけでもスラッシュ・メタル史上に残る曲です。


ANGRA - Holy Land - Carolina IV ★★★ (2003-04-20 18:25:53)

かなり独特で、それまで聴いたことのないような曲。メロディも美しいし、リズム、曲展開が面白く、何度聴いても新鮮です。個人的にANGRAで一番好きな曲です。


FRETBLANKET - Junkfuel ★★ (2003-04-16 01:41:00)

'94年発表の1stアルバム。イギリスのバンドみたいです。メンバー写真は長髪ですが、あんまりメタラーって感じでもないです。
音楽的にはグランジのノイジーさのあるサウンドで、パンク風味がちょっとある元気でキャッチーな、しかし哀愁たっぷりのロックです。パワーポップとかギターポップとかも言われるかな。スケーターズ・ロックとしても扱われていたかも。
なんか全曲クオリティ高くて、捨て曲がまったくないです。1回聴いただけで好きになっちゃうくらいにメロディが良いのに、1曲ごとにちゃんと個性があり、アレンジもしっかりしてて、繰り返し聴いても飽きません。
ザ・ワイルドハーツとソウル・アサイラムを足して2で割ったような感じと言えば良いでしょうか。なんかオアシスやニルヴァーナとも比較されてたみたいです。
ザラついた声質のヴォーカルも、哀愁度の高い歌い方で、個人的にツボ。
B!誌だったら大野さんあたりに聴かせれば絶賛するんじゃなかろうか、と思うようなタイプの音楽です。


FREAK KITCHEN - Dead Soul Men ★★ (2003-04-16 00:41:00)

相変わらずポップでキャッチーかつ変態的で複雑怪奇な摩訶不思議音楽です。この4thは前作以上にヘヴィで勢いがあり、とっつきやすいと思います。
しかし相変わらず歌詞は毒があるなぁ…。ポール・ギルバートはネガティヴなこと歌っててもどことなくユーモアで包んでくれるけど、マティアスってユーモラスなんだろうけど陰湿な感じがする…。
プレイ面だけでなく曲づくりのセンス含めてもっと評価されてしかるべきバンドだし、独自性があって面白くて、貴重なバンドです。


FREAK KITCHEN - Freak Kitchen ★★ (2003-04-16 00:27:00)

超絶ギタリスト、マティアス・“イア"・エクルンド率いる3ピース・バンドの3rdアルバムです。
マティアス・エクルンドはフランク・ザッパに影響を受けたらしく、スティーヴ・ヴァイみたいな変態的なテクニカル・プレイやイングヴェイばりの速弾きまでなんでもオッケーなギタリストです。歌もなかなかのもの。
フリーク・キッチンでは、ポール・ギルバートなみのポップ・センス発揮した、ひねくれハード・ポップ・ロックをやっています。歌メロはむちゃくちゃキャッチーだけど、リズムやソロはかなり変わってます。3人組ということで、ディジー・ミズ・リジーなんかも思い出されます。面白いですよ~。
しかし歌詞がブラックで……これさえなきゃなぁ……。


FIREHOUSE - Firehouse 3 ★★ (2003-04-16 00:08:00)

良質のアメリカン・ハード・ロックの詰まった好盤です。心地良いグルーヴとキャッチーなメロディがたっぷり。
優しさの感じられる音楽で、あまり激しさはありませんが、味があって良いです。


FIGHT - A Small Deadly Space ★★ (2003-04-15 23:53:00)

グランジ/オルタナっぽくドヨ~ンとした曲が増えてかったるくなった、みたいな言われ方をして、どうも不評な2ndアルバムです。結局ラスト・アルバムになっちゃいました。
個人的には1stより好きです。1stではどうも型にはまった感じで、面白味に欠けた楽器陣の演奏が、このアルバムでは有機的に絡んで、よりバンドらしく説得力を持ってきている気がします。
楽曲も幅の広さと深みを増し、演奏、歌、ともに感情がこめられて、胸に響いてきます。
疾走感やハイトーン・ヴォーカルを求めると物足りないかもしれませんが、重さ、破壊力は1stにも劣っていないと思います。ロブの魅力はヒステリックなシャウトだけでなく、中低音域の深みのある声にもあるのです。このアルバムでの歌唱の表現力の豊かさは、PRIESTで歌っていた時以上ではないでしょうか。
かなりダークな質感で、内省的な雰囲気の強い作品であり、とっつきやすくはないかもしれませんが、実に味わい深い逸品です。


FIGHT - War of Words ★★ (2003-04-15 23:24:00)

JUDAS PRIESTを脱退したロブ・ハルフォード率いるバンドの、'93年発表の1stアルバムです。
若い! ロブの声はJUDAS PRIESTのデビュー当時よりも若くなってる気さえします。うーん、やっぱりメタル・モンスターですね、この人。よくまあこの年齢でこんな激しく歌えるなぁと、感心してしまいます。(そしてHALFORDのライヴ盤でさらにぶっ飛ぶと…化け物かあんた!)
当時のモダンな要素を取り入れ、無駄な部分を削ぎ落とした、まさしく鋼の音楽。単調なようでいて、けっこうバラエティ豊かな内容なのもさすが。
何より重要なのは、JUDAS PRIESTとはタイプの違う音楽だということ(ちょっと似たフレーズは出てくるけど)。脱退してまで似たようなことやってたら意味ありませんからね。この挑戦の姿勢が良いです。その点HALFORDの1stにはガックリしちゃいましたから…。
歌詞やアートワークも、PRIEST時代のコテコテなある種のダサさが消えて、研ぎ澄まされ洗練されています。
ギターのリフやソロにもうちょっとひねりが欲しい気もしますが、切れ味は鋭いし勢いがあるからいいかな。ロブの声が入るだけで、個性的になるし。
メロディアスさよりヘヴィネス重視なので、そういうのが好きでない人におすすめはしませんが、これぞリアル・ヘヴィ・メタル!
全曲良いとは言いませんが、なかなかのアルバムです。


FEAR FACTORY - Digimortal ★★ (2003-04-14 00:04:00)

4thアルバム(通算6作目?)にしてラスト・アルバム。解散しちゃいました。
前作で人間味がある曲、親しみやすいグルーヴの曲が受けたらしく、そういう曲ばっかりになってるんですが…なんかみんな同じに聴こえてしまいます。注意して聴けばそりゃ違うんですが、色が同じというか、ことさらに耳を捕らえる曲がなくて、流してぼんやり聴いてしまうんですよね。突き抜けた曲も見当たらないですねー。あともうちょっと新鮮味も欲しかった。
このアルバムのコンセプトも彼ららしくて、機械と人類の進化や死を扱った興味深い内容なんですが、もうちょっと曲が頭に残ってくれないとな~。
悪くはないし、彼らならではの作品ですが、ちょっと好みじゃないですね、このアルバム。


FEAR FACTORY - Obsolete ★★ (2003-04-13 23:46:00)

進化型メタル・バンドの3rdアルバムです。(バンド自身はリミックス盤も数えて5作目と考えてるかも)
ストーリー・アルバムになっていますが、これまでの作品は全部統一したコンセプトの下につくられてるらしいですね。科学の進歩がもたらす危機とか、人間の進化、未来の姿とかそんな感じでしょうか。
このアルバムのストーリーは『ブレード・ランナー』『ターミネイター』的な退廃的未来観と言いますか、機械に支配された文明と、それに抵抗する人間との戦いみたいな、SF映画によくあるタイプの話になっています。体制側に追われる主人公《エッジクラッシャー》の絶望的な戦い…とか書くと陳腐ですが、音楽性には合っているし、なかなか凝っていて完成度は高いです。歌詞の他に場面説明なんかも記載されていて、映画の脚本っぽくつくりこまれています。『マトリックス』みたいな映画が好きな人にはたまんないと思いますね。
作曲面でも新機軸を見せてくれていて、前作までの無慈悲な機械的激烈音楽はもちろん、人間的な感情を感じさせる曲も収録されています。特に(5)「DESCENT」は攻撃性と叙情性の融合具合が抜群で、彼らのセンスに脱帽です。静謐な雰囲気の(10)「TIMELESSNESS」は神々しささえ感じるほどに美しく、バートン・C・ベルのヴォーカリストとしての成長に舌を巻きました。(しかし元ネタはゲイリー・ニューマンの曲って噂もあったかも)
コンセプトのストーリーを求めた結果なんでしょうけど、楽曲の幅が広がったことで、より1曲1曲が印象的になり、最後までダレることがありません。
停滞することなく進化を求めたプログレッシヴな精神性が活き、より深みを増しながらもFEAR FACTORYにしかつくり得ない音楽であり、当然このアルバムも名盤です。


FAITH NO MORE - Album of the Year ★★ (2003-04-13 22:52:00)

'97年発表、たぶん5thアルバムです。人を食ったようなアルバム・タイトルと、和やかそうなジャケの表の写真がお茶目。
これで中身がハチャメチャにぶっ飛んでいれば最高ですが、けっこう大人しいかな。もちろん今作も幅広く一筋縄ではいかない雑食ロックなんですが。
しかし相変わらずマイク・パットンのヴォーカルは変幻自在。ジョナサン・デイヴィスやチノ・モレノ、サージ・タンキアンみたいな色々な表情を持ったヴォーカルが、今は評価高いですが、マイク・パットンの表現の幅っていうのはやっぱり桁違いなんでしょうね。みんな飲み込んでる。彼の前衛的なソロやプロジェクトは未聴ですが、これ聴いただけでも伝わってきます。


FAIR WARNING - Go! ★★ (2003-04-12 00:34:00)

解散して早くも伝説と化した彼らの、名盤と名高い3rdアルバムです。特に1~4曲目は名曲ということになっています。
しかし悪くはないんですが、最初聴いた時、個人的には1~4曲目まで特にどうということもない曲が続き、5曲目のイントロでちょっと「おっ?」と思ったけど後はまた普通で、ラストの曲はけっこう良いかなってぐらいの印象でした。演奏や歌唱のクオリティは認めるし、メロディアスだとは思いますが。
当時B!誌のレヴューにおいて「これ聴いて駄目ならメロディに対する感受性がないんだからラップやデスメタルでも聴いてなさい」みたいなことが言われてまして、純真な読者だった(いや今でも愛読者ですが)私は、ここまで言われるんだから良い作品に違いない、いつか素晴らしいと思えるんじゃないかと、30回以上は聴いたんですが、結局第一印象から感想は変わらず。
デスメタルやラップも好きだけど、メロディアス・ハードも産業ロックも、ポップスだって大好きなんですけどね。メロディに対する感受性はしっかりあります。単に私の感性には合わなかっただけの話。
その時学んだのは、あるバンドをほめる時に「このバンドを聴いて好きになれない奴は××だ」などと他人の価値観を否定するようなことを言う人がいるけれど、それは結局のところ単なる暴論であって気にする必要はないということでした。
ちなみに1stも2ndもちゃんと買ったし、4thも友人の買ったのを聴いたんですが…やっぱり「悪くないね」くらいの印象でした。ボン・ジョヴィとかは好きなのにな~。なんでだろう?


EUROPE - Best Of Europe(1990) ★★ (2003-04-12 00:06:00)

私が持ってるのは古い方のベスト盤です。有名曲はきっちり入ってるし、お得です。
印象的で良いメロディの曲いっぱいありますね~。


EXTREME - Extreme II: Pornograffitti ★★ (2003-04-12 00:01:00)

前作の1stはほとんど心に残る曲がなかったんですが、これは素晴らしいですね。
このグルーヴ、躍動感、ノリノリで最高!
ヌーノのギターも良いですけど、総合的にみんな良いです。
楽曲もバラエティ豊かだけど散漫になってなくて、ダレずに聴けます。コンセプト・アルバムだっていうのは知りませんでした。歌詞読んでもわかりませんね~。でも↑という内容のコンセプトなら、なるほどと思えます。


EUROPE - Wings of Tomorrow ★★ (2003-04-08 23:11:00)

いかにもメタルなジャケに、ついニンマリしてしまいます。曲のタイトルもそれっぽいですがJUDAS PRIESTが好きだったんでしょうか。
この2ndアルバムはコンパクトな佳曲、名曲が満載で、流れも良いし、気持ち良く聴けます。歌メロは哀愁もキャッチーさもあり、ギターはかっこいいし、言うことなしです。
アーク・エネミーがカヴァーした疾走曲「SCREAM OF ANGER」も入ってるし、感動的なバラード「DREAMER」なんかも入ってて、ポップさとヘヴィ・メタルとしての切れ味のバランスが良いですね。
悪いところの見当たらない傑作です。


EMERSON, LAKE & PALMER - Brain Salad Surgery ★★ (2003-04-08 22:44:00)

まずH・R・ギーガーの手によるアートワークのインパクト!
そのジャケのアートワークとも関わるギリシア神話や、ウィリアム・ブレイクの神話、「タルカス」等の過去の曲と関連した歌詞。トレード・マークのマンティコアの復活。当時最先端のモーグ・シンセサイザーの大幅な導入(正直これだけは古臭く安っぽく聴こえてしまう部分もあり)。
…といった仕掛け、小道具だけでもう、クラッときちゃいますね。この大袈裟さ、総合的アートとしての作品のつくりこみ具合がたまらなくプログレです。
純粋に楽曲だけ見るともう5作目ということもあり、先に一通り初期の作品群を聴いた後では免疫ができてしまって、あまり新鮮味がなかったりもしますが…そこは聴く順番によりますからね。たぶん最初に聴いてたらこれを一番好きになってたかもしれません。んー、でもやっぱり「悪の教典#9」よりは「タルカス」が好みか。
ともかくこれもトータルで完成度が高く、魅力的な作品です。


CRYPTOPSY - None So Vile ★★ (2003-04-08 12:47:00)

>アメンボさん
お、お師匠様ですか…(笑)
でも10歳近く年齢が離れてるみたいなんですが、私がアメンボさんの年頃には、聴いてる中で一番激しい音楽がB'zでしたから(^^;
CRYPTOPSYなんてあの頃に聴いたら、理解不能でビビリますよ~。逆に私がお師匠様と呼びたくなります(笑)


EMERSON, LAKE & PALMER - Trilogy ★★ (2003-04-06 00:18:00)

この4thアルバムはジャケのアートワークがどうも見てて恥ずかしくて好きになれませんでした(笑)。
でも曲は粒がそろっています。前3作が大作曲を含む派手さがあったのに、このアルバムは小粒という印象はあるかもしれませんが、1~3曲目、つまり「永遠の謎」パート1、2とその間に挟まれたインスト「フーガ」を組曲と見れば、冒頭から10分を越える大作です。まあ前作までの組曲は20分以上あるからそれでも小粒かもしれませんが…。
あと(7)「トリロジー」と(9)「奈落のボレロ」の8分以上だって、普通のバンドにしたら大作ですよね、充分。
20分もある曲なんてとても聴く気力がないっていう人は、このアルバムから聴くのがいいかもしれません。EL&Pの魅力はしっかり詰まっています。
叙情性豊かなのも良いですね。


ERIC JOHNSON - Venus Isle ★★ (2003-04-05 23:48:00)

ジョー・サトリアーニ、スティーヴ・ヴァイという超絶ギタリストたちと共にG3としてツアーを行ったことでHM/HRファンにも名が知れているであろうエリック・ジョンソンの3rdアルバムです。
「ポスト・ジミ・ヘンドリックス」の異名をとってたりするらしいですが、ジミヘンとは全然違いますので、御注意を。ギターによる表現の力をもってそう言われてるらしいです。
この人の特徴はギターの音色や響きの作り方でしょうか。透明感があり、光を感じさせる美しさです。夢見るような音楽。メタルとは全然違いますね。
これ見よがしなテクニカルさよりメロディを大切にしていて、都会的な洗練されたセンスが目立っています。特に歌入りの曲はAORって感じで、ソフトで落ち着いた雰囲気があります。声も綺麗で、(5)「LONELY IN THE NIGHT」なんかは素晴らしいポップ・ソングのバラード。
(8)「SONG FOR LYNETTE」はエリックのピアノがまた実に繊細かつ叙情的で、総合的な音楽クリエイターとしての素晴らしさが垣間見えます。
激しさはないし、ちょっと眠くなっちゃうかもしれませんが、美しい音楽が好きなら買いです。少しMARILLION(フィッシュ脱退後)なんかを連想しちゃいました。


ELEGY - Supremacy ★★ (2003-04-05 01:02:00)

この2ndは、1stよりも幅が広がって、さらに完成度が高くなっていると思います。1曲の中での表情の変化が多彩で、楽しめます。
より叙情性が増し、特にギター(ソロは大体ヘンクが弾いてる?)はテクニックだけでなく感情表現力も磨いてきたって感じですね。
エドワード・ホヴィンガのヴォーカルもすごいハイトーンなんですが、たまにひっくりかえるところは好き嫌い別れるかも。でも音楽性には合ってて良いと思います。
テクニカルなギターとハイトーン・ヴォーカルが入ったメロディアス・メタルが好きな人なら気に入ると思います。疾走曲は少ないですが。


EMPEROR - Prometheus: The Discipline of Fire & Demise ★★ (2003-04-05 00:30:00)

ブラック・メタルの帝王の、ラストとなる4thアルバムですが……なんですか、この素晴らしい完成度は。
いやもう、美しい。邪悪とかなんとか関係ない、芸術的な作品です。
歌詞の題材も人類に火と文化をもたらしたプロメテウスとかで(それに限定されてはいないし、色々な意味にとれますが)、少なくとも「サタン万歳!」とか「キリストを殺せ!」とかじゃないので、ブラック・メタルのそういうイメージを敬遠している人でも大丈夫です。
シンフォニックでドラマティックなメタル(少し激烈度が高いですが…)を求めている人にはおすすめです。


EMPEROR - Emperial Live Ceremony ★★ (2003-04-05 00:16:00)

音が良いし、演奏も凄くて、迫力満点のライヴ盤です。
ただひとつの不満は、なぜか曲がいきなりフェイド・アウトで終ってしまうこと。


EMPEROR - IX Equilibrium ★★ (2003-04-04 22:41:00)

邦題は『闇の黙示録』。彼らの人気を決定づけたと言っていい3rdアルバムです。
かなりドラマティックで美しい楽曲がそろっていて、「ブラック・メタルの帝王」の名に尻込みして聴かずにいる人でも、CRADLE OF FILTHあたりが大丈夫なら充分聴けると思います。
楽曲には邪悪さよりも荘厳さが強く出ていて、シンセサイザーでシンフォニックなアレンジがされています。ヴォーカルもただわめいているだけでなく、ところどころ歌っています。2バス踏みっぱなしでブラストビートも激速とはいえ、ドラムがそんなに前面に出ないサウンド・プロダクションなので、あまり圧迫感はありません。
元メンバーが殺人で逮捕されてたり、メンバーが教会への放火や破壊活動での前科を持っているという点は、もちろん憂慮すべきことであり、肯定などとてもできません。
ただこのアルバム発表時にはメンバーも罪をつぐない、犯罪行為ではなく、音楽の創造という建設的な方向に情熱を注いでいるようなので、純粋に芸術としての作品を楽しむべきでしょう。
ブラック・メタルを演っても、聴いても、常識と法は守りましょうね。


ELEGY - Labyrinth of Dreams ★★ (2003-04-04 01:09:00)

オランダのメタル・バンドの1stアルバムです。このころはヴォーカルがハイ・トーンなこともあってQUEENSRYCHEと比較されたりしますが、ネオ・クラシカル的なテクニカル・ギターと複雑な曲展開、ジャーマン・パワー・メタルっぽい曲調も組み合わさった音楽性は、やはり独自のものです。
今じゃネオクラ+プログレ・メタル+パワー・メタルみたいなバンドはごろごろいますが、レコーディングした'92年当時はけっこう斬新だったんじゃないでしょうか。
ところで元のアートワークが幻想的で美しいのに、なんで日本盤オリジナル・ジャケットはわざわざあんなつまらないものに???


E.L.O. - Discovery ★★ (2003-04-04 00:00:00)

ELECTRIC LIGHT ORCHESTRAの大ヒット・アルバムです。
プログレ的要素を持った産業ロック・バンドで、BOSTONやASIA、KANSAS、TOTO、QUEENなんかが好きな人なら気に入ると思います。
シンセやストリングスを使った華やかでシンフォニックなアレンジが良い味を出しています。
ソフトなサウンドなので激しさという面では物足りないかもしれませんが、メロディアスで洗練されていて、美しい楽曲がそろっています。


EMERSON, LAKE & PALMER - Tarkus ★★ (2003-04-03 22:59:00)

2ndアルバムです。
とにかく1曲目の組曲「タルカス」が最高! この曲があるだけでもう名盤です。
20分以上の長さなのに、1音余さず好きです、この曲。メロディにしてもリズムにしても独特で、初めて聴いてすぐさま気に入る人はそうそういないのではないかと思われますが、それだけに1回ツボにはまるともう逃れられない、強力な磁力を持った曲です。EL&Pのオリジナル曲としては、これが1番好き。
その「タルカス」のインパクトがあまりにも強烈なため、その他の曲(長くても4分程度)はどうしても霞んでしまいますし、それぞれタイプが違ってアルバム全体での散漫さは否めませんが、1曲1曲は悪くないです。A面とB面ということで分けて考えれば、別々に楽しめてお得かも。


EMERSON, LAKE & PALMER - Emerson, Lake & Palmer ★★ (2003-04-03 00:50:00)

プログレの大御所バンド、“エマーソン、レイク&パーマー"の1stアルバムです。
私はもう、彼らの2ndと3rdが好きで好きでたまらないんですが、この1枚目も素晴らしい出来です。
(1)「未開人」の緊張感あふれる演奏、続く(2)「石をとれ」でグレッグ・レイクの哀愁の英国ヴォイスが歌い出した瞬間の、鳥肌の立つような感動ときたら…。でまた、キース・エマーソンのピアノが美しいんですよね。12分を越える曲ですが、もっともっと聴いていたくなります。
a)クローソー、b)ラキシス、c)アトロポスの3パートに分かれた荘厳な組曲(4)「運命の3人の女神」はもう、タイトルだけで幻惑されます。FSSの影響で気になったってのもありますが…。キース・エマーソンの独壇場となるこの組曲の中では、ラキシス、アトロポス、クローソーの順で好きです。
(5)「タンク」はエネルギッシュなジャズ・ロックといった感じでかっこいいし、人気曲(6)「ラッキー・マン」のシンプルなメロディながらしみじみと訴えかけてくる歌も良いなぁ。
アートワークも異次元を飛翔するかのような、神秘的な白い鳥の絵が美しいです。裏ジャケはちょっと不気味ですが…。


ELECTRIC WIZARD - Come My Fanatics... ★★ (2003-04-03 00:03:00)

イギリスの激重ドゥーム・バンド、エレクトリック・ウィザードの2ndアルバムです。タイトルからしていかにもですね。
「やらなくてもトリップできるドラッグ…、それが俺たちさ」なんて帯に書かれていますが、たしかにトリップできます。スローな反復リフを聴いていると次第に恍惚となってきて……
どこからどう聴いてもドゥーム・メタルという、遅い、重い、妖しい音楽です。ここまでやってくれると、嬉しくなりますね。


EBONY LAKE - On the Eve of the Grimly Inventive ★★ (2003-04-02 23:01:00)

いやー、変態です、こいつら。無理矢理すぎ(笑)。
基本的にはシンフォニック・ブラックなんですが…その他の要素が大量に含まれていて、これはジャンル分けとかが無意味ですね。あえて言うなら、前衛音楽ということになります。
ゴシック、プログレ、ジャズ(アバンギャルドな方)、ロック・オペラ、クラシックなんかが複雑に入り混じっています。
変拍子、不協和音、叫び、悲鳴、朗読、ブラスト・ビートに不穏なピアノ、シンフォニックなシンセ、常軌を逸した曲展開…狂気が吹き荒れる混沌とした世界です。
クラシカルではあるんですが、美旋律とかそういうのは期待しないで下さい。アバンギャルドなエクストリーム・ミュージックを求めている人、やりすぎな音楽を笑って受け入れられる人にはおすすめです。THE 3RD AND THE MORTALなんか好きな人は気に入るかも。
歌詞も耽美的で古色蒼然としており、難解かつ芝居がかっていて、目眩を誘います。とても訳詞を見て原文にあたろうなどとは思えません。
アートワークはなんかウィリアム・ブレイクっぽいですが、どうなんでしょう。妖しくてぴったりです。裏ジャケのナルシーな写真は趣味悪いですが…(せっかくメンバーに美女がいるんだから、そっちにしてよ)。


DREAM THEATER - Awake ★★ (2003-04-01 23:21:00)

ダークでヘヴィ、荒々しく、前作「IMAGES AND WORDS」のような甘いメロディもほとんどないということで、けっこう不評な3rdアルバムです。
でもまあこの暗い雰囲気もこれはこれで悪くはないです。荒々しく歌ってもジェイムス・ラブリエの声じゃ迫力に欠けるなぁっても思いますが、演奏の方は重々しくてかなりの音圧。
安易に前作の路線を繰り返さなかったのはいいことです。
個人的にこのアルバムで特に印象に残る曲はケヴィン・ムーアの曲で、やはりケヴィンのいるDREAM THEATERが好きだな~。
それにしてもDREAM THEATERの曲って、歌詞が暗いのばっかりですね。


DREAM THEATER - A Change of Seasons ★★ (2003-04-01 23:05:00)

20分を越える組曲「A CHANGE OF SEASONS」はなかなかの出来。
以前からあった曲のようなので、どこまで当時新加入のデレク・シェリニアンが曲づくりに関わっているかはわかりませんが、この曲でのキーボードのメロディはけっこう好み。
残りは全部カヴァー曲なので、正直何度も繰り返して聴こうとは思いません。どうもお遊び的なことをやってても彼らの演奏は堅くて、いまひとつ楽しく感じないんですよねー。


DEF LEPPARD - On Through the Night ★★ (2003-04-01 21:55:00)

平均年齢17歳、NWOBHMの新星として華々しく登場した彼らの1stアルバム。まあ彼らはこの1stの時からHMというよりはHRですね。
いま聴くとアメリカのHRとかLAメタルっぽいごく普通のキャッチーなHRなんですけど、発表当時は個性的で新しい音だったりしたんでしょうか?
若々しいコンパクトなロック・ナンバーばかりで(ラストの「OVERTURE」なんかはブリティッシュHRの重みがある長尺曲ですが)、楽しく聴けます。


DIZZY MIZZ LIZZY - One Guitar, One Bass and a Drummer That's Really All It Takes: Live in Japan ★★ (2003-04-01 21:41:00)

1st発表後の、大阪でのショウケース・ライヴを収めたミニ・ライヴ盤です。本編が6曲約30分、ボーナス・トラックに2nd収録の「BACK-BONE-BEAT」(これもライヴ)が入ってます。
ライヴならではの要素をちょこちょこ入れた3人の演奏はかっこいーです。
それにしてもリズム隊のセンスの良さは実に光ってます。グルーヴが気持ち良い。ほんっとライヴ向きのバンドだな~。


DEF LEPPARD - High 'n' Dry ★★ (2003-03-31 01:09:00)

1stよりも楽曲がかっこよくなっていて、またアメリカ的でポップなのは相変わらずですが、なかなかハードにロックしています。
哀愁曲(4)「BRINGIN' ON THE HEARTBREAK」が際立って素晴らしいですが、(5)「SWITCH 625」も3分程度のインストながら秀逸な出来。その他の曲もそれぞれキャッチーで、なかなかの作品です。
ただジャケが好みじゃないので、そこだけ気に入らない。


DYING FETUS - Destroy the Opposition ★★ (2003-03-31 00:44:00)

日本盤デビューとなる4thアルバムです。帯に「デス・メタル、ニュースクール・ハード・コアとグラインド・コアの究極のブレンド」なんて書いてありますが、たしかにハード・コアっぽさもあるブルータル・デス・メタルです。
テクニカルで、色々楽しいことやってます。展開も多く、複雑。おどろおどろしい雰囲気より、冷徹に攻撃性を追求したような音づくりです。でもヴォーカルは激重デス・ヴォイス。
このバンドは歌詞がシリアスです。社会に満ちた欺瞞、偽善、腐敗に対する怒りが爆発しています。視点の持って行き方が相当に知的です。(1)「PRAISE THE LORD (OPIUM OF THE MASSES)」の「イスラム教徒を殺すユダヤ教徒、ユダヤ教徒を殺すキリスト教徒/終らない循環、そして全てが敗者」なんて歌詞は、今まさに世界的に問われている問題。
ただ単に過激な言葉を並べ立てたり、闇雲に権威に反抗するような子供っぽさはありません。目的がはっきりしている感があり、対訳の載った日本盤の購入をお薦めします。私自身、全てに共感を覚えているわけではありませんが、語るに足りることを歌っていると思います。なぜブルータルな音楽をやるのかという必然性もそこに浮かび上がっていて、非常にリアル。


DREAM THEATER - Images and Words ★★ (2003-03-29 00:55:00)

彼らのアルバムの中では迷うことなく1番好きなアルバムです。演奏技術とかを抜きにしても、メロディの良さだけでもう充分に魅力的。
複雑であるのに複雑さを感じさせない、1曲が長いのに長さを感じさせないという作曲/アレンジ能力の素晴らしさ。超絶的演奏力と表現力豊かなヴォーカル、幻想的で言葉の響き(もちろん原詞の方)も良い歌詞(曲調からイメージするよりかなり暗い内容ですが…)、アルバム構成、曲順のバランスの良さ…どこを褒めて良いかわからないくらいの名作です。超名盤。
捨て曲どころか1フレーズ、1音も悪いところがない(あえて言えば1曲目のぶつ切れの終わり方が少し気になるけど、あれも緊張感の演出や、2曲目とのつなぎ方として有効)驚異の完成度。
アートワークもちょっと安っぽさはありますが、幻想的な感じでなかなか。
全曲良いのですが、特に(7)「WAIT FOR SLEEP」の美しさには、いつ聴いても涙があふれそうになります。この曲をつくったケヴィン・ムーアの感性の素晴らしさ、そしてこの時のラブリエの声、感情表現の魅力的なこと……。
(8)「LEARNING TO LIVE」も大好きなんですが、「WAIT FOR SLEEP」の余韻にいつまでも浸っていたいのに、最後の音をかきけして始まってしまうのが憎たらしいです。あ、そこがこのアルバムの唯一の欠点か(笑)。
キーボードがケヴィン・ムーア以外になってからは、あんまり音づくりとかメロディが好きじゃないんですよねー。このメンバーでこの作品をつくってくれた奇跡に感謝したいです。
ああ、それにしてもなんて美しい音楽なんでしょう……。


DOUBLE-DEALER - Deride at the Top ★★ (2003-03-29 00:39:00)

音がこもっているせいで、損をしていると思います。かなりエネルギーが削がれてます。
音楽性はまあヨーロッパの様式メタルに少しアメリカっぽいのも混ぜた感じの正統派なメタル。暑苦しい声(歌い方もねっとりしてる)は好き嫌いが別れるところでしょうか。個人的にはさほど抵抗はありません。
音質を抜きにして聴けば、なかなかの出来です。
ただ、B!誌の編集長が常軌を逸したくらいのベタぼめで、1stは100点だのこの2ndは98点だの言ってますけど、そこまでかと言えば、全然そんなことはないです。もちろんそこは個人の好みの問題もありますけどね。
ごくごく普通のメタル作品。ヴォーカルもギターも良いですが言われるほど凄いとも天才だとも思いません。日本人じゃなかったらこんなに持ち上げて評価されないのでは?
曲だけなら私も80点以上つけますが、正直そんなに個性的でもないし、名盤とまでは思いません。音も悪いし。
思うんですが、このアルバムの出来でB!誌みたいにあれだけ褒めちぎってたら、彼らが本当に傑作をつくった時に困っちゃうんじゃないでしょうか。それともCONCERT MOONみたいに、「あの時はあれだけ褒めたけど、今だから言うが実はあの時はまだまだ不満があった」みたいに言うんでしょうか? 今じゃCONCERT MOONの前任ヴォーカルはひどい言われようですよね。
誠実にそのバンドを応援するなら、むやみやたらに賞賛するんじゃなくて、問題点も隠さずその時に追求すべきだと思うのですが…。それを知って聴くのと、高い評価に期待ばかり大きくして聴くのでは、印象がかなり違いますから。どんなにすごいアルバムなんだろう!ってワクワクして聴いて拍子抜けした人も多いんじゃないでしょうか。
ポテンシャルはあるし、DOUBLE DEALERはまだまだこれからのバンドだと思います。


DOMINION - Interface ★★ (2003-03-26 23:58:00)

'96年発表の1stアルバムです。
骨太のヘヴィ・リフに、モロにIRON MAIDEN風のメロディック・リフとツイン・リード・ギター。デス声一歩手前のディープ・ヴォイスと哀愁の女性ヴォーカルがからみ合うという、個性派ブリティッシュ・メタルです。英国ならではの、昼なお暗い、分厚い雲に覆われた翳りの世界。
今でこそゴシック/メロデス系のバンドで女声+デス声は常套手段と化して、珍しくもなんともないですが、この時点ではまだ斬新な手法でした。この手にありがちなソプラノじゃないところがいいんですよね。この憂いを帯びた歌声はかなりツボ。そえものじゃなくて、しっかり女声が目立ってるのが嬉しい。
B!誌のブライテスト・ホープ部門でも健闘してたし、けっこういいとこいくかな~と思ってたら、いつの間にか話題にものぼらなくなりました。
全曲良いとは言いませんが、ゴシックともメロデスとも一線を画した音楽性は今でも新鮮で、特にIRON MAIDENが好きならツボにはまると思います。(ちょっとヤバいくらい似てるフレーズとか出てきますが)


DIZZY MIZZ LIZZY - Rotator ★★ (2003-03-26 01:11:00)

ハードな音で、つっかかりながら転がっていく楽曲がまさにロックンロール。でもなんて個性的。素敵なバンドです。
勢いは前作以上、楽曲の質も粒ぞろいで前作を凌いでいます。良い曲をピックアップしようとしたら、みんな良くて選べないくらい。このバンドがなぜ「GLORY」ばかりで評価されているのかがわかりません。
全曲にフックがあって、演奏もかっこいい。リフにしろリズムにしろ多彩で耳を引く要素たっぷり。歌メロもoasisあたりにだって負けてないです。
2ndで解散なんてもったいない。あんまり個性的すぎたのかな~。
ひねくれポップロック好きなら是非。でもけっこうヘヴィで激しいので、メタル耳にも心地良いはず。


DIMMU BORGIR - Spiritual Black Dimensions ★★ (2003-03-26 00:35:00)

4thアルバムです。前作『ENTHRONE DARKNESS TRIUMPHANT』をよりダイナミックにした感じで、勢いが良くていいです。
アレンジ能力も進歩してより楽曲が印象的になっています。まあ私はデス/ブラックに関しては曲単位であまり区別しないので、やっぱり1曲ごとの判別はつかなかったりするんですが。
対訳も前回と同じ人ですが、普通の日本語になってて、こっちの方がいいな。
ところで音楽と関係ないですが、この時点でキンバリー・ゴスは名が知れていなかったようで、解説で「彼」と言われているのが妙に笑えました。


DEF LEPPARD - Euphoria ★★ (2003-03-26 00:11:00)

いきなりアップテンポ・ナンバーの「DEMOLITIO MAN」が明る~く弾けて、その時点で勝負ありです。
続く(2)「PROMISES」の爽快感で吹っ飛ばされて、(3)「BACK IN YOUR FACE」で、デフ・レパードのロックの虜。優しいラヴ・バラード(4)「GOODBYE」(別れの歌じゃないところがまた良いなぁ)の空気にひたったところで、もう名盤決定。
吹っ切れたようなポジティヴな空気が素晴らしいです。前作『SLANG』だって悪い作品じゃないし、あれの後だからこそこの作品が輝いているんですよね。『ADRENALIZE』のすぐ後じゃ、似たような作風で飽きちゃっただろうし。


DOKKEN - Beast From the East ★★ (2003-03-24 02:10:00)

DOKKENのベスト盤代わりという感じで聴いてました。スタジオ盤はもっと歌がうまいかなと思ってベスト盤も買ったら、そんなことも特になかったです。そして結局まだ普通のアルバムを買っていなかったり…。
なかなか良いメロディの曲が多いバンドだなとは思います。


DIZZY MIZZ LIZZY - Dizzy Mizz Lizzy ★★ (2003-03-24 01:48:00)

ビートルズが大好きで、'70年代ハード・ロックも聴いて育った人たちが、グランジ/オルタナ通過後のロックをやってるという印象です。
ティム・クリスティンセンのメロディ・センスは極上で、メロディだけ評価してもかなり良いバンドですが、このバンドの独自性を際立たせてるのは弾むリズムとうねるグルーヴです。つっかかり感が絶妙のアクセントになってるんですよね~。
ストーン・ローゼスなんかもグルーヴとビートルズ的メロディが売りですが、タイプが違います。こっちの方がストレートな躍動感があってエネルギッシュ。
ジャズの影響を受けたハードロック/プログレが好きだったんじゃないでしょうか、このリズム隊。バイオグラフィーにツェッペリンやジミヘンの名前もあがってるけど、そっちの影響も言われてみれば…。
この1st、「GLORY」ばかりとりあげられますが、実はあの曲、そんなに名曲と思えたことがないです。他に良い曲いっぱいあるし。1曲選ぶならバラード「SILVERFLAME」が頭ひとつ抜けて名曲かなと思いますが、捨て曲も特に浮かびません。
普通のHR/HMとはだいぶタイプが違う本当に個性的なバンドなので、好き嫌いは分かれるでしょうが、面白いバンドなのでおすすめしたいですね。アルバム2枚で解散しちゃったのが残念。


DISTURBED - The Sickness ★★ (2003-03-24 01:14:00)

今どきのニュー・メタルなんぞと呼ばれる(本人達は嫌ってる呼び方?)一派の中でも特にメタル寄りということで評価の高いバンドの1stです。
うーん、最近よくあるタイプのど真ん中って感じで、あまり興奮するものがないです。ミドルテンポの硬質なリフにリズミカルなヴォーカル、粘りのある強靱なグルーヴ。悪くはないですが、正直なかなか各曲の区別がつきません。
KORNやリンキン・パークは好き(まあ音楽スタイルそのものが違いますが)なんですけどね。なんでだろう。たぶん押しと引きというか、いきなり爆発するような弾けた部分がなく、テンションの振幅が狭いせいかな。
でもクオリティは確かに高いし、こういう音楽って繰り返し聴いてるとはまるんですよね。


DISASSOCIATE - Symbols Signals and Noise ★★ (2003-03-24 00:56:00)

アメリカのごった煮ハードコア系バンドの2ndフルです。これもカオティック・ハードコアって言うのかな?
色々ごっちゃになってます。グラインドコア/デスメタルの要素が強く、ヴォーカルは濁声で、ブラストビートも多用されています。後はインダストリアル/ノイズ/テクノ的な音も。(15)「blood in my eyes pt.2」なんてブレイクビーツ/ドラムンベースにデス声という変態ぶり…。
ただサウンド・プロダクションのせいか迫力が足りないのが残念。色々混ぜたって言っても、ブルータル・トゥルースやディリンジャー・エスケイプ・プランみたいにぶち切れたテンションじゃないし。
まあそれなりに面白いです。日本盤は本編15曲にボーナスで本編より曲数の多いライヴが収録されててお得です。


DIO - Holy Diver ★★ (2003-03-24 00:49:00)

DIOの1stであるこのアルバム、ライナーノーツの影響や、ギタリストの格から今ひとつに思われがちかもしれませんが、決してRAINBOWやBLACK SABBATHでのディオ参加作品に負けていないと思います。個人的に捨て曲もなし。
最初から最後まで素晴らしいハード・ロック・アルバムです。熱いなー、この歌。
強いて言えば欠点はアートワークかな(笑)


DEVIN TOWNSEND (STRAPPING YOUNG LAD) - Infinity ★★ (2003-03-22 23:39:00)

当時のデヴィン・タウンゼントが全てを注ぎ込んでつくったらしい意欲作。
デヴィンは確かにサウンドづくりにかけては本当に独自で凄まじいまでの才能を感じるし、演奏力歌唱力はずば抜けていて、まさに鬼才、天才というに相応しいアーティストだとは思います。
ただ個性的で聴いてて面白いんですけど、楽曲そのものの魅力とか、メロディの良さやリフのかっこよさとかに関しては、ほとんど響いてくるものがないなというのが、正直なところ。あまり好みではないです。
(2)「CHRISTEEN」はキャッチーですが、これはTHE WILDHEARTSのジンジャーとの共作ですから…。
あとは(8)「DYNAMICS」くらいでしょうか、歌メロがいいなと思える曲。
そんなわけで、このアルバムも全体的な雰囲気や音の面白さを楽しんでいます。なかなか物悲しく、またタイトル通りに無限へと広がるようなスケールの大きさも感じられます。
好きになったらとことんのめりこみそう。


DEVIN TOWNSEND (STRAPPING YOUNG LAD) - Biomech ★★ (2003-03-22 23:28:00)

鬼才デヴィン・タウンゼントによる《OCEAN MACHINE》名義でのアルバム。S.Y.L.の激烈サウンドと比較すると、いきなりメロディアスでびっくりします。まあ、『infinity』以降の作品を聴いた後では普通なんですが。
しかしデヴィンのアルバムはいつも何曲かは良いのが入ってるんですが、大半は単に雰囲気ものだなって思っちゃうんですよね。メロディ・メイカーとしてはいまいち。
このアルバムでは(2)「LIFE」は好きです。
まあ、彼の場合はサウンドづくりの面白さが聴きどころなわけで、それでもいいんですが。ファンタジックな音世界は興味深いです。


DEPARTURE - DEPARTURE ★★ (2003-03-22 23:22:00)

アメリカのハード・ポップ・バンドの1stアルバムです。
適度にハードエッジなギター、きらびやかなキーボード、爽やかなコーラス、ほんのり哀愁を帯びたキャッチーなメロディという、いかにもなタイプ。
アメリカ的な、晴れ渡った空に吸い込まれていくような爽快感もあり。
全曲いい出来で、かなりの高品質。特に(8)「ALL SO EASY」の歌メロは印象的で気に入ってます。
ヴォーカルが伸びやかなハイトーンで、線が細いということもなく、暑苦しくもないので気持ち良く聴けます。
ちょっとストラトヴァリウスっぽいジャケもなかなか綺麗でいいです。


DEFTONES - Around the Fur ★★ (2003-03-22 01:32:00)

このバンドをHM/HRに入れるかどうかは難しいところですが、KORNやTOOLがHM/HRのとこに入ってるから同系統なのでいいかなと。ヘヴィでハードなのは確かだし。
上記2バンドと同じように、90年代(後半)に流行った、ジャンル分けの難しい一連のヘヴィ・バンドのひとつです。
様々な音楽性が混ざり合い、渾然一体となって放たれています。重くうねり、時に弾み、深く沈みこむようでいて、いきなり弾ける。
ヴォーカルもメロディアスに歌い、妖しく囁き、激昂したように叫び、苦悩をさらけだすかのような声で訴えかけます。
全体的にダークで、聴いてて痛々しいほどに、哀しい歌です。でも美しい。


DEFLESHED - Fast Forward ★★ (2003-03-22 01:04:00)

うーん、爽快!
最初から最後まで疾走しまくりのデスラッシュです。速い曲が好きな人で、メロディアスでなく、ギターソロもない音楽でもおっけーな人は聴いて損はないです。
日本盤ボーナスにライヴが7曲収録されてますので、日本盤を買うのがお得です。


DEF LEPPARD - Slang ★★ (2003-03-22 00:54:00)

なんかグランジ/オルタナに毒されたみたいな言い方で、駄作扱いのアルバムですが、相変わらず良いメロディがたっぷり。このアルバムは哀愁度が大幅アップという印象です。
どうも哀愁のメロディがたっぷりと評判のメロディアス・ハードロックを聴くと、ただ単にさわやかなだけという印象のものが多く、あまり哀しい感じには思えないことがあります。逆に暗い、メロディアスじゃない、つまんないと言われる作品には良質の哀メロを感じられたり。曲から感じる哀愁の尺度っていうのは、やはり人それぞれなんですよね。
他のデフ・レパードの作品を聴いて、ポップで明るくていまいちと感じた人には、このアルバムが合うかもしれません。


DEF LEPPARD - Hysteria ★★ (2003-03-22 00:45:00)

恐ろしいほどの完成度。ポップでメロディアスなハード・ロックがぎっしりつまっています。初めて聴いた時から気持ち良く聴けます(速さや激しさを求めると外れかも)が、何度聴いても楽しめるだけの深みもあります。
名盤です。


DEEPRED - Prophetic Luster ★★ (2003-03-21 01:41:00)

実に爽快な(?)デスメタルです。どこのバンドだろう。なんかレーベルの連絡先みたいなのにスロヴァキアって書いてあるなぁ。
SUFFOCATIONタイプのブルータル・デスメタルと聞き、中古の輸入盤でゲットしたんですが…。
私はSUFFOCATIONが好きなので、たぶん好みに合うだろうなと思っていましたが、まさしく。
疾走感も抜群で、テクニカルで、クオリティ高いです。ポンポンポンポン展開していく楽曲が聴いてて飽きがこなくて嬉しいです。ギターリフ、ドラムがバリエーション豊富でいいなぁ。
なんとなく乾いてあっさりした印象もありますが、余計なこと考えずに気持ち良く聴けます。
あ、フィンランドのバンドなんですか。ハゲさん、ありがとうございます。


DEEP PURPLE - Deep Purple in Rock ★★ (2003-03-21 00:51:00)

'70年代のDEEP PURPLEとかLED ZEPPELINみたいなハード・ロック・バンドの曲って、メロディがいいとか構築された曲の形全体がいいとか、そういう聴き方をした時に名曲と言えるかどうかが疑問な時があります。
曲の構成もぶち壊しそうなギリギリのバランスで噴き出すエネルギー、メンバーたちの激しい激突の緊張感を楽しむのが醍醐味っていう面が大きいのではないかと。って、これは別にオリジナルな意見でもなんでもなくて、よく言われてることだと思いますが。
そういう観点から言うと、このアルバムは名曲揃い。超ド迫力な演奏(歌唱も)が目白押しです。ライヴ盤聴いてるみたい。
1曲目の「SPEED KING」なんて、曲のビートはそんなでもないだろうに、スラッシュ/デスメタル以上に疾走感とエネルギーを感じる時があります。まさに曲名の通り。


DEEP PURPLE - Burn ★★ (2003-03-21 00:26:00)

超名曲「BURN」が入ってるし、当然これも名盤です。ただ良い曲はそろってますが、「BURN」みたいな曲は他にないんですけどね。なんか1曲だけ浮いてるんじゃ…。この1曲だけ、あまりに完璧に構築されているんですよね~。
でもDEEP PURPLEの本来の魅力って、他の楽曲のわりかし自由な、遊びのある構成の方にあるような気がします。でも、どっちもおいしいので問題なし。


DEEP PURPLE - Machine Head ★★ (2003-03-18 23:56:00)

HR/HMファンにとっては、とりあえず基本ですね、このアルバム。まあ「ハイウェイ・スター」と「スモーク・オン・ザ・ウォーター」は聴いておくべきでしょう。
なかなか和めて楽しいアルバムかも。


DEEDS OF FLESH - Mark of the Legion ★★ (2003-03-18 23:46:00)

ブルータル・デスメタルです。本当にブルータル。
ブルデスはけっこう好きな方なのに、普段は聴いてて吐き気してきたりします。これはやばいです。
負の方向に感情が向かっている時にはいいです。ドス黒い攻撃衝動を解消するために聴きます。
鬼のようなブラスト・ビート、圧縮重低音が凄まじいリフ、地を這うような(いや既に潜ってる)デス声。
超速激重轟音圧殺音楽デス。
けっこうテクニカル・ブルータル・デスって、ある種さわやかなスポーツ的印象もあって、真直ぐに人間の限界へ挑むような清々しさ(?)を感じるんですが…こいつらにはそれより邪悪な雰囲気が強い気が…。
でもこんな音楽が必要な日もあるんです。
平和のためにデスメタルを。


DEATH FILE - HANG MYSELF ★★ (2003-03-18 23:22:00)

日本のデスメタル・バンドの1stフルです。って、アルバムはこれ1枚だけで解散しちゃったんですよね、たしか。
ヴォーカルの湯浅氏が現在UNITEDに加入してるってことで、今はそっち方面で名前が出ることが多いですね。あとは千葉の柏市出身ってことでヌンチャクとの関係がよく話題になってたような。
デスメタルと書きましたが、なかなか独特な感じなので、単純にデスメタルとか○○っぽいとか言えないような音楽性でもあります。
でもデス/グラインド好きは聴いて損はないと思います。めちゃくちゃクオリティ高いと思います。
速くて重くてブルータルで、単純にかっこいい!
外国のどの一流バンドと比べても全然聴き劣りしません。これを日本の20歳前後のバンドがやってたなんて…すごい。
音づくりも独特で、好きだなあ、こういう音。尖ってるけど、深みがある。ちょっと湿った感じがあって、情感が感じられます。でもヘヴィさは全く損なわれていない。ヴォーカルもちょっとHELLCHILDのヴォーカルに近いような、感情のこもったデス声。こういうデス声、なかなかいません。


DEATH - Human ★★ (2003-03-18 23:16:00)

このアルバムでも独特のDEATHワールドが構築されています。何か不思議なバンド。
リフ、リズム、メロディ、声、サウンドの質感、雰囲気、どれをとっても魅力的。なんて素晴らしいアルバム。
ドラムめちゃくちゃかっこいいです。ドラムだけ聴いててもうっとり。
とても美しい音楽だと思います。傑作。
実に個性的なので、言葉でどんなに説明しても、実際聴いてみないとわからない音楽だと思います。
いちおー表現すると、テクニカル・スラッシュ的デスメタルの叙情的なやつ、ということになりますか。


DEATH - Symbolic ★★ (2003-03-17 01:34:00)

テクニカルで複雑で、激しいのに、ギターにしろヴォーカルにしろ、何故かとても哀しい感じがします。メロディアスな曲ではもちろんですが、メロディアスとはとても言えないようなパートでも、音自体に悲哀がこもっているかのよう。本当に独特の音を出していたバンドだと思います。
デスメタルの非人間的なところが嫌という人にも、生身の苦悩に満ちたようなこの音楽は響くんじゃないでしょうか。
チャックのヴォーカルって、普通のデス声よりちょっとハードコアっぽいかも。
DEATHはこのアルバムで初めて聴きましたが、いやー独特でかっこいいです。どの曲も印象的で、完成度が高いです。
ところでDEATHって、デスメタルの入り口には最適かもしれませんね。メロディアスなところはメロデス好きな人に、テクニカルなところはメシュガーやシニックが好きな人に、そしてスラッシュ好きにはもちろんスラッシュメタルの延長線上にあるデスメタルということで、自然にアピールできそう。
でも個性的だから、これがデスメタルって思うと何かが違うのかな?
でもデスメタルという言葉自体がDEATHのやってる音楽を表すためにつくられたなんて説もあったような…?


DAVE MENIKETTI - Meniketti ★★ (2003-03-17 01:03:00)

前作の後で聴くと、あの泣き叫び、すがりついてくるような濃いエモーションの爆発はほとんど感じられず、意外に落ち着いた印象を受けます。
しかし良質のメロディアス・ハードロック(もちろんブルーズがベースの)ではありますし、前作より洗練された感じで、こっちの方がとっつきやすいかもしれません。
そしてじっくり聴いてみると…うん、やっぱりこれも濃いです。そして相変わらず情熱的。
歌詞の違いに顕著ですが、『ON THE BLUE SIDE』がそれこそブルーな気持ちを絞り出すように吐き出していたのに対し、今作には暖かいポジティヴな気持ちがこもった曲が多いので、あの哭泣するような表現方法をとらなかっただけなのでしょう。
まあ、普通にこれだけ聴けば、このアルバムは泣きまくりの楽曲ばかりなんですけどね。(そして一般的には前作の方が地味?…私の感性がずれてるのかな?)
とにかくデイヴ・メニケッティ、素晴らしい歌い手であり、ギタリストです。いつかライヴでも聴いてみたい。(風邪ひいてない時に!)


DAVID LEE ROTH - Eat 'Em and Smile ★★ (2003-03-16 00:33:00)

デイヴィッド・リー・ロスという希代のロック・スターが、バックにスティーヴ・ヴァイ、ビリー・シーン、グレッグ・ビソネットという凄腕ミュージシャンを従えてつくりあげた大傑作です。
ジャケットの馬鹿らしさからして最高♪
デイヴのエネルギッシュな歌唱と緊張感あふれる(しかし遊び心もある)楽器陣の絡みだけでも魅力的ですが、何より曲が良いです。2~3分の明るくきらびやかな曲ばかりですが、それぞれ個性的で、曲中に各メンバーの見せ場がしっかりあって、聴いてて飽きません。
スピード・ナンバー「SHY BOY」と「ELEPHANT GUN」はもう、かっこよすぎます。「SHY BOY」はTALASよりMR.BIGより、このヴァージョンが最高だと思います。こりゃVAN HALENにも負けていませんね。
たまに顔を出す哀愁は邪魔に感じるし、あんまり好きじゃない曲もありますが、このアルバムにはロックを聴く楽しみがぎっしり。聴いてて嬉しくなる好盤です。


DAVE MENIKETTI - On the Blue Side ★★ (2003-03-15 23:51:00)

Y&Tのデイヴ・メニケッティの1stソロ・アルバムです…と言っても、2ndは「MENIKETTI」名義でよりバンドとしての色合いを強めているわけですが。
ラジオで1曲(確かアルバム1曲目の「MAN'S WORLD」だった)聴いた時、あまりの感動に一気に体温が上昇するような気分を味わい、すぐさま購入を決意しました。
熱い! なんだこの情熱的なギターと気合いの入った歌は!? こんな熱い漢がいたなんて!!!
買ってみると、いやもうこれは素晴らしい。泣きのブルーズ・ロックと言えばゲイリー・ムーアですが、彼に匹敵する、いや下手するとゲイリーすら凌駕しそうな勢いじゃないですか。一部では人間国宝指定が、移動してたりしますもんね(笑)。
まあ明るめの曲や、ゆったりしたグルーヴの心地よさに浸るようなタイプの曲は、ちょっと退屈に感じられるかもしれないので、全曲お薦めとは言い難いですが、むせび泣くバラードだけでも、1曲につきアルバム1枚分くらいの価値はある気がします。
(1)「MAN'S WORLD」はジェームス・ブラウンの「IT'S A MAN'S,MAN'S,MAN'S WORLD」のカヴァーですが、元曲も悶絶のバラードですけど、このメニケッティ・ヴァージョンを聴いてしまったら、さすがに霞んでしまいます。熱い熱い熱いソウル、パッション……ただただ感動です。
「TAKE IT LIKE A MAN」「LONE ME A DIME」も凄絶なまでに心揺さぶるバラードですし、ギター・インスト「SAY GOODBYE」「UNTIL THE NEXT TIME」の美しさときたら……。
ブルーズとはいえ、なぜか明るい曲調の歌まで歌詞がブルーなのはちょっと厳しいけれど、他の曲もそれぞれパワフルだったり味わい深かったり、実に素晴らしいアルバムです。
次作『MENIKETTI』の方がHM/HRファンにはとっつきやすいと思いますが、ブルーズはちょっと苦手という人も、バラードがお好きならこれは聴いて損はないと思います。ゲイリー・ムーアの『BALLADS & BLUES』なんかが気に入った人なら、是非これも!


DARK TRANQUILLITY - The Mind's I ★★ (2003-03-15 23:07:00)

前作『THE GALLERY』に勝るとも劣らない素晴らしい作品…なのに何故か地味な扱いを受けている3rdアルバムです。この差は「PUNISH MY HEAVEN」の有無なんでしょうね。でもクオリティは全然負けていないです。
相変わらず慟哭のメロディが乱舞するメロデスで、基本路線は前作の延長線上。うーん、素晴らしい。
でもこの2枚でもうこの路線は充分。この次も同じだったら飽きちゃうので、次作『PROJECTOR』がメランコリックなメロディを活かしたゴシック・メタル路線になったのも、個人的には正解だったと思います。あれも高品質だったし。
ところで日本盤ボーナス・トラックに1曲、無茶苦茶浮いてる曲があります。ラストの(15)「ARCHETYPE」なんですが、何とハードなテクノ曲。これがホントのデステクノ!!(笑/いや、あるんですよ、デステクノっていうのが…)
最高にかっこいいです、これ。私はこれ1曲のためにアルバム買っても後悔しないかも。
誰のアイディアなのかな~。サイド・プロジェクトでメンバーにアルバム1枚丸ごとこの路線でつくってほしい。密かに出してたりしないんでしょうか?


DARK TRANQUILLITY - The Gallery ★★ (2003-03-14 03:01:00)

メロデスの名曲と言えば、このアルバム1曲目、「PUNISH MY HEAVEN」と、IN FLAMESの「STAND ABRAZE」がよく並び称されますが、私は(IN FLAMESは好きだけど)後者がそんなに名曲とは思えなくて…でも「PUNISH MY HEAVEN」は素晴らしい曲だと思います。
ただし、このアルバムは他に良い曲がいっぱいなので、この1曲だけ突き抜けて良いということもないと思っています。
彼らのメロディ・メイカーとしての能力、アレンジのセンスの良さは驚きです。しかも作曲クレジットを見ると、ヴォーカルのミカエル・スタンネ以外のメンバーが、みんなそれぞれ曲づくりに貢献しているという…。ミカエルにしても、彼の美しい濁声(?)抜きには楽曲の魅力も半減ですから。よくぞこのメンバーで集まってくれた!と言いたいです。
高品質のメロデスがあふれる現在においても輝きつづける名盤。


DARK FUNERAL - Diabolis Interium ★★ (2003-03-14 02:29:00)

スウェーデンの有名ブラック・メタル・バンドの3rdフルです。
直球勝負のブラック・メタルで飛ばしまくってくれます。
キーボードなしということですが、ギターの音づくりのせいか、けっこうシンフォニックな感じに聴こえます。やっぱりデス・メタルみたいに重低音の圧迫感いっぱいのサウンド・プロダクションと違って、雰囲気重視って感じなんですよね。リフは邪悪にして荘厳な、いかにもブラック・メタルな感じです。
大御所だけあってハイ・クオリティなんですが、正直、曲が似たり寄ったりに聴こえるところもあります。しかし日本盤を買うとボーナス・トラックにKING DIAMOND、SLAYER、SODOM、MAYHEMのカヴァーが収録されてて、最後にいい気分転換になってくれます。
ブラック・メタルというと悪魔崇拝とか反キリスト教などと、悪いイメージがつきまといますが、実は悪魔と言うのがキリスト教の弾圧によって悪魔に貶められた古代の神々であり、祖先が信仰していた神々を敬っているだけという側面もあるらしいですね。愛と寛容を説くキリスト教の信者が、いかに残虐に異教徒を迫害したかを思えば、一概に反キリスト教が悪と決めつけるのも考えものです。……などと考えて歌詞を読むと………やっぱり邪悪じゃん(爆)


CRYPTOPSY - And Then You'll Beg ★★ (2003-03-11 00:13:00)

クリプトプシーはどこまでもやってくれます。うーん、濃い。並のアルバム数枚分の音数が詰め込まれてるみたい。
あんまり複雑で唖然としちゃいます。おなかいっぱい。
今回はエリク・ラングロワのベースがけっこう目立ってる気が。むちゃくちゃかっこいいです。
アルバムのライナーでも触れられてますが、楽曲の疾走感が半端じゃないですね。ストレートに疾走し続けるわけじゃなくて、次々次々場面転換していく感じですが、その目まぐるしさが生むスピード感が物凄い!
彼らの限界はいったいどこにあるんでしょうね?
しっかしこれ、集中して聴くとぐったり疲れる~。(9)「SCREAMS GO UNHEARD」の頭のディジェリドゥ(ブルータル・トゥルースも使ってましたね)が良い気分転換になって、ラストのもう一暴れに突入できるって感じです。
ボーナストラックのライヴもさすがの出来。今度出るライヴ盤が楽しみ♪
ジャケのアートワークが前2作の美しさに比べるとなんか趣味悪いですが、まあこの疾走感抜群の曲には合ってるかな。


CAMEL - Harbour of Tears ★★ (2003-03-11 00:10:00)

邦題は『ハーバー・オブ・ティアーズ——港町コーヴの物語——』
キャメルの中心人物(というより最近はキャメル自体が彼のプロジェクトになってます)アンドリュー・ラティマーの祖母の悲しい実話を基にしたコンセプト・アルバムになっています。
アイルランド人の悲劇的な歴史をたどるストーリーは、あまりにも重く、悲痛なもので、切々と胸に迫ります。前作『DUST AND DREAMS』なんかもそうだったけど、彼らは暗い話をコンセプトに選ぶことが多いみたいですね~。
曲の方は、反則だ~っ!ってくらいに泣きまた泣き。あまりにも哀切なアイリッシュのメロディに、もう金縛り状態。次から次へと泣かせにかかる展開に、涙があふれそうになります。
アンドリュー・ラティマーのギターは神懸かっています。歌メロも素晴らしいです。(3)「Harbour Of Tears」なんてラティマーとベースのコリン・バースがそれぞれ息子と父の役で、別々の歌メロでハモるなんて反則技をかましています。声の質、歌詞、メロディ、全部が哀愁に満ちています。降参。
アルバム後半はインストゥルメンタルだけになるので、ちょっと構成のバランスが悪くも感じますし、メタル的アグレッションは皆無ですが、哀愁や慟哭といった言葉に反応するメロディアス派の方にはお薦めです。


CRIMSON GLORY - Crimson Glory ★★ (2003-03-10 23:38:00)

かなりクオリティの高いドラマティックな正統派へヴィ・メタルです。
ジェフ・テイトをさらにヒステリックにさせたようなミッドナイトのハイトーン・ヴォーカルは時々笑っちゃいそうになりますが、上手いのは確か。もうちょっと歌メロが良かったらと思う曲もありますが。
しかしギターの奏でるメロディが素晴らしく、それだけのために買ってもいいくらい。もちろん曲全体が良いんですが。
(3)「HEART OF STEEL」と(4)「AZRAEL」が特に気に入っています。
LOST HORIZONみたいなのが好きな人は気に入ると思います。ただ、曲はミドルテンポ主体で、(5)「MAYDAY」ぐらいしか速くないので、疾走曲が好きな人には微妙かもしれません。でもテンションは高いのでかったるくはないと思います。
歌詞もいかにもメタル。ジャケ裏のメンバー写真はみんな仮面かぶってるし…コテコテですな。しかしこの1stアルバム、表のアートワークもかなりダサいですね~。もうちょっとセンス良くないとさすがに売れないでしょうに。


CAMEL - The Snow Goose ★★ (2003-03-10 23:36:00)

小説の方を読んでみました。新潮文庫から『スノーグース』の題で出てました。
短編小説なので、アルバム聴き終わらないうちに読めちゃいます。
今までのイメージはやはり壊れてしまいましたが、そのかわりアルバムが号泣ものの感動作になりました。楽曲の持つ意味、演奏の表現の必要性が、ストーリーがわかった後だと、ありありと伝わってきます。


CYNIC - Focus ★★ (2003-03-10 23:29:00)

テクニカル・デスとかプログレ・デスとか言われた時もありましたが、声が一部濁声なだけで全然デスメタルではないので、テクニカルでメロディアスで個性的な音楽として普通に楽しめると思います。
それにしてもこの音楽性、何と言い表わしたらいいのか…比較の対象を探すのが難しい。本当にユニークなバンドです。
浮遊感のあるメロディと複雑なリズム、現実の感情から遊離したかのようなコーラス…やっぱり変だ。
奇跡的な1枚ですね~。これだけで解散しちゃったし。
万人向けではないですが、再発されて幻の名盤じゃなくなったし、買うなら今のうち。プログレ・メタルが好きな人はもちろん、他にない先鋭的(激烈度は低いですが…)な音を求めてる人は是非。


CRADLE OF FILTH - Midian ★★ (2003-03-10 23:21:00)

前作『鬼女と野獣』の高い評価もあり、金が稼げるバンドになったせいか、このアルバムではサウンドのプロダクションがけっこう向上していて、かなり聴きやすいです。ブラックメタル的にそれが是か非かはともかく、個人的には喜ばしい。
クレイドル・オヴ・フィルスには、薄っぺらでぼやけたブラックメタル的音像よりも、クリアで分厚い音づくりの方が合ってます。
特にドラムがけっこう前面に出てきて、曲の勢いを煽ってくれるのが嬉しいなぁ。ダニの超個性的な変幻自在ヴォイスも、2ndあたりで気になったように線が細くて埋もれちゃうこともなく、しっかり耳に突き刺さってきます。しかしなんて声だ……。
楽曲も正直前作まではみんな同じように聴こえていたのが、メリハリが効いててそれぞれ耳に残ります。けっこう伝統的なヘヴィメタルの影響(特にアイアン・メイデン)が増えているせいもあるかも。
ちょっとキング・ダイヤモンドっぽくも感じました。
アートワークもますます凝ってきて、CGとか色々使ってますね~。このバンドはやっぱりヴィジュアル面のアートも重要なので、もーどしどしやっちゃって欲しいです。
一番やばいのを聴きたければ前作でしょうが、一番初めに聴くならこのアルバムがとっつきやすくて良いかも。これが真のブラックメタルかと言えばちょっと違うかもしれませんが、完成度の高いシンフォ・ブラックであるのは確かです。


CRADLE OF FILTH - V Empire or Dark Faerytales in Phallustein ★★ (2003-03-10 23:13:00)

1stのあと、所属レーベルとの契約解消のために発売されたミニ・アルバムらしいです。とはいえ、紛れもなくCRADLE OF FILTH印のドラマティックな高品質シンフォ・ブラックが楽しめます。
収録してるのは6曲だけですが、アルバム1枚分くらいのヴォリューム感なので、安い分お得な印象。買って損はありません。
でもまあ、正直この時期のいつもの曲とあんまり区別つかないので、アルバム持ってればいらないかな、とも思います。
エロティックなアートワークのために買うのもありですが(笑)。いや、マジな話、エロティシズムも彼らの魅力のひとつですから。あえぎ声が入った曲やアートワークには不快感を覚える女性の方もいらっしゃるかもしれませんが…。


METALLICA ★★ (2003-03-10 01:46:00)

私は対訳と解説が欲しくて日本盤を買います。だってそんなに英語力があるわけでもない(もちろん中国語、イタリア語、ポルトガル語etcも)し、バンドの情報やなんかに詳しいわけでもないですので。
歌詞は重視しないという人もいるでしょうが、私は歌われてる内容もできれば知りたい派です。だって好きな曲には感情移入したいですから。歌詞の内容を知って失望したり、知っても特に何とも思わない場合も多いですが、歌詞こみで好きになった曲には、本当に思い入れができます。
だからこそ、多少高くても、いつも日本盤を買い求めるわけです。
まあ、確かに素人目に見てもこの訳はおかしいというのはままありますが、それでもないよりはマシです。一応の助けにはなりますから。
でももちろん、対訳の内容が正確で、かつ分かりにくい部分に補足が入ってたり、解説で歌詞の説明なんかもされてると、より嬉しいです。
そんなわけで、toyoo50さんのレコード会社に誠実な仕事を求める主張には心から賛同します。


CRYPTOPSY - Whisper Supremacy ★★ (2003-03-10 01:22:00)

クリプトプシーで初めて聴いたのがこのアルバムでした。音の暴虐性に関してはそれほど衝撃は受けませんでしたが、やはりこの複雑怪奇な楽曲と凄まじいドラムは凄いと思いました。
しかし聴いて慣れてくれば慣れるほどに、かえって凄みが増してきます。
最初はやってることがなんだかよく解らなくて、ただ笑って聴いてるしかないような感じですが、細切れで勢いが途切れるように感じた曲の展開が徐々に飲み込めてくると、あまりの緊張感に圧倒されます。
ヴォーカルが前作までのロード・ウォームとは替わり、より人間的な(笑)デス声になっているので、とっつきやすいかも。(2)「COLD HATE, WARM BLOOD」といったメロディアス(?)な人気曲も入ってるし、クリプトプシーを最初に聴くのには最適かもしれません。アートワークも相変わらず美しくも邪悪でよろしいかと。ブックレット裏面の眼が光るメンバー写真は笑っちゃいますが。


COVENANT - NEXUS POLARIS ★★ (2003-03-10 00:57:00)

メロディアスで、クオリティの高いメタルではありますが、ブラック・メタルの有名バンドのメンバーたちがつくったというところで期待すると、邪悪さや攻撃性があんまり感じられないのでがっくりかも。
ある意味SINERGYみたいな存在でしょうか。
けっこう絶賛されてましたが、個人的にはまあまあかなってくらいの印象でした。悪くはないですけど。


CROWBAR - Crowbar ★★ (2003-03-10 00:45:00)

アメリカの激重メタル/ロック・バンドの2ndです。メンバーがPANTERA、CORROSION OF CONFORMITY、EYEHATEGODのメンバーたちと組んでDOWNをやってたりもするので、そっち方面でも有名ですね。
主に影響を受けたバンドとしてBLACK SABBATHとLED ZEPPELINの名前が挙がっていますが、そのLED ZEPPELINの「NO QUARTER」をカヴァーしています。これがまた素晴らしい出来で、苦悩と悲哀に満ちた歌が胸を締めつけます。
サウンドの方はBLACK SABBATHの影響下にあるヘヴィ・リフを中心としたミドル~スローのヘヴィ・ロック。本当に重いし、粘りのある音です。ドゥームとも言えますが、モダン・ヘヴィネスの連中に近い感じですね。ギター・ソロはなしです。
憤怒と絶望、苦悩が滲み出す暴虐音楽は、凄まじい圧迫感をもって空気を震わせます。ヘヴィな音楽が好きで、曲が遅くてもいいという人なら、気に入ると思います。


CORONER ★★ (2003-03-10 00:15:00)

以前に『PUNISHMENT FOR DECADENCE』と『NO MORE COLOR』のカップリングCDを持っていたんですが、なんか曲が印象に残らなくて、手放してしまいました。その時は速くてフックのある曲を求めてたんですよね~。
でもここの書き込みを見ていたら、また聴いてみたくなりました。売ってるの見つけたら買い直して再チャレンジしてみたいです。


COLOSSEUM II - Wardance ★★ (2003-03-09 01:53:00)

ゲイリー・ムーアの『SPANISH GUITAR-BEST』を聴いていたら、いきなり凄まじくテクニカルで激しいインストが入っていてびっくりしました。ゲイリーってこんなテクニシャンだったのか!って。
それがこのコラシアムIIの曲でした。
まあ中身は普通のジャズ・ロックです。非HM/HRですね、これ。なぜかHM/HRのとこにありますが(^^;
プログレみたいなものだからいいのかな?
リターン・トゥ・フォーエヴァーやマハヴィシュヌ・オーケストラ、リッチー・コッツェンのいたVERTUなんかに通じるものがあります。
このアルバムはそんなに激しくなく、洗練されている印象です。それでも白熱した演奏に圧倒されますが。
プログレ/ジャズ好きな人やゲイリー・ムーアのファンにはお薦めです。


COCOBAT - Return of Grasshopper ★★ (2003-03-09 01:30:00)

日本のヘヴィ・バンド、ココバットの4thアルバム。この音楽性はなんて言ったらいいんでしょうか。メタルとハードコアのミクスチャー?
激しくて疾走感もあって、ベースがベンベンうなってます。チョッパー・ベースって言うんでしょうか。弾けてます。音だけ聴いてたらかなりかっこいいです。個性的。
歌詞はもうちょっとなんとかして欲しいけど。


CROWN OF THORNS - Lost Cathedral ★★ (2003-03-09 00:14:00)

クラウン・オヴ・ソーンズというバンドは複数いて、このメロディアス・ハードロック・バンドと、彼らに訴えられてバンド名を変えて、今はTHE CROWNと名乗っているデス系(CROWN OF THORNS当時はメロデス?)のバンド、それからハードコアやってるバンドにもいたりします。
私は間抜けにもTHE CROWNの前身バンドを買おうとして間違えて、このアルバムとハードコアの方のやつを買いました。後で気づいたけど、持っていた『炎』誌のアルバムレヴューにこのアルバム載ってたというのに…。
でもまあ、このバンドもなかなかクオリティの高いメロディアス・ロックをやっています。アメリカのバンドでKISSのメンバーと付き合いがあるなんていうと、明るく乾いたロックをやっていそうですが、実は哀愁を帯びた湿ったメロディが主だったりします。ヨーロッパ諸国で支持が厚いというのにも納得。
しかし名曲!ってほどの曲が入ってるわけでもなく、まあまあの作品かなというのが正直なところ。全然悪くはないんですけどね。


CRADLE OF FILTH - Cruelty and the Beast ★★ (2003-03-08 01:51:00)

うう…怖すぎです。
クレイドル・オヴ・フィルスと言えば、ブラック・メタルとはいえ悪魔崇拝などの真性の奴らとは違い、エンターテイメント性の高い売れ線バンド…などと思っている人にはこのアルバムを。
メンバーが犯罪に走るようなプリミティヴ・ブラックの奴らのアルバムよりもこっちの方が恐怖を感じます。つくりものの恐怖と言えばそうですが、ホラー映画や小説だってつくりものだけど怖いですからね。
題材が若い娘の生き血を浴びて若さを保とうとしたエリザベス・バソリー(バートリとも言いましたっけか)伯爵夫人ってだけでも震えがきます。しかもアルバム1枚丸ごとそれ。(ボーナス・トラックのカヴァーも拷問器具アイアン・メイデンに引っ掛けた?)
血の浴槽につかってるジャケからしてヤバすぎ。『鬼女と野獣』って題は少し笑えますが…。
美しくも邪悪な雰囲気に満ちた演奏、常軌を逸したダニの多彩で独特なヴォーカル・パフォーマンス。妖気を漂わせるまでの美と残虐性の対比……極上の暗黒芸術です。
しかし気軽には聴けないなぁ、このアルバム。凄いけど聴く頻度は低いです。夜にホラー小説を読みながらなんて聴けない~。


CATHEDRAL - Endtyme ★★ (2003-03-08 00:51:00)

ELECTRIC WIZARDやSLEEPなんかを聴いた後では、1st以外はやっぱりドゥームとして過激さに欠けるなぁ…なんて考えてたら、やってくれました。
1曲目「CATHEDRAL FLAMES」の激重ドゥームぶりに思わず笑みがこぼれました。これじゃなきゃ!
しかし(1)は2分だけで終わり、(2)「MELANCHOLY EMPEROR」がいきなりスピーディなので、「え、まさかこれだけ?」と思うと、途中で一気にスロー・ダウン。単調なだけじゃないんだぜ、とさりげなく主張するところも粋ですね。
真性ドゥーム曲(3)「REQUIEM FOR THE SUN」のかっこいいことといったら…名曲です。
(4)「WHORES TO OBLIVION」はアッパーな感じで、馬鹿っぽいコーラスが笑えますが、油断してるといきなりラストにグチョグチョからみついてくるような気持ち悪いノイズが入っててびっくりします。
もうこの段階で名盤決定。
しかしこの後も攻撃は止まず、キャッチーな(5)「ALCHEMIST OF SORROWS」に続いて最高なウルトラ・スロー・ナンバー(6)「ULTRA EARTH」に押しつぶされます。
(7)「ASTRAL QUEEN」のダル~い雰囲気も60~70年代的で面白いです。そこで弛緩した空気を(8)「SEA SERPENT」で引っ張り上げて気合いの入れ直し。ラストは深淵へ沈みこむような(9)「TEMPLAR'S ARIZE!(THE RETURN)」がヘヴィかつダウナーに締めくくってくれてます。ある種の美と狂気に満ちた13分を越えるこの曲には圧倒されるしかありません。
いや~、素晴らしいアルバムです。
ボーナス・トラックも悪くないですが、(9)の余韻を壊さないよう、少し間を置きたいですね。
このアルバムのアートワーク、予算の都合で使えなかったデイヴ・パチェット氏の絵を、日本盤のみが何とか使用を実現させたとか。トイズファクトリーさんの努力に拍手したいですね。あの妖美な絵がなくては、このアートは完成しませんから。


CRADLE OF FILTH - Dusk and Her Embrace ★★ (2003-03-07 02:52:00)

発売当時ラジオで聴いて一発で気に入って買いに走りました。シンフォニックでドラマティックな楽曲に高速ドラムとクレイジーなわめき声、ちょこっと入る女性Voとの対比…。同時期にDOMINIONも聴いて衝撃を受けていたので、濁声プラス女声ってパターンを求めていたのもありました。
しかし買って冷静に聴くと、メロディや雰囲気は良いんですが、低音が迫力不足で、ダニのわめきは線が細く聴こえたし、あんまり好きになれませんでした。ウオークマンで人に聴かせたら、かっこいいけど歌はいつ始まるの?と言われたが歌は既に始まっていたということも…(^^;
しかし慣れるとしっかり曲の魅力が伝わってきて、今では気に入ってます。