鳥肌がたつほど恐ろしいアルバムです。68年というプレ・ハードロック期に これほどの音を出していたとは驚くより他ありません。 ハッキリ言うと、まとまりが無かったりするのですが、色んな事をやってみたいという 衝動と異常なまでのプリミティヴなパワーが渾然一体となって、とてつもない混沌を 生み出しています。当時のイギリスには世に出ていないこんな感じのバンドが沢山 いたんじゃないかなぁ。 「RACE WITH THE DEVIL」はGIRL SCHOOLもカヴァーしたへヴィなアップチューン。 中間部の悪魔の笑い声は狂気が垣間見えます。 「THE SAD SAGA OF THE BOY AND THE BEE」はストリングスが物語を盛り上げる ドラマティックなナンバー。 (70年代にヒットした平田隆夫とセルスターズの「ハチのムサシは死んだのさ」は この曲にインスパイアされたんじゃないだろうか) ギターのエイドリアン・ガーヴィッツ(クレジットは何故かカーティス)は 誰の影響下にあるのか解析不可なオリジナリティ。恐ろしく歪んだ音で 弾きまくります。 このアルバムに充満している"ドロリとした"情熱は、現代のHM/HRには 表現し得ないものです。
ぶっ飛んでてスリリングなぐちゃどろハード・ロックです。発表当時は、かなり怖い音楽だったろうなー。 1曲目をJUDAS PRIESTがカヴァーしていたので興味を持ったのですが、原曲の方が狂っててヤバいですね。 (2)「The Sad Saga of the Boy and the Bee」は、「Child in Time」の元ネタじゃないですか? (4)「Yellow Cab Man」も「We Will Rock You」の元ネタ? 実はブリティッシュ・ハード・ロックの重要な源流となっているアルバムなんじゃなかろーか。 まあ、57年も後に初めて聴いている身としては、当時どれほど影響力があったのかはわかりませんが。 いま聴いてもゾクゾクさせられる、ハードでヘヴィな音楽です。かっこいい。