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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) 時系列順 301-350
NEIGE ÉTERNELLE-Neige Éternelle
HAPPY DAYS-Happiness Stops Here...
DARK INSANITY-Providence of Darkness
A.M.S.G.-Anti-Cosmic Tyranny
ARKHA SVA-Donusdogama: En Accrochant Le Mendiant Qui Tomba Du Trône De Dieu
DEVILMENT-The Great and Secret Show
TOMORROWWILLBEWORSE-Down the Road of Nothing
ASA-NOIR-Fall of the Idols
DEATHRONIC-Duality Chaos
NEO GEO HEROES ~ Ultimate Shooting
VASSAFOR-Elegy of the Archeonaut
DUSK (HUNGARY)-Deathgate
CHARNEL WINDS-Der Teufelsbund
TORMENTAL-Il Perpetuo Sconcerto Per La Realtà in Cui Mi Sveglio Ogni Giorno
DÄMONENBLUT-Das Tor Zur Hölle
ESEQUIEM-Contempt
THE OATH-Self-Destructed
LENGSEL-Solace
SOMNOLENCE-As Midgard Weeps
PHLEGEIN-Silver Veins
PERDITOR-Divine Riddles
DUNCAN EVANS-Lodestone
TOTGEBURT-Asche Unter Meiner Haut
PTAHIL-The Almighty Propagator of Doom and Despair
WORMREICH-Wormcult Revelations
GRAUZEIT-Tyrannei Der Tristesse
PLAGA-Magia gwiezdnej entropii
SALIGIA-Lvx Aeternae
HELEL-A Sigil Burnt Deep into Flesh
DANTALION-Return to Deep Lethargy
BHAOBHAN SIDHE-Gas Chamber Music
1349-Massive Cauldron of Chaos
LES FLEURS DU MAL-Schattenfeuer
英雄伝説 閃の軌跡Ⅱ
MYSTICUM-Planet Satan
WRONG-Memories of Sorrow
THE STONE-Zakon Velesa
ILLNESS-Planet Paranoia
PSEUDOGOD-Deathwomb Catechesis
KLAGE-Die Weihe des Eises
ALGHAZANTH-The Three-Faced Pilgrim
DEVATHORN-Diadema
ANKRISMAH-Dive in the Abyss
THY LIGHT-No Morrow Shall Dawn
MANIAC BUTCHER-Lucan - antikrist
MYSTHERIUM-Memoriał
PLEBEIAN GRANDSTAND-Lowgazers
OTARGOS-Apex Terror
ABORYM-Live in Groningen
VICARIVS FILII DEI-Non Cogitant Sed Tamen Sunt
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発言している13曲を連続再生 - Youtube



NEIGE ÉTERNELLE-Neige Éternelle ★★ (2014-12-14 11:41:45)

2013年発表の1st。

フランス語で「永遠の雪」を思わせるバンド名が何とも甘美ですが…確かに荒涼とした情景を描くような、ノイジーでザラついた感触のリフの音色、寒々しい情景を直接的に想起させる、メロウながらモノクロに塗り潰すような鬱性も伴うトレモロなどが描く、凍土めいた風景はバンド名そのままという感じですね。

ただし、バンド名以上に殺伐さもまた強いのが特徴。特にヴォーカルの一心不乱に憎しみだけを叫び続けるような絶叫は、リバーブの掛かった音とも相俟って聴いててこちらの気分も荒ませるようで素晴らしい。アトモスフェリックブラックとしては珍しく、スラッシーで攻撃的なパートもあり、起伏の付いた音を聴かせますが、「Fier Patriote (愛国の誇り)」という曲名があるくらいですし、思想面では右寄りな部分もあってそれが反映されているのかもしれませんね。


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HAPPY DAYS-Happiness Stops Here... ★★★ (2014-12-13 15:06:43)

2009年発表の3rd。
元はSelf Mutilation Servicesからのリリースでしたが、2013年に日本のMaa Productionsから再発されています。

これ、ホントに鬱ブラックを分かってる人が作った鬱ブラックって感じで、素晴らしいんですよね。鬱系って、例えば絶叫が裏返り過ぎて逆に滑稽だったり、メロディアス過ぎて絶望感が足りない、逆にメロディが薄くて面白くない、メタリック過ぎて抽象的ムードが薄い、アンビエントに寄りすぎててメタルである必要性を感じないetc…とか、本当に色々な陥穽のあるジャンルなんですよね。そのどれにも嵌まることなく、鬱ブラックの王道を貫いている辺り並々ならぬセンスの持ち主だと思う。

メロウさを過度に強調するのではなく、感情のさざなみを描写するかのようなトレモロ、鬱々としたミッドテンポを基調としつつ、単調になり過ぎない
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DARK INSANITY-Providence of Darkness ★★★ (2014-12-08 22:16:01)

2014年発表の2nd。
これ、今年のリリースの中でも激オススメです!

1stの時点では「和製CRADLE OF FILTH」と言われつつ、その実メロデスにかなり近いスタイルのメロブラを展開していましたが…今作はクオリティが鬼アップしただけでなく、作風がより確固たるものになったことで、前作以上に素晴らしい作品になっているように思います。国産ブラックの中でもかなり好きな音です。

まず耳を突くのがゴシック的耽美さの大増量っぷり。元からメロディにクラシカルな要素はありましたが、今作は泣き以上に美しさを最重要視しているような印象。小フーガをモチーフにしたと思しきトレモロリフなんか聴かされたら燃えない訳がありません。ピアノやオーケストレーションを大々的に取り入れたことも、耽美さを強めただけでなく曲のメリハリを際立て、より緊張感の増した展開を聴かせるようになったと思
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A.M.S.G.-Anti-Cosmic Tyranny ★★ (2014-12-08 22:12:11)

2013年発表の1st。
GLORIA DIABOLIのメンバーによるバンドだそうです。バンド名は「Ad Majorem Satanae Gloriam(悪魔の更なる栄光のために)」の頭文字を取ったもので、GORGOROTHのアルバムタイトルにも同じフレーズが使われてましたね。

カナダのバンドながら、ショップの評では北欧の黎明期ブラックに強い影響を受けたバンドとのことでしたが、正にそんな感じのブラックメタルを展開してますね。ノイズによるオープニングが終わって、一発目のリフから既にDe Mysteriis~期のMAYHEMの香りが色濃く漂ってきてます。あからさま過ぎて思わず苦笑が漏れるくらいリスペクトしてる感じ。ギャーギャー喚く系ヴォーカルもWolf’s~期のMAYHEMっぽい気がしますし。

また、途中でやや唐突に不可思議なフレーズのサックスが挿入されたり
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ARKHA SVA-Donusdogama: En Accrochant Le Mendiant Qui Tomba Du Trône De Dieu ★★ (2014-11-29 10:57:01)

2014年発表の4曲入りEP。
そのうち2曲は1分ちょっとのインストなので、ブラックメタル曲は実質2曲。トータルの演奏時間は約17分でEPとしてのボリュームはそれなりですね。

ARKHA SVAと言えば1stアルバム「Gloria Satanae」がフレンチブラックに通じるような不健康で耽美なメロディ、ソプラノのような超高音とリバーブの掛かった異様ながなり声を使い分ける、カリスマ性の高いヴォーカル、プリミティブブラックの魅力を完全に理解してると思われる、閉塞感のある、ノイジーながらメロディの良さを殺さない音作り…と、熱狂的な支持を得るに相応しい作品だっただけに、様々な音源集やライブアルバムを経ての新作EPとなると、かなり期待値も上がってしまう訳ですが…。

まずブラックメタルとしての完成度は相変わらず凄まじいです。人間の居住地が焦土へと変わっていく様だとか
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DEVILMENT-The Great and Secret Show ★★★ (2014-11-27 09:58:48)

2014年発表の1st。
COFのDani Filthの新バンドと聞いて速攻で買いに走った人も多いのでは。
もちろん私もその一人です(笑)。

路線としては、COFでも演っていたシンフォニック・クラシカル・ヴァンピリックなブラックメタルをベースに、DEATHSTARSや一時期のSAMAEL辺りを思わせる、インダストリアル・ゴシックのテイストを加えた感じでしょうか。暴虐性やシンフォ度は本家よりも抑え目ですが、その分リフやリズムのグルーヴィさが増し、よりノリの良い音に仕上がっている感じですね。

こういう作風だと、Dani Filthの言語感覚の良さが凄く映えるんですよね。例えば一曲目後半「Burning in those angel eyes」からの一節は超邪悪なナーサリーライムみたいで、軽く口ずさむだけで何か洗脳されそうな気持ちよさがある(笑)。いつも
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TOMORROWWILLBEWORSE-Down the Road of Nothing ★★★ (2014-11-27 09:58:05)

2013年発表の1st。
翌年に現在所属するレーベルAvantgarde Musicより再発されてますね。

イギリス産のポスト/シューゲイザーブラックとの事ですが…このサブジャンルの中ではこれ、かなり好みの音ですよ…!ALCESTやそのフォロワーのようなカタルシスではなく、ひたすらにグレイな閉塞感を感じるメロディ、そしてその閉塞感を殊更に強調するような、曇りのある音色のディストーション…いやあ、これ聴いてると気が滅入ってきますね(嬉)!!重いベースが纏わり付くような音作りも更に抑鬱的なムードを助長。

直接的な攻撃性を志向せず、あくまで陰鬱な情景を描くことに徹しているような作風や、時折神秘性を感じさせる音使いがあるのはポストメタル的なんですが、ブラックメタルから離れ過ぎないバランスも良いですよね。基本的に陰鬱なバンドサウンドが続き、ヴォーカルも変に線の細さ
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ASA-NOIR-Fall of the Idols ★★★ (2014-10-29 11:55:48)

2014年発表の1st。
フルアルバムとしては初ながら、日本盤もリリースされた作品。と言っても直輸入盤仕様で、輸入盤に長帯とその裏にバンドメンバーへのインタビュー記事を載せてあるという装丁。ちなみに発売日は今日です。私は入荷日である昨日買ってきて聴いてますが、これがシンフォニック・ブラックとしてなかなかの力作で良い感じです。

帯にはシンフォニック&メロディックブラックである事は明記されてますが、実はギターワークはブラックメタルからの影響はそれ程強いものではない気がします。リフはトレモロ中心ではなく、時折変則的なフレーズも織り交ぜつつ刻みリフが多めだし、リードギターがメロウなメロディを奏でる場面も多い。ブラック然としたがなりだけでなく、ナルシスティックな低音クリーンやダミ声を使い分けるヴォーカルも、ブラックの狂気や衝動性ではなく、あくまで世界観の語り部であることを重視し
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DEATHRONIC-Duality Chaos ★★ (2014-10-29 11:50:53)

2013年発表の7曲入りEP。

フランス産の独りブラックのデビュー作という事ですが、これがかなり高品質なメロデス寄りシンフォニック・ブラックで驚きました。メロウなリードギター、刻みを多用したメタリックなリフなどバンド部分はかなりメロデスに近い感じですが、耽美なメロディ使いやソプラノの導入による耽美さの演出や、時折エスニックやインダストリアルな味付けが入る構成など、様々な要素を取り入れてドラマティックでシネマティックな音楽を構成しているという感じ。

独りブラックとしては音はなかなかに骨太で、ヴォーカルのグロウルもそれなりに迫力があって悪くないですね。個人的にかなり耳を惹いたのが、リードギターによるメロディ。特にオープニングが終わっての2曲目、まるでRPGのラスボス戦のような、哀愁が漂いつつもヒロイックなメロディを奏でていて、思わずグッと来てしまいました。このリー
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NEO GEO HEROES ~ Ultimate Shooting ★★ (2014-10-29 11:48:53)

2011年にSNKプレイモアがPSPでリリースしたSTG。
アーケード「KOF SKY STAGE」をベースに改良を加えた作品。
元になった「SKY STAGE」の方も収録されています。

縦スクロール・面クリア型の弾幕STGで、溜め撃ちにあたり、キャラクターごと・段階ごとに全く異なる効果のある「必殺技」や、敵弾消去や稼ぎなどの恩恵がある代わりに、敵の攻撃が激化する「挑発」、敵に接近して撃破することでスコアアイテムのランクが上がるなどのシステムがありますが、基本的にはオーソドックスなSTGですね。操作性も悪くないですし、SNKキャラを動かして弾幕STGする事自体がとても楽しいです(笑)。

ただ、難易度の調整方法だけは納得が行かないですね。難易度を最低まで落としてすら、4、5ステは東方のルナティックのスペルカードを余裕で上回る難しさの弾幕が出てくるのが
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VASSAFOR-Elegy of the Archeonaut ★★ (2014-10-27 22:36:32)

2012年発表の音源集。
未発表曲やリハーサル、BATHORY、BETHLEHEM、BEHERITのカヴァーなど、10曲入りで約75分とボリュームたっぷりの内容。

CDを再生し始めてまず、音作りのカルトさに圧倒されますね。明らかに意図的にやってる感じですが、包み込むような感触を持ったノイジーなギター、ヴォーカルやドラムにリバーブを掛け、得体の知れなさを増強し、低音を強調することでドスの効いた感触を醸し出すプロダクションが合わさると、疾走パートではウォーブラックさながらの衝動性、ミッド~スローパートではドゥーミーな質感を感じられ、芯のある邪悪さが表現されている感じ。

何気に大作主義なバンドで、10分前後の曲も結構多いんですが、大作曲を作るバンドにありがちなプログレッシブさやアヴァンギャルドさはほぼなく、ひたすらに暴力的で陰惨で密教めいた音が展開されている感
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DUSK (HUNGARY)-Deathgate ★★★ (2014-10-27 22:34:25)

2006年発表の4th。

TYMAH (TUMAN)や666絡みのメンバーによって結成され、コンスタントに活動を続け、2014年現在では7枚のアルバムを発表しているという、かなりアクティブなバンド。メンバー構成や活発な活動振りからも分かる通り、筋金入りのブラックメタルを聴かせてくれます。楽曲のタイトルも黎明期北欧ブラックへの憧憬が垣間見れて、また良い感じなんですよね。

路線としては、TYMAH同様直球でプリミティブ志向の強いブラックですが、最も異なるのは音作りのセンスでしょうか。アンプの音量ツマミを思いっきり捻ったような轟音が、無理矢理に邪悪なアンビエンスを感じさせる音。鬱テイストを感じさせつつ、悲哀よりも殺気が上回ったようなヴォーカル、黎明期北欧ブラックを思わせる、この手が好きなら思わずハッとするようなトレモロのメロディ、Rawな突っ走り振りが非常にかっこい
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CHARNEL WINDS-Der Teufelsbund ★★★ (2014-10-26 22:01:57)

2011年発表の1st。
BLOOD RED FOGやSATURNIAN MIST、ARVET絡みの人脈のバンドで、この作品はSATANIC WARMASTERのメンバーのレーベル(Werewolf Records)からのリリースという、ブラックとして品質保証のラベルが貼ってあるのも同様なアルバムですね。

ただ、CDを再生するとブラックとしては珍しい、いきなり速弾きを交えた、メタリックなソロが始まって若干戸惑いましたが…ギターソロやリードギターのフレーズも重視したメロディアスな作り、アルペジオやクリーンヴォーカルを効果的に取り入れた緩急付いた構成などもありつつ、ブラックらしいRawさや陰湿さもしっかり感じさせる作風で、経歴のハクに負けない仕上がりだと思います。

特に良いのが、ギターのメロディ面でのメリハリの付け方。ソロ部分では速弾きを交えたり、情感を込め
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TORMENTAL-Il Perpetuo Sconcerto Per La Realtà in Cui Mi Sveglio Ogni Giorno ★★ (2014-10-26 21:55:09)

2013年発表の1st。

リリースは割と最近、しかも知名度の高いレーベル(Pest Productions)からのリリースだというのに、何故だか新品が値下げされてたので、青田買いも兼ねてゲット。…確かにこれ、ディプレッシブブラックの中でも好みが分かれてしまいそうな作品かもしれませんね。この手の音楽性のバンドには音響志向の強いものが多いですが、この作品はそれが頭抜けて強く、良くも悪くもメタルとしての体裁を保っていないような感じ。

ドゥーミーなスローテンポに、浮遊感のあるアルペジオや、キーボードを重層的に重ねて閉鎖的な空間を演出する、アトモスフェリックでアンビエントな音作りですが、キーボードの音色が多彩かつセンスが良く、演出力はかなり高いと思う。ノイズやサンプリングをさりげなく使用してくるなど、前衛的な要素の扱い方も非常に巧み。ヴォーカルは悔恨や悲嘆の感情を込めて
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DÄMONENBLUT-Das Tor Zur Hölle (2014-10-26 21:51:16)

2009年発表の1st。
SATANIC WARMASTERのメンバーによるレーベル、Werewolf Recordsより発売。

プリミティブブラックのアングラさと、ハードロックの豪放さを合わせた、地下臭いブラックメタルを展開。フィンランドの大御所、BARATHRUMを更にマニア向けにしたような感じでしょうか。リフにはメロウ系プリブラのような叙情性こそありませんが、グルーヴィなドラムとも相俟ってノリの良さが感じられますね。海賊もしくは山賊の親分系ブラックメタル。

ただ、個人的にこれが好きかといわれると結構微妙な線なんですよね…。野太いがなりに加え、ヤッハッハーと豪快に笑うヴォーカルを始め、野蛮な雰囲気は良く出てるんですけど、リフ・リズムのグルーヴィさもなんか楽しそうに聞こえてしまうというか。個人的にはブラックメタル、特にプリミティブな音作りをするバンドに
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ESEQUIEM-Contempt ★★ (2014-10-25 09:51:06)

2013年発表の1st。

「Masterpiece Distribution」ロゴがやけに印象的なレーベル、Behemoth Productionsからのリリース。このレーベルって、何気に良作が多い印象なんですが、本作もオーソドックスながら「外さない」ブラックを演ってますね。やや荒めの音作りに、ブラストビート中心の楽曲構成、叙情的なトレモロリフで聴かせる、ブラックとしては王道な音という感じがします。

特徴を挙げるとするならば、トレモロリフに含蓄されたメロディの叙情性がかなり高い事でしょうか。リフの摺り込む様なノイジーさとも相俟って、悲壮な雰囲気が立ちこめてます。個人的にはプリブラに近いスタイルながら、メロディの傾向からゴシック的な美しさを若干感じ取ったり。ヴォーカルもただがなるだけでなく、ダウナーな感情を込めるタイプで、全体的にこの手のオーソドックスなブラック
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THE OATH-Self-Destructed ★★★ (2014-10-25 09:48:09)

2010年発表の3rd。

これは面白いですね。ブラックメタル由来のトレモロリフを多用しつつも、泣きメロを奏でるリードギターや、楽曲に厚みをもたらす刻みリフなども重視したメタリックな音作りで、メロブラとメロデスの中間の音という感じですが…トレモロリフにはエモーショナルで儚げな雰囲気があったり、キーボードの音使いにやや前衛的なところがあったりなど、メロブラ部分にポストブラック的な感性が感じられるのが特徴。

特に2曲目のイントロなんて、如何にもシューゲイザー志向のブラックが静パートで取り入れそうな感じなんですよね。全体を通じ、トレモロリフのメロディはかなり強調されている上、キーボードの音色がプログレッシブな多彩さを見せているので、音としてはかなり派手な部類。ヴォーカルもクリーンがちょっとナヨく感じるものの、グロウルはかなり太いですし、アーティスティックな感性も強いで
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LENGSEL-Solace ★★ (2014-10-23 21:17:13)

2000年発表の1st。
バンドはこの作品を出した後に解散したものの、2006年に再結成した模様。

一言で言うならARCTURUSタイプのプログレッシブなブラックメタルでしょうか。緩急の付いた、知的な展開を見せる楽曲、キーボードを利用し、世界観を広げていく作風などかなり共通点の多いサウンド。ただしこちらは冒頭から印象深いトレモロリフが吹き荒れていたり、もう少しメタリックな色が強いイメージがありますね。ARCTURUSと比較するとケレン味が薄い代わりに、より強くメタルとしての魅力を打ち出してる印象。

ただし、楽曲そのものが持つプログレッシブで知性のある雰囲気とは裏腹に、プロダクションはノイジーかつ厚みのあるものなのも特徴ですね。正直、個人的にはもっと硬質かつクリアな、メタリックな音質が、もしくは逆に霧の掛かったようなオブスキュアな音作りの方が良かった気がし
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SOMNOLENCE-As Midgard Weeps ★★★ (2014-10-23 21:13:29)

2008年発表の1st。

ABSURDのメンバーによるレーベル、Darker than Black発のブラックメタル経由アンビエント作品という事ですが、確かにLORD WINDやWONGRAVEN辺りのペイガン・アンビエントに通じる神秘性を醸し出す作風ですね。ただ、こちらはインダストリアル/エレクトロニカ要素もかなり強く、土着的な民族性よりもスピリチュアルな方面に足を踏み入れた音になっている感じがします。

重層的な音色で、空間を灰色に染め上げるようなシンセ、亡霊のようなコーラス、そして淡々とした打ち込みのリズムが絡み、聴き手の精神に直接語りかけてくるかのような音像を展開。上記のバンドと比較しても、日常を侵食してバンド側の描く情景を聴き手に見せ付ける力は、全く劣っていないと言えるでしょう。シンセと打ち込みの音色の相性が非常に良く、心地良く精神世界へのトリップを楽
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PHLEGEIN-Silver Veins ★★★ (2014-10-23 21:08:51)

2013年発表の1st。

まず、オープニングの可憐なピアノの音色を聴いてCD間違えたかと思いました(笑)。意外なオープニングに面食らいましたが、本編はガチガチの真性でアングラなブラックですのでご安心を。…デビューEPでは良質かつ雰囲気もあるプリミティブブラックを演っていたんですが、個人的にはもう一声何かが欲しいと思ってたんですよね。この作品は、見事にその要望に応えてくれた作品でした。

根幹の路線自体は何ら変わりませんね。肺腑を吐き出すような真に迫ったヴォーカル、ノイジーなプロダクション、叙情的なトレモロ…と、プリミティブの様式を踏襲したブラック。ただ、今作ではギターノイズに「広がり」のようなものが感じられること、トレモロリフのメロディがより印象深くなったことなどで、若干アトモスフェリックな感触も強くなってきたように思います。これによって、楽曲のメリハリや、邪悪
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PERDITOR-Divine Riddles ★★ (2014-10-22 23:06:37)

2010年発表の1st。
2013年にDaemon Worshipにより再発。
97年に結成以来、デモやEPは出しているものの、フルはこれが初。

まずオープニングのSE、悲鳴がなんか気色悪くて飛ばしたいんですが…一曲目と地続きになっているので飛ばせません(笑)。それはそれとして、そのSEが終わった所で血腥さ全開の、エグいムードたっぷりのオールドスクールなブラックメタルを展開。スラッシュに大分寄った音ながら、如何にもDaemon Worshipが目を付けそうなドスの効いた邪悪な雰囲気があり、禍々しさは十分。

…この作品、とにかく音が「えげつない」という印象なんですよね。音量がBEHERITのベスト盤並に大きいことに加えて、音作りも泥臭さのある低音の効いたもので、それが合わさって異様な迫力を生み出してると思う。ヴォーカルも基本はドスの効いたがなり声です
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DUNCAN EVANS-Lodestone (2014-10-22 23:04:20)

2013年発表の1st。

つい最近までA FOREST OF STARSに在籍していたHenry Hyde Bronson氏があのProphecy Productionsからリリースしたソロアルバムという事で、セールで安かったこともあり購入。ちなみに音楽性にブラックメタル要素は全くなく、自身のクリーンだけでなく一部女性ヴォーカルも導入した、アコースティック/フォーク路線。ミステリアスなジャケや女性が男性の首を斬ろうとしている内部アートワークからは、ダークな印象を受けますが、そんな事はなく叙情的な色で統一された作風。

ただこれ、個人的にはちょっときっつい作品ですね…確かに歌メロは豊饒だし、アコースティックギター主体の演奏でも、フレーズの巧さなのか一本調子には聴こえない辺り曲のセンスはいいと思いますが、如何せんヴォーカルの歌い方が…。基本的にイケメンボイス風ですが
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TOTGEBURT-Asche Unter Meiner Haut (2014-10-22 22:59:00)

2008年発表の1st。
2012年にRazedsoulとSelf Mutilation Servicesにより500枚限定で再発。

アーバンでアヴァンな作風が面白かった、スイスの変り種ブラックBLUTMONDのメンバーによる鬱ブラックという事で、これまた面白いものが聴けるのでは…と期待して購入しましたが…予想の斜め上とは、こういう事を言うんでしょうか(笑)。思ってたよりも独特な世界観を展開していました。ぶっちゃけ、私はちょっとついていけないと思うくらいに…(笑)。

タイプとしては、スラッジに通じるギターノイズや、空間を埋めるようなリバーブの掛かったベース、キーボードなどを組み合わせ、抑圧されたムードを演出する、音響系のディプレッシブブラック。そこにやたらと感情を込めて叫びまくる、エモーショナルで悲痛なヴォーカルが乗る…というと聞こえは良いですが、音数の
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PTAHIL-The Almighty Propagator of Doom and Despair (2014-10-22 22:52:10)

2012年発表の2nd。

HORDES OF THE LUNAR ECLIPSEやFOGのメンバーが関与するサタニック・ブラックと聴いて購入した一枚ですが…なんか想像してた路線と全然違いますね(笑)。オールドスクールで冒涜的なブラックのムードを、ドゥーム要素で更に強化したスラッシーでスラッジーなブラックメタル。熱量を持って引き摺るようなギターリフが、効果的に背徳感を煽るダーティな作風。何気にドラムの芯のある音が心地良く、それも宗教的恍惚を演出するのに一役買ってますね。

また、楽曲によってはドゥーム/スラッジ要素がかなり色濃く出たものもありますが、そういう場面ではメロディもサイケデリックさを増し、より恍惚感を高めているように聞こえます。ヴォーカルの放つカルト臭も凄まじいですね。がなりは歪みすぎて囁いているように聞こえるし、スラッシュ系の吐き捨てはやたらと苦しそう
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WORMREICH-Wormcult Revelations ★★★ (2014-10-21 19:33:16)

2014年発表のEP。

純粋なオリジナルのブラック曲は4曲と、通常のEPと同じくらいのボリュームながら、キーボードやサンプリング、グリッチノイズなどを使用して構築したSE的なインスト、他バンドのカヴァーも入っておりトータル約36分とボリュームはそれなり。と言っても、値段が普通に2000円したのでちょっと納得行かなくはありますが(笑)。カヴァー曲はDEATHSPELL OMEGAの「Malign Paradigm」という、やたら渋いチョイスなのが謎です(笑)。

…やっぱりカヴァー曲を入れるだけあって、当時(「Si Monumantum」期)のDEATHSPELL OMEGAと近い路線のブラックを演ってますね。DSOのあのアルバムにも禍々しさを感じさせる、宗教色の強いトレモロは頻りに使われていましたが、この作品は更にその部分を強調し、より閉塞的な雰囲気を追及したよ
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GRAUZEIT-Tyrannei Der Tristesse ★★★ (2014-10-21 19:29:57)

2013年発表の4曲入りEP。
リリース元は鬱ブラックの総本山、Self Mutilation Services。

ドイツ産のディプレッシブ/シューゲイザーブラックとの事ですが…これ、鬱ブラックだよね!?と、一瞬怪訝に思ってしまいました(笑)。メロディ自体もメランコリックで儚さが強く、十二分に鬱ですし、それを絡めたトレモロやアルペジオを中心とした展開、絶望感を感じさせるがなり声など、鬱ブラックとしての要件は完全に満たしているんですが、メロディがかなり前に出ているお陰で、微妙に華やかな音に聴こえるんですよね。

もちろん、だから駄目という訳では全くなく、メロディ自体がシューゲイザー系のブラックとして非常に優れているせいもあって、私としては妙にツボに入ってしまったんですよね…。また、もう一つの特徴としては、打ち込みに理解がある事も挙げられますね。一部のパートで
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PLAGA-Magia gwiezdnej entropii ★★★ (2014-10-20 22:18:12)

2013年発表の1st。
実はこの作品も某所のセールで格安で購入できたんですが、投売りされるのは余りにも惜しい好内容ですよ、これ…。

内容としては、暴虐性よりも地下臭い雰囲気をより重視したような、オカルトめいた雰囲気漂うブラックメタル。音の作り方は非常に上手く、フレーズを聴かせるのに十分なクリアさを保ちつつ、地下臭い湿り気も感じさせるプロダクションはブラック好きであればかなり共感できるはず。トレモロと歪みのバランスの良さは、スウェーデンのCRAFT辺りに通じるものがあると思う。

その、トレモロリフのメロディが、また素晴らしいんですよね…。メロウながら、精神世界に踏み込むようなスピリチュアルな感触があるというか。ポーランドのバンドですが、桜の木の下に死体が埋まってる的な恐ろしさがあると思う。メンバーは同郷の、これまた高いメロディセンスを持つバンド、LEI
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SALIGIA-Lvx Aeternae ★★★ (2014-10-20 22:11:01)

2013年発表の4曲入りEP。

いきなり地獄へ落とされたような男の叫び声で始まる本作は、歪みとトレモロを巧みに組み合わせたリフ捌きと、プリブラらしい2ビート疾走をメインにしたブラックで、「Terror Propaganda」期のCRAFT辺りを思わせる作風。…が基本なんですが、このバンドはプリミティブブラックの様式を若干はみ出すような形で、オカルト、スピリチュアルな方向に足を踏み入れているのが特徴ですね。

抑圧された空間性を演出するような、アコギや歪んだアルペジオの使い方、それらをバックに取り憑かれたようなクリーンを聴かせるヴォーカルなど、プリブラのスタイルを踏まえつつも、それに囚われない前衛的な展開も見せるのが特徴で、それによって更に楽曲の不気味な儀式性は高まってますね。よく聴くと、プリブラ的なパートでもドラムや歪みの音色などが、聴き手を精神世界にトリップさ
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HELEL-A Sigil Burnt Deep into Flesh ★★★ (2014-10-20 22:03:35)

2009年発表の1st。
と言っても4曲入りで30分ないので、長さとしてはEPくらいですね。

一言で言うなら、「With no Human Intervention」期のABORYMの、ブラックメタルパートをかなり暴虐方向に解釈し、かつフランス産バンドらしいひねくれ感をプラスしたような、サイバー/インダストリアルブラック。打ち込みを採用し、時折暴虐方向に暴走するリズムセクションに、アヴァンギャルドなフレーズを交えたギターワークが乗り進行する、独特の雰囲気を持った作風。

特に所々で出てくる、前衛的なギターフレーズはかなり印象深いんですよね。機械が狂って、まるで泣いたり、パニックを起こしてるような音を出している…そんな風にも聴こえるフレーズがあって、かなり神経に来る。インダストリアルブラックらしく、シンセやサンプリング等を巧みに使い、アポカリプティックな雰囲
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DANTALION-Return to Deep Lethargy ★★★ (2014-10-19 11:00:36)

2012年発表の4th。
ジャケやブックレットの「Letargy」は誤表記らしいです。

2004年にバンドが発足して以来、コンスタントにアルバムを発表し続けているだけあって、メロブラとして申し分のないクオリティのある作品ですね。モダンすぎずRawすぎず、ブラック好きのツボをくすぐる良い按配のプロダクション、ミッドテンポを重視しつつも、緩急付いたドラマティックな楽曲構成など、基本的な部分が高いレベルで纏まっている印象を受けます。

ブラックって他のサブジャンルと比べると、ソロを重視しない傾向がありますが、この作品はギターソロが楽曲の最も重要な部分を担っていると言っても過言ではないくらい、ウェイトが置かれているのが特徴ですね。少し鬱傾向の感じられるメロウなメロディから、ブルージーな泣きメロ、トレモロリフを交えた激情的なものまで、メロディのバリエーションが多く楽
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BHAOBHAN SIDHE-Gas Chamber Music (2014-10-19 10:57:31)

2012年発表の音源集。

93年のEP「New Order」、96年の1stフル「Corpse Crater」、同年のデモ「Jinx」を収録したコンピレーション盤。バンドは「Jinx」デモ発表後は活動していなかったようですが、New Era Productionsもよくもまあこんなマニアックな音源を見つけてきましたね…。作品中でブラックメタルを演ってるのは「New Order」部分のみですが…93年といえば、MYSTICUMが結成された年。そんな時期のオランダで、MYSTICUMを更にマニアックにしたようなインダストリアル・ブラックを演っていたというのが驚き。

冷徹さを感じさせるマシンドラムに、蚊の泣くような、薄い音ながら確実に聴き手に耳障りさを感じさせるノイジーなギター、ギターの代わりにメロディを担うような、強調されたベースライン…これらが合わさると、非常に
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1349-Massive Cauldron of Chaos ★★★ (2014-10-17 11:35:48)

2014年発表の6th。

まず言いたいのは、激烈なリフとリズムの応酬を楽しむエクストリーム・メタルとしてはこの作品は満点の内容、という事ですね。1349って、ファストブラックとしては、オールドスクールな感触を強く残した作風のバンドだと思いますが、ひたすら暴虐に蹂躙を尽くすブラスト畳み掛けパートも、強烈なエネルギーを感じるスラッシーなパートも、このジャンルでも第一級の中の第一級といった説得力があり、素晴らしいの一言。

特にエクストリームメタル好きなら誰もが耳を奪われるであろう、Frostのドラミングは今作でも冴え渡ってますね。ファストさは極まってるしテクニカルなんですが、それを聴き手と共有するグルーヴ感がある気がします。極端なリズム構成でも、聴き手を問答無用で引き込むノリが出せるのは凄いと思う。カラッとしたクリアな音作りになり、陰湿さが減退したのは賛否ありそうで
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LES FLEURS DU MAL-Schattenfeuer (2014-10-17 11:35:08)

おそらくボードレールが出典と思われる、「悪の華」を意味するバンド名、そしてドイツ語で「影の炎」を意味するアルバムタイトルに心を擽られて、中古で安かった事もあって購入。

路線としては、Rawでノイジーさを強調したバンドサウンドに、アトモスフェリックなキーが被さるアンビエントブラックで、精神が引き裂かれるような裏返った絶叫はあるものの、割とありがちな感じかな…と思ってましたが…。ストリングスの音色が、馬頭琴を思わせるちょっとオリエンタルな響きがあるのが意外。3曲目では亡霊的なコーラスを取り入れていたり、上モノの音色選びのセンスが結構面白い作品。

ただ、4曲目のアンビエントとかは正直音像が変わり映えしなすぎだと思うし、個人的には群を抜いた何かは感じられませんでした。バンド名やアルバムタイトルはお洒落でかっこいいですけど、評価はこの手としてはごく普通ですね。

英雄伝説 閃の軌跡Ⅱ ★★ (2014-10-17 11:32:40)

2014年に日本ファルコムがリリースしたRPG。
タイトル通り去年出た「閃の軌跡」の続編。

前作の伏線未回収のまま、丸投げで終わるエンディングは不満ながら、今後のストーリーで挽回できれば「飛び石」として納得できるものなのかも…と思ってましたが…。駄目でしたね(笑)。まるで風呂敷を広げるだけ広げて、その中でどれだけこじんまりとした展開が可能なのかを競うような、閉塞感漂うストーリーが展開されてしまっています…。

散り散りになった仲間を集めるだけでストーリーの半分の第1部が終了、第3勢力を自称しながら身内の救出を大義名分に正規軍の手伝いしかしてない第2部が終われば、もうストーリーの終盤って、おざなりにも程があるんですが。一応終章では話が大きく動きますが、前作の実習パートを圧縮して、今作の第1部第2部をダイジェストにすれば、十分1本に収まる内容だと思う。わざわざ
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MYSTICUM-Planet Satan ★★★ (2014-10-16 23:31:31)

2014年発表の2nd。

前作「In the Stream of Inferno」から、フルアルバムとしてはおよそ18年振りとなる新作。ブラックメタルにマシンビートを導入し、インダストリアルブラックの礎を築いた事、独特のサイケデリックでカルトなムードを感じられる楽曲などから、大いにマニア受けしていたバンドだっただけに、新作の報を聞いて狂喜した人も多かったのではないでしょうか。私もショップの入荷情報見て速攻で買いに行きましたよ…無事手に入って良かったです(笑)。

肝心の音楽性の方は…「In the Stream of Inferno」期の路線を、大本は変えずシンプルかつクオリティを上げてきたような感じですね。まるで三・三・七拍子を魔改造したような奇妙かつ耳に残るリズムの「The Ether」を始め、独特のノリを醸し出すマシンドラムと、ノイズ質の粒子が精神世界へ誘
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WRONG-Memories of Sorrow ★★ (2014-10-13 11:22:48)

2013年発表の1st。

セールで新品が半額以下だったので、何かの巡り会わせだと思って予備知識無しに購入してしまいましたが、これがなかなか他に無いタイプのブラックで、何気に良かったんですよね。ロック要素も強い力強いミッドテンポ中心の展開に、適度にメロウなトレモロを交えつつ厚みのあるギターリフ、アンティークでお洒落、頽廃的な印象を与えるピアノを絡めてくる、どこかゴシックメタルにも通じる耽美なムードを感じさせる、メロディアスなブラックメタル。

ただし、ギターの病んだ精神のエネルギーが溢れているかのようなノイジーな音色、切迫し張り詰めた神経に触れるようなフレーズ作りなど、鬱ブラックに近い「人を寄せ付けない雰囲気」がある辺り、如何にもブラックメタルバンドらしい感性によって作られてると言えるでしょう。ただ、この雰囲気自体は好みなんですけど、バスドラがビキビキと甲高い音な
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THE STONE-Zakon Velesa ★★ (2014-10-13 11:19:50)

2004年発表の2nd。

セルビアというと、WATAIN辺りに通じるドス黒いブラックを聴かせるMAY RESULTや、メロディックブラックとして非常に完成度の高いBANEを始め、近年良質なブラックメタルの名産地になりつつある印象なんですが、このバンドはまだBANEが結成されてもいない、この時点で既にブラックとしてかなり良質な音を提供してますね。プロフィールを見てみると96年結成でMAY RESULTと並ぶ古株だとか。

路線の方は、MAY RESULTやBANEとは似て非なる、オールドスクールで純然たるブラックメタル。例えば初期~中期のGORGOROTHやSATYRICONなど、ノルウェーの黎明期のバンドってオールドスクールでピュアなブラックながら、土着的な叙情性も練り込まれてる事が多かった印象ですが、その当時の北欧ブラックの雰囲気を良く受け継いでる作風だと思い
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ILLNESS-Planet Paranoia ★★ (2014-10-10 22:37:15)

2010年発表の3rd。

ジャケットの雰囲気からは全くそんな素振りは見せていませんが、意外なことにサイバー/インダストリアルなブラックメタルを演ってますね。CD再生してピコピコ音が流れたときはジャケとのギャップに結構驚きました。無機質ながら暴虐なマシンブラストに、ブラックメタル流儀の不穏なトレモロを乗せ展開していく作風で、「With no Human Intervention」期のABORYMに近い音でしょうか。

ヴォーカルはゲロゲロ感の強い、高めのがなり声でこちらも同じくABORYMのPrim Evil氏の「Generator」アルバムでのパフォーマンスに近いスタイル。彼の声に勝るとも劣らない殺気。…全体的に、かなりABORYMからの影響が強い感じですが、ABORYMが比較的前衛的な展開を見せていたのに対し、こちらはマシンブラストとトレモロにより焦点が当てら
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PSEUDOGOD-Deathwomb Catechesis ★★★ (2014-10-07 10:33:05)

2012年発表の1st。
2004年より活動し、幾つかのデモやスプリット、音源集などをリリースしていますが、フルアルバムとしてはこれが初の作品みたいですね。

楽曲全体から感じられる暗黒臭、サタニックでおぞましい雰囲気は確実にブラックメタルに通じるものがありますが、音楽的にはデスメタルですね。デス系の中でも蹂躙力は圧倒的で、最早地獄絵図と言ってもいい世界観を展開。デス特有のうねりを伴いつつ、どす黒く塗り潰すようなリフ、アタック音の強いベース、重々しく迫力のあるドラミングが絡み合い、目に付く情景全てを灰燼に帰すかの如き轟音を聴かせてくれます。

音自体はブルータルデス顔負けの重さですが、この作品はミディアムも多用してますね。ただミッドテンポのパートでさえ、この余りにも壮絶な音作りのせいで怪獣スケールの大蛇がのたうつが如きヘヴィなグルーヴ感があり、ブラストで畳み
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KLAGE-Die Weihe des Eises ★★ (2014-10-07 10:31:08)

2008年発表の1st。
CD盤は約25分の大作1曲のみを収録ですが、アナログ盤は更に3曲多い仕様だとか。CD買ってから知りましたが、正直この仕様はどうなんでしょう…。私はアナログで聴く習慣がないので、結構不満が残るんですが…。

…仕様には文句タラタラですけど、肝心の内容自体はなかなか。ジャンル内のカテゴリーとしては、鬱ブラック寄りのアトモスフェリックブラックという感じでしょうか。音像をうっすらと覆うノイズ質が、正体をぼかすような幽玄さを醸し出す、ムードたっぷりのブラックメタル。このノイズ質の中から漏れ聞こえてくるようなトレモロのメロディには、鬱や儚さ、メロウさだけでなくどこか気品のようなものが感じられて、それが凄まじく胸を打つんですよね。壮麗なオーケストレーションで、突然スケールを増す大団円も意外かつ面白い。

まあ、後半のアルペジオパートがちょっと引っ
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ALGHAZANTH-The Three-Faced Pilgrim ★★★ (2014-10-05 12:08:05)

2013年発表の7th。

このバンドは前々作にあたる「Wreath of Thevetat」を聴いていて、メジャーなメタルバンド以上にドラマティックでハイクオリティな曲作りと、ブラックメタルのダークな叙情性を両立させた、メロディック・ブラックの覇道を行くような作風で、かなり感銘を受けたんですが…今作は若干作風を変えてきてますね。若干鬱ブラック的なテイストが入ってきた感じでしょうか。

如何にもメロブラ然とした、土着的な叙情性を感じさせる、非常に魅力的なトレモロリフを主軸として、ドラマ性たっぷりに展開していくという部分は変わらないんですが、今作はアトモスフェリックなキーボードがバンドサウンドを覆うような場面が増えたこと、トレモロに込められたメロディの悲痛さが更にアップしている事で、より「哀愁」な側面がクローズアップされた印象。前々作の時点でこうしたパートはありまし
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DEVATHORN-Diadema ★★★ (2014-10-04 20:45:31)

2007年発表の1st。
2014年にDybbuk RecordsがSelf Mutilation Servicesと共同で再発。

かつてはDODFERDに籍を置いた事もあり、2012年にはACHERONTASに加入したというSaevus Helcath氏を中心に結成されたブラックという事ですが…関連バンドはギリシャ産ブラックでもかなり知名度の高いバンドですが、それらに匹敵するくらい魅力的な音源だと思います。

路線としては、ACHERONTASやFUNERAL MISTに代表されるような、宗教色の強く儀式的なムードを持つブラックを、もう少しスラッシュ色強く、オールドスクールな感触で仕上げた感じでしょうか。ブラストで攻めるだけでなく、スラッシュビートも多用した楽曲はある意味ノリの良さも感じられ、メリハリがあってストレートにかっこいいんですが、トレモロリフに
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ANKRISMAH-Dive in the Abyss ★★ (2014-10-04 20:41:25)

2010年発表の1st。

タイプとしては、プリミティブブラックらしいRawな2ビート疾走を中心に、時折ドゥーミーなスローパートを挟み込んで聴かせるプリブラで、タイプとしてはCRAFT辺りに近いでしょうけど…ここまで刺々しい雰囲気の音楽、プリミティブブラックとしても珍しいのではないでしょうか。

元々プリブラってトレモロリフを多用する形式上、ある程度メロディアスになるものですけど…トレモロリフを弾いている間ですら、全くメロウに感じないくらい、音が荒廃してるんですよね。音質のノイジーさとも相俟って剃刀の渦に切り刻まれるような苛烈さ。1曲目から早速聴けるドゥームパートなんて、肉を一寸刻みで削がれるかのような、痛々しい殺伐感がありますし。

極度にひしゃげった声の、生々しい感情を剥き出したヴォーカルも相俟って、異常を来たした人間のささくれ立った精神世界を覗く
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THY LIGHT-No Morrow Shall Dawn ★★★ (2014-10-04 00:54:44)

2013年発表の1st。

Pest Productions発、ブラジル産の鬱ブラックというプロフィール、そして一曲目のピアノメインのインスト「Suici.De.Spair」の、まるで自分の人生が勝手に美しい物語に置き換えられて完結させられるかの如き、致命的なまでにメロウな雰囲気から本編にも期待したんですが…期待以上なんですが、この作品。この手って掴みのインストが一番ムードがあったりする残念なことが少なくないですが、この作品は最初にここまで期待値を上げておいて、それ以上のものを提供してくれるという真逆のことをやっていて素晴らしいです。

鬱ブラックやシューゲイザーブラックって、全体の雰囲気や溢れ出る感情を聴かせるものも多いですが、このバンドは楽曲やフレーズで聴かそうという志向が非常に強いのが特徴ですね。例えば、2曲目「Wanderer of Solitude」は2
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MANIAC BUTCHER-Lucan - antikrist ★★ (2014-10-03 19:46:50)

96年発表の2nd。
私が持っているのは2009年に再発されたもの。
ちなみにチェコ産のバンドとしては90年代初頭から活動する古株で、一時期活動を停止していたものの、2009年から活動を再開しているようですね。

作風は、黎明期ブラック、特にDARKTHRONE辺りの影響をがっつり受けた、純粋過ぎるほど純粋なブラックメタル。閉塞的アンダーグラウンド臭が立ちこめていながら、それほど聴きづらくない音質、悪魔的なイメージを直接的に想起させつつ、楽曲をメロウに彩るトレモロ、オールドスクールな作風に特有の熱気など、如何にもプリブラといった感じの魅力に溢れてますね。

当時のDARKTHRONE辺りがやってたようなプリブラと比べると、ヴォーカルのがなりが地声混じりで、非人間的な恐ろしさよりも人間的な感情の昂ぶりを感じられるのが、若干異なるポイントでしょうか。…この
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MYSTHERIUM-Memoriał ★★ (2014-10-03 19:38:36)

2012年発表の3rd。

同郷のGRAVELANDはRaw路線を脱却し、アトモスフェリックで冷ややかな戦場の空気感を描くような独特のペイガンメタルの音を作り上げましたが、このバンドも近年のGRAVELANDを思わせるスケールの大きい、アトモスフェリックなブラックを演ってますね。ただ、こちらはメロディの傾向がゴシック・クラシカル寄りで華美なのと、バンドサウンドの主張が強めなのが大きな違いでしょうか。

バンドサウンドにオーケストラルなキーボードが大仰でクラシカルなメロディを乗せていく様は、個人的には少しだけFLESHGOD APOCALYPSEに通じる雰囲気も感じたり。ただ、バンドサウンドはブルータルではなく、悲壮感に満ちたトレモロリフを主張させつつ、ノイジーながら広がりを持って聴かせるもので、やはりアトモスフェリック・ブラックのそれという感じがします。あと女性ヴ
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PLEBEIAN GRANDSTAND-Lowgazers ★★★ (2014-10-02 22:35:04)

2014年発表の2nd。

レビューサイトやショップでの評価を見る限り、近年のDEATHSPELL OMEGAを始めとしたカオティックなブラック好きに大ウケしているようだったので、私も購入しましたが…なかなかに凄まじいですよ、これは。テクニカルさに裏打ちされた、混沌としながらも暴虐性の非常に高いリズムに、不協的で不安を煽るようなギターリフを乗せて畳み掛ける、ハードコア要素の高いブラックで、DSOの「Drought」アルバムと似た雰囲気がありますね。

ただしDSOが演出しているような形而上学や神学にアプローチするような深遠さはこの作品には希薄で、その代わりヒステリックに荒れ狂う精神の病巣をそのまま音に具現化したような、圧倒的かつ直接的な狂気が感じられますね。肺腑に残る空気を全て吐き出しながら一心不乱に絶叫を続けるような、狂気そのものといったヴォーカルも相俟って、A
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OTARGOS-Apex Terror ★★ (2014-10-02 22:31:03)

2013年発表の5th。

前作は未聴ですが、前々作「Fuck God-Diseased Process」はDEATHSPELL OMEGAが「Si Monumentum~」アルバムで描いた、宗教的暗黒美を引き継ぎつつ、もう少し北欧のオーソドックスなブラックに近付けたような印象だったんですが、大分作風が変わりましたね。音作りのクオリティが高いのは相変わらずですが、サイバー系にも通じるような無機質でインテリジェントな雰囲気があったり、エクストリームメタル的ヘヴィネスがより強調されたことで、以前よりも直接に宗教性や暗黒性を志向しなくなった感じがします。

この変化によって、「ありがちな感じ」からは大分遠ざかったように思います。例えば1曲目の、聴いているだけで耳から神経線維を引きずり出されそうなトレモロを始め、一般的なブラックではあまり聴けないような感覚の、でも耳を惹く
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ABORYM-Live in Groningen ★★ (2014-10-02 22:30:14)

2013年発表のライブ盤。
何故か2004年(Attila在籍時)の音源を今頃になって発表。
如何にも指紋が付きやすそうなメタリックなデジパックが目印(笑)。

これ程の知名度を誇るバンドとしては、正直プロダクションは微妙ですね。音がやや小さい上に、ギターの音作りがグシャッとしている感じ。ただ、クリアな音作りよりも楽曲の持つカオティックな雰囲気を浮き彫りにしていると思うので、却ってこうした音質の方が良かったのかも。ライブでもドラムが生になったりはせず、同期を流して演奏している模様。

しかし、こうして聴くとやっぱりこのバンド、楽曲が良いですよね。サイバーな要素を取り入れてるだけでなく、しっかりブラックメタルらしい不穏さが息づいているというか。時折入るトレモロのメロディがいちいちダークで素晴らしい。また、Attila Csiharのパフォーマンスも耳を惹
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VICARIVS FILII DEI-Non Cogitant Sed Tamen Sunt ★★★ (2014-10-01 20:08:39)

2014年発表の2nd。
バンド名は「神の子を代理する」という意味だとか。

この作品、Rawなブラックメタルの中においても、一際目立つような苛烈な音作りですね…。それこそULVERの「Nattens Madrigal」やNARGAROTHの「Regens~」辺りに匹敵する、耳を劈くようなノイジーさ。ただこのバンドが稀有なのは、ノイジーな中に響くトレモロリフのセンスが、これらの作品と比較しても劣らないほど素晴らしいことですね。メロウさや悲壮感に満ちていながら、ブラックらしい神秘性に満ちたメロディはブラック好きならば一聴で虜にされてしまうでしょう。

ただ、前述したバンドが極端に粗い音質とミニマリズムを融合させていたのに対し、このバンドの楽曲の展開は印象深いメロディを伴う疾走を軸に据えた、かなりドラマティックなもの。確かに、先人達の音の方がエポックメイキングだ
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