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Death Row / ACCEPT
うにぶ ★★ (2003-01-21 01:00:00)
ウドが戻った再結成後第2弾のアルバム。まだ誰も取りあげてないあたり、この作品へのACCEPTファンの評価が窺えますね。初回限定盤が何年も経っても売れ残ってたもんなぁ。
たぶん一般的には、このアルバムは「モダン・ヘヴィネスに毒されて、らしさを失った唾棄すべき作品」「ACCEPT史上1、2を争う駄作」ぐらいの位置付けでしょうか。
でも雑誌の評価を鵜呑みにして買わずにいる方も多そうですが、これ、そんなに悪くないですよ。中古100~500円くらいで叩き売りされてるでしょうから、聴かず嫌いの方は、試しに聴いてみては?
確かにリフはヘヴィになってるんですが、それはHMなんだから、かえって歓迎すべきことかと。はっきり言ってウドの独特の声にはこれくらい激しい方が合ってると思います。
モダン/グランジ/オルタナといった90'sヘヴィネスは重くうねるようなグルーヴが中心ですが、ここで聴かれるのはあくまでACCEPTらしいガキガキした硬質のリフ。全然ドヨ~ンとした感じがしない。ミドル~スローなテンポの曲ばかりで、ヘヴィーリフ中心にゴリゴリ押しまくっていて、音像がずいぶん重く感じられるのが、表面的にモダンっぽいだけです。よく聴けばこの歯切れの良いリフの数々はいつもの彼ららしさ満載です。仮にアップテンポの(5)「GUNS'R'US」あたりを冒頭に持ってくれば、印象はずいぶん違ったはず。「ミドル~スローでヘヴィな曲ばかり」なのは、名盤とされる『METAL HEART』だって同じこと(でもあれはポップか)。ただ少し激しさを時代に合わせ、コーラスは相変わらずキャッチー、ギターソロは充分メロディアスです。スピード感も、疾走までいかなくともしっかりあります。
私はモダン・ヘヴィネスもグランジもラップメタル(?)もけっこう好きですが、これと同じようなアルバムってそっち系の代表的バンドのものでは知りません。だってこんないかにもメタルなメロディーは入らないもの(笑)。もちろん影響は窺えますけどね。
かえってこの何年も後に出た新生JUDAS PRIEST、現在アメリカで売れまくってるNU METAL系のDISTURBEDなんかを先取りしているように聴こえます。今聴くと良さがわかる「早すぎた作品」だったのかも。
そうそう、最後にバラード1曲と泣きのインスト2曲がおまけみたいに入ってます(笑)。
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