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netalさんの発言一覧(評価・コメント) 時系列順 51-100
EA-Ea Taesse
セイコーマート
AOSOTH-Iii
ALTAR OF PLAGUES-White Tomb-Through the Collapse: Gentian Truth
ALTAR OF PLAGUES-White Tomb-Through the Collapse: Watchers Restrained
White Tomb-Earth: As a Furnace
White Tomb-Earth: As a Womb
WINTERSUN-Wintersun
De Doden Hebben Het Goed
VULTURIUM MEMORIAE-Nato Per Ragioni Ignote
Ⅵ-De Praestigiis Angelorum
Tod Huetet Uebel-Malícia
SYMPHONY X-The Divine Wings of Tragedy
RIVERSIDE-Out of Myself
PAIN OF SALVATION-The Perfect Element, Part I
GORGUTS-Obscura-Clouded
SATYRICON
CORRUPTED-El mundo frio
DESTRUCTION-Release From Agony
VEKTOR-Black Future
White Tomb
VEMOD-Venter på stormene
In Their Darkened Shrines
Hymn to the Immortal Wind
KRALLICE-Ygg huur
MISÞYRMING-Söngvar Elds Og Óreiðu
IMMORTAL-Sons of Northern Darkness
IMMORTAL-Pure Holocaust
DEN SAAKALDTE-All Hail Pessimism
Slaughtersun (Crown of the Triarchy)
PARAMNESIA-Paramnesia
LICH KING
ANAAL NATHRAKH-Eschaton
YES
TIAMAT-Wildhoney
THANTIFAXATH-Sacred White Noise
MOONSPELL-Wolfheart
LYKATHEA AFLAME-Elvenefris
GORGUTS-Obscura
DIR EN GREY-UROBOROS
SLAYER
COBALT-Eater of Birds
ANNIHILATOR-Alice in Hell
AMIA VENERA LANDSCAPE-The Long Procession
GORGUTS
9MM PARABELLUM BULLET-Termination
LASTER-De verste verte is hier
JAKOB-Solace
मृत्यु का तापसी अनुध्यान
S.V.E.S.T.-Urfaust
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EA-Ea Taesse ★★★ (2015-12-23 15:29:44)

アメリカのバンド又はプロジェクトだと言われるフューネラルドゥームの1st。

延々と続くスローテンポ、歪みジリジリとした音色のギター、3曲で54分強という長さ等、基本となるツールは通常のフューネラルドゥームのもの。
しかしながら、通常のフューネラルドゥームと比して、暗黒性が薄めで、代わりに、神秘的な要素が多くを占める。
アートワークにて「EA TAESSE IS BASED ON THE SACRAL TEXTS OF ANCIENT CIVILISATIONS.」とあるが、
これが示唆する通り、失われた古代文明への憧憬や畏怖を強く感じさせている。

曲の中心となっているのは、古代にトリップするような感覚を醸し出すシンセである。
浮遊感のある音色ではあるが、音の空気を決定付けるものであり、聖歌の様な荘厳な響きが心地良い。

シン
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セイコーマート (2015-12-15 19:47:18)

茨城県にある現職場の近くにあり、昼飯で時たま使います。
カツ丼がうまい。

AOSOTH-Iii ★★★ (2015-12-07 20:06:09)

禍々しさ極まるリフと呪詛染みたがなりを放ち続けるMkMのヴォーカルを主体とするフレンチブラック。
DSOの3rdのような厚みがありドスの効いた音質であるが、あちらの様に宗教的で冷涼な雰囲気というよりかは蠢く毒沼の様な生々しい邪悪さを演出している印象。

それとの対照をなすカルティックなスロー・ミドルのウェイトも高いが、
そこでも邪悪さの余韻を残しつつ、次なる悪の到来への準備と言わんばかりの陰鬱さを演出しており、邪悪さを減じる事は無い。
加えて、音響までもが更なる恐怖を予感させるように巧みに用いられ、全てがフレンチブラック好きならまず納得できるクオリティと邪悪さを演出している。
激烈なリフ捌きによるストレートな邪悪さだけでなく、連鎖的にやってくる陰鬱さをも味わえる優れたフレンチブラックである。

気に入り度…93/100

おすす
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ALTAR OF PLAGUES-White Tomb-Through the Collapse: Gentian Truth ★★ (2015-11-23 17:12:25)

奇怪なトレモロのイントロで始まり、アンビエントから徐々にフェードインして、ミドルテンポの中神々しいトレモロを浴びせ続けるパートへ。
最後は、全てのネガティヴな感情を鎮圧するかの様な静パートで締める。

ALTAR OF PLAGUES-White Tomb-Through the Collapse: Watchers Restrained ★★ (2015-11-23 17:11:26)

初っ端からCastevetの様な荒々しいトレモロで攻め立てるダイナミックな曲。
…と見せかけて2分50秒から精神を圧迫された様な、歪んだヴォーカルがえぐいスラッジパートに突入し、最後は出口無き暗闇を彷徨うようなインストで終わる暗黒性強めの曲。

White Tomb-Earth: As a Furnace ★★ (2015-11-23 17:10:53)

1曲目の流れを汲み、途中で高めのスクリームを披露する等、激情性を高めている。
8分辺りから入るアンビエント調のパートも、トレモロ等のフェードインによってドラマティック。

White Tomb-Earth: As a Womb ★★★ (2015-11-23 17:10:19)

一聴して名曲確定の神々しいトレモロリフが印象的で、リフ自体に特に工夫が無いながらも、逆にメロディの良さが際立つ様に感じた。
テンションが引くパートにおいても、流れを切らずに敢えて荒々しさを残すことで曲全体の神々しさをキープしている。

WINTERSUN-Wintersun ★★ (2015-11-23 01:12:49)

個人的に流麗なメロディを前面に出すスタイルのメロデスやパワーメタル等が余り好きではないのだが、
ここまで圧倒的なテンションと流麗さを追及されると、もう素直に心震わせ、ヘドバンするしかない。
徹頭徹尾、猛吹雪も構わず猛然と進軍する戦士の世界である。
更に勇壮なコーラス等、フォーク/ヴァイキングパートも良いアクセントとなりつつ、どの要素も壮大な世界の構築に貢献している点も良い。

美麗なメロディや勇壮なメロディが激しくぶつかり合う、そんな音楽を求める人は是非。

気に入り度…89/100

おすすめ…Beautiful Death

De Doden Hebben Het Goed ★★★ (2015-11-22 12:24:54)

ベルギーのブラックの1st。2015年。

激情的・叙情的なトレモロを只管掻き鳴らしつつ疾走するカスカディアンライクなブラック…なのだが、このアルバムはこの手の中でも扇情力がトップクラスではないだろうか。
この手合いのブラックはアトモスフィアの醸成に重きを置きすぎて柔らかくなりすぎる場合もあるが、このアルバムではそういった「甘さ」を一切感じさせない所が素晴らしい。
Altar Of Plagues等の様に曲の押し引きをはっきりさせる事は少なく、クリーンギター等による小休止も入ってたりするものの、全体を通して激情性を貫いている所が好印象。

ジャケットに不穏な曇天と強風に靡く草木が描かれているが、そういった大自然のダイナミズムを強烈に感じる作品であり、
個人的にはUlverの名盤『Nattens Madrigal』にも肉薄する激情を感じたものである
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VULTURIUM MEMORIAE-Nato Per Ragioni Ignote ★★ (2015-11-20 22:53:40)

イタリアのアトモスフェリックドゥームの1st。2014年。

スローで単調なドラムと、ややノイジーで、儚く物悲しいドローン気味のギターによる、揺蕩うようなリフがほぼ全体を占めており、
全体を通してアンビエント/ドローン調に展開していくアトモスフェリックドゥーム。
一応、ベースがリフ的なフレーズを弾いたりしているが、
それでもなお余りにロック的なダイナミズムが無く、時間の概念が消え失せ、あらゆる事象の境界が消え失せた世界の様なものを連想した。
曲毎の違いが殆ど無く、「フォンフォン」とでも擬音付けられそうなサウンドを約43分に亘りほぼずっと聴かされる為、心を空にして聴くと少し癒される感じがしないでも無い。

しかし、一方では、④で清浄なクリーンギターの醸す清浄な雰囲気を絡めるなど、メロディの起伏はある程度用意されている。
その御蔭で、単な
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Ⅵ-De Praestigiis Angelorum ★★ (2015-11-19 20:18:34)

フランスのブラックの1st。
メンバー全員が、AntaeusやAosothといったフレンチブラックの大物に在籍中(していた)というバンド。

昨年面白いトレモロリフを次々と披露したThantifaxathと言うバンドが現れたが、このアルバムは、それを攻撃的にし、衝動性や破滅性を増した印象。
気持ち悪く音程が揺らぐカオティックなトレモロ連打を中心としつつ、キャッチーなリフや疾走感も用いており、陶酔性は比較的薄めである。
世界観の追求と言うよりかは、神にまつわる危うさや矛盾を弾劾するような哲学的・抽象的なフレンチブラックといったところで、
フレンチブラックにおいては、DSOの名曲『Mass Grave Aesthetics』に近いスタイルと言えると思う。

フレンチブラックとしては珍しいものではないものの、一つ一つのリフが充分な背徳性を纏ってお
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Tod Huetet Uebel-Malícia ★★★ (2015-11-15 10:42:16)

ポルトガルのブラックの1st。2015年。

①のイントロ、柔らかいポストロック風のギターから、Altar Of Plaguesの『Mammal』辺りに近い音楽性かと一瞬思ったが、
喉を枯らす様な金切声やドスの効いたがなり等を使いこなすヴォーカルや豪速ブラストが魅力のドラム等、全体的には彼らより暗黒性が更に強いアルバムである。
儚いメロディも僅かに混じる所があるものの、ポストロック的な幻想性よりかは、瘴気により蹂躙され、荒廃しきった世界を思わせており、
全体としては、ポストロック要素はブラックの放つ禍々しさを増強している要素として機能している印象。

その暗黒性だが、パンドラの匣が開いたが如き、圧倒的な禍々しさを湛えているのが素晴らしい。
方向性は違うが、DSOの『Paracletus』の様に、不条理な力が世界の破滅を齎す様を感じる。
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SYMPHONY X-The Divine Wings of Tragedy ★★★ (2015-11-08 16:16:59)

当初、ネオクラやパワーメタルの分類を見て「進んで聴かんでもいいや」などと思っていたが、それを後悔させた作品。

緻密なだけでなく、適度なへヴィネスをも伴ったリフ、そして淀みの欠片もない美麗なメロディ&ギターソロが満載であり、テクニカルなメタルとして最高峰のクオリティを誇る。
それだけでなく、壮大なコーラスや星の瞬きの如く幻想的なKey等のプログレ的なアレンジが随所に用いられ、ただでさえ美麗なフレーズの数々に彩りを加えている。
①のうねりすら感じるへヴィネス、④の荘厳なチャーチオルガン、⑨の幻想的な泣きメロ…と、魅力的な所を挙げればキリがないが、
こういった多様な要素をふんだんに用いたこのアルバムは、壮大な物語を見ているかのようである。

気に入り度…92/100

おすすめ…The Accolade

RIVERSIDE-Out of Myself ★★★ (2015-11-03 22:19:37)

のバンド、Opethと似ていると見る向きもあるようだが、個人的にはPain Of Salvationの方が近いと感じた。
というのも、Opethの様などこか他者を寄せ付けないような雰囲気と比べるとというよりかは、苦悩や諦観等、人間の感情の歪みに寄り添った感じを受けたからである。
この点、POSの名盤3rdにも通ずるものがあり、それをよりコンパクトにし、シンプルな曲展開にした印象。

また、ここぞで繰り出される泣きのギターメロの秀逸性等も共通するところだが、この作品のヴォーカルやエモーショナルなギターはより湿り気がある。
湿り気をストレートに感じさせることでダークさをそれ程前面に出しておらず、曲のテンションもあまり大きく変動させないことで、
全体として聴き易いアルバムに仕上げており、しかもクオリティの面でも見劣りしていない。

コンセプトは、
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PAIN OF SALVATION-The Perfect Element, Part I ★★★ (2015-10-31 22:56:26)

音楽的には、難解さや奇抜さに頼らず、緻密なリフやリズム、コーラス等の構築、ここぞで繰り出されるダークな雰囲気を纏った泣きメロによる、
プログレというだけでなく、純粋にロック/メタルとしても非常に優れた作品であるというのが第一印象。
カオティック或いはインプロ然としたフレーズではなく、緻密なフレーズの巧みな切り替えによる場面転換の手法が個人的に好印象で、
曲最初の雰囲気からは想像もつかない場面転換を難なくやってのけている。

これらの要素が、暴力や虐待の連鎖の中にある者達の嘆き、諦観、怒り…という感情を雄弁に語りかける。
更には、親から虐待を受け育った男とその男から性的虐待を受ける女性という、単なる虐待・被虐待の関係を悲劇的に描くに留まらず、
節々に感じる、虐待を受けたが故の喪失感を埋める為に女へ過剰に依存するといった、二人の微妙な関係性が何とも考
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GORGUTS-Obscura-Clouded ★★ (2015-10-07 19:45:20)

ダウナーな雰囲気が9分半も続く、アルバム中最も精神に来る曲。
寝不足状態で聴くと、余りのドロドロ感を頭が拒絶し、寝る事確実である(実体験)。

SATYRICON ★★ (2015-10-06 22:58:38)

Satyrが脳腫瘍の診断を受けたらしい…
http://www.metalinjection.net/latest-news/bummer-alert/satyricon-frontman-diagnosed-with-brain-tumor

CORRUPTED-El mundo frio ★★★ (2015-09-29 21:37:05)

1曲71分半のスラッジという、耐性の無い人には苦痛以外の何物でもない音楽。
スペイン語で「冷たき世界」と題されたこのアルバムで披露される、永遠の絶望と冷気に晒され、全ての希望が裏切られ、更なる絶望の糧となる荒廃世界に、
誰もが良くも悪くも悶絶必至であろう。

また、使われている要素は、アンビエントとスラッジ、ポストロック辺りで、これらの要素が数分単位で切り替わるのだが、
これら全てが一縷の希望の余地も無い究極の荒廃世界を示しているのが素晴らしい。
常に「冷たき世界」を意識した、一切の高揚感を与えない余りにも禁欲的な曲展開と合わさり、
如何に美しくとも、如何に聴きやすいフレーズであっても、必ず最終的には絶望と冷気へと繋がってゆく。

人を選ぶ音楽である事は間違いないが、1時間超えの曲も平気であり、Neurosis等を聴いてもなお別の荒廃
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DESTRUCTION-Release From Agony ★★★ (2015-09-28 22:24:22)

入り組んだリフワークと恐怖を駆り立てる狂気のリード&ギターソロが実に印象的な、テクニカルスラッシュ。
ただ緻密なだけでなく、孤独が転じて極度の人間不信に陥る寸前の様な②のギターソロ等、「精神を病む」スラッシュでもある。
しかも、各フレーズは複雑かつネガティヴな感情を煽るものながら、曲展開も破綻なく、曲もコンパクト(最長6分46秒)で、リフの連打を味わえる最適なものとなっている。

緻密なリフな連打の齎す快感と同時に、滲み出る不穏さや狂気をも味わえるという、大好物な要素が詰まったアルバム。
個人的な好みではあるが、スラッシュの中でも5指に入ってもおかしくないさえ思う。

気に入り度…91/100

おすすめ…Release From Agony

VEKTOR-Black Future ★★★ (2015-09-24 23:45:41)

このバンド、DestructionやVoivod等、スラッシュの中でも癖のあるバンドとよく比較されるようである。
成程、確かにリフの緻密さと複雑さ、リフ連打の猛烈さはかなりのもので、一聴強引に思えるような所も無くはない。

さて、このアルバムが素晴らしいのは、徒に手数を増やしているのではなく、それら全てがスラッシュ好きのツボを完璧に押さえている所で、
絶妙な刻みを巧みに絡めたリフの連打による快感には堪らないものがある。
更に、それと対照的に配置されたサイバネティックだったり、物悲しかったり、荘厳だったりする旋律も絶妙に用いられていて(トレモロ多めなのも個人的嗜好にマッチしている)、10分を超える長尺曲でも苦にさせないスリリングさもある。
要するに、リフ連打の齎す快感と精神が宇宙を旅しているかのような夢想的空間を味わえる、1枚で二度美味しいアルバム。
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White Tomb ★★★ (2015-08-26 21:37:11)

ポスト/シューゲイザーブラックのお手本のような煙たいプロダクション、
攻撃性は強めながら、邪悪さや寒々しさではなく、神々しいトレモロが放つ退廃的な美を主体とする作品。
例えば、③において初っ端からCastevetの様な荒々しいトレモロで攻め立ててから、精神を圧迫された様な歪んだヴォーカルがえぐいスラッジパートに突入したり、
アンビエント調のパートも少なくなかったりするが、小細工なしの上質のトレモロの雰囲気が素晴らしい。
メロウさを適度に抑え、アトモスフィアと攻撃性を上手くマッチさせているのが気に入った点である。

しかも、それだけでなく、アンビエントパートもトレモロ等のフェードインによってドラマティックに仕上げたり、
テンションが引くパートにおいても、流れを切らずに敢えて荒々しさを残すことで曲全体の神々しさをキープしたりしているなど、
曲展
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VEMOD-Venter på stormene ★★ (2015-08-24 19:34:01)

ノルウェーのブラックの1st。

今年Alcest等が所属するレーベルProphecy Productionに加入したという事で、ポストロックやシューゲイザー色の強い作品かと思ったのだが、
オーロラのうねりを思わせる美麗さと北欧らしい冷気を伴ったノイジーなトレモロ、怒りや恨みを滲ませる低めのがなり声等、ブラック要素の強い作品である。
更に、一瞬静謐な星空を見せるような2.の中間部、瞑想により精神的に光に満ちた世界に到達したかのような3.の荘厳なチャーチオルガン等、
アンビエントも大体的に取り入れていて、幻想性を強めている。

リフレインを多用し、情景描写を重視した作品ではあるが、その手のブラックによくある様なぼやけたプロダクションではなく、北欧ブラックらしい耳障りさを残しているのも特徴。
Ulverの3rdにおける超絶なノイジーさが寧ろメロ
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In Their Darkened Shrines ★★★ (2015-08-08 19:23:57)

淀みの無い豪速ブラスト、ロール&ツーバスが凄まじく、先ず耳を惹くところである。
驚異の手数を誇るタムロール等、個人的にはデスメタルの理想のドラミングの一つだと思う。
一方で、アラビックメロディの組み込まれたテクニカルなリフやギターソロ、11分以上ある⑤等で聴ける引き摺る様な禍々しいリフ、
呪詛的なヴォーカル、果ては神秘的なシンセまで、ブルータルな中にも適度な聴かせ所もある。
終始驚異のアンサンブルを味わえる爆走曲①②⑥から中近東の妖しさたっぷりな③⑤⑦まで、曲のアイディアも豊富。

敢えて一言あるとすれば、⑨~⑫に組曲としての纏まりを感じない事位で、他は紛れも無くエスニックなエクストリームメタルの代表的作品と言えるアルバムである。

気に入り度…91/100

おすすめ…The Bressed Dead

Hymn to the Immortal Wind ★★★ (2015-08-02 00:13:06)

なお、コンセプトは次の通りだと思われる。
 「とある少年と少女は、戦争によって厳しく荒廃した冬を生きる事を余儀なくされていた。しかし、他者に痛めつけられながらも、ある小さなしかし強く生きる木を見て、永く変わらぬものの存在を確信する。二人はその木の周りに小石で目印を付けて自分たちの思い出を託し、再会を願いながら、海へと身を投げた。(2.、3.)
 輪廻転生を経て、二人は新たなる生を受けた。勿論二人に明確な面識はないが、魂の奥底に刻まれた記憶が互いを全くの他人と感じさせず、ある日一瞬だけ視線を交わした時、喜びを感じずにはいられなかった。(4.)
 男は、何度も夢を見る中で、少年と少女が海底で横たわる姿を見る。そこで男は、嘗て少年と少女が再開を誓った地に立つ木の絵を見る。すると男はそこに何かを感じ、彼女との再会を願い、長い旅を決心する。(5.)
  木の夢を見た暫く後、
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KRALLICE-Ygg huur (2015-07-31 20:27:26)

今日とある海外サイトにて突然知らされた5thアルバム。

最長6分41秒の6曲という情報を見た時点で今までとは違うだろう…と思っていたら、その通り、アヴァンギャルドさとテクニカルさが際立つアルバムとなっていた。
一聴、アヴァンギャルドさを強めたCastevetみたいな感じで、彼らの売りであるエピックさを敢えて捨てた大胆な方向転換である。
相変わらず独特のメロディセンスのトレモロは用いているが、これまでの壮大な風景を描かせるような圧倒的美麗さは薄く、その点は残念な印象。
②が全体でずっとそんな感じだったので心配したが、③の後半のトレモロの美麗なうねり等を聴いて、トレモロのセンス自体は衰えていない事は伺え、少し安心した。
今後、このアヴァンギャルドさと美麗なトレモロとの融合が進化させられれば、過去の名盤・良盤達に比肩する作品ができるかもしれない…と、期待は
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MISÞYRMING-Söngvar Elds Og Óreiðu ★★★ (2015-07-30 22:18:45)

アイスランドのブラックの1st。2015年。

近年、Svartidaudi等優れたカルトブラックを産出し始めたアイスランドだが、今年また新たに素晴らしいバンドが現れた。
陰湿さと背徳感に塗れたトレモロとDSOの『Fas~』にも通ずる理不尽さを醸すようなリフワークを若干シンプルにしたようなものがメインであり、
特筆すべき革新性は余り無いが、カルトブラックとして必要な全てを備えた名盤である。
強いて言えば、⑤辺りで見られる単調に音を刻んでいくミドルテンポのパートがやけに寂寥感を掻き立てたりする所が前述のバンドには無い要素かと思う。

また、フレーズ単体でも素晴らしいが、曲展開やアルバムの流れも良い。
通ずる所が少なからずある『Fas~』は個人的に曲の落差をコントロールしきれていない点が不満だったが、このアルバムはそれよりもコンパクトで、その点
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IMMORTAL-Sons of Northern Darkness ★★ (2015-07-24 22:18:29)

2ndで見せたようなブラックらしい寒々しさは大分消え、
代わりにデス的なうねりやスラッシーで猛烈、シャープな刻み、そして硬質なドラムで全てを薙ぎ倒すアグレッションと爽快感を味わえる作風となり、
デス成分強めのメロデスと言ってよいパートも少なくない。
ブラック要素としてトレモロが多少残ってはいるが、刻みリフと結合させたような使い方をしていて、適度な禍々しさを放ちつつも爽快感を全く損ねていない。
また、5thに比べれば曲の長さが多少短くなり、リフのシャープネスを洗練させた事もあり、冗長さが減っているのも好印象。

Keep Of Kalessin等とは違う作風でシャープさを大胆に取り入れた良質なブラック。
メジャーなメタルに接近した後期Immortalの完成形と言っても良いのでは。

気に入り度…90/100

おすすめ…On
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IMMORTAL-Pure Holocaust ★★★ (2015-07-22 19:55:42)

これを聴く以前、自分は5th『At The Heart Of Winter』しか聴いておらず、
ブラックとメロデスに近い要素を取り入れたリフの質は高いものの、冗長な部分が多い印象を持っていた。
一方で、こちらは1曲最長5分半とコンパクトであり、かつ迸る寒気はその比で無い純然たるブリザードブラックであった。
DissectionやThe Legion等に比べるとストレートな寒さは劣るが、
このアルバムの場合は、恐怖により精神全体を暗黒に叩き音とすような邪悪さを加味しており、全体的な精神の侵食度は何ら遜色は無い。

リフが全体的に素晴らしいのは言うまでも無く、
真性ブラックにマッチした雪崩込む様なドラム、邪悪なメロディとの相乗効果により恐怖を煽る粘度の高いAbbathのヴォーカル等、他の要素も良い。
取分け素晴らしいのが、①等に現れる、リフ以上
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DEN SAAKALDTE-All Hail Pessimism ★★★ (2015-07-16 19:55:09)

スウェーデンのブラックの1st。
ShiningのNiklas Kvarforthや1349のSeidemannが参加。

ShiningはⅣとⅤを聴き、個人的にプログレ具合が過剰で物足りなく感じたが、こちらは純度の高い紛う事無き鬱ブラック。
純粋なディプレッシヴブラックまでとはいかないが、
精神を黒く染め上げ別人格に変えてしまうようなトレモロや毒ガスを凝縮したかのような刻み等印象的でありながら確実に精神を蝕むフレーズを味わえる。

また、ブラックにしてはノイジーさの少ない音質であるが、芯の通った重厚な音で、それが妙な迫力と陰鬱さを放っており、この手のブラックとして理想的な音質だと思う。
更には、 ③の感情が消え失せていく苦しみの様な物悲しいギターソロ等、普遍的なメタル要素がありながらも、十分な鬱度や濃い瘴気を放っている点も素晴らしい。
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Slaughtersun (Crown of the Triarchy) ★★★ (2015-07-14 20:28:25)

スウェーデンのメロディックブラック/デスの2nd。
近年Dan Swanö氏のリマスターで、Century Mediaより再発。

メロディックなスウェディッシュブラックと言えばDissectionであるが、毛色は違えど遜色無い名盤だと思う。
それ程ブラックらしい寒々しさや邪悪さがある訳ではないが、強烈な陽光に照らされた海洋に覆われた世界の開闢の蠢きに直面する様な、荘厳さすら醸すメロディが超一級である。
加えて、単調にトレモロや刻み等一辺倒に終わらず、リフレインの長さと使い分けも的確で、
インストの③を除くと平均10分近くある長尺性も苦にさせず、寧ろメロディを損ねずに陶酔感や退廃を演出している。

この辺の絶妙さといい、急に雪崩込む様なフィルによる切り返しを多用するドラムといい、Weakling辺りに通ずる所があるが、
彼らの様なバン
…続き

PARAMNESIA-Paramnesia ★★ (2015-07-03 22:37:25)

フランスのアトモスフェリックブラックの1st。
曲名は1stEPからの通し番号。

フランスのバンドだが、フレンチブラック的な病度やカルトさは控えめで、
自分が見たサイトではAsh BorerやFell Voicesに似ているとも評されていたが、確かにその通りだと思う。
①の5分過ぎの美麗な激流を思わせるメロディックトレモロなどを巧みに交えた本格派カスカディアンブラックで、靄に覆われたかのような音質までも本場に負けず劣らず。
20分強が2曲とこれまたカスカディアンらしいが、フレーズの良さと適度なリフレインの長さでしっかりまとまっており、曲展開の面でも適度な陶酔感を醸す点も好印象である。

一方で、②のアルペジオを交えた不穏なイントロから瘴気的なリフに雪崩込むパート等病んだフレーズも良く、
そういったフレーズとカスカディアンの融合の上手
…続き

LICH KING (2015-07-02 21:40:28)

『Super Retro Thrash』をBandcampで少し聴いたけど、モロRPGのボス戦ですわww
リフ自体は結構良さげなので、このアルバムを普通のスラッシュで聴きたい…
と思ったら、既発曲の8ビットアレンジだったんですね。

ANAAL NATHRAKH-Eschaton ★★ (2015-07-02 19:38:20)

マシンとはいえ、違和感の全く無い豪速のブラストに乗せて叩き込まれるブラックらしい荘厳で禍々しいリフやブルータルな刻みや疾走感を中心とする
グラインド/ブルータルブラック。
全体を迸る異常なテンションや発狂具合、最長5分弱という曲の短さなどからして、ややグラインド寄りである。

先述もしたが、特筆すべきはその異常なまでのテンション。
聴いているとヘドバンのし過ぎで首がもげ、噴出した血液が一瞬で蒸発しそうな程で、史上最もハイテンションでブルータルなバンドの一つと言っても過言ではないと思う。
またそれだけでなく、クリーンヴォイスや印象的な刻みやメロディも適度に交えており、アルバム全体を通して飽きさせない。
最終曲⑨がくどくて無くてもよかったとは思うが、それを除けばブルータルミュージック好き歓喜のフレーズ満載の良盤である。

気に入り度…86
…続き

YES ★★ (2015-06-29 21:55:55)

『Close To The Edge』しか聴いていないプログレ初心者ですが、このアルバムだけで凄まじいインパクトを感じましたね…
「ベース=縁の下の力持ち」という式が全く当てはまらない多彩なベースプレイはしがないメタラーの耳にも残ります。
RIP

TIAMAT-Wildhoney ★★★ (2015-06-26 19:51:55)

陰鬱なへヴィリフと精神を異世界へ吸引する様な音色の儚いメロディを中心とした、デスドゥームとゴシックの中間の様な音楽性。
一方で、タムを効果的に交えたトライバルなドラミングや薄らとした音色やキャッチーなエレキピアノ等を多彩に使い分けるシンセなど、プログレ的な趣もある。
それがゴシック・ドゥームにありがちな、過度な倦怠感を感じさせず、また耽美一辺倒でもない要因となっており、コンパクト性もあってアルバム全体でも聞き飽きる事は無い。

歌詞に
「In dream's realm can no one die
Sleep safe my little boy」
などとあるが、そんな幻想世界と苦悩と仄かな喪失感を孕んだ現実との狭間に誘うかの様な名盤。
ゴシック好きは勿論、プログレ好きにもお薦めである。

気に入り度…92/100

…続き

THANTIFAXATH-Sacred White Noise ★★ (2015-06-25 19:42:30)

近年では、KralliceやCult Of Fireなど邪悪でノイジーなだけではないトレモロを巧みに用いたバンドが現れてきているが、
このバンドもリフのアイディアの面で全く負けていない。
①の初っ端から聴けるグロテスクに音程が上下するトレモロ、Kralliceの名曲『Dust And Light』のイントロをより寒々しくした様な荘厳な②のイントロ等、
トレモロのアイディアが多彩。
しかも、トレモロのメロディの輪郭自体ははっきりしていながら、要らぬ叙情性を発生させることなく、
あくまで不安や堕落、神秘性等が蠢く、吐き気を催す様な異常世界を保ち続けている点が素晴らしい。

④のイントロ、漂うようなアルペジオのギターを絡めた抽象的な夢の中にいるようなアンビエント調のパート等、
サイケデリックなパートも随所に絡めて飽きさせない工夫もある一方、
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MOONSPELL-Wolfheart ★★ (2015-06-09 19:46:11)

後にゴシック要素を強めていくそうだが、今作はゴシックとフォークブラックの中間に位置する音楽性である。
ゴシックのメランコリー、ブラックのおどろおどろしさ、フォークの物悲しく優美な調べ…
それらが絡み合う世界は、月夜の美しさと狂気に駆られて進む狼の群れの織り成す世界そのもの。

ブラストやアグレッションに任せて走る所は無いが、リフやメロディの良さもさることながら、シンセの導入法や曲展開の方も十分に面白い。
②のふわついたシンセ等、妖しい雰囲気を醸していて良い。
B級なヴォーカルやともすれば華美過ぎにも思えるシンセさえもマイナスにはならず、
寧ろおどろおどろしさに拍車を掛けているという意味では寧ろ良いくらいに思うし、全体的には普通にA級のメタルである。

個人的にゴシックは全体的に好きではないが、色んな要素が絡む妖しい世界を味わえる良
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LYKATHEA AFLAME-Elvenefris ★★ (2015-06-06 16:24:14)

チェコのプログレデスの、Appalling Spawn時代から数えて2nd。

一言で言うと、中近東の神秘的なメロディ漂うプログレデス。
デスメタルらしく、不気味でタイトなリフや甲高いスネアが心地良い豪速ドラム、ディープなガテラルを主軸とするが、
同じくエスニックなNileやBehemoth等と比べると、シンセや展開の大仰さ、長めのランタイム等プログレ度合が高めである事を特徴とする。
アルバムの締めに至っては、11分にわたる楽園を彷彿とさせるシンセインストだったりする。

また、手数やブルータリティこそ柔らかな音色のシンセや神秘的なクリーンギターによって緩和されているとはいえ、デスメタルパートも著名なバンドに比べても遜色は無い。
不要な変拍子とか複雑なフレーズはあまり使わず、リフのうねりやアトモスフィアに重点を置いているのも個人的に好印象。
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GORGUTS-Obscura ★★ (2015-06-01 19:38:11)

スピードや手数ではCryptopsy等のバカテク勢に及ばぬものの、理解不能な展開やタイミングで繰り出される病的にうねり乱高下するリフや退廃的なメロディが実に気持ち悪い。
間違った方法で悟りを開いてみようとしたら精神が半壊してしまったかのようなサウンドで、
Meshuggahが精密過ぎるオーバーテクノロジーな機械の如き変態さだとすれば、こちらはより生々しい有機的な気持ち悪さである。
そんな音を60分以上聴かされるものだから、こっちの脳までおかしくなりそうであり、多分理性で全容を把握しようとするのは不可能であろう。
また、アヴァンギャルド/テクニカルデスというと、安易でありきたりなシンセやネオクラギターに頼るバンドも少なくない中、
殆どリフとリズムワーク、不気味なリードだけでテクニカルさに留まらない変態性やグロテスクさを創出している点も個人的に気に入った点である
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DIR EN GREY-UROBOROS ★★★ (2015-05-26 19:55:16)

ある意味普通のブラックをも凌駕するカルト性と息詰まる狂気が内包された空気が非常に印象的で、トライバルなメロディやリズム、
過剰な迄の七色ヴォーカル(クリーン、ガテラル、スクリーム、ホイッスル…etc、同種のデス声でもピッチがかなり変わる)がそれらを演出している。
この手の作品では蛇足になりがちなキャッチーな歌メロやリフさえも、後の苦痛への布石かと思わせる位、全体的に密閉された雰囲気である。
『冷血なりせば』の中盤など、DSOの『Fas ~』あたりにも匹敵する、半狂乱の人の手により構築されたカルトじみた具現化された闇を放っていると思う。

加えて、絶妙なタイミングで引き、清浄さと不穏さを併せ持つ美麗なメロディで魅せるなど、曲展開も絶妙。
特に事実上の1曲目でありながらアルバム中最長たる『Vinushka』は、展開含めこのアルバムの美点全てを味わえる名曲で
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SLAYER ★★★ (2015-05-23 00:02:05)

Jeffが亡くなり、Nuclear Blast移籍後初となる新作アルバムの11th『Repentless』が今年9月11日に発売の模様。
Jeffの遺作曲『When The Stillness Comes』が視聴できますが、
齢50程のおっさん達による、しかもメンバー2人が離脱してしまった後とは思えない、相変わらずの「凄み」ですね…
個人的には、South~やSeasons~が若干モダン化した感じかなと思いました。
http://www.nuclearblast.de/en/label/music/band/news/details/3880596.3400479.slayer-announcement.html

COBALT-Eater of Birds ★★★ (2015-05-10 15:26:55)

USAのブラックの2nd。

ブラックらしい背徳感を纏ったメロディックなトレモロだけでなく、
スラッシーな刻みや効果的なタム等を用いるなどして時にトライバルさを演出するドラムも交え、ある種異様に思える高揚感を演出している。
その異様な雰囲気は、全ての生物が闘争本能と狂気に駆られ、一つの弱肉強食の世界に組み込まれたかのようである。
曲展開の方でも、後半で楽器陣がうねり雪崩込む等絶妙で、より一層闘争本能を煽る。

同じ曲名『Ritual Use Of Fire』を冠されたアコギ主体で(ほぼ)インストの③、⑧、⑩は無くても良かったとは思うが、それを除けばアルバム全体の流れも良い。
終盤で無機質な哀愁の漂う8.を挟み、⑨、⑪で再び闘争本能を煽るブラックに戻り、戦歌的なメロディでアルバムを終える様は、
闘争の世界で傷を受け続けてもなお世界の流れ
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ANNIHILATOR-Alice in Hell ★★ (2015-04-17 19:32:05)

2ndでも同様に書いたが、1stたるこのアルバムの時点で既にシャープさとテクニカルさの塩梅が絶妙で、ちょっとした刻みの変化やアクセントの付け方等は負けず劣らず。
しかし、全体的な雰囲気や曲展開の面では違いも見られる。
曲展開の複雑さに関しては、凝り過ぎな所もある為か、2ndよりは散漫な気もする。
一方で、狂気を滲ますヴォーカルも相まって独特の不穏さもあり、過剰な曲展開もそこまでマイナスになってはいない。
寧ろ、美しいプレリュードをやっておきながら、本編のイントロでもまだ複雑に展開していく②等、良い意味で頭がいかれたシアトリカルな展開を演出している所も多い。
全体の完成度は次作に譲るが、癖と複雑さのあるフレーズやリズム、曲展開を難無く聴かせる手腕だけでなく、独特の淀んだ空気をも味わえるテクニカルスラッシュ。

気に入り度…81/100

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AMIA VENERA LANDSCAPE-The Long Procession ★★★ (2015-04-16 20:00:34)

イタリアのポストハードコアの1st。

複雑なリフ捌きと高めのアグレッション&テンションで畳み掛ける所等、Convergeにも通ずる要素もあるが、
あちらの錯乱したかのようなカオティックさは薄めで、代わりにポストロック風な美メロが際立っている。
淡い光を放つ様なクリーンギターや激情のトレモロ等、真新しいものはそれ程多くないが、非常に素晴らしい美メロであり、
あの『Jane Doe』の最終曲終盤にも勝るとも劣らぬ美しさを兼ね備えた曲が並ぶのが特徴。
Convergeのみならず、IsisやEnvy等、ポスト/カオティックハードコアの良い所を凝縮した作品である。

しかも、クリーンギターによる幻想パートでもアグレッシヴなドラムでテンションを保ち、雲の隙間から注ぐ一条の光の様なアンビエント色の強い④等、
本当にここぞという時にテンションを落と
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GORGUTS ★★ (2015-04-08 19:43:49)

>>GODさん
早速のレヴューお疲れ様です。
自分はマーケットプレイスの一番安い所(海外)で買ったので、届くのはまだ先になりそう…

9MM PARABELLUM BULLET-Termination ★★ (2015-04-04 16:07:57)

縦横無尽に弾きまくるリードギターとハイテンションな疾走感、それに反するように懐メロで歌う脱力的ヴォーカルや一瞬の静寂など、
それらの要素を違和感なく纏め上げる力量は1stにして既に現状の最高傑作と言える出来。
個人的には、他の作品に比べて、特定の要素に特化しすぎてないからかと思うが、そういう所は何が正義か分からなくなった退廃の世紀末のようである。

また、アルバム全体の構成も良い。
色々なヴァリエーションの曲を散りばめていて全体を聴くのに飽きさせないし、
大局的には、疾走とキャッチーなメロディを主体とする前半、退廃と叙情を歌う後半と、ゆっくりと崩壊に向かう世界のよう。
そして最後に爆走曲で締め、世界の悲惨な末路を示すという、ストーリー的な感じである。

ポストハードコアをベースに、メタルや歌謡曲など色々と鍋に入れて煮込んだ結果、独自の
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LASTER-De verste verte is hier ★★ (2015-03-18 17:49:06)

オランダのアトモスフェリックブラックの1st。2014年。

靄の掛かったようなややメロディックなトレモロのリフレイン主体というアトモスブラックの王道。
Kralliceのメロディックさを抑え、更に濃霧を掛けた感じと言えるかもしれない。
王道的な作品ではあるが、全体的な音の暈し方といい、リフの押し引きの仕方といい、アトモスブラックとしての音響の使い方がこの手のブラックの中でも優れていると思う。
取分け、①の儚いギターとドラムで疾走する所を始め、旋律と暈しのバランスが絶妙で、敢えてフレーズやリズムの輪郭を抑えたトレモロの使い方が素晴らしい。
「Obscure dance music」とBandcampにて自らを評するが、踊っているのは濃霧で覆われた、漣の海で不気味に踊るジャケットの如き異形の聖霊であろう。
アトモスブラック好きの方は是非。

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JAKOB-Solace ★★ (2015-03-12 16:58:02)

ニュージーランドのポストロックの3rd。

一言で言えば、王道だがハイレヴェルなインスト・ポストロック。
シンセにも似た音色のギターによる揺蕩うような心地良い単音メロディが素晴らしく、催眠効果のある幻想世界を作り出している。
また、一聴幻想を壊しかねない焦燥感や躍動感を煽りながらも、逆にそれが聴き手の幻想に新たな光と彩りをもたらすリズムワークが絡むのも印象的。
弾ませ過ぎな所も一部あるが、別世界への切望に駆られ、暗闇の中の微かな光の方へと走っていくようであり、全体的にはそこが更なる強みとなっているように思う。
IsisやToolがポストロック化した感じでもある。
割と王道的でオリジナリティはあまりないかもしれないが、ポストロック或いは周辺ジャンルが好きな人の多くに受け入れられるであろう良盤である。

気に入り度…84/100

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मृत्यु का तापसी अनुध्यान ★★★ (2015-03-11 16:59:57)

なお、タイトルはヒンディー語で「Mr̥tyu kā tāpasī anudhyāna (英語:Ascetic Meditation of Death)」、各曲のラテン文字表記と英訳は
1. Samhāra rakta kālī (Black Blood Slaughter)
2. Astitva kī citā (On the Funeral Pyre of Existence)
3. Śava sādhanā (Silence Bodies)
4. Kālī mā
5. Mr̥tyu hī satya hai (When Death Is All)
6. Mr̥tyu kā vībhatsa nr̥tya (Gruesome Dance of Death)
7. Khaṇḍa maṇḍa yōga
8. Divya prēma kī j
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S.V.E.S.T.-Urfaust ★★★ (2015-03-01 00:51:34)

まず音質に関して、ノイジーさは中々、荒目で音量のバランスが多少悪い気もするが、ブラックとして普通に許容範囲である。
曲展開を追うのに若干支障をきたすものの、逆にそれが最大の特徴であるカオティックさを蔓延らせていて、このアルバムにとってある意味で理想的な音質。
そのカオスはかなりのもので、凄まじすぎて最早善悪を超越したような、時に神々しくもある存在にまで昇華しているように思える程。
また荒い音質とカオスの後ろから微かに聴こえるフレーズも素晴らしく、
ブラックらしい荒涼としたリフ、この世全ての概念から乖離したかのような浮いたシンセ的音色のメロディ等、印象的なフレーズが随所に聴ける。

曲者揃いのフレンチブラックの中でもアングラチックでかつ癖の強い作品ではあるが、個人的にはフレンチブラックの金字塔の一つではないかと思える程気に入った。
DSOの『SMR
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