シンプルなタイトルがかえって難解さを物語るような、存在命題やら何やらを巡るコンセプト・アルバムです。 音楽性はますます単純なメタルからは離れているので、かなりとっつきにくさはあります。 ↑でも指摘されてますが、ちょっとPINK FLOYDの『THE DARK SIDE OF THE MOON』にも似た雰囲気があり、(10)「NIHIL MORARI」の歌詞なんかはTHE WHOの『TOMMY』を思い起こさせたりと、少し過去の名作を意識したようなところも窺えます。 中身は相変わらずPOSならではの陰鬱かつ美しくもひねくれた高品質プログレ・メタル。毎回方向性を変えているにも関わらず、本当に外れのないバンドです。 ただし、ちょっとSEや語り部分が多すぎるのは気になります。コンセプト的に必要性があるのも分かりますが、音楽自体に語らせる力のあるバンドなだけに、もうちょっとSEは少なくしても良かったと思います。 (4)「PLUVIUS AESTIVUS」なんかはピアノの演奏だけでも見事に雨を感じさせてくれるわけで、もう少し全体にメロディや歌での表現にこだわって欲しかった。彼らの大きな魅力は特にメロディの美しさにあると思うので。 それから(8)「VOCARI DEI」の、おかしな日本語部分とか……効果を狙う気持ちは分かるけど、日本人ファンとしては、あれでは台無しです。 他に気になるのは、人間味を出すために登場したMR.MONEYというキャラクター、個人的な好みとしては、作品が軽くなるから出てこなくても良かったのにな、と思ってしまいます。 なぜか文句ばかり多くなってしまいましたが、そういう不満点を差し引いても、十分傑作だとは思います。やはり長く楽しめそう。 曲単位では、フレドリック・ハーマンソン作曲の(13)「ITER IMPIUS」が特にお気に入り。フレドリックはPOSに必要不可欠な素晴らしいキーボーディストだと思います。今後、作曲にも大きく関わってもらいたいなぁ。 >はせくらさん "There's plenty of room for all God's creatures. Right next to the mashed potatoes."っていうジョークがあるみたいですね。 どういう意図で使われているのか気になりますが……英語圏の人にはぱっと通じるものなんでしょうか。
フランス語で歌われるメタルは初めて聴いた(一部歌詞だけフランス語っていうのはあったけど)のですが、あまり違和感ないんですね。 でもバラードの(6)「FLEURS DU MAL」なんかはフランス語ならではの味もちょこっと感じられて、面白いです。 (5)「ANGE OU DEMON」というキラー・チューンもあるし、全体的に高品質のメタル作品で、これは素晴らしい。
このダサジャケには、笑わずにいられません。B級臭さがプンプンして、思わずジャケ買いしてしまいます。 中身はメロディアスで良い曲が多くて、ジャケから想像していた(半分諦めていた)中身に比べ、お得感がありました。 お気に入りは(4)「A SONG FOR LISA」ですが、この曲は日本盤ボーナスなのでしょうか? 何となく線の細い声のミートローフって感じがしました。ポップな歌メロが良いです。
トニー・マカパインと少し同じような系統にも感じるアルバムですが、甲乙つけがたく良い作品です。 全体的にちょっと似たようなフレーズの繰り返しが多いかなとも思いますが、それでもやっぱりかっこいい。 お気に入りの曲は、泣きのメロディが美しい(8)「SHADOWS OF YESTERDAY」です。フェイド・アウトで終わっていくのが惜しくなります。
ネオ・クラシカル系のギター・インストでは、個人的に最もとっつきやすかったアルバムです。 メロディがよく練られていて、退屈せずに聴けます。まぁ、クサさに苦笑しちゃうようなところもありますが、それもまた魅力。 早弾きだけでなく、(9)「EDGE OF INSANITY」みたいな叙情的メロディの聴ける曲があるのが良いです。
1stと比べて、ずいぶんとメタル色は薄れましたが、その分、自由な音楽的広がりを得たような作品です。これは幅広い人におすすめできる作品ですね。 ALSという病にかかりながら、これだけ温もりを感じさせる音楽をつくった心の在り方には感動を覚えます。悲壮感より、音を楽しむポジティヴな気持ちが伝わります。 皆さん挙げてますが、(4)「END OF THE BEGINNING」は本当に美しい。私はちょっと前作収録の「AIR」にはそれほど感動できなかったのですが、この曲は好きです。 なんとなく、この人が病に冒されずにいて、YOSHIKIあたりと組んで作曲したら、面白いものが聴けたかもな~なんて思いました。 1曲1曲、楽器やメロディの使い方がガラッと変わるので、ジェイソンの引き出しの多さに驚かされます。クラシカルなのはもちろん、エスニックだったり和風だったり、ブルージーだったりと。 場合によっては散漫にも聴こえるかもしれませんが、飽きが来なくて聴くたびに新しい発見のある、味わい深い作品です。その日の気分しだいで、お気に入りの曲が変わる感じで、全曲好き。
『ウォーターボーイズ2』の最終回を観ていて、この曲、妙に気合入っててかっちょえーなーと思っていたら、「WE'RE NOT GONNA TAKE IT」でした。持ってるアルバムの曲じゃん…まだ一回しか聴いていない時だったから、気がつかなかった。 ジャケが生肉にかぶりつこうとするムサいケバいおっさんなので、買うのをためらってしまいますが、曲は粒ぞろいで素晴らしい作品です。 (6)「THE PRICE」や(7)「DON'T LET ME DOWN」の哀愁のメロディなんて、キャラクターには合わないけど、良いなぁ。 曲の幅も広く、メロディは総じてキャッチーで、メタルとハードロック両方の魅力を兼ね備えた、笑えて泣けて燃えられる名盤です。
初めて聴いた時はあまり耳に残らなかったんですが、最近聴き返したら、素晴らしい曲がいっぱいでした。 デスメタル出身と言っても、これはもはやメロデスですらない、シンフォニック・メタルです。ただしメロスピやネオクラではなく、どちらかと言えばゴシックに近い感じ。 劇的でメロディアスな哀愁曲が好きな人で、疾走してなくてもOKな人にはおすすめできます。 (9)「THE SIREN OF THE WOODS」は10分近い大曲ですが、泣きのギター・ソロたっぷりで、何回も聴きたくなります。 日本盤ボーナスにSCORPIONSの「FLY TO THE RAINBOW」がカヴァーされていますが、これもまたオリジナリティを加えつつ、良い具合にメロメロで素晴らしいです。
メタル好きじゃない人にすすめるなら、『守護神伝』シリーズよりこっちの方が良いかも。実際に「これなら聴ける」と言われたりもしました。 キャッチーなメロディ、哀愁とコミカルさのバランスの良さ、本当に良いアルバムです。 ハロウィンって、妙にヘヴィだったりシリアスにやるよりも、楽しいメタルをやってる時が魅力的に思えます。 佳曲がそろってますが、お気に入りは「THE GAME IS ON」です。アイデアが面白い。
このアルバムは、ラジオで聴いた「LOVE TO LOVE」にノックアウトされて買い求めました。この曲のキーボード・リフがたまりません。 アルバム全体としては色々なタイプの曲があって、「泣き」だけ期待すると肩透かしかもしれないけれど、それでもこのアルバムを聴いていると、「泣き」のメロディに染め上げられてしまいます。
AT THE DRIVE-INには、ずいぶん衝撃を受けていたので、このアルバムもワクワクしながら聴きました。 楽曲の複雑さやテクニカルさ、変態的な味つけ、ユニークなジャケもインパクトありますが、実は叙情性こそが最大の魅力かも。美しいメロディが多く、切なくなります。 セドリック・ビクスラーの歌から感じられる切迫感は、相変わらず感情を揺さぶって、冷静には聴かせてくれません。 歌詞も読んでみたいな~。付いてないのが残念。 SYSTEM OF A DOWNとか好きな人は、このバンドも気に入るんじゃないかと思います。別に似てるわけではないですが、ヴォーカルの奔放さや、演奏のテンションの高さ、強烈な個性を発揮しているところなどは共通するものが感じられます。
イギリスのハードコア・バンドの'82年発表のフル・アルバムとしては1stです。 ANTHRAXが「PROTEST AND SURVIVE」を、METALLICAが「FREE SPEECH FOR THE DUMB」をカヴァーしてたりするので、メタラーの間でも知名度が高いはず。私もカヴァーを最初に聴きました。 無駄を削ぎ落としたような、装飾のないストレートなハードコア・サウンドは、いま聴いても強烈です。 アルバム・タイトルとジャケのモノクロ・アートワークから漂う緊張感も、イメージを増幅させますね。 反戦・反暴力のメッセージを乗せた歌詞を、シンプルで暴力的な演奏と共に送り出す。 精神的に、かなりヘヴィな作品です。
皆さん言われてますが、アルバム前半の勢いは尋常じゃないですね。 けっこうヴァラエティ豊かなアルバムで「10曲30分疾走曲のみ」みたいな感じではなく、爆走ロケンローに彼らにしてはメタリックな疾走曲、ミドル・テンポのヘヴィ・ロックにけっこうメロディアスなナンバー、哀愁漂うバラードと幅広くそろっているので、確かに初めて買うのにも良いかも。 肉親による性的虐待を扱った(6)「DON'T LET DADDY KISS ME」は、レミーの怒りと悲しみが伝わるバラードで、衝撃的です。
最初に聴いた時は、まったりして地味な曲が多いし、これが名盤なのか?って印象だったんですが、今ではレインボウで一番よく聴くアルバムです。 噛めば噛むほど味が出るような作品です。雰囲気が良いんですよね。心地良い。 (6)「THE TEMPLE OF THE KING」は、いつもしみじみ聴き入ってしまいます。
思わずジャケ買いしたくなるような、妖しいアートワークがまず見事ですね。ゴシック・メタルの名盤というと、真っ先に名前の挙がるアルバムだけに、内容も充実しています。 (1)「ENCHANTMENT」冒頭のピアノが奏でる哀感にまみれた旋律を聴いただけで、完全に暗黒美の世界に引き込まれてしまい、後は陰鬱かつ耽美的な楽曲の数々に酔い痴れれば良いだけ。 ただ単に暗いだけでなく、意外にノリの良い曲が多いので、過剰な絶望感はありません。 ヴォーカルの歌唱力はいまひとつで、吐き捨て型歌唱の際など、時折間が抜けたように聴こえてしまうところが少し残念かも。 日本盤を買うとTHE SISTERS OF MERCYのカヴァー「WALK AWAY」、ドラム・パターンが楽しい「LAID TO WASTE」、けっこうノリノリな「MASTER OF MISRULE」という3曲ボーナス・トラックも楽しめます。