Japanとreggaeを接合したらrが消えた造語になってる? いや大事なのはそこじゃなく、最新の音楽技術たるシンセで出す琴の音に始まる懐古趣味的な和楽のレゲエ(!)に遊郭のあれこれを描写する古文調の日本語と仮名英語を掛けた詞を乗せてしまったことです。"歩めば情事"="Are you never George"とか、ぶっちゃけ深い意味はなく当て字に過ぎません。一風変わったメロディにシンプルなアレンジ、それでいて凄く印象に残ります。これこそ日本のロックバンドにしかできない奇跡のプログレですよ。
1984年11月発売の19thシングル。松本隆作詞はいいとして作曲のHOLLAND ROSEって誰?と思ったらレーベルメイト佐野元春のペンネームですな。確かにYoutubeのコメントで多く見られるように曲調は"Someday"かも…しかし私としてはサビメロがY&Tの"All American Boy"-こっちの方が後ですが-のイントロと被るという感覚で覚えていました。残念ながら熱烈なファンという訳ではなくむしろ逆な故コメントはここまで。
1983年12月、"バラッド '77〜'82"の当初と同様カセットテープのみの形態で発売されたがCD化されず廃盤となったベストだそうな。現在までこのタイトル名義での作品は無く、原坊ヴォーカル曲やキーボード/ピアノが前面に出た曲が主体、かと思えば"ボディ・スペシャル II (BODY SPECIAL)"や"東京シャッフル"は全くそうではないし、名義はあくまでサザンオールスターズですから一体何なんでしょうねという世界。現物を知らず今更再発も望めない謎商品です。 side A 1. そんなヒロシに騙されて 2. かしの樹の下で 3. ボディ・スペシャル I (BODY SPECIAL) 4. ボディ・スペシャル II (BODY SPECIAL) 5. 南たいへいよ音頭 6. 私はピアノ side B 1. 東京シャッフル 2. 流れ
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1983年11月発表、オリコン23位と前シングル同様イマイチでしたが紅白で大いに知れ渡った19thシングルです。昭和20(1945)年の東京とは随分ピンポイントな背景ですね。クラリネットがメインのシャッフルビートに乗せてジャズやラテンを感じさせるワードが登場する七七七五の都々逸調な歌詞が、同じ日本ながら我々の知らない世界観を醸し出します。桑田によれば"ダンスホールなんかでかかるブギ調の曲"とのこと。B面は大森ター坊作の"Still I Love You"。
↑直近のコメントがもう17年余も前ですから是非ともアップデートしなきゃ。タイトルは"旅姿三人男"から、エンディングは"Hey Jude"とコード進行が同じ…と何かしら影響を受けた要素がありつつオレ流の音楽に昇華する桑田いつものパターンですが、中でもこの曲は特別感ひとしおです。ライヴツアーを回る彼ら自身の旅姿、"華やかな者の影で今動く男達":バンドを支えるスタッフとファンに感謝を捧げた曲なのですが、21世紀になって大森ター坊が脱退し5人となってから封印されライヴで演らなくなったと。ところが40周年ライヴLive Tour 2019で"旅姿四十周年"とタイトルを変え20年余振りに披露されました…言わずもがなの特別感ですね。
"たいくつな毎日がイヤになり""明日朝まで""家を出る"SARAH JAYNEという少女を歌う、ゆったり16ビートのソウルバラード。1959年のアメリカ映画"Imitation of Life"(邦題"悲しみは空の彼方に")の登場人物がモチーフになっていますが、この曲の主人公サラ・ジェーンは映画ほどシリアスな境遇ではなく普通に多感な少女ですね。個人的な感想を言うとメロディが'73年初めにヒットした南沙織の"早春の港"だったり。それらの所から↑↑懐かしさを感じると思います。
↑↑"20年前"とある通り"Be My Baby"のカバーを歌うなど'60年代主に活躍した和製DIANA ROSSこと故・弘田三枝子の愛称で、内容も"人形の家"が出てきたり彼女をテーマとした、ユーモアと愛情に満ちたラテン・ソウルです。"綺麗になってsoulを捨てて、たしなみばかりが歌じゃない、もう一度だけ叫んどくれ俺のために"の所が本音ですね。そして何と彼女から同年すぐに佳祐を捩った"O-KAY"なるアンサーソングが返される↓という粋なサプライズ。
New Yorkに行った時の桑田の感想がそのまま曲になった、アナログ時代ではB面オープニング。この音像はパンクか本場New YorkerであるBILLY JOELが時々作っていたR&B基調のロックンロールをイメージさせます。New Yorkに住む黄色人種への応援歌であり、サザンの立場からはアメリカで日本人が認められるために乗り越えるべき障壁を感じたに違いありません。曲調も歌詞もストレートなカッコよさがありますね。
舞台は"9月の風"とある通り季節は秋そしてありがちな失恋の歌。アナログ時代のA面ラスト曲であり富田靖子主演の映画"アイコ十六歳"挿入歌になりました。"お気に入りだった"けど"ひとりで聴いてもむなしい"RAY CHARLESてのが桑田らしいですね。全体に低いキーなのにその"むなしい"だけ突出してシャウトしています。BURT BACHARACHが作りDIONNE WARWICKやCARPENTERS等が歌った"I'll Never Fall in Love Again (恋よさようなら)"がモチーフらしいですが全然似てません。サザンにしてはやけに間延びした、可もなく不可もなく無難なバラードといった印象。
シンセドラムをフィーチャーした中国風のナンバー。前作"NUDE MAN"収録曲"流れる雲を追いかけて"と同様に中国残留孤児がテーマになっていますが、今回は情景描写よりも社会的考察の方が焦点です。BEATLESの"A Day in the Life"が動機になったとか原坊のヴォーカルパートでバックに胡弓を使ったり、"祖国(ツーゴー)"とズバリ中国語が出てきたり一層本格的ですね。彼の地とあの時代に思いを馳せながら聴く曲。
本アルバムでは"思い出のスター・ダスト""Oh! クラウディア"に並ぶ、サザン全体を見てもかなり高レベルな名バラード。ジャズバラードでありソウルバラードでもあります。当初は全編英語だった歌詞が英語多めの日本語混在になったとか。私はタイトルからMONKEESのポップテューン"A Little Bit Me, a Little Bit You"を連想したけど当然サザンのこちらの方がもっと深いですよ、遥かにアダルトなテイストで原坊とのハモりもジャズボーカル感満点。結果↑様々な音楽曲調を採り込んでおもちゃ箱みたいな本アルバムのラストを締めるに相応しい落ち着いた曲となりました。
去年の夏のことを思い出しサザンにしては至って健全な表現で描写するバラード。前曲"PLASTIC SUPER STAR ~"のエンディングにある歓声が被ってフェイドインで始まるいち収録曲に過ぎませんが、隠れ名曲どころか当時のサザンを代表するバラードとまで言われるほどかなりファン人気の高い曲です。Claudiaをクラウディアと読むのは何処の国の女性だろう?なんて野暮なことは言わないで。シングルとしては1988年9月の"大復活祭"ラスト曲のライヴ音源が"女神達への情歌 (報道されないY型の彼方へ)"のカップリングに収録されリリースされました。
アナログ時代のB面オープニング。桑田の後輩:青学の音楽サークルBETTER DAYSを招いてスタジオライヴ風に仕上げた珍曲です。イントロが"Honky Tonk Women"、歌メロは"Tumbling Dice"、歌詞には"It's Only Rock 'n Roll"とROLLING STONES尽くめなオマージュナンバー。"おもろくないじゃんおもろくないそんなsuper starぎょうさん"ってそりゃSTONESほどのスーパースターはそうざらにはいませんて。桑田自身は黒歴史と恥じるでしょうがリスナー的には美味しい曲ですよコレ、今更ながらもっと拡散したい気分です。
横浜米軍基地近くに実在した老舗バー"Stardust"のことを歌ったご当地ソングであり、原坊が"横浜の姐や"として登場する、ぶっちゃけプロポーズしたその時を回想する歌であります。桑田の熱いヴォーカルと↑EVEというグループによるゴスペル風の重厚なコーラスも相まって、歌詞中ジュークボックスから流れる1960年代ソウル、TEMPTATIONSの"My Girl"みたいな世界のままハッピーエンドに至ると。最後にフラれるパターンが多いサザンにあってこれは珍しいので重視し高評価を与えたいですね。なお私の感覚では曲調がPLATTERSの"The Great Pretender"に近いと思います。
収録アルバムに先行する1981年6月リリースとなった直球ロックテューン。オリコン最高位49位、4.6万枚でサザンとしては売上ワースト1を誇る12thシングルです。映画"モーニング・ムーンは粗雑に"の主題歌にもなったブラックミュージックのグルーヴが冴える曲ですが、実はイントロからしてUSポップ&ガレージロックバンド・PAUL REVERE & THE RAIDERSが1966年初めに放った大ヒット"Kicks"まんまですね。ビッグスターとは…DUSTIN HOFFMAN、ERIC CLAPTON、YOKO ONOの次に登場する固有名詞から推測できます。サブタイトルは"Video Killed the Radio Star"を連想させたり本当ごっちゃ混ぜ。しかしこれがファンの間では桑田流サイケデリックロックの傑作であり、初期サザンの完成されたスタイルとの高評価を得ているのもまた事実。掘り下げ
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先行シングル"Big Star Blues (ビッグスターの悲劇)"のB面曲かつ"モーニング・ムーンは粗雑に"の挿入歌。地味ながら沁みるメロディは個人的に北欧ポップス・BJORN & BENNYの"She's My Kind of Girl"を連想しました。でもってアレンジはイタリア辺りのラテン風と例によってミクスチャー。"思いがけぬまま醒めてゆくだけのムード"の結末は如何に?
1980年6月"ジャズマン"のB面としてリリースなるも収録アルバムは本作と"すいか"のみ。ムクちゃんこと関口和之作詞作曲&ヴォーカルのBEATLES色濃厚なバラードですが"恋なんかなりゆき いつだって Hope your good luck"と桑田がLEON RUSSELL風に掛けあうパートが良いアクセントになっています。原坊のコーラスも加わり全体に心地よい雰囲気で"せめてCまでの関係"まで行ったのか否かが気になりますね。
貴重な一曲です。"ジャズマン"のB面"ひょうたんからこま"同様、桑田とは青学時代から腐れ縁というムクちゃんことベーシストの関口和之をフィーチャー、もちろん彼の作詞作曲&ヴォーカルのデリケートなフォークロックバラード。タイトルはBEATLESの"I'LL Cry Instead"をパロったそうで。英語詞が多い中でも"Why am I so shy"と自身のキャラを語る所が印象に残りますね。
映画"モーニング・ムーンは粗雑に"挿入歌です。レゲエ又はスローなディスコのリズムにブルージーなメロディ、それに乗る英語主体の歌詞、後半の日本語詞が妖しくエロティックでスリリング。こういう世界に縁遠い人は苦手かもしれませんね。"sorrow""trun to show""O.K."は無理に和訳せず空耳で聴いてください。
M.Y、Mr.Yagiとは八木正生のことで彼へのリスペクトソングです。歌詞は桑田作詞の英語詞でQUINCY JONESの名も登場しますが、曲自体はMUDDY WATERSがオリジナルでERIC CLAPTONがブギーにアレンジカバーした"Blow Wind Blow"そのもの。スライドギターは桑田が弾いてます。歌詞カードに記載されていない日本語交じりの台詞は"Hi, Mr.Yagi. Oh my Jesus, Jesus. いつもご無理ばっかり申しまして本当にあいすいません、あいすいません、あいすいません。まるで太陽のようなおじ様に何と申し上げていいのやら。Alright, oh my lord, mercy on his way. それでは心を込めて sing this song, sing this song, go ahead!"ってJOHN LENNONの"Aisumasen"再
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まずパープーとは西日本の方言で阿呆のことです。後年THE BLUES BROTHERSにも採り上げられたジャズの古参CAB CALLOWAYの"Minnie the Moocher"へのオマージュという説もあれば、詞はSMOKEY ROBINSONだとも言われます。本アルバム全体が、もっと言えば桑田のルーツの1つがブラックミュージックですからね。この曲に関してはサザン流"阿波踊り"ということで?私もよくわかりません。
↑実は本アルバムの中でも隠れ人気曲の部類ですよ。女性目線で歌われる6/8拍子のゆったりミディアムスローでジャジーなボサノバ・バラード。横浜を舞台にした同年の映画"モーニング・ムーンは粗雑に"のメイン挿入歌、但し映画の中では高樹澪が歌い↓そのまま彼女のデビューシングルになったとか。なお同映画の主題歌は"Big Star Blues (ビッグスターの悲劇)"で他の本作収録曲も挿入歌に使われています。"稲村ジェーン"より大分前から映画に関係していたんですね。
前曲に続きここでも"You may be right"に"素顔のままで"とBILLY JOELが引用されていますね。桑田出演のCM用に作られた曲でもあり、仮タイトルがそのキャッチフレーズ"哀愁の生理用品"だったとか。"2月26日"は桑田の誕生日であり翌'82年の婚約発表を予告しているとも。そんな風に纏わる話は様々あれど、曲自体はしっとりした安定のサザンらしいバラードです。
インパクト大なピアノの連打とギターで始まる、本アルバム中一番の名曲で一番人気と専らの噂があるこの曲、ぶっちゃけforeplayとは●戯のことです。つまりタイトルは"俺の前●音楽"。でも只のエロソングじゃなくてセクシーにカッコいいと言えますね。"栞のテーマ"のB面でありA面曲同様"ふぞろいの林檎たち"に使用されました。他にはサントリーウィスキーのCMにも。桑田本人の公言によればBILLY JOELの"All for Leyna"がベースとのこと。確かに↓わかります、ハイ。
1980年5月のヤマハポプコンと同年11月の世界歌謡祭共にグランプリを受賞し、伊丹哲也 & Side By Side名義での1stシングルとして同年11月にリリースされたフォークロックテューンです。正直言ってリアルタイムではサビの最後=タイトルしか記憶にありません。確かに最初からガツンと噛ます"あんたのバラード"や"大都会"、飛んで回ってる"夢想花"など当時直近の受賞曲に比べてインパクトがそこしか無いですからね。でもこうしてじっくり聴き返す余裕ができると評価も変わってくるというものです。この声と歌い方、いやはやカッコ付け過ぎだろってぐらいカッコいいですわ、それでも本人曰く"世良(公則)さんの声は俺の3倍太い、塊で来る"とのことで。上には上があることを認識しリスペクトしてる"いい奴"ですね。