カナダ出身のロックバンドの1993年発表の1st 。メンバーはChristian Tanna(Dr.)、Jagori Tanna(G.)、Bruce Gordon(B.)、Edwin(Vo.)の4人。カナダの音楽祭Juno Awardsで『Best Hard Rock Album』を受賞。日本盤も発売された(現在は廃盤)。日本盤にはボーナス・トラック「Love From Revolution」収録。Mike Clinkのプロデュース。 本作は一部で"Pearl Jamに対するカナダからの回答"などと評されたが、曲を聴く限りそのような印象はなく、すでに彼ら独自のサウンドが確立されている。各パートの手数がとにかく多いのが特徴で、そこにさらにラテン・パーカッションと歌心あるヴォーカルが重なり、派手で熱いグルーヴが生み出されている。非常に躍動感のあるサウンドで、それは1曲目「Levitate」、3曲目「Rain Will Fall」、5曲目「Not Quite Sonic」に代表される。しかし、それだけではない。4曲目「So Gently We Go」では静かで美しい世界を表現し、7曲目「Lost My America」はLed Zeppelinを思わせる。 歌詞は抽象的で、簡単に言えば"ひねくれている"。例えば、「Rain Will Fall」は雨乞いの儀式をモチーフにしているが、"Four brothers make the mother Four brothers form as one"という一節からすると、バンド自身を意味していると考えられる。つまり、"Rain Will Fall"="自分たちの音楽が生まれる"となる。また、「Levitate」は"空中浮遊"のことだが、それは"空を自由に飛びまわる"というより、"地に足が着かない"という不安定な状態のことで、この世界観は今後の彼らの作品にも登場する重要なテーマである。 なお、アルバムには参加したものの、ツアーに出る前にベースのFranzが脱退し、Bruce Gordonが加入したとされているが、アルバム・ジャケットにはすでにBruceがメンバーとしてクレジットされており、Franzの名は"Special Thanks"の最後に記載されている。