メタラー心をくすぐる魔法の言葉がタイトルになっていますが、SAXONのあれとは当然違います。どちらかといえばSTEPPENWOLFの「BORN TO BE WILD」の方が近いかな。元ネタは色々あるんでしょーけどわかりません。 けっこうリフはヘヴィで、終盤疾走してメタルっぽくもなります。間に色々お遊びが入り、これはなんとジャンル分けされる音楽なのかとかはわかりませんが、楽しいです。
今は『Quintet: Live In Europe 1969 The Bootleg Series Vol.2』で同時期のライヴをまとめて聴けますが、長らくロスト・クインテットの音源は、この日本のみ発売のライヴ盤(邦題『1969マイルス』)だけが公式音源だったようです。 ウェイン・ショーター(sax)、チック・コリア(key)、デイヴ・ホランド(b)、ジャック・ディジョネット(ds)を迎え、アコースティックからエレクトリックへ、ジャズから得体のしれない何かへと突き進んでいた時期の、凄絶な記録。 大学生の時に中古屋で何気なく手にし、聴いてびっくり。ジョン・ゾーンやビル・ラズウェルを聴いて、アヴァンギャルドをわかったつもりで優越感に浸っていた若造に、メインストリームのジャズの恐ろしさを思い知らせてくれました。 当時もナパーム・デスやブルータル・トゥルースといったグラインドコア・バンドと同じ感覚で聴いていましたが、いま聴き直してもやはり規格外の過激さに打ちのめされます。真のヘヴィ・ミュージック。
01. Kings Of Metal / Manowar 02. Speed / Loudness 03. All Over The Nations / Helloween 04. Decadence Dance / Extreme 05. Beyond The Realms Of Death / Judas Priest 06. Iron Man / Black Sabbath 07. Mystery Of Babylon / 西山瞳 08. Over The Hills And Far Away / Gary Moore 09. The Gift Of Music / Dream Theater 10. THE ONE -Live Version- / BABYMETAL
「Decadence Dance」は冠徹弥(THE 冠)がヴォーカルで参加。また、「Decadence Dance」「The Gift Of Music」にはホーン・セクションが加わっています。 「Kings Of Metal」のアレンジにはぶっ飛びました。全然違う曲にしか聴こえない。 「Beyond The Realms Of Death」の歌いまくるベースも素敵です。
01. In the Dead of Night / U.K. 02. Walk / Pantera 03. Man On The Silver Mountain / Rainbow 04. Skin O' My Teeth / Megadeth (ヴォーカル:小田朋美) 05. Fear of the Dark / Iron Maden (アコギ:馬場孝喜) 06. Upper Levels / ANGRA 07. 悪夢の輪舞曲 / BABYMETAL 08. Demon's Eye / Deep Purple (トランペット:市原ひかり) 09. The Halfway to Babylon / 西山瞳 10. Green-Tinted Sixties Mind / MR.BIG (サックス:橋爪亮督)
'06年録音('07年発表)のたぶん3rdアルバム(ブルー・ノートでの2作目)。ジャケ写はジャズというより、ヒップホップっぽいですね。 ヴィンセント・アーチャー(b)、ダミアン・リード(ds)とのピアノ・トリオ作品。前作『CANVAS』もピアノ・トリオでしたが、けっこう印象が違います。前作の方がオーソドックスでメロディアスな印象。 この後も普通のジャズに留まらず、様々な実験を繰り返していきますが、今作でもレディオヘッドの名曲「Everything in Its Right Place」とハービー・ハンコックの「Maiden Voyage」をごちゃまぜにして同時に演奏するなどという珍妙なことをしでかしています。 まあ、複数の曲をサンプリングして曲を構築するヒップホップの手法をジャズに持ち込んだ感じでしょうか。発想も良いですが、料理の仕方にセンスを感じます。 あと他のアルバムもそうですが、曲の終盤に全然違う展開をぶち込んだり、アルバム後半に実験的な曲を投入したりするのは、この人のこだわりというか癖なんでしょーか。良し悪しはともかく、興味深い。
発売当時、ブリットポップのブームでUKロックに注目が集まっていたこともあってか、様々な音楽雑誌で大きく取り上げられていた記憶があります。 このアルバムのインド風味で雰囲気たっぷりかつキャッチーなメロディや、グルーヴィーで躍動感のある演奏と歌には、いま聴き返しても興奮してしまいます。 緩急のつけ方が巧く、勢いよく飛ばすところは飛ばし、サイケデリックでゆったりした曲でもアレンジの意外性で飽きさせずに聴かせてくれるのが素晴らしい。 THE BEATLESやTHE STONE ROSESの影響なんていうのもあるのでしょうが、しっかりオリジナリティを出して、時代を超えたロックを鳴らしています。
実に奇妙な音楽です。アフリカン・リズムを取り入れているのでしょうが、楽器の組み合わせ方や音色、コーラスの重ね方やメロデイのせいか、あまり民族音楽的な印象は受けません。 複雑で性急なのに整合感もあり、物凄い熱量と醒めた視線を同居させたような、歪んだ雑種ロック。なんだこりゃ。 先に『NAKED』を聴いていて、あちらはこれほど変てこじゃなかったので油断して聴いて、度肝を抜かれました。 どことなく都会的で機械的・近未来的な音楽に聞こえますが、ポリリズムの組み合わせ方のセンスが独特で、集中して聴くと頭が混乱します。 デイヴィッド・バーンとブライアン・イーノのアルバム『MY LIFE IN THE BUSH OF GHOSTS』も、同じようにひねくれていて頭が疲れますが、こちらの方が変態というか、おかしな感じに洗練されて、かえってグロテスクに感じます。 ノリノリで楽しむことも可能なのでしょうが、私にとっては肉体ではなく頭で味わう類の音楽。いつ聴いても金縛りにあってしまう、刺激的な超名盤です。