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kamiko!さんの発言一覧(評価・コメント) 時系列順 101-150
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BEYOND BLACK VOID-Voidgaze ★★★ (2021-09-06 00:29:12)
ベルギー産フューネラルドゥーム2019年作
2枚組ドローンドゥーム地獄。完成形に到達したと感じるWraith Crag(2021年作)があれば、敢えてゲットする必要はないかも知れないが
DESOLATE (2003年)の衝撃作品のチープノイズの残り香が仄かに感じられる分、完成形への過程と感じられるところは魅力的である。
Stijn van Cauterの作品は、近作になるにつれて、打楽器をどんどん排除している。もはや、彼がイメージする音世界にビートは不要という
ことなのだろう。更にこのプロジェクトは旋律を奏でるということさえ否定するかのような一本調子なサウンドだ。むしろそんな苦行だからこそ
ハーモニーに特化した魅力がストレートに伝わってくる。この盤は2枚組で結構お腹一杯になるが、2枚のうち1枚目の方に特にハマった。
IMMOLATION-Here in After ★★★ (2021-09-05 23:52:53)
米国産デスメタル1996年作
同時期の気持ち悪い旋律を武器に表舞台で活躍するデスメタルと比べて、かなり地味に聴こえるのは、一本調子で展開下手な固有のスタイルのせいだろう。
このサウンドは、印象に残るメロディやキャッチーでドラマチックな展開とか絶妙なギターワークとか、そういった次元で語るサウンドではない。
そういうコマーシャルな茶目っ気を排除したところが大きな魅力で、真っ黒な、閉塞的なギターの重低音とドラム乱打の塊が渦となって襲い掛かる様を
堪能するためのデスメタルだ。濃いアングラ臭を漂わせ、黒い塊となって暴れ回る音像からハーモニクスが飛び道具のように突き刺す、濃厚な魔性が魅力だ。
その作風に惹かれるが、そもそもそういう一本調子な音楽性であるが故に、この作品以降の類似した作風が受け入れられず、また、キャッチーさが加わると
尚更敬遠したくなる。ボクにとって
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DUNGEON CRYPT-Paleozoic Times-Primitive Ammonite ★★★ (2021-09-01 01:29:05)
アルバム中、最も不可解で笑える作品だ。曲名を日本語訳にすると「原始的なアンモニート」だろうか。
ミドルテンポ以下のドゥーミーなバッキングに、笑いを誘う唸り声ヴォーカルが乗る楽曲なんですが
1分過ぎたあたりから、プールの中でブクブクと息を吹き出しているような謎のサウンドスケープが結構な尺で挿入される。
川の底に住む原始アンモニートの生態を表現しているのだろうか?
ポンコツサウンドで描かれる謎の世界観がシュール過ぎて、愛情を注ぎたくなるのだ。
DUNGEON CRYPT-Paleozoic Times ★★★ (2021-09-01 01:06:15)
チェコ産ヘヴィメタル2020年作
地球上で最も先進的で挑戦的な音楽が生まれている国はチェコ共和国だと常々感じている。が、メタルに関しては超のつく辺境国というイメージがある。
アヴァンロックやジャズではハイクオリティなバンドが多い国なので、メタルもスゴいバンドがある筈だと思いつつ結構普段から気になる国なんですが
多くが驚くほどのポンコツ作品だ。ゴアグラインド路線は結構気になる作品はあるものの、結局チェコ産でゲットするのは非メタルの別路線作品ばかりである。
このバンドはそんなチェコ産ポンコツメタルのひとつではあっても、何故か愛情を注ぎたくなるボクのツボを突くB級以下のポンコツ宅録独りメタルだ!
試聴段階では笑いを誘うそのポンコツっぷりに愕然としたんですが、ラストまで聴いてしまった上、2ドル払ってデジタル作品をゲットしてしまった。
まず、ジャケのセンスが笑え
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SUBROSA-For This We Fought the Battle of Ages ★★★ (2021-08-23 01:08:22)
米国産スラッジドゥーム2016年作
Rebecca Vernonという女声ヴォーカル兼ギタリストをリーダーとする結構濃いドゥームだ。既に解散しているのが残念、フルレングスアルバムはコレがラスト。
今年はドゥームバンドの作品はコレばかり聴いている。バンド創設当初よりヴァイオリンを導入したサウンドが特徴で、今作もヴァイオリンが幅をきかせている。
シンセなのか生音なのかわからないが、パンフルート系の音色とヴァイオリンの絡みが心地よく、相当濃い音像の引き摺るようなギターが絡む絶品ドゥームだ。
ボクは彼女の作品はコレしか持っていないが、初期作品は友人が愛聴していた。そもそも濃いドゥームと化したのはNO HELP FOR THE MIGHTY ONES (2011年)からで
初期2作品はどちらかというとポストパンク的サウンドだった。当時からギターの音の濃さはあったが、ど
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PESTILENCE-Exitivm ★★★ (2021-08-22 19:40:53)
オランダ産オールドスクールデス2021年作
前作「Hadeon」(2018年作)で、Pestilenceの復活の兆しを見たので、今作は結構期待していた。彼らの作品でボクが認めるのは初期の神盤2作品
CONSUMING IMPULSE (1989年)、TESTIMONY OF THE ANCIENTS (1991年)である。前作はその当時のサウンドに回帰した上、新たな挑戦を感じる
ギターワークに感銘を受けた。但し、前作はまだ完成形とも思えず、良い頃の作品に匹敵するとまでは言えない、と思っている。
今作品、とりあえず1曲目を聴いた瞬間、前作1曲目に酷似しているリフの感じで、全く前作と同じ音楽性かと猜疑心が沸いてしまう。
ところが、決してそうではなかった。没入感と楽曲の作り込み度合いは、こちらの方が素晴らしい。かなり内容の濃い作品に仕上がっている。
Pest
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TAAKE-Kong Vinter-Inntrenger ★★★ (2021-08-18 13:51:30)
アルバム中、最も旋律が印象に残る。キャッチーでありながらとてもカッコいいギターワークがふと脳裏によぎると、またこの盤を手にしている。
なかなか中毒性の高い音質とクールな楽曲である。そんなサウンドが終盤に差し掛かる頃、ラジオヴォイスによる語りが挿入され、コレがまたカッコいい。
佳作揃いの盤で、凄い名盤という印象こそないものの、なんだかんだで今年はこの盤のこの曲を最も愛聴している気がするね。
WYTCH HAZEL-III: Pentecost ★★ (2021-08-16 02:24:42)
英国産ヴィンテージロック2020年作
ツインリードのハモりとコーラスがオンリーワンな個性を放ち、必要最小限のエフェクトでヴィンテージ感溢れるサウンドを聴かせる。
この作品は発売日まで調べて即ゲットしたが、意外とボクの心に響かなかった。というのも、前作「II: SOJOURN」(2018年)の音楽性から
ほぼ変化を感じない作風で、とりあえず前作以上の魅力を感じなかった。愛聴した回数が多い分、前作の方が断然ボクのツボである。
ゲットして暫く経つが、やはり前作のインパクトが大きかったせいか、この盤を頻繁に聴くというところまでいかない。
決して悪くないんだけど、前作路線の作品をもう1枚作ってみました、という感じで、残念感のある作品になったという印象だ。
好きなバンドだけに、次作は心に響く作品を作ってほしい。
PURE WRATH-Sempiternal Wisdom-Departure ★★★ (2021-08-16 02:06:09)
10分超えの大作。シンセとピアノを取り入れ、この楽曲にはクサめなキャッチーなピアノ旋律が登場する。
とてもドラマチックでアルバムのラストを飾るに相応しい、彼のサウンドの真骨頂と思わせる素晴らしさがある。
が、この曲の後にSAORのカヴァーを収録してしまった。そちらは反則級の土着感の濃いコテコテのコード進行と心に残る旋律である。
そのせいでこの曲が若干霞んでしまう。もったいないな、と感じている。
PURE WRATH-Sempiternal Wisdom ★★★ (2021-08-16 01:46:51)
インドネシア産ブラックメタル2018年作
メタル辺境国からの作品で最近最もツボだったのがコレだ。ジャワ島西部にある西ジャワ州出身のJanuaryo Hardyという人の独りプロジェクトだ。
土着ブラックの教科書バンドSAORのカヴァーを含む7曲で構成されるアルバム、1曲目「Homeland」というタイトルからも、SAORからの影響を色濃く感じさせる。
のどかな自然に囲まれた村に農民っぽい村人が描かれるジャケからも土着ブラックど真ん中である。CDケースを開けると、知的な面持ちの男性の写真が。
恐らくこの人がJanuaryo Hardyなんだろう。メタル畑にいそうな人物像とはかけ離れたインテリジェンスな風貌がとても印象的だ。
演奏様式はレジェンドSAOR御大に酷似しているが、クサめな旋律はあまり登場しない。また、ドラムの手数やバリエーションもこちらの方が多彩な印
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SAOR-Forgotten Paths ★★★ (2021-08-14 03:05:21)
英国産ブラックメタル2019年作
ペイガニズムに寄ったメタルサウンドに浪漫を感じるボクのツボを突くバンドの作品。ペイガンメタルはロシア、特にスラブ地域の作品を多く愛聴しているが
珍しく英国産で、このバンドはカレドニアメタルと言われているようだ。深く調べると、英国の土地、自然、詩をテーマにしているようだ。
Andy Marshallという人のソロプロジェクトだが、恐らくゲストミュージシャンと共に演奏されている。この人は、自然をメタルに融合することをテーマとして
作品を創っているようだ。そういう志向性があるので、ボクのような森林崇拝系ブラックを愛する者としては、どストライクゾーンなサウンドだ。
但し、多くの森林崇拝ブラックのように、濃い空間エフェクトで霧を表現する類いのサウンドではない。適度な残響音でブラックメタル様式の演奏で突っ走るが
音圧は控えめ、落ち
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GOREAPHOBIA-Mortal Repulsion ★★★ (2021-07-17 02:45:53)
米国産デスメタル2011年作
ゴアリーな要素を含ませ、手数多めの華麗なドラミングとザクザク感あるギターリフ、気持ち悪いギターソロがツボを突く古学校死スタイルど真ん中サウンドだ。
しかし、Cannibal Corpseあたりの同路線と比較すると殺傷能力はそんなに高くなく、しかもダサさが同居しており、B級愛を以って愛聴すれば、その魅力の虜になるだろう。
ゴア路線はいかに激しく聴かせるかというところがポイントだと思うが、このバンドの面白いところは、激しさではない固有の味わいで血塗れ感を表現しているところだ。
1990年代以前から活動していた上、最近はギタリストのAlex BouksはINCANTATIONやIMMOLATIONのような大御所に在籍した実績を持つワリに全くの無名。
というか、そんな大御所バンドに在籍するだけの実力や独創性を持つが、この人の世界観があま
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IMMOLATION-Atonement ★★★ (2021-07-17 00:49:49)
米国産デスメタル2017年作
デスメタル全盛期頃にサタニックデス路線を追いかけていると必ず出会うバンド、特にINCANTATIONにハマったボクとしては、そのホンモノ感には一歩足らないが
閉塞的な質感のギターサウンド自体はINCANTATIONに劣らずといった感じで、無機質なこのギターの音像はこの時代では双璧といった印象を持っている。
とはいえ、そもそも米国産はあまりゲットしないので、初期作品以外は所持していない。また、何故か評判のいいKINGDOM OF CONSPIRACY (2013年)は
ボクには全くフィットしない。初期の閉塞感が薄れて、煌びやかになり過ぎな印象で、米国産デスメタルのボク的ランキングはかなり下がってしまった。
が、この作品は、煌びやかな感じが残されているところは仕方ないにしても、初期に感じた魔性・無機質なスタイルが蘇った好盤である。
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TAAKE-Kong Vinter ★★★ (2021-07-09 22:41:11)
ノルウェー産ブラックメタル2017年作
Ulvhedin Hoestという人のバンドだが、このバンドを知った当初はアルファベットの「A」を連ねる人名が北欧でよくあるので
バンド名であるTAAKEはこの人の名前だと勝手に思い込んでいた。TAAKEは「霧」を意味する言葉らしい。フェイバリットバンドにCeltic Frostを
挙げているところや、ライヴ映像でCeltic Frostを思わせる「ウッ」という吐き捨てヴォイスを披露しているあたり、初期はかなり影響を受けていたのだろう。
過去のPVやジャケはやたらと本人の姿をクローズアップした感じから、ナルシズムや尊大なイメージはあるものの、実際の音からは独善的な狂気は感じられない。
BATHORYのUNDER THE SIGN OF THE BLACK MARK (1987年)を影響を受けた盤と公言しているあたり、自
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BATHORY-Under the Sign of the Black Mark ★★★ (2021-06-22 02:45:04)
スウェーデン産ブラックメタル1987年作
この盤以前の作品はいずれも後追いで蒐集、特にこの盤はこのサイトに書き込みし始めた頃に、ここの書き込みを見てゲットした記憶がある。
購入当時はまだイヌスケ氏の書き込みまでしか存在してなかったと思うが、好みが近いローランDEATH氏とイヌスケ氏の書き込みが購入の決め手となった。
後追いなので、タイムリーに体験したHammerheart以降の作品群に比べて愛着度は低いかも知れないが、この盤からは初期ブラックメタルスタイルの
完成形を感じる。この時期はクォーソン氏の音痴に歌い上げるスタイルは確立されておらず、ブラックメタルスタイルの歌唱法に生真面目さを感じる。
Celtic Frost等同時期のレジェンド級ブラックバンドと肩を並べることのできる作品。更に尊大な密教的な固有の世界観に大きな魅力を感じる。
BATHORYの
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COMATOSE VIGIL A.K.-Evangelium Nihil-Deus Sterilis ★★★ (2021-06-22 02:12:50)
これでもかという程にテンポダウンした鈍重さを持ち、初っ端の狂気に満ちたギターハーモニクスを伴うリフが唸りを挙げた瞬間、秒殺される。
真っ黒でズブズブドロドロのギターの迫力が半端ナイ。この盤に収録される楽曲の中で最も濃いフューネラル感が漂う。
シンセとギターを垂れ流し、デスヴォイスが唸っているこのバンドお得意のスタイルだ。終始淡々とした楽曲であるにも関わらず
その重厚に積み上げられたコードが織りなす不協和は異様な緊張感を放ち、徐々に泥沼の暗黒地獄に飲み込まれていくのだ。
COMATOSE VIGIL A.K.-Evangelium Nihil-Comatose Vigil ★★★ (2021-06-22 01:55:50)
前作Fuimus, Non Sumus..(2011年)のクオリティが高すぎて、なかなか新作に馴染めなかった感じだが、やっと魅力に気付き始めた。
バンド名を曲名としたこの楽曲はかなり気合の入った真性フューネラルドゥームだ。前作の音響に比べ、ギターノイズの密度が高くなり
シンセのハーモニーもより作り込まれている。聴いた当初は作り込み過ぎな印象を持ったが、今はそうは思っていない。
激遅垂れ流し系フューネラルドゥームバンドでは、コマーシャルな凄みを排除した真性さがあり、トップクラスのクオリティにある。
BEHERIT-Bardo Exist ★★★ (2021-06-22 01:27:50)
フィンランド産ダークアンビエント2020年作
先月発見して驚いたが、どうやら昨年冬にリリースされていたらしい。一応ブラックメタルのジャンルにカテゴライズされてきたバンドだが
純粋にブラックメタル様式の演奏を聴かせるバンドではない。決して卓越した演奏技術で聴かせるバンドではなく、真性なカルト色が魅力だ。
最も愛聴したのはDRAWING DOWN THE MOON (1993年)で、フィンランドカルトの凄まじさを思い知らされたが、その後はそのカルト風味に特化していき
インダストリアル要素を含む作品に進化していった。純粋なブラックメタル的音響とはかけ離れた音楽性だったが、その内容の濃さはレジェンド級だ。
前作ENGRAM (2009年)で初期ブラックメタルスタイルに回帰したが、今作は一転、完全にアンビエント化している。そのスタイルの変化が評価の分かれ目。
D
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UNTIL DEATH OVERTAKES ME-Days Without Hope-Cruel ★★★ (2021-06-17 01:04:07)
恐らくこの盤を最も多く愛聴しただろうと思う。コレ以前の作品はよほど彼の音楽性を理解しないと、あまりのポンコツさで聴くに堪えないだろう。
底辺の根暗サウンドを創り続ける彼の真骨頂、大きく進化したと思わせたこの盤で、最も素晴らしいと感じた楽曲は、この1曲目のシンセサウンドだ。
本来は2曲目以降のギターが登場するところから盛り上がるんだろうが、シンセ、ギター、唸り声の掛け合いというスタイルはこの盤時点では未完成だ。
しかし、冒頭の導引部分のこのシンセサウンドのクオリティは非常に高い。これを聴いた当時は、この単純なコード進行のシンセサウンドに
根暗サウンドの神髄を垣間見た気がした。山と太陽とトゲトゲの気持ち悪いジャケにベストマッチである。
時代のトレンドに逆行する極端に偏った音楽性と世界観を持ち、ひたすら根暗サウンドを創り続けるこの姿勢、こういう人が天才なんだろうな
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UNTIL DEATH OVERTAKES ME-Symphony II: Absence of Life ★★★ (2021-06-17 00:35:20)
ベルギー産フューネラルドゥーム2002年作
このバンドの作品をレビューするのはなかなか大変だ。どの盤も似たような音楽性で、よほど愛聴しないとその違いが判らない。
リリース数も多いので、未だに一聴しただけでどの盤に収録されている楽曲か少し考えないと迷うこともある。イントロクイズにしてしまえばいいのに。
この盤はチープな過剰に歪ませたノイズが大きな特徴だ。彼の作品を蒐集し始めた当時は、試聴してゲットするのを避けた盤だったが
ワリと最近ゲットしている。これ以上歪まないだろうと思える程バリバリのノイズなので、果たしてコレがギターなのかシンセなのかわからない。
そういうノイズとシンセ、唸り声の掛け合いが延々続く音楽性だ。シンセはパイプオルガンの音響に近いので、何やら神聖な雰囲気が漂う。
ノイズのチープさに慣れれば、コレが不思議と味わいに変化してくる。シンセの効果
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CORONER-No More Color Tour '90 (Live in East Berlin) ★★★ (2021-06-15 02:26:32)
スイス産テクニカルスラッシュ1990年作(VHS)
ボクはライブ映像にあまり興味を持たないんですが、コレは別格。当時の衝撃は忘れられない。
確かメタル誌にレビューも載っていたが、B誌ではない。確かMETAL GEARという雑誌だ。楽曲・演奏・アレンジの3つのカテゴリーだったと思うが
A~Eの5段階で評価するレビューだったと記憶している。3つともC評価だったような・・覚えがある。記憶違いかも知れないが。
この映像には華やかな感じは確かに無く、テクニカルな演奏に執心するあまり、動きもあまりない。そこがC評価という原因なのかも知れないが
少なくともボクを含めCORONERファンは、この再現度の非常に高い圧倒的な演奏で度肝を抜かれたんじゃないかと思う。トリオ編成という最小限ユニット
でありながら、アルバムの楽曲を忠実に再現できているところが凄まじい。ベースヴォ
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CORONER-The Unknown - Unreleased Tracks 1985-95 ★ (2021-06-15 01:55:19)
スイス産テクニカルスラッシュメタル1996年作
ジャンル分けは一応テクニカルスラッシュとしたが、このバンドの後期作はスラッシュ色はかなり薄れている。
あまりこの盤は出回ってないのか、手に入れるのに結構苦労した。CORONERのワリと熱狂的ファンでありながら、2000年位までこの盤の存在すら知らなかった。
2枚組の一方には未発表曲がいくつか収録され、一方は1995年9月に地元スイスで開催されたであろうライブ音源が収録されている。ライブで演奏される曲は
Grin(1993年)からのチョイスなので、この盤が好きならまずまず楽しめる。しかし、演奏とは別の機材から発せられるハウリングノイズがイタイ。
海賊版レベルの粗雑な録音が耳に障る。ライブを楽しみたいならAutopsy: The Years 1985 - 2014 in Pictures(DVD)の方が断然楽しめる
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Arcane Voidsplitter-Cosmic Mind ★★★ (2021-06-08 01:57:12)
ベルギー産フューネラルドゥーム2020年作
UNTIL DEATH OVERTAKES MEをメインプロジェクトとするStijn van Cauterによるサイドプロジェクトだ。
フォトショップで頑張って作ったかのような脳ミソと光が描かれたジャケは、相変わらずチープさが漂っており独特の趣きがあってグッドだ。
彼が最も得意とする張り詰めた緊張と静寂を伴う音空間に、歪みまくった極太ノイズに深いリバーブをかけたギターを垂れ流すという定番スタイルだ。
起伏のある曲展開は全く期待できない超スロードローンアンビエント地獄が70分続くという、まるで修行のような苦行サウンド決定版だ。
UNTIL DEATH OVERTAKES MEで聴ける楽曲スタイルでさえ、超スロードゥームなのに、こちらは更に輪をかけて超スローである。
冷ややかさと静けさが素晴らしい絶品のシンセと、
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BEYOND BLACK VOID-Desolate ★★★ (2021-06-07 02:04:28)
ベルギー産フューネラルドゥーム2003年作
人に貸したままになって15年以上経つが、少なくともコレを借りたいと言ってきた友人はある意味天才だ。このチープさに潜む魅力を理解するには
彼の作品をゲットし続けないと全く意味がわからないだろう。コレをゲットした当時は、再生した瞬間に聴こえてくるチープなノイズにショックを受け
窓から円盤のように投げようかと思ったものだ。こんなシロモノに散財した自分が情けなくなり、こんな作品に対して少しでも興味を持った自分はバカだと
自己嫌悪したものだ。いろんな作品を蒐集していると、驚くようなポンコツ作品に出会ってしまうことがある。この作品はそんなポンコツ作品群の中でも
特に際立ったポンコツ感があった。しかし、何故だろう。Stijn van Cauterの作品をゲットし続けてもはや十数年、購入当時に全く理解できなかったが
この作品
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BEYOND BLACK VOID-Wraith Crag ★★★ (2021-06-07 01:31:51)
ベルギー産フューネラルドゥーム2021年作
UNTIL DEATH OVERTAKES MEをメインプロジェクトとする一方で、多くのソロプロジェクトを抱えるStijn van Cauterによるドローンドゥーム。
新型コロナウイルスのせいで、昨年は空輸できない期間があったが、やっと彼の運営するレーベルショップからの空輸が解禁となりゲットすることができた。
受注したらその都度CDrを焼くのだろう。届いた盤からは印刷したてのインクのニオイが漂い、盤の印刷も光沢がある。いかにもPCで個人で加工した感のある
ジャケとバンドロゴは、長年彼のポンコツ作品にひたすら散財した者としては、残念感など皆無、逆に妙な高揚感がこみ上げてくる。
普段あまりCDr作品は買わないのだがStijn van Cauterの作品はデジタル作品かCDrしか見かけないから仕方がない。チープなジャケ
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SATANIC WAVES-They Burn ★★★ (2021-06-04 01:03:26)
チリ産ストーナーロック2021年作
先月末にリリースされたメタル辺境国チリから突如現れた、恐らく無名なバンド。しかし、そのレジェンド級の音響から、相当な経験値の高さが感じられる。
もう南米チリは、ボクの中で過去の辺境イメージが先行しているだけで、メタル辺境国とは言えないかも知れない。最近は率先してチリ産に注目しがちだ。
CDでのリリースは無いようでMP3ファイルでゲットしている。PCを開いている時にしか聴いてない上、リリースから数日しか経っていないにも関わらず
今年最も衝撃を受けた上半期ベスト盤と言える。一聴しただけで、その素晴らしさが伝わってくる。もはやストーナー路線はあまり漁っていなかったから
偶然にもこのサウンドに巡り合ったのはホントにラッキーとしか言いようがない。
バンド名からイメージする悪魔的なテイストは無いわけではない。イーヴルで適度な浮遊
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SABAZIUS-The Descent of Man ★★ (2021-05-13 19:49:38)
英国産ドローン・フューネラルドゥーム2013年作
歴代ドゥーム作品中最も素晴らしいと感じているアヴァンドゥームバンドHesper Payneが殆ど知られず世に登場した頃、カップリング作品に名を連ねたバンドがコレ。
そこから興味を持ち辿ってこの2013年作品をゲットしたが、今まで2回しか聴いたことが無い。ちなみに2回目はこのコメントを書きながら正に今聴いている。
しかもこの曲のラストまで聴いたことは無く、途中で断念している。というのも、ドローンノイズが響き渡る楽曲で、尺が11時間16分54秒という苦行なのだ。
当然CDに収録することはできず、当時はメモリースティックで販売されていたが、ボクはタダでダウンロードできるサイトからゲットしている。
既に故障し再起不能になった昔のPCに、もはやバンド名は忘れたが1曲の尺が24時間という苦行バンドの作品があったが、こちら
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MANILLA ROAD-To Kill a King ★★★ (2021-05-13 02:22:20)
米国産エピックメタル2017年作
そもそも米よりも欧州・辺境国のメタルを優先してゲットするので、このバンドの盤はあまり揃っていないが、完成度やエピックワールドの雰囲気
演奏力や貫禄といった点で、もはやレジェンドの域に達しそうなバンドである。決して突拍子の無い奇をてらった楽曲は無く、理に叶った曲展開で
オーソドックスに聴かせるワリに、同系バンドの追随を許さない渋味や味わい深さを備える。このジャンルでは優等生というイメージが強いバンドだ。
非常に心地よいイーヴルなギターの歪みだが、中音域より上がほんの少しメタリック寄りで、音像に紛れることなくキャッチーな旋律が伝わってくるので聴き易い。
そういう音作りから職人気質が伝わってくる。また、無駄に力まない達観した感じのヴォーカルスタイルも然りだ。手数とバリエーション豊かなドラミングもイイ。
ボクが普段愛聴するドゥ
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WITCHFYNDE-Lords of Sin / Anthems ★★★ (2021-05-13 01:38:19)
英国産NWOBHM1984年作
ボク世代(40歳代)はMETALLICAのラーズウルリッヒがバンドをチョイスしたNWOBHM2枚組オムニバス盤をキッカケに
NWOBHMブームを体験したメタラーは結構多いんじゃないかと思う。その盤に収録されるバンド群はもちろん、
いろいろ辿って蒐集に勤しんだ時期に、WITCHFYNDEはかなり入手困難で、結局高校時代は入手を諦めてしまったが、
大学時代にこの盤のリマスター盤が発売され、狂喜した思い出があるね。懐かしい。
ただ、購入当時はイメージに反してライトなサウンドで熱狂的に集中して愛聴したということも無かった。
しかし、そのワリにWITCHFYNDEの盤は結構揃ってて、満遍なく愛聴してきた。
バンド名から想像するサタニックな雰囲気はジャケデザインとイントロ部分のみで、かなりキャッチーな旋律で聴かせる。
こ
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AVANDRA-Skylighting ★★★ (2021-05-11 00:56:05)
プエルトリコ産プログレッシヴメタル2020年作
初期Dream Theaterの雰囲気を纏う処女作から約1年足らずで登場した2作目。ボク的にかなり期待しているバンドだが、短いスパンでの新作発表にチョイ驚きだ。
前作はなかなか難解な作品でもあり、まだ完全に消化しきれていないのに、昨年11月に新作をゲットし、難解さを乗り越えるためにワリと高い頻度で愛聴している。
前作に比べて大きな進化を遂げたとは言い難いが、かなりの力作である。楽曲の作り込み度合いが高く、なかなかスッと耳に馴染まないが高い完成度だ。
本家Dream Theaterと比較するとまだカワイソウなクオリティかも知れないが、やはり初期Dream Theaterの再来を感じさせるこの空気はたまらなくイイ。
終始霧に覆われているようなシンセと、ハーモニーを重視したウィスパーヴォイスに近いヴォーカルとコーラス
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EARTHSHINE-My Bones Shall Rest Upon the Mountain ★★★ (2021-05-04 22:45:47)
オーストラリア産ドゥーム2021年作
一応ドゥームとしたが、ツーバスもあるし一口でドゥームと言い難いところもある。ペイガンメタルのようでヴァイキング的でもある。
基本鈍重なリフで進行し、ゴリゴリに歪んだギターを豪胆に掻き鳴らす。今は無きBathoryを彷彿させ、若干ポストブラック寄りにシフトさせたような
音楽性に大きな魅力がある。しかし、コモリ気味の録音状態は、評価を真っ二つに分けそうだ。この粗雑な録音が味わいになっているとは言い難く
コレを楽しむには少々慣れが必要だ。ボクはあまり気にならなくなった。そのハードルを越えれば、このサウンド特有の浪漫主義的な雰囲気にハマる。
なんといってもジャケが美しい。鷹が飛ぶ夕焼けをバックに、獣の頭骨が描かれる荒野、石碑の前で白馬に跨る槍を持った騎士が佇む。
戦いに疲れ、故郷に帰ってきた的な雰囲気と、大地を感じさせる壮
…続き
KONQUEST-The Night Goes On ★★★ (2021-05-01 01:22:52)
イタリア産NWOTHM2021年作
2019年デビューのホットなバンドなワリに、年配向けトラディショナルモノ路線ど真ん中の化石ロックサウンドが楽しめる好盤。
最近はドゥーム路線よりもこの路線を多くゲットしているが、今年蒐集した盤のうち、最もレトロ感を堪能できたのがコレだ!
必要最小限に抑え気味のエフェクト、どこかで聴いたことのあるようなベタな展開、キャッチーなリフ、派手な演出は無く適度なテンション。
しかし何故かコレが相当ツボにハマる。奇をてらった派手な演出が無くとも、ハードロックの基本をガッツリ押さえていればカッコいいという事を
知らしめる作品だ。というワケで、この作品はロックを聴き倒してきた年配者向けである。ここのところ一番多く愛聴している盤だ。
リフや展開、どこかで聴いたことあるあるを存分に楽しめる。そういう曲を決め打ちして作っているんだろう。
…続き
RIPPIKOULU-Musta Seremonia ★★★ (2021-04-14 23:35:39)
フィンランド産ドゥームメタル1993年作
この作品をタイムリーに体験していれば、かなりショックを受けただろうと思う。残念ながらコレをゲットしたのは2010年にリマスター盤が出て数年後だ。
1993年年頃のフィンランド産ドゥームといえば、まず思い浮かぶのはTHERGOTHONだ。当時はデスメタル全盛、むしろ更にスピード化が加速していた時代に
鈍重で、超スローテンポなメタル、表舞台で活躍するサウンドに比べ逆行するスタイルに某メタル雑誌では低得点を食らい酷評され、ボクのような低得点マニア
は狂喜した。酷評ではあってもレジェンド級のクオリティだった。THERGOTHONはメディアで紹介されたぶん、ドゥームファンには一定の知名度はあったと思う。
しかし、活動時期がほぼ同じ時代であって、同等のレジェンド級クオリティを秘めるRIPPIKOULUは、更に知名度が低く、恐らく
…続き
RIPPIKOULU-Ulvaja ★★ (2021-04-14 22:56:54)
フィンランド産フューネラルドゥーム2014年作
3曲入りEP、量的にやや物足りなさはあるものの、中心人物だったと思われるギタリスト死亡後、21年のブランクを経て作品を世に出したことに興味惹かれる。
ダウンチューニングを施された重低音、絞り出すような低音デスヴォイス、ノイジーなギターには仰々しいシンセが絡む。いかにもフィンランド産の真性さがある。
唯一のフルレングスアルバムMusta Seremonia(1993年)のレジェンド級の凄まじさを継承しているとは言い難いところはある。それだけギタリストの存在が
大きかったんだろうと、まず感じてしまう。リフで構成する感じとブラストが無くなり、前作のデスメタル的楽曲からアンビエント寄りになっている。
真性さはある程度維持しつつ、スタイルが様変わりしているところは、評価が大きく割れるところだろうと思う。ボクとしては前作の
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IRON VOID-Excalibur ★★★ (2021-04-05 01:43:54)
英国産ドゥームメタル2018年作
前作Dooms Day(2015年)は、ヴィンテージドゥーム寄りのオーソドックスかつイーヴルな良作だったが、今作はヴィンテージ度がやや下がり
エピックドゥーム色をより強めた世界観が付加された。音響的には前作の方がドゥーム度は高いのかも知れないが、ボクはこちらの盤の方が好み。
エクスカリバーが描かれるシンプルジャケと、ドゥーミーな音像でありながら無駄を削ぎ落した飾りっ気のない楽曲のバランス感覚が素晴らしい。
速弾きなどのトリッキーなモノが極力排除された、聴きようによっては単調とも言えるリフで構成されるサウンドに何故か惹き込まれ
前作では殆ど感じられなかったエピックワールドが眼前に広がるかのような錯覚に陥る。濃厚になり過ぎないドゥーミーさがむしろ良い。
最近は作り込まれて凝った作品よりも、こういう超シンプルな作品の方がボク
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FROZENWOODS-Cold of Early Spring ★★★ (2021-03-18 00:37:41)
ロシア産アトモスフェアブラック2020年作
作品自体は2019年にカセットでリリースされ、CD化されたのが2020年のようだ。
前作から7年・・とはいっても、相当無名なバンドで、処女作である前作Echoes Of The Winterforest(2012年)のクオリティも決して高くはない。
少なくとも、当時は、ロシア産で極寒の自然を思わせるバンド名とアルバムタイトルが印象に残り、作品の雰囲気が好きだったが、ゲットには至らなかった。
しかし、今作のクオリティは非常に高いと感じる。聴けば聴くほど独創性の虜になってしまう。
EORONT、GLOOSHが最近ボクのお気に入りブラックだが、その2バンドのギタリストFoltath Eternumによるサイドプロジェクトと思われる。
ここに挙げたバンドはそれぞれに異なった趣きを持つ作品で甲乙つけ難いが、最も多く愛聴
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PATH(Путь)-Под крылом смерти ★★★ (2021-03-16 01:17:34)
ロシア産ブラックメタル2016年作
恐らく処女作品、このバンドが持つ大きな魅力であるアコーディオン導入は、この盤時点では無い上、インストである。
若干ドラムが前面に出過ぎている感は否めないが、絶妙な歪みを持つギターはこの盤でも体験することができる。
次作以降の素晴らしい盤を世に出す下地は、ギターエフェクトと荒廃的な音響という点で、ある程度この盤から感じられる。
ヴォーカルとアコーディオン入りの次作以降に慣れているため、若干未完成な印象はあるものの、ギタリストの音作りへのコダワリが感じられる好盤だ。
REVERSED-Widow Recluse-Widow Recluse ★★★ (2021-03-16 00:45:26)
アルバムタイトル曲。蜘蛛のバケモノが登場するかのような大胆なリフから始まり、ハイボルテージな走り気味の楽曲に圧倒される。
高速で刻むギターとシンバル多めの禍々しさ満点の演奏、全力で絞り出すようなデスヴォイスに悲鳴にも似た叫び声。
もはや何をやっているのかカオス状態の音空間にアドレナリンが分泌されまくりだ。また、中盤でテンポダウンし響き渡るギターが
やたらイーヴルで鬼気迫る感じだ。まるで蜘蛛の糸に囚われて体が蝕まれていくような疑似体験ができる。
アングラ臭と爆発力、アクの強い危険な香りが大きな魅力だ。デモテープ再録というローファイ感が絶妙な音空間を創り出しているね。
こういう固有の世界観と演奏スタイルを持つデスメタルは全力で応援したい。
SADISTIC DRIVE-Anthropophagy-Internal Putrefaction ★★★ (2021-03-14 20:37:46)
序盤と終盤の軽快なビートを刻む独特なリフ、爆発的なブラストが、TERRORIZERのWORLD DOWNFALL (1989年)を彷彿させる。
中盤はドゥーミーにネットリした演奏を聴かせ、カニバリズムのテイストを織り交ぜているという、美味しい所を凝縮したようなサウンドだ。
ブラストするデスメタルは多いが、こういうタイム感のバンドはきっと、オールドファンの心を掴む筈。カッコいいね。
SADISTIC DRIVE-Anthropophagy ★★★ (2021-03-10 00:03:59)
フィンランド産デスメタル2020年作
CoffincraftのNiklas Heiskanen、BloodscapeのJusa Janhonenという地元フィンランドでの知名度すらアヤシそうなマイナーバンド出身の2人を中心として
結成されたデスメタルバンドのフルレングスアルバムなんですが、相当クオリティの高い、一線級王道デスメタルスタイルが魅力のデスメタルファン必聴盤だ。
一般人から見れば、エグい血みどろローセンスな落書きジャケと悪趣味な緑色のバンドロゴに嫌悪感を抱くだろうが、この底辺のジャケを見るとボクは血が沸き立つ。
一見チープなジャケからデモテープレベルのポンコツサウンドを想像してしまいがちだが、騙されてはいけない。最適な録音でデスメタルの醍醐味が詰め込まれた盤だ。
ハードコアルーツの激しさを持ちつつも、スウェディッシュデスっぽくはなく、むしろMorb
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TROLLMANN AV ILDTOPPBERG-The Forest of Doom ★★★ (2021-03-04 23:19:18)
英国産ドローンドゥーム2001年作
カセットテープ作品は基本買わないので、カセットテープによるリリースを基本とする彼らの作品の多くはゲットできていない。
基本CDr作品も買わないんだが、ボクはこのバンドの作品に対してレジェンド級の評価をしているので、今作を含めCDrの作品を2作品ゲットしている。
近作As The Fog Clears But For A Moment, Weary Travellers Behold The Majesty Of The Snow-Clad Mountains Of Crom, Bathed In Ancient Starlight(2015年)
でさえ、Dungeon Tapesからカセットテープでのリリースである。デジタル時代にカセットテープにこだわる姿勢に最近は興味が沸きつつあり、むしろ
カセットテープでコレクション
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HESPER PAYNE-The Cruel Teeth of Winter ★★★ (2021-03-02 23:08:07)
英国産デスドゥーム2020年作
アヴァンギャルドなデスドゥーム路線ではボク的にナンバーワンバンドの昨年末にリリースされたデジタル作品。
タイトルを直訳すると「冬の残酷な歯」だろうか。過去作から植物が変異したモンスター的なテーマが感じられる異質な世界観があるが
この作品においても同様、魔物と化した森の木々が描かれる気持ち悪いモノクロジャケのイメージ通りの気持ち悪ーい音楽が楽しめる。
植物が纏わりつくようなウネリが特徴的なギター、軽快なビート感のようなコマーシャルなモノは皆無の鈍重なドラム、呟くようなヴォイス
鬱蒼とした森に漂う霊的な空気感を醸し出すシンセ、常に不協和なコードで構成される全く爽快感の無い毒々しいカビがわきそうな楽曲。
相変わらず健康を害しそうな日陰の音楽を全力でやっている。デスドゥーム路線ではオンリーワンな個性派で非常にクオリティが高い。
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CóNDOR-El Valle Del Cóndor ★★ (2021-02-28 21:31:34)
コロンビア産ヴァイキングメタル2018年作
辺境メタルを漁っているとコロンビア産は少ない分、目立つ。このバンドの作品も何度か見かけたが、あまりに粗悪な録音のため今までゲットしなかったが
恐らく通算4枚目だし、そろそろイイ感じになっただろうと思いゲットしたが、相変わらずデモ音源レベルの粗雑な録音状態に驚く。
音量を3メモリくらい大きくしないといけないくらい、全体的な音量が小さい上、ヴォーカルが目立ちすぎ、ギターが聴こえにくくバランスが悪い。
ローファイ感がアングラ臭を漂わせて味わいになっている類の録音ではない。意図的にそういているワケでもなく、単に録音技術が悪いんだろう。
少なくとも、デモテープ音源レベルの音響に一喜一憂できるマニアでなければ、絶対ゲットしてはいけない盤であることは間違いない。
そんな粗悪なポンコツ録音だが、描いている世界観と演奏スタイル
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TNT (2021-02-28 16:43:43)
動画のラストに書いてたよ。TNTに何度も加入したり脱退してるTony HarnellのバンドSTARBREAKERの曲。
Die For YouはStarbreaker(2005年)の1曲目だね。
ちなみにボクは持っていない。Dysphoria(2019年)を買おうかどうしようか悩んで結局買わなかった。
MESSIAH-Fracmont ★★★ (2021-02-26 11:49:49)
スイス産スラッシュメタル2020年作
昨年末に発見し、再結成モノで最も衝撃的だった作品。随分前に解散した筈だったが、前作のメンバーが結集して新作を出すとは思っていなかった。
ライヴ盤やEPを除けば、実にUNDERGROUND (1994年)以来、26年ぶりのフルレングスアルバムじゃないかな。
地元スイスで絶大な人気があったようだが、ここでも書き込みを見ても、MESSIAHはマニアご用達で日本ではあまりに無名な様子。
知名度が低くコレクターアイテムとしてただ持っておきたいという類いのバンドではなく、魅力のある特有の味わいが楽しめることをもっと広めたいところだ。
この盤発表直前に3曲入りEP「Fatal Grotesque Symbols ⸗ Darken Universe」が発表されており、新曲1曲以外は、看板曲かつ迷曲Space Invadersと
ホ
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MESSIAH-Powertrash-Space Invaders ★★★ (2021-02-24 01:45:43)
このバンドの魅力は初期のデモテープ時代に凝縮されているが、特に異質さを感じさせるのは、このスペースインベーダーだ。
特に優れた楽曲というワケではないが、The Doomから始まりAntichristで終わるこのアルバム内で、とてつもない存在感がある。
単なるブラックメタルやドゥーム、スラッシュメタルとは一線を画す独創性を志向していることが、この楽曲から伝わってくる。
このセンスがMESSIAHの大きな魅力だ。
MESSIAH-Rotten Perish ★★★ (2021-02-24 01:36:42)
スイス産スラッシュメタル1992年作
前作「CHOIR OF HORRORS (1991年)」から飛躍的にクオリティアップした、MESSIAHの音楽性の完成形を思わせた作品。
ジャケがより世界観に忠実なデザインになり、額に入れて飾りたくなるほど味わい深いアートワークに変化。
なんといってもこの盤の魅力は、硬派な最適な歪みを持つギターの音像にある。派手過ぎず、過去作のような特殊なギターサウンドではなく
HM路線のオーソドックスな音像となり、そのギターが奏でる構築的な個性的なリフがより引き立つ。本来このジャンルに求められる魅力が
大幅にアップした印象だ。前作までのB級感が払拭されて、このジャンルのサウンドではトップクラスの味わいがある。
しかし、過去作までにあった、狂気をも思わせる突発的にエンジンがかかるような破天荒な勢い、特有のグルーヴ感がほんの少し影を
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MESSIAH-Choir of Horrors ★★★ (2021-02-23 00:17:52)
スイス産スラッシュメタル1991年作
「Extreme Cold Weather(1987年)」と比べると、演奏が整然とし、中音域以上を強調したギターから、より聴き易い音質に変化している。
この変化は悪くない。が、MESSIAH特有の個性が若干薄まった感がある。とはいえ、独特なリフ構成や突発的なテンポチェンジといった
固有のサウンドは失われていない。むしろ、録音状態が向上し、過去作で感じられる粗雑・未完成感が払拭されたと感じさせる。
しかし、個人的には、MESSIAHの盤ではお気に入り度は低い。磨かれていないダイヤ原石的な「Extreme Cold Weather(1987年)」が持つ
未完成ながらも特殊な音質で構築される音楽性からの喪失感の方が大きい。また、クオリティ的に完成形を見たと感じさせるRotten Perish(1992年)への
過渡期を思
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MESSIAH-Extreme Cold Weather ★★★ (2021-02-22 23:40:13)
スイス産スラッシュメタル1987年作
MESSIAHを初めて体験したのは高校時代友人が持っていたこの盤を聴かされた時だったが、当時は魅力がさっぱり理解できなかった。
スイスといえば、Hellhammer~Celtic Frost、Coronerというレジェンド級バンドがいるが、当時はメタル未開拓な辺境のイメージは持っていた。
国籍による情緒の違いを意識し始めた頃で、スイスメタルに興味を持った頃に初体験をしたワケだが、少なくとも音楽性よりもアンバランスなジャケの
インパクトがとにかく印象に残ったバンドだった。高校時代から随分経ってからこの盤をゲットしたが(たぶんリマスター盤で2002年ロシア盤)
ジャケが可愛いといって当時の女友達に持ち帰られすぐに紛失。昨年再び購入に至ったワケだが、とりあえず同じ作品を何度か体験してわかったのは、
原盤、2002年露リマ
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BLOODBATH-Grand Morbid Funeral ★★★ (2021-02-22 22:23:11)
スウェーデン産デスメタル2014年作
BLOODBATHは我が家にはこの1枚のみある。20年選手の鉄板スウェディッシュデスメタルだ。一昔前なら堪能できたが、最近はこのテの激しさは苦手。
次作「The Arrow Of Satan Is Drawn(2018年)」では、激しさがほんの少し控えめになり、新たなアプローチを見せているが、ゲットしていない。
一般のデスメタルに比べて、禍々しさや激しさが上乗せされるスウェディッシュデス特有の個性が凝縮したようなサウンドが素晴らしい。
アンチクリスチャンな冒涜的な背徳感が濃厚に漂っており、その世界観が大きな魅力となっている。また、ザックリ感あるギターの禍々しさに血の感触がある。
ディレイを深めにかけたギターワークの気持ち悪さも聴きどころだ。血みどろでハイテンションなグルーヴ感が全体を支配し、もはやクタクタになるが
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