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netalさんの発言一覧(評価・コメント) 651-700
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THE FACELESS-Planetary Duality ★ (2013-04-12 14:11:50)
アメリカのテクニカルデスメタルバンドの2nd。2008年。
テクニカルながらもグルーヴィーなリフが心地良く、曲もコンパクトでダレる所もあまりない。特に1.等で聴けるリフとバスドラのユニゾンが素晴らしい。
摩訶不思議でスペーシーなギター、複雑な曲展開やテンポチェンジを難なく聴かせてくれる点も良い。
そういった意味では全体的に良質なテクデスである。
…なのだが、欲を言えば突き抜けた個性が欲しかった所。
ヴォコーダーの使用等もあり、Cynicなどプログレ・変態系からの影響をかなり受けていると思われるが、味付け程度であって、それ程作品の個性を出すには至っていないと思う。
要はこの手の流麗なメロディを取り入れたテクデスの枠内に留まってしまっている。
ただそれを気にしなければ良質なテクデスなので、テクデス好きは聴いて損はないアルバム
…続き
THE FACELESS-Planetary Duality-Prison Born ★★ (2014-10-16 21:49:13)
荒れ狂う楽器陣が心地良い、ブルータルな良曲。
特にサビのギターとバスドラのユニゾンが圧巻である。
THE LEGION-Unseen to Creation ★★★ (2014-02-02 15:25:02)
一言で言って寒い。とにかく寒い。
Dissection辺りが猛吹雪によって体温を徐々に奪って命を奪う感触だとしたら、
こちらは死の実感を与える間もなく永久の氷漬けにされ、地獄の最下層に流れる川コーキュートスに逝かされるようなイメージ。
それをアルバム全編に渡り感じさせ、寒々しいブラックが好きな人には堪らないだろう。
無慈悲さを感じさせる刻みリフ等も上手く使われていて、寒々しいトレモロ一辺倒にならずに、飽きる事無く聴き通せる点も素晴らしい。
Emilのドラムは文句無し。豪速ブラスト、切れ味鋭いフィルや金物使いがアルバムの寒さと無慈悲さを更に高めている。
どの曲も圧倒的な寒さと無慈悲さを誇るが、特に印象に残ったのは②~④と⑦である。
前者はこれだけで名盤確定レヴェルの名曲群。後者はEmperorの1st並みの荘厳なシンセをフィーチャーした曲。
…続き
THERGOTHON-Stream From the Heavens ★★★ (2015-12-30 23:20:37)
超スローなテンポは勿論、潰れた音色の引き延ばされたギター、歪みきったグロウル、生気の欠片も無いノーマルヴォイスの囁き等、
どの要素も異常なまでにテンションを欠いているのが特徴。
これらの要素が相当な破滅性を放っており、絶望を感じる心すら死に絶えた、破滅の極みの世界を思わせる。
…が、延々とこれらの要素で引っ張っていく訳でもない。儚いシンセやアコギによるアレンジ等、叙情性を醸す要素もあったりする。
では、これが破滅性を壊してしまうかと言うとそうではなく、「フューネラルドゥームとしての」抑揚を多少与えると共に、破滅性をより際立たせている。
フューネラルドゥーム黎明期の作品ではあるが、既にフューネラルドゥームとして完成された作品。
個人的には、1周廻って、寧ろ究極に近い美しさを感じたまであるほどである。
…余談ではあるが、除夜の
…続き
THULCANDRA-Fallen Angel's Dominion ★ (2012-05-04 17:45:56)
簡潔に言うと、雰囲気はほぼDissectionの2ndまんま。全体としては「Storm~」に、ヴォーカルは「The Somberlain」に近い。
ただちゃんと彼らなりのカラーはある。Dissectionに比べてスラッシーなリフが多く、邪悪さが際立っている。
一方で、凍えるような美しさは(あくまでもDisssectionと比較すれば、であるが)やや薄く、これを個性と見るか、後継者としての力量不足と見るかは意見が分かれるかもしれない。
おすすめ…Everlasting Fire
THULCANDRA-Fallen Angel's Dominion-Spirit of the Night ★ (2012-10-07 19:42:09)
「Thorns Of Crimson Death」に旋律やリズム、展開に至るまでそっくりな曲。
本家よりは少しコンパクトだが。
TIAMAT-Wildhoney ★★★ (2015-06-26 19:51:55)
陰鬱なへヴィリフと精神を異世界へ吸引する様な音色の儚いメロディを中心とした、デスドゥームとゴシックの中間の様な音楽性。
一方で、タムを効果的に交えたトライバルなドラミングや薄らとした音色やキャッチーなエレキピアノ等を多彩に使い分けるシンセなど、プログレ的な趣もある。
それがゴシック・ドゥームにありがちな、過度な倦怠感を感じさせず、また耽美一辺倒でもない要因となっており、コンパクト性もあってアルバム全体でも聞き飽きる事は無い。
歌詞に
「In dream's realm can no one die
Sleep safe my little boy」
などとあるが、そんな幻想世界と苦悩と仄かな喪失感を孕んだ現実との狭間に誘うかの様な名盤。
ゴシック好きは勿論、プログレ好きにもお薦めである。
気に入り度…92/100
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TOOL-10,000 Days ★ (2013-02-12 15:09:24)
前作までの複雑怪奇な音楽性に比べればかなり聴きやすくなった(Toolにしてはだが)。
歌メロがよりキャッチーになり、静の部分でよりストレートに不穏さが表現されていて、「普通の」プログレへ多少接近した作品だと思う。
良い意味でも悪い意味でも気持ち悪さが薄くなったけれども、相変わらず個性と高品質を両立させているのは流石である。
おすすめ…Vicarious
TOOL-10,000 Days-Vicarious ★★ (2013-04-13 18:05:38)
Toolにしては分かり易いリズムとフレーズが多く、前作までのような不穏さは薄いが、ストレートな曲やってもかっこいいことを思い知らされる。歌詞はやや過激だが。
TOOL-Lateralus ★★★ (2013-02-11 18:19:34)
掴み所の難しい複雑怪奇な音と形容し難い不穏な雰囲気が最大の特徴。
普通のメタルのような強烈なリズムやシャープさを伴うのではないミュートの効いたリフの多用、
あるいは音量やスピードを抑え、「隙」を持つフレーズが実に独特である。
タムを効果的に交えてトライバルさを演出したり、繊細さと豪快さを的確に使い分けるテクニカルなドラミングも魅力的。
時にギターと同格に近いリードを魅せながらも複雑なリズムを巧みに演出するベースもグッド
変拍子を始め自由自在に曲を展開するテクニックも凄いが、それ以上に各要素のもたらす陶酔感が素晴らしい。
しかもそういう陶酔感のみならず、キャッチーさ、烈しさ、そして妖しさを併せ持つヴォーカル等によって、躍動感すらも覚える。
先に述べた形容し難い雰囲気と相まって、印象的な人体模型のジャケットの如く、生命の持つ神秘性と活力が有機
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TOOL-Lateralus-The Grudge ★★★ (2013-04-13 02:49:14)
全編にわたって貫かれるヘヴィネス、妖艶さと激しさを併せ持つヴォーカル、不穏さを演出するギターリフとドラム。いずれも最高。
大名盤のオープニングを飾る名曲。
TOOL-Lateralus-The Patient ★★ (2013-06-28 23:51:15)
イントロのミュートリフからメタリックなパートへ盛り上げていく展開が素晴らしい。
あと終盤の怪しくもほのかに哀愁漂うメロディがあるが、こういうパートがあるおかげでランタイムの長いこのアルバムを飽きずに聴かせているように思った。
TOOL-Lateralus-Triad ★★ (2013-09-29 20:30:05)
不穏なリフによるカオティックな雰囲気が印象的なインスト。
個人的な意見だが、⑬を除いてこちらをエンディングにしたほうがよかった気もする。
TOOL-Ænima ★ (2013-02-10 21:39:46)
この音楽を何と形容したらいいのか…
ミドルテンポで変拍子を交えながら展開していくプログレッシヴ・オルタナティヴメタル…なのだがその独特さが抜きん出ている。
メロディやリフは割と聴き易いながらも雰囲気が不穏かつ複雑怪奇で、その異形さいびつさがなんとも聴いていて気持ちが悪い(褒め言葉)。
本当に言葉で表すのが難しい音楽だ…
おすすめ…Stinkfist
TOOL-Ænima-Stinkfist ★★ (2013-04-12 21:00:25)
ミドルテンポの重厚なリフとドラミングが心地良く、見事。
得体の知れなさとキャッチーさを兼ね備えた名曲。
TRIUMPHATOR-Wings of Antichrist ★★ (2014-12-17 20:48:19)
曲の8割位は占めているブラスト、ブルータルリフ、そしてがなり声に呻き声と悪魔の咆哮を魅せる名手Ariochのヴォーカルと、あらゆる要素から邪悪と残虐が迸る。
⑤以外はほぼブラストで疾走していて、曲毎の個性などはあまりないが、
ブラストにユニゾンした単音リフ等が放つ圧倒的な邪悪と残虐に身を委ねればそんなことはどうでもよくなる。
また、他から少し浮いたようなキュルキュルした狂気のギターや、
やはり邪悪極まりないがブラストに比して緩やかに動く(ブラックメタラーにとっては)心地良いメロディなどもあって、
圧倒的な邪悪と残虐さを彩り、かつ通して聴くのに飽きさせないものとなっている。
Funeral MistやMardukがかなり引き合いに出されているが、Mardukは未聴故にFuneral Mistのみの比較で言うと、
彼らよりは邪悪さは低め、ブルータリテ
…続き
Terminal Redux ★★★ (2016-07-29 23:29:31)
まず、Vektorの要たる、絶妙な刻みを巧みに絡めたリフの連打が齎す快感は今作も健在で、それだけで大いに聴く価値有りである。
…というのに、叙情メロや荘厳なトレモロ、メロウなムードに乗せたクリーンヴォーカル等、多様なツールを的確に用いながら進行するという、
自分が1st『Black Future』で度肝を抜かれた部分までも強化されたのは実に嬉しい限り。
それらが創出するスリリングな曲展開は、星雲の如き華々しさを感じさせ、スラッシュを超えた壮大なる芸術の域に達したというのがこのアルバムの印象で、
アルバム全体のランタイムが73分強というのは必然。
個人的には、どんなメタラーにも薦めたいとまで思わせる、彼らのセンスが爆発しまくった珠玉の一枚。
気に入り度…98/100
おすすめ…Recharging The Void
The Divine Wings of Tragedy ★★★ (2015-11-08 16:16:59)
当初、ネオクラやパワーメタルの分類を見て「進んで聴かんでもいいや」などと思っていたが、それを後悔させた作品。
緻密なだけでなく、適度なへヴィネスをも伴ったリフ、そして淀みの欠片もない美麗なメロディ&ギターソロが満載であり、テクニカルなメタルとして最高峰のクオリティを誇る。
それだけでなく、壮大なコーラスや星の瞬きの如く幻想的なKey等のプログレ的なアレンジが随所に用いられ、ただでさえ美麗なフレーズの数々に彩りを加えている。
①のうねりすら感じるへヴィネス、④の荘厳なチャーチオルガン、⑨の幻想的な泣きメロ…と、魅力的な所を挙げればキリがないが、
こういった多様な要素をふんだんに用いたこのアルバムは、壮大な物語を見ているかのようである。
気に入り度…92/100
おすすめ…The Accolade
The Dreaming I ★★★ (2017-04-05 22:07:17)
また一つ、トレモロフェチ必携の名盤が現れた。
靄の掛かった様なトレモロが渦巻くブラック、という点では特に真新しい所はないが、その催眠性・サイケ感が凄まじい。
放たれた瘴気が耳から入って全身を犯す感触とでもいうべきか、
兎に角精神を蕩けさせる具合でいえば、ブラックの中でもトップクラスだと思う。
それこそ、タイプは違えどKralliceの全盛期にも劣らぬ程である。
気に入り度…9.5/10
おすすめ…Breath And Levitation
The Gallery ★★★ (2012-11-04 19:09:22)
リフに重さがあまり無いが故に、美麗な単音メロが浮いた様に聴こえるという意味で、メロデスにしては少し特異なスタイルと言えるかもしれない作品。
複雑な曲展開やリズムが少し見られる事もあり、プログレっぽい趣も僅かに感じられるが、浮いた感じと相まってやや散漫な所もある。
しかしながら、肝心の美メロの出来が散漫な所を補って余りある程に素晴らしい。
慟哭度もかなりあるが、メロデスの確立者で慟哭を武器にするIn FlamesやAt The Gates辺りと比べて、より高貴さとか耽美性みたいなものを感じる。
名シンガーMikal Stanneのデス声もグッド。当時世界一美しいとも言われたそうだが、その名に恥じぬ激情表現の上手さである。
8.の畳み掛けるような慟哭ヴォーカルを聴いてみて下さい。
最後に、全体で聴いても非常に良いのだが、特に①、③、⑧と
…続き
The Gallery-Edenspring ★★★ (2013-02-21 00:14:47)
Punish My Heavenと双璧を成すメロデス最高の名曲の一つ。
Punishも凄まじいが、泣き度と美しさに関してこの曲は更に上を行くと思う。
The Gallery-Lethe ★★★ (2014-02-18 20:06:43)
PunishとEdenspringだけでなく、この曲も忘れてはならない。
アルバム最高峰の慟哭を味わえる名曲。
The Gallery-Punish My Heaven ★★★ (2012-12-14 00:38:55)
悶絶必至の慟哭メロディと暴虐性が恐ろしい程見事に絡み合っている。
The Irrepassable Gate ★★★ (2017-04-22 18:30:51)
陶酔感のあるトレモロを主体にリフレインの時間を多く取ってアトモスフィアを醸成するという、前作の路線を踏襲しつつ、
よりダークでカルティックなムードを強めた作品となった。
DSO系統のブラックに見られる様な暗黒トレモロやスラッジーなパートの比率が増え、個人的にはより好みの作風に。
通れるはずの無い門を潜った先にあるのは、音楽によるトランスを齎す闇の儀式であった。
気に入り度…9.5/10
おすすめ…The Irrepassable Gate
The Jester Race ★★★ (2012-12-22 13:37:12)
イエテボリスタイルのメロデスを築き上げた作品の中でも、
正統派メタル的な勇壮或いは流麗なメロディを大胆に取り入れるという、今では当たり前となったスタイルを完成させたという意味で最も王道であり、
メロデスのあるべき姿の一つと言えるアルバムではないかと思う。
リフとツインリードに込められた慟哭の旋律の数々、そして必殺の流麗でドラマティックなギターソロは何時聴いても悶絶もの。
特に6.の1:26~2:09に亘る神がかったギターソロはメタル史上屈指の名演である。
ちなみに、自分が持っている旧国内盤のオリジナルは原盤と曲順が違う。
本当はあってはならない事だが、このアルバムは例外で、旧国内盤の方が良いと思う。
Dead Eternityの疾走イントロの衝撃や、美しいワルツMoonshield、The Jester's Danceからの強烈なDece
…続き
The Jester Race-December Flower ★★★ (2013-03-19 23:13:37)
1:26からのギターソロ、これに尽きる。
師走の花(雪の詩的表現か?)の如く、実に華麗で美しく、ドラマティック。
勿論慟哭リフもたまらない。
The Jester Race-Moonshield ★★ (2012-12-18 01:40:49)
ワルツのリズムによって際立っている慟哭のメロディが美しい。
もっとポイントが多くてもいいはず。
The Legacy ★★★ (2016-07-09 23:03:34)
ベイエリアスラッシュの金字塔。
ハイレヴェルなクランチリフと疾走感もさることながら、名手Alex Skolnickによるスラッシュ屈指の流麗さを誇るリード&ギターソロが発表から30年近く経った今も輝き続ける。
超名曲の①の気高ささえ感じるギターソロをはじめ、名フレーズ満載の名盤である。
気に入り度…91/100
おすすめ…Over The Wall
The Long Procession ★★★ (2015-04-16 20:00:34)
イタリアのポストハードコアの1st。
複雑なリフ捌きと高めのアグレッション&テンションで畳み掛ける所等、Convergeにも通ずる要素もあるが、
あちらの錯乱したかのようなカオティックさは薄めで、代わりにポストロック風な美メロが際立っている。
淡い光を放つ様なクリーンギターや激情のトレモロ等、真新しいものはそれ程多くないが、非常に素晴らしい美メロであり、
あの『Jane Doe』の最終曲終盤にも勝るとも劣らぬ美しさを兼ね備えた曲が並ぶのが特徴。
Convergeのみならず、IsisやEnvy等、ポスト/カオティックハードコアの良い所を凝縮した作品である。
しかも、クリーンギターによる幻想パートでもアグレッシヴなドラムでテンションを保ち、雲の隙間から注ぐ一条の光の様なアンビエント色の強い④等、
本当にここぞという時にテンションを落と
…続き
The Number of the Beast ★★★ (2013-03-22 23:20:05)
Clive Burrへの追悼を込めて…
つんのめりそうな疾走感満点のリズム隊に、ノリが良く時に勇壮な時に叙情的なリフとメロディ、そしてBruceのパワフルなヴォーカル。いずれも高品質である。
確今の基準からすればやってること自体は真新しいものでもなく、個人的にダレるところもある。
が、正統派メタルの最高峰とされる作品を、30年以上前既に完成させていたのは凄いと言わざるをえない。
気に入り度…91点
おすすめ…Hallowed Be Thy Name
The Perfect Element, Part I ★★★ (2015-10-31 22:56:26)
音楽的には、難解さや奇抜さに頼らず、緻密なリフやリズム、コーラス等の構築、ここぞで繰り出されるダークな雰囲気を纏った泣きメロによる、
プログレというだけでなく、純粋にロック/メタルとしても非常に優れた作品であるというのが第一印象。
カオティック或いはインプロ然としたフレーズではなく、緻密なフレーズの巧みな切り替えによる場面転換の手法が個人的に好印象で、
曲最初の雰囲気からは想像もつかない場面転換を難なくやってのけている。
これらの要素が、暴力や虐待の連鎖の中にある者達の嘆き、諦観、怒り…という感情を雄弁に語りかける。
更には、親から虐待を受け育った男とその男から性的虐待を受ける女性という、単なる虐待・被虐待の関係を悲劇的に描くに留まらず、
節々に感じる、虐待を受けたが故の喪失感を埋める為に女へ過剰に依存するといった、二人の微妙な関係性が何とも考
…続き
The Sound of Perseverance ★★★ (2013-02-23 19:25:02)
Death史上最も攻撃的で悲しい雰囲気を感じさせるアルバムで、それを象徴するかのように、Chuckの金切り声ヴォーカルが攻撃的で悲痛感さえ漂わせている。
そして何より特筆すべきは曲やリフの完成度と複雑さである。
切り返しが多く起伏に富む冷徹なリフ捌きの一方で、感情をすこぶる昂ぶらせるフレーズを随所に挟む展開には一瞬たりとも無駄がなく、テクニカルデスの究極とも言える出来である。
今後同路線でこの作品を超えるものは、Chuck亡き今ではもう出ないだろう。
また今作のメンバーはChuck以外のメンバーは歴代の名手に比べると知名度では劣るが、肝心の演奏は全く問題なく、スプラッシュの使い方とか個人的に気に入っている。
Death史上最高傑作であり、メタルの極致に至った作品の一つだと思う。これを聴くとChuckの死は余りにも惜しいと思わざるを得ない。
…続き
The Sound of Perseverance-Painkiller ★★ (2013-07-20 16:06:15)
言わずと知れたJudas Priestのカヴァー。
Chuckの叫びがブラック並かそれ以上にヒステリックで、攻撃性が2割増位になっている。
個人的に原曲より好きである。
The Sound of Perseverance-Scavenger of Human Sorrow ★★★ (2013-04-19 22:51:38)
悲哀を撒き散らしながら展開していくギター、恐ろしく複雑なドラムビート。
8分の9拍子による冷徹な刻み等、聴き所満載であり、中後期Deathを特徴づけるこれらの要素が極まった曲。
初めて聴いた時なぜか怖くなった。
The Sound of Perseverance-Story to Tell ★★ (2013-08-27 19:13:27)
気高ささえ漂う叙情的なギターが素晴らしい。
全楽器が何度か止めてからまた主題に戻っていくなど展開でも翻弄してくれる。
The Sound of Perseverance-Voice of the Soul ★★★ (2013-06-01 19:17:12)
究極のギターインスト。
掻き毟る様な激情のエレキギターとピッキング音まで聞こえる物悲しい迫真のアコギが絡む神曲。
『Voice』というタイトルではあるが、言葉は要らない、Chuckの手から放たれる極限までエモーショナルなギターが何よりも雄弁に凄まじさを物語っている。
Through Silver in Blood ★★★ (2013-08-03 00:44:56)
ミドル~スローによるひたすらに重厚なフレーズが、全てを呑み込む底無し沼、或いは全てを焼き尽くす業火の如く蠢き、救いの届かない者の絶望や得体の知れない恐怖を描き出している。
タムによるトライバルさを非常に効果的に交えたドラミングもそれに拍車をかける。
ブラックなどとは違い、ストレートにネガティヴな感情を煽るフレーズはやや少ない(普通の音楽に比べれば充分エグいが)。
けれども、得体の知れない執拗なフレーズの繰り返しが、聴いていてある意味での心地良さと不快感を同時に覚えるという、何とも奇妙な現象を引き起こしてくる。
そこに届かない救いの手を見せるか様な美しく儚いシンセやストリングスが時に揺蕩いながら、劇的な曲展開で感情を揺さぶるものだからもう堪らない。
というか、生半可なブラックなどより聴いていて色んな意味で怖い。70分間の音による拷問である。
…続き
Through Silver in Blood-Aeon ★★★ (2014-03-24 23:17:58)
ストリングスとピアノによる何とも物悲しいイントロにそれを全てぶち壊すへヴィリフ。
タイトルの「Aeon」とは、ネガティヴィティにまみれた永劫なのだろう。
Through Silver in Blood-Enclosure in Flame ★★★ (2013-09-17 21:25:14)
ネガティヴな感情を溜めに溜めて、何かのきっかけでそれが爆発したかのような展開が恐怖を煽る。
アルバム最後にして最もダークな曲だと思う。
Through Silver in Blood-Purify ★★★ (2013-10-29 19:48:06)
終盤の現れては消えるを繰り返す轟音リフに乗せてエンディングを高みに持ってゆく展開が素晴らしい。
精神を癒しと不安の狭間に誘う。
Tod Huetet Uebel-Malícia ★★★ (2015-11-15 10:42:16)
ポルトガルのブラックの1st。2015年。
①のイントロ、柔らかいポストロック風のギターから、Altar Of Plaguesの『Mammal』辺りに近い音楽性かと一瞬思ったが、
喉を枯らす様な金切声やドスの効いたがなり等を使いこなすヴォーカルや豪速ブラストが魅力のドラム等、全体的には彼らより暗黒性が更に強いアルバムである。
儚いメロディも僅かに混じる所があるものの、ポストロック的な幻想性よりかは、瘴気により蹂躙され、荒廃しきった世界を思わせており、
全体としては、ポストロック要素はブラックの放つ禍々しさを増強している要素として機能している印象。
その暗黒性だが、パンドラの匣が開いたが如き、圧倒的な禍々しさを湛えているのが素晴らしい。
方向性は違うが、DSOの『Paracletus』の様に、不条理な力が世界の破滅を齎す様を感じる。
…続き
Turn Loose the Swans ★★★ (2014-10-04 21:55:21)
生気の抜けたようなクリーンヴォーカルと獰猛なグロウル、シンセやストリングスによる暗く、時に荘厳な旋律、
そしてへヴィかつハーモニクス等を絡めてリスナーを煽るデスメタリックなリフを特徴とするデスドゥーム。
かなりの陰鬱さと暗さであり、どこか虚無感じみたものも感じる。
そんな暗澹たる雰囲気がアルバム全体を色濃く覆い尽くしている訳だが、
一方で美しさや耽美的要素をも孕み、絶望迄とはいかず、まだ救いの可能性が僅かに残されているような感じもしなくもない。
…最も、絶望迄感じないのは、ジャンルは違えどNeurosisとかもっと精神を抉るような奴を聴いてるからかもしれないけれども。
時折加速したり、多段的な曲展開によってドラマティックさと焦燥感を煽る点もグッド。
絶望だけを求めて聴くと物足りないかもしれないが、だからといって甘い所は微塵もなく、それ以外
…続き
Turn Loose the Swans-Black God ★★ (2013-01-09 19:15:27)
これ程までに絶望という言葉が似合う曲は中々ないだろう。
Turn Loose the Swans-The Songless Bird ★★ (2014-11-22 21:10:51)
チョーキングや2:42からのオリエンタル風味のメロディ等、面白い技巧とメランコリックさがグッド。
Turn Loose the Swans-Your River ★★★ (2014-11-22 21:07:50)
4段構えのイントロや焦燥感ある金物とベースが巧みに感情を煽る名曲。
>>1の「何か、いても立ってもいられないような暗い衝動」というのは言いえて妙だと思う。
ULCERATE-Everything Is Fire ★★★ (2014-10-16 23:52:17)
デスメタリックな蠢く低音リフとブラック的なトレモロも交えた高音リフが主とするが、このリフ捌きが本当にえげつない。
自由自在に荒れ狂う様は、さながら人の統制に余る天変地異の蠢きのよう。
更に、単体でもえげつないリフがカオティックな展開とブルータルかつ手数の凄まじいドラムに乗って複雑に絡み合う様は圧巻で、
強大な外力により急速に変異していく生命体の如しである。
特にブラック的なフレーズの使い方が実に印象的で、不穏さは勿論デスメタルらしからぬ神秘さすらも漂わせている。
そういった意味でDeathspell Omegaに通ずるものがあるが、
ことリフ捌きに関して、4th以降のDSOを軽く凌駕しているはおろか、『Kénôse』にさえも匹敵する凄まじさである。
リフ捌きだけでなく、曲展開の方も混沌としていながら決して飽きさせず、凄まじいリフ捌きに対す
…続き
ULCERATE-Shrines of Paralysis ★★★ (2017-07-09 17:14:58)
5th。
赤と黒を基調としたジャケットから、勝手に2nd路線への回帰かと思ったが、
実際は難解で混沌を極め、神秘的ですらある雰囲気がより強くめていくという、リリースの度に生じている傾向は変わらず。
その様な要素とブルータリティとの両立の塩梅については、個人的に2nd程好きではないものの、Ulcerateにしかなし得ないリフ捌きの壮絶さについては全く問題無し。
他のアルバムに比してどれ位気に入るかは個人の趣向レヴェルである。
それにしてもこのバンド、アルバムを出す度に総ランタイムが長くなっているが、次は愈々1時間以上の作品を出してきたりするのだろうか…
毎回もの凄いが、そうなればどこまで壮絶なアルバムになるのか楽しみになる。
気に入り度…9.5/10
おすすめ…Shrines Of Paralysis
ULTHA-Converging Sins ★★ (2017-07-16 23:08:36)
ドイツのブラックメタルの2nd。
荘厳さを仄かに湛えつつ不穏な雰囲気を醸すトレモロを主体とするカスカディアンブラック。
カスカディアンの中でもAsh Borerの1stやLake Of Bloodの2ndに類似した暗黒性強めなスタイルであるが、
タイトで暗黒度の高い音像、僅かに掠れたがなり声、ヘヴィな刻みといった要素が目立ち、それらの先達よりも更にブラック由来の攻撃性や暗黒性を付加した感じである。
一方でアトモスフィア醸成というカスカディアンらしい所も抜かり無く、暗黒性を無駄にしない程度のいいバランスで、霊的存在を讃えるかの様なトレモロでも魅せてくれる。
カスカディアン好きはチェックしてみるとよいかも。
気に入り度…8.5/10
おすすめ…The Night Took Her Right Before My Eyes
ULVER-Bergtatt: Et eeventyr i 5 capitler ★ (2012-06-26 20:53:45)
霧掛かった空気の様にぼやけた音像による幽玄で壮大な音が、時にゆったりと、時に荒々しく流れており、ブラックとフォークのエッセンスが程良く融合している。
森の暗澹たる美と同時に、そこで彷徨う人間の不穏な心境や自然の冷酷さをも感じるといった趣である。
不穏さといっても、禍々しさは殆ど無く、大自然に包まれるような癒し効果も人によってはあるかも。
また、まろやかなクリーンヴォーカルと硬質ながなり声の対比もそれに拍車を掛けている。
随所に入るアコギやフルート等の挿入部も巧く、
アルバムの丁度真ん中に当たる、③における少女が息を切らして森を彷徨うSEとピアノ等、リスナーのストーリーイメージを良く喚起する。
1stにして、フォークブラックの金字塔と言えるアルバム。
気に入り度…87/100
おすすめ…Caiptel Ⅰ: Trold
…続き
ULVER-Bergtatt: Et eeventyr i 5 capitler-Capitel I: I Troldskog faren vild ★★ (2012-10-08 11:30:10)
デスヴォイスも疾走もないが、むしろそれが雄大な情景を思い起こさせる。
彼らの素晴らしい描写力が感じられる曲。
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