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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) 時系列順 201-250
MORODH-The World of Retribution
RAGE NUCLEAIRE-Black Storm of Violence
AND HARMONY DIES-Flames Everywhere
TOTAL NEGATION-Zur Späten Stunde / Zeiträume
東方紺珠伝 ~ Legacy of Lunatic Kingdom.
KOMMANDANT-The Architects of Extermination
BÄRGLAR-Blank Sky...
ACHERON-Kult des Hasses
WAXEN-Agios Holokauston
MADMANS ESPRIT-Nacht
VOID PARADIGM-Earth's Disease
OSCULUM INFAME-Axis of Blood
FESTERGUTS-Heritage of Putrescent
SICKRITES-Irrelevant Death Monoliths
AKROTHEISM-Behold the Son of Plagues
GOTHOLOCAUST-Lucifer_h
グリーンファロウェラ
NINKHARSAG-Blood of Celestial Kings
NINKHARSAG
MALIGNANT ETERNAL-Alarm
XERATH-III
TARTHARIA-Bleeding for the Devil
KROMLEK-Finis Terræ
SIEBENBÜRGEN-Darker Designs & Images
VINTERBRIS-Solace
WRATHAGE-Discipline
ANGELSCOURGE-Seraph Impaler
OMNIA MALIS EST-Víteliú
ADKAN-Compendivm XI
SATANIC WARMASTER-Fimbulwinter
MACTÄTUS-Blot
FJORSVARTNIR-Legions of the North
IFING-Against This Weald
RAUHNÅCHT-Urzeitgeist
ALRAUNE-The Process of Self-Immolation
ORAKLE-Eclats
AS LIGHT DIES-TLA vol.1
MALHKEBRE-Revelation
MARE COGNITUM-Phobos Monolith
PROJEKT K-OZ-The One Eyed God
MAN'S GIN-Smiling Dogs
WILL OF THE ANCIENTS-To Our Glorious Dead
WILLOOS-Als Loze Willen Dwalen
FALLS OF RAUROS-Believe in No Coming Shore
HARAKIRI FOR THE SKY-Harakiri for the Sky
PANZERCHRIST-7th Offensive
THE UNCHAINING-Ruins at Dusk
AKHLYS-The Dreaming I
REGARDE LES HOMMES TOMBER-Regarde les hommes tomber
REGARDE LES HOMMES TOMBER
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MORODH-The World of Retribution ★★★ (2015-09-11 22:54:41)

2014年発表の1st。
ショップで地味に推されてたので買ってしまいました。

鬱ブラックって、大きく分けて葬式ドゥーム的な凌遅リズムでひたすら絶望的に聴かせるものと、ロック色の強いミッドテンポ中心でメランコリックに聴かせるものが多い気がしますが、このバンドは後者のスタイルですね。鬱ブラックというジャンル自体、聴き手を選ぶマニアックさがあると思いますが、このバンドはその中ではメジャー志向なバランス感覚と質の高さを持っているんじゃないでしょうか。

楽曲や聴かせ方に良い意味でそつがない印象なんですよね。鬱ブラックの生命線である、リフに練りこまれたメロディはしっかりメランコリックだし、リズムも極端に遅かったりせず、展開も過剰な反復は極力せず、ドラマ性を重視した感じ。ヴォーカルも裏返り系でなく、かっこいい歪み切ったがなりですし、クリーンの方もマイルドで変に喉を絞め
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RAGE NUCLEAIRE-Black Storm of Violence ★★ (2015-09-11 22:51:26)

2014年発表の2nd。

あの元CRYPTOPSYのLord Worm氏がヴォーカルを務め、ドラムは現MARDUKの人という豪華っぷりに惹かれ、物は試しと購入してみましたが…これ、エクストリームメタルとして第一級の音ですね。豪速ブラストと切れ味のいいリフを交え、常に攻撃的に攻めていく作風は、個人的には発足した当時のZYKLONに通じるものを感じたり。ブラックの荘厳さとデスの暴虐性が両立され、どちらの特性も持っている辺り結構近いものがあるのではないかと。

ただ、音は一級品なんですが、肝心のヴォーカルについては少し不満…というか、勿体ないものを感じたり。常に何を言っているか全く聞き取れない、人間やめた系の高音絶叫をひたすら繰り返す壮絶なスタイルではあるんですが…リバーブが掛かりすぎてしまっていて、ちょっと生々しさに欠けるのが惜しいんですよね…。これがほぼ生声みたい
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AND HARMONY DIES-Flames Everywhere ★★ (2015-09-11 22:50:46)

2007年発表の2nd。

一言で言うならば、オペラティックであることを最重視した、個性派シンフォニックブラック…という感じでしょうか。ただ美しく煌びやかなだけではない、奇術的なメロディ、シンフォニックであるのみならず、インダストリアル要素も取り入れた作風で、まるでダークな戯曲を見せるように劇的に展開する、変り種かつ丁寧に練りこまれた展開で聴かせる音。十把一絡げに出来ないような個性を持った音で、楽曲のレベルもかなり高いのではないでしょうか。

ただ、メジャーなバンドと比較すると若干プロダクションの面で弱さを感じてしまうのと、ヴォーカルの独特な奇矯さが個人的には辛いものがありますね…。ただがなるだけではなく、ホーミーの真似事のような声を出したり、オペラの登場人物になり切ったように演技したりしながら歌いますが…なんか調子外れというか滑稽というか、どうも肯定的な感情を向
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TOTAL NEGATION-Zur Späten Stunde / Zeiträume ★★★ (2015-09-02 23:39:25)

2013年発表の2nd。

一言で言えば、実験性とドラマ性が同居した、優良な鬱ブラックという感じでしょうか。ドゥーミーに引き摺るノイジーなリフと、独特の音響が精神世界的な非日常性を演出するフレーズを組み合わせ、精神が崩壊していく過程を描くかのような、異様な雰囲気の漂う音。多分にエクスペリメンタルな音ですが、展開のドラマ性もかなり重視されていて、楽曲のレベルはかなり高いと思います。

この作品、前半の4曲が「Zur Späten Stunde」、後半が「Zeiträum」というタイトルの二部構成になってますが、二部で連続性がありつつも楽曲の色が変わるのが面白いですね。前半が精神崩壊に至る様子だとしたら、多彩かつ前衛的なキーボードやノイズの音色を取り入れ、更に実験性を増した後半部は壊れた心が暗闇を彷徨っているような印象でしょうか。

ユニークな音使いが聴い
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東方紺珠伝 ~ Legacy of Lunatic Kingdom. ★★★ (2015-09-02 23:35:40)

同人で絶大な人気を誇る東方シリーズの、Win版では15番目となる作品。
2015年発表。

ナンバリングでは前作に当たる輝針城がシンプルだった反動からか、今回はかなり冒険したシステムに。今までの残機制は「レガシーモード」として別モード扱いで残しつつ、残機の概念を排し、1ステージを幾つかのチャプターに分け、ミスするとそのチャプターの頭からやり直し…というシステムの「完全無欠モード」がメイン。ボムはチャプターで200グレイズ(敵弾にカスる)と欠片が貰え、それを5つ集めると1つ補充されるシステム。全ステージで使える数が限られているので、前半に使いすぎるとエライ事に…。

そのシステムに合わせたせいか、今回弾幕は今まででもっとも難しい…というか、初見殺し・パターン必須・事故りやすい…という性質のものが多い感じですね。自機周辺から画面端で反射するレーザー(画面端や最下
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KOMMANDANT-The Architects of Extermination ★★★ (2015-08-30 12:20:17)

2015年発表の3rd。

ショップでDSOが引き合いに出されていて、レーベルも優良なブラックを多数輩出しているところだったので、興味を持って購入。…確かに、不協的で不穏なリフ捌きと、ハードコア的なやけっぱちな攻撃性を同化させた作風は、「Drought」期のDSOや、PLEBEIAN GRANDSTAND辺りのバンドに通じるものがあるかもしれませんね。ただしこちらの方が、不穏さの表現がもっとダイレクトという気がします。

デスメタルにも通じる、猟奇的でドロッとした質感のあるリフの音色と、赤黒く禍々しいメロディを紡ぐトレモロが混ざり合い、死体が堆く積みあがった地獄絵図の戦場の光景が、まざまざと聴き手の眼前に提示されるかのような音。ヴォーカルもただがなるのではなく、歪みの少なめな声で繰り言のような呪詛や、洞穴から聴こえてくるようなやたらディープで湿り気のあるグロウルを
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BÄRGLAR-Blank Sky... (2015-08-27 22:18:09)

2015年発表のEP。
ショップで国産鬱ブラックとあったのと、値段が安かったので購入。
…これはなかなかに実験的な音ですね。

神経に障るようなアルペジオを展開したり、ヴォーカルの喚き声のボリュームを過剰に大きくする、ベース音を強調しぶよぶよした音質を作る、アルペジオに極悪なノイズ質を組み合わせる…など、短い演奏時間の中で様々なアイデアを詰め込んだ、非常に意欲的な作品。特に後半部はブラックメタルというよりノイズ音楽に半歩踏み込んでるかのような音。

ただ、どうもアイデア集の域を出ない作品という気がしてしまうんですよね…。この手の鬱ブラックの有名なバンドの作品と比べると、いまいち楽曲やフレーズ等の魅力に欠けるというか…。特にヴォーカルは駄々を捏ねてるみたいな感じが微妙で、聴いていてなんとも言えない気分に…。

正直、個人的にはもう一歩な感じで
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ACHERON-Kult des Hasses ★★ (2015-08-24 14:21:01)

2014年発表の8th。

実は結成されたのが80年代末の大ベテランであったり、中心人物のVincent Crowley氏がかつてアントン・ラヴェイの悪魔教会に所属していたガチな人だったり、色々とハクの付いたバンドですが…それを物語るかのように、確信に満ちたエネルギーのある作品。リフとリズムの応酬や、サタニックな雰囲気の演出で押すのではなく、あくまで起承転結のある展開で聴かせる感じで、デス/ブラックの攻撃性でビルドアップされたヘヴィメタルという印象。

サタニズムの表現方法が、ブラックメタルよりも伝統的なヘヴィメタルのそれに基づいているという感じで、そこがブラックメタル黎明期以前より活動するベテランらしさを感じますね。ただしドスの利いたがなり声のヴォーカル、どす黒いエネルギーを内に秘めたような歪みのあるプロダクション、それだけでサタニックさを感じさせる邪悪なメロデ
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WAXEN-Agios Holokauston ★★ (2015-08-24 14:20:28)

2014年発表の2nd。

ONWARDという割と名の知れた正統派/パワーメタルバンドの元メンバーで、DARKANEのライブメンバーでもあるToby Knapp氏による独りブラックということですが、その出自を物語るかのように、猛烈な勢いで刻み込んだり、メロウなフレーズを練り込んだりするテクニカルでメタリックな魅力に満ちたギターリフが、他のプリミティブブラックとの大きな違いでしょうか。リードギターのメロディが強調されるパートはメロデス以上にメロディアス。

ただし、音作りは3部作期のDARKTHRONEが可愛く思えるレベルでキッツいです(笑)。普通の音量で聴くと確実に耳が痛くなること請け合いなノイジーなプロダクションで、ヴォーカルも人の声なのかノイズなのか分からないくらいのリバーブ掛かってるし、Raw過ぎるにも程がある音作り。ぶっちゃけ、耳が疲れます(笑)。それがギ
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MADMANS ESPRIT-Nacht ★★ (2015-08-22 16:40:26)

2014年発表の1st。

韓国産独りアヴァンギャルド・シンフォニックブラック/ゴシックとのことですが、確かに凄く独特な作風ですね。通常のシンフォブラックのようなトレモロ+ブラストで押すようなパートは少なく、ロック調だったり4つ打ちなどを取り入れた変則的な展開と、若干Rawさを残したバンドサウンドとアトモスフェリックなキーにより非日常感を演出する、少し変則的な音。

但しこのバンドにおいて最も特徴的なのは、クリーンヴォーカルの多さ+そのスタイルの特異さだと思います。同郷のSAD LEGENDもかなりヴォーカル重視でしたが、こちらは更にヴォーカルオリエンテッドな感じ。高音もほぼ女声に近いものからエッジとビブラートを過剰に掛けた、ヘビメタ然とした鋭い頭声を使い分けてますし、低音で嘆くような声でゴシック的な悲哀を醸し出したり、やたらイキんだがなり声を使ってみせたり、とに
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VOID PARADIGM-Earth's Disease ★★★ (2015-08-18 21:40:09)

2015年発表の2nd。

これは物凄く好みのアヴァンブラックです!
神経に障るどころか掻き毟るような、パラノイアックかつ不穏で不協的なギターワークと、聴く者に不安を与えるような構成のリズム、そこに絡みつくメロディアスながら粘着質なベース…このジャズを気持ち悪く解釈して取り入れたような不気味なアンサンブル、間違いなくVED BUENS ENDEの系譜ですね。ブラストで畳み掛けていても衝動性より精神世界的なグロテスクさの方が強い気がします。

ただしこちらはVBEやVIRUSなどと比較すると、もっとフィジカルの強い音という印象。パキッとした抜けの良い音で、奇妙なアンサンブルもきびきびと聴こえさせるようなドラムや、地声要素強めながら殺気と怒気に満ちた、Appolyon氏のスタイルを思わせるエグいヴォーカルなど、禍々しく不条理な雰囲気を醸し出しつつも、攻撃性も高め
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OSCULUM INFAME-Axis of Blood ★★★ (2015-08-18 21:35:01)

2015年発表の2nd。

以前購入した90年代半ばの音源集が素晴らしい内容だったので、新作であるこちらも購入したんですが…はっきり言って感動的な素晴らしさですよ、これ…。特にプリミティブブラックのバンドが持っている、衝動性やカルト性…それらを全く希釈することなく、クオリティの高さも追及したらどうなるのか…その答えがここにあるといっても過言ではないかもしれません。

スタイル自体はもうホント純粋に、何の衒いもないブラックメタルという感じですが…全てに於いてカルト音源としてのハイレベルさがありますね。ややノイジーさを残し、爛れた邪悪さを演出するプロダクションといい、メロウなトレモロを上手く配置しつつオールドスクールな刺々しさも感じさせる、起伏のある楽曲構成といい、悪意しか感じられないヴォーカルといい…。「これが聴きたくてブラック聴いてる」というくらい、ど真ん中の音な
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FESTERGUTS-Heritage of Putrescent ★★★ (2015-08-09 06:46:49)

2013年発表の1st。
このバンド、何気に90年代半ばから存在しているみたいですが、フルアルバムとしてはこれが初の作品となるようです。

タイプとしては、攻撃性剥き出しのブルータルなデス/ブラックをベースに、キーボードや女性ヴォーカルを導入したシンフォ要素で味付けした感じ…と言えそうですが、バンドサウンドの野蛮さがやたらと生々しいのが特徴ですね。リフのゴリゴリ感といいヴォーカルのグロウルのおぞましさといい…シンフォ要素が無かったとしても魅力的に聴こえるであろう、筋の通ったブルータルさ。

…例えばCRADLE OF FILTHなんかは、シンフォ要素が混じりやすいようにバンドサウンドの方も整えている感じなんですが、このバンドの作風はもっと繋げ方がダイレクトというか、無理やりというか…。美と醜の融合というよりは、基本的におぞましい醜の要素がベースで、そこに美が
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SICKRITES-Irrelevant Death Monoliths ★★ (2015-08-09 06:42:44)

2013年発表の1st。
アナログでの発表でしたが、翌年にOsmoseよりCD化されています。

一言で表すなら、ウォーブラックの衝動性や背徳性、凶暴性を残しつつ、エクストリームメタルとしてのクオリティを整えた感じの、デスメタル寄りのブラックという感じでしょうか。紙を破くようなノイズ質に包み込まれるような音作りに、地の底から響くような低音デス声のヴォーカルが乗り、非常に冒涜的で爛れたような雰囲気を演出してますね。

ただし、楽曲の方には単なる衝動性に留まらない、演出力の高さが光っているのも特徴ですね。バンドの音はまるで廃墟を思わせる、ドロドロした感触ですが、そこにキーボードが破滅をもたらす光のように挿入されたり、狂気的な速弾きやメロウなリードフレーズを奏でるギターソロが挿入されたり、モノトーンにならない展開も魅力。

デスメタル的な猟奇性を強く感
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AKROTHEISM-Behold the Son of Plagues ★★★ (2015-08-03 19:19:23)

2014年発表の1st。

カヴァー曲を演るにしても、敢えてVED BUENS ENDEを選んでしまう辺り、何となく只者でなさが垣間見えますが…その期待を裏切らない、真性な雰囲気を醸し出すブラック。路線としては、初期~中期WATAINをもう少しRawにしたような、オーソドックスなブラックメタルで、切れ味の鋭いオールドスクールなフレーズやオカルト性を感じさせるメロディをリフの中に練りこんで聴かせる、カルト性たっぷりな作風。

この手のメタルはリフでどれだけ惹き付けられるかだと思いますが、このバンドは同系統のバンドと比べてもその部分のセンスがなかなか優れているように思います。アングラな熱気だったり、焼け付くような絶望感だったり、「カルト」な雰囲気を保ちつつ色々な情景を見せてくれる感じ。人間性を失ったような歪み切ったヴォーカル、やや歪みの強いプロダクションなど、ブラック
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GOTHOLOCAUST-Lucifer_h ★★★ (2015-08-03 19:16:46)

2015年発表の2nd。
日本のレーベルhidden Marlyからの発売。

フランス産のプリミティブブラックとの事ですが、個人的にはMUTIILATIONなどのフランスのLLN勢のような病んだムードよりも、SATANIC WARMASTER(特に初期)などNorthern Heritage系のフィンランドのバンドに近い、Rawで寒々しい雰囲気を持った作風という印象ですね。ガラガラした声質で一心不乱に叫び続けるヴォーカルも衝動性に満ちていて非常に良い具合。

…ぶっちゃけこの手のブラックって、演ってることはあまり変わらないので、後はどれだけリフやリズムでの聴かせ方が上手いか…みたいなところはありますが、このバンドはかなり上質ですね。基本はスリ込むようなリフで聴かせつつ、要所でメロディを強調して聴かせるスタイルですが、前者のパートでのさりげない良質なメロディ
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グリーンファロウェラ ★★★ (2015-08-02 23:34:11)

まるで水棲のバッタのような見た目の魚で、実はファロウェラよりオトシンクルスに近い魚なんだとか。周りの環境に合わせて体色を僅かに変える性質がありますが、うちは黒い床のベアタンクで飼育、沈み餌をあげてるので…緑が綺麗に発色せず、余計に地味な印象に(笑)。ただ、餌を撒くといそいそと底に降りてきて、バックしながら餌を吸い込む素振りがとても愛らしいです。

ちなみに人工餌は苦手らしく、苔がない環境だと短命になるケースも多いらしいですが…うちではタナゴの餌をあげるとがっつきます。金魚も、ザリガニも、同じく人工餌苦手らしいチャイナバタフライも喜んで食べます。恐るべしタナゴの餌…。

NINKHARSAG-Blood of Celestial Kings ★★★ (2015-08-02 12:32:53)

2015年発表の1st。

1stにしてEMPERORやANAAL NATHRAKHのリリースで知られるCandlelightからリリースしているだけあって、超高品質なメロブラ。ブラスト一辺倒ではなく、スラッシーさやグルーヴィさも感じさせる、タイトな響きのドラムをベースに、楽曲の神話的な背景が見えてきそうな、優美さを感じさせるトレモロを交えつつ、緊張感たっぷりに展開するリフワーク、メロウさを更に際立てるベースと、丁寧な楽曲構成で聴かせるタイプの作風。

特に攻撃的な中にも、メロいフレーズを上手く差し込んでくるギターワークが聴いていて非常にかっこいい。キーボードでシンフォニックな味付けをしているわけではないんですけど、個人的にはEMPERORの2ndと通じるようなインテンスさを感じました。サタニックな邪悪さや暴虐性の中にも、アーティスティックな感性が息づいている感じ
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NINKHARSAG ★★ (2015-08-02 12:31:41)

先日Candlelightから1stフルをリリースしたイギリス産ブラック。
バンド名はシュメール神話における地母神だとか。
そらで書くのが難しいバンド名ですよね(笑)。フォント的に最後Cに見えるし。

MALIGNANT ETERNAL-Alarm ★★ (2015-08-02 12:28:22)

1999年発表の3rd。

この後バンドはM-ETERNALと改名したようですが、その後特にリリースは無く活動停止してしまった模様。…このバンド、以前はシンフォニック/メロディックなブラックを演っていて、結構評価も高かったらしいですが…それがとても信じられないような、見事なまでにサイボーグ化したインダストリアルブラック。

サンプリングやトランシーなシンセ、無機質なリズムワークを駆使し、眼前に廃墟となった未来の都市を浮かび上がらせるような作風。THE KOVENANT辺りと比べても、よりインダストリアル要素にバンドサウンドが侵食されている感じ。楽曲を通じて漂う、濃厚な終末感は好きなのですが、個人的にはもうちょっと分かりやすい聴かせどころが欲しいな…と思ってしまいます。

XERATH-III ★★ (2015-07-31 21:23:44)

2014年発表の3rd。

シンフォニックなエクストリームメタルとしては、かなり独特の路線を行く作品ですね。壮麗で悠遠なメロディを奏でるキーボードと、ゴリゴリのバンドサウンドの組み合わせ自体は他バンドとそう変わりないものですが、バンドサウンドがかなりプログレ寄りなのが大きな特徴。デス・ブラック的な禍々しさではなく、癖のあるリズムをベースにリフを絡ませる、アンサンブルを楽しませるような感じ。これが楽曲の世界観により深遠さを加えているように思います。

また、ギターのフレーズには所々メロデスに通じるような、メロディでフックを付けている箇所などもあり、さして難解さを感じさせない構成なのもいいですね。デス声をメインで使うヴォーカルの獰猛さ、ヘヴィさをしっかりと伝える高品質なプロダクションなど、音の凶悪さがしっかり伝わる出音や、華美なだけでなく、時折サイバー感も垣間見せるキ
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TARTHARIA-Bleeding for the Devil ★★ (2015-07-27 22:53:11)

2014年発表の4th。

ゴシック性を感じさせるメロブラは沢山ありますが、このバンドはその取り入れ方というか、配分が独特で面白いですよね。神秘性を感じさせるキーボード、メロウさを感じさせるリフ、一部で導入されたシアトリカルな雰囲気を醸し出す女性ヴォーカル…などは確かにゴシックに通じる感性を感じ取れるのですが、全体的にマッシブでやたらオラオラな攻撃性が感じられるのが特徴です。

特に鉈で叩き斬るようなヘヴィネスや、スラッシュメタルに通じる生々しい攻撃性を封じ込めたリフワーク、ハードコア的な獰猛さや野蛮さを感じさせるヴォーカルなどが、作風をやたらイカツイものにしているんですよね。音量は作風の割に小さい気がしなくもないですが、上げるとやたらマッチョな音になりますし。この配分の仕方ってなかなか無いものだと思います。

キーや女性ヴォーカルを取り入れた作風から
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KROMLEK-Finis Terræ ★★ (2015-07-27 22:49:55)

2011年発表の3rd。
キャッチコピーの「アーバン・ペイガン・メタル」に惹かれて購入してしまった一枚。聴いてみると、なるほど確かに「アーバン(都会的)」と「ペイガン(民族的)」を上手く両立させている音楽性ですね。

路線としては、キーボードがピコピコ音や意図的に打ち込みっぽさを出したオーケストレーションなど、ペイガンとしてはイレギュラーな音も使いつつ、カッチリしたバンドサウンドと合わさることでモダンな雰囲気を演出したペイガンメタル…という感じでしょうか。リフの感触はメタリックかつメロディアスで、メロブラやメロデス好きにも受けそうな音だと思います。ヴォーカルのがなりも十二分に獰猛でかっこいいですね。

メタリックな熱気とフォーキーな土着性を感じさせるメロディで熱く、シリアスに聴かせるような作風ですが、時折出てくるヴァイキングメタルのようなシネマティックでエピ
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SIEBENBÜRGEN-Darker Designs & Images ★★ (2015-07-22 04:19:32)

2005年発表の5th。
2000年代末に解散してるようですが、メロブラではよく名前を聞くバンドですね。実はこのバンド、ブラックメタル初心者の頃に一度聴いて駄目だったんですが、今聴き返してみると非常にかっこいい。

路線としては、もう殆どメロデスと言ってしまって差し支えないくらい、メタルとして正統なメロブラですね。刻みリフを多用したり、剰えクラシカルなギターのハモりがあったり、一般的なメロブラよりも更にメタルのお約束的なものに忠実な印象。コンセプトが吸血鬼であるせいか、女性クリーンヴォーカルによる耽美的メロディを始め所々にゴシックメタル的感性も感じられ、それが楽曲をよりドラマ性豊かにしています。

ただ、初心者の頃に一度敬遠した理由としては、パッと聴き地味に聞こえることなんですよね。刻みを多用したメタリックな音にも関わらず、ヘヴィネスを余り重視しないような音
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VINTERBRIS-Solace ★★ (2015-07-22 04:14:52)

2014年発表の2nd。

アルペジオなどを用いたフォーキーなパートを配したり、トレモロリフに土着的な叙情を込めて聴かせたりなど、一言で言えばネイチャー/アトモスフェリックな感覚の強いメロブラ。…なんですが、ヘヴィさも残る音作りの中で刻みリフを聴かせるマッシブさ、疾走だけでなく力強いミディアムにも重きを置いた曲作りなどから、この手としては意外なほどにメタリックな音になっているように思います。

個人的には、このアトモスフェリックさとメタリックさの配分が、メロディの叙情性と相俟って良い感じに情景を描写出来ているように感じるんですよね。例えば、DISSECTIONが吹雪だとするなら、こちらは樹氷の並び立つ森を駆け抜けていく感じでしょうか。他のメロブラとは若干見える景色が異なる印象。また、時折断末魔のような叫び声を上げるヴォーカルも、真に迫ったものがあって良いですね。
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WRATHAGE-Discipline ★★ (2015-07-20 17:42:28)

2015年発表の1st。

90年代後半から活動しての初のフルアルバム、KALMAHのメンバーやCATAMENIAの元メンバー在籍、日本盤が発売され帯ではかのEMPERORが引き合いに出される…と、もう十分過ぎるくらいハクのついた作品ですね(笑)。ただ実際聴いてみると、前衛的でプログレッシブなシンフォブラックという点では後期EMPERORに通じるものの、楽曲の雰囲気は全く異なるように感じますね。

バンドサウンドの重さとシンフォ要素のスケールの大きさが交差する感覚は、むしろHOLLENTHONやVESANIA辺りの、シンフォデス要素の強いバンドとの共通性を感じます。ただし、楽曲の捻くれ度合いというか悪意性が高い音という点で、これらバンドとは確実に一線を画している気がします。神経症的なギターワーク、前衛的というか時折不可解さも感じさせる展開は、異常を来した人間の精神
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ANGELSCOURGE-Seraph Impaler ★★★ (2015-07-19 11:55:05)

2015年発表の1st。

ネット上で触りだけ聴いて、良かったので購入しましたが、これはかなり良質なメロブラですね。裸の女性が串刺しにされるという、何とも背徳的で暴力的なジャケットが示すように、衝動的で荒々しい雰囲気を持ちながらも、ヘヴィメタルとしてごく真っ当なドラマティックさも持ち合わせた作風。リフに込められたメロディにはメリハリがありますし、展開も疾走一辺倒ではなく、かなり劇的に聴こえます。ブラックとしてはソロにも力を入れてるのも特徴ですね。

個人的に購入への決定打になったのは、メロディのセンスですね。メタル者らしい哀愁と熱さが混在するようなメロディ使いをする場面もありますが、時折かなり暗く湿った、鬱気味のメロディが出てくるのがたまらないです。和風ホラーにも通じる湿り気というか、聴いてると「仏滅」とか「大凶」のような言葉が浮かんできます(笑)。これと劫火の如
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OMNIA MALIS EST-Víteliú ★★★ (2015-06-14 11:58:31)

2015年発表の1st。

…これ、メロブラの中でも少なく見積もっても良盤、もしかしたら名盤と言っても良いくらいの作品かもしれません。本当に、この作品の日本盤リリースに踏み切ったHidden Marlyには感謝しかありません。是非、今後ともご贔屓にさせていただきたいものです(笑)。

路線としては、クリアながらややブラックメタルらしいRawさを残したプロダクションの中で、中世的なメロディがトレモロリフ中心に非常にドラマティックに奏でられる、極上にメロディアスなブラック。音質といい、獰猛ながなり声を聴かせるヴォーカルやブラストを中心に攻め立てる苛烈極まりないリズムなど、ドラマ性の中にブラックメタルの衝動性も色濃く息づいているのが本当に素晴らしい。

非常にメロディアスな作風なんですが、メタリックになることで結果的にメロデスにも接近していたNAGLFARや
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ADKAN-Compendivm XI ★★★ (2015-06-09 22:28:43)

2014年発表のコンピレーションアルバム。
2003年の「Black Dominions」、2006年の「Infernal」、2010年の「Insanity from your Nails」の3本のデモを纏め、ボーナストラックを付けた編集盤。

この中の、「Infernal」パートに収録の「Vincent」という楽曲を試聴したんですが、もう一聴き惚れでしたね…。様式自体はプリミティブブラックそのものなんですが、Satanicなだけでなく、「Majesty」をも感じさせる邪悪極まりない、それでいてメロウなトレモロ、メリハリ付けつつもブラストパートではヤケクソな炸裂感を感じさせるリズム、喉が張り裂けるような感情の篭もった絶叫の中に、ドスの聴いた怒声を混じらせるヴォーカル…と、どの要素を取り上げても、このジャンルの音として滅茶苦茶ハイレベル。CRAFTやARCKANUMの音源
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SATANIC WARMASTER-Fimbulwinter ★★★ (2015-06-06 18:49:09)

2014年発表の5th。
発表の翌年、Zero Dimensionalから日本盤も出てますね。

巷でも言われている通り、前作と比べると音質が大分良くなり、この手の初心者でもしっかり魅力を感じられるレベルにまで聴きやすくなりました…が、あくまでもRawブラックの中においての「聴きやすい」なので注意です(笑)。当然、衝動性を損なうような整え方はしていませんし、ザリザリと削るようなトレモロの音色はやはりSATANIC WARMASTERだなぁ…と、聴いていて再認識してしまいます。

音が(それなりに)聴きやすくなったのに合わせて、楽曲の方も若干メジャーっぽさが出てきた…ような…?一曲目から密かにオーケストラヒット使ってますし、二曲目ではかつてのDISSECTIONを思わせるような、あからさまにメロウでメロいフレーズも登場。ただ、SATANIC WARMASTER
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MACTÄTUS-Blot ★★ (2015-06-06 18:41:17)

97年発表の1st。
2000年、2013年にそれぞれ再発されてます。

出だしの絶叫を重ねた部分が、どうもわざとらしく聴こえてしまい…微妙なアルバムかと思いかけましたが中身はごくごくまともなノルウェー産ブラックという感じで、再発されるのも頷ける作品ですね。97年というと、ブラックメタルとしては黎明期が終わったくらいの頃でしょうか。初期ブラックの空気感を色濃く残した、如何にもといった感じのブラックです。

黎明期のノルウェー産のブラックと言えば、衝動性の中にサタニズムや土着性など、ダークな感性が感じられるのが特徴だったと思いますが、このバンドも正にそんな感じ。サタニックなトレモロを重視し、オールドスクールな展開を見せる作風は王道のブラックといえますし、神秘的なキーボードの導入、リバーブの掛かったヴォーカルなどによる雰囲気の演出も上手い。

ただ、
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FJORSVARTNIR-Legions of the North ★★★ (2015-06-05 10:49:26)

2012年発表の1st。
2014年にHidden Marlyから日本盤がリリースされてます。

…もう、この作品を日本の音楽市場に流通させてくれたHidden Marlyにはグッドジョブの一言ですね!帯のコメントに「ブラックメタルと呼ばれたサウンドを忠実に守った一枚」とありますが、そのコメントが全てを物語っています。デンマークのバンドですが、例えばGORGOROTHや初期EMPERORなど、黎明期のノルウェー産ブラックの音を現在に蘇らせたような作風なんですよね。

時々オールドスクールさも覗かせるバンドサウンドに、サタニックで禍々しいだけでなく、土着文化への敬意や自然への畏敬を感じさせるような雰囲気など、衝動性と感性の混じり具合があの頃のブラックメタル作品に近いものを感じさせますね。作風自体も神秘的なキーボードの導入、叙情性の高いリードギターなどはあるもの
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IFING-Against This Weald ★★ (2015-06-05 10:46:02)

2014年発表の1st。

フォーク・民族音楽の要素を取り入れ、叙情的なメロディを聴かせるメロディック・ブラック。パートによっては笛なども導入されているものの、お祭り的な雰囲気は一切感じさせず、薄暗い森の中を疾走するような、ひたすらにシリアスでアトモスフェリックな路線。うっすらと掛かった神秘的なキーボード、大作主義な楽曲構成が北欧の光の差さない森を描写するかのようです…アメリカのバンドですが(笑)。

音楽性の根っこが「フォーキーなメロブラ」であるせいか、アトモスフェリックで情景的な要素の強いブラックとしては、音が抽象的すぎず聴きやすい按配なのが特徴。特にリフがメロディを主導するパートも多く、明瞭である意味クサめのメロディをリフが担う部分もあるので、ポストブラックに苦手意識のある人でも割りと受け入れやすい音なんじゃないかと思います。

薄暗い森の中を駆
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RAUHNÅCHT-Urzeitgeist ★★★ (2015-06-04 18:35:35)

2014年発表の2nd。
2012年発表の4曲入りEP(33枚限定…)と同タイトルですが、追加曲がボーナストラックも収録され、フルアルバムのサイズの作品として仕上がってます。

冷たく叙情的なメロディをリフに込め展開する、メロディックなブラックメタルですが、北欧勢の凍てつく吹雪のようなムードとはまた違った雰囲気のあるメロディ傾向の作品ですね。冷徹というか、どこか無慈悲な感触のある冷たさ。そこにキーボード等も配した、フォーキーな叙情がスパイスとして加えられ、味わい深いブラックになっている感じがします。

最近のSatyrを思わせる鋭いがなり声もかっこいいですし、ドラマティックでハイクオリティなブラックですが…時折ブラック特有のノイジーなリフで音の壁を作り出しつつ、一つの展開を長めのスパンで聴かせる事で、スケールの大きさを演出するようなアトモスフェリック・ブラッ
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ALRAUNE-The Process of Self-Immolation ★★ (2015-06-04 18:32:48)

2014年発表の1st。
「アルラウネ」って、RPGとかではよく見かける、ゲーマーにはお馴染みの単語ですよね(笑)。しかも発売元がProfound Loreとあっては、何となく買ってしまう心情も理解していただける事かと思います(笑)。

路線的には、深く歪んだ音像、スパンの長い展開、トレモロによる叙情メロなど、いわゆるカスカディアン的な特徴を多く備えたブラック。ただしこの手のバンドが共通して持つ、自然崇拝的な感触は薄く、トレモロによって紡がれるメロディには魔術的というか、オカルトっぽさが強いように思えます。ショップではASH BORERとの類似が指摘されてましたが、私も近いバンドを挙げるならASH BORERですね。

この作品、何気に疾走パートがダイナミックでかっこいいんですよね。適宜疾走感を増すようなオカズを伴いつつ、ハードコア的な炸裂感を感じさせながら
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ORAKLE-Eclats ★★★ (2015-06-03 22:04:32)

2015年発表の3rd。

…これは最早ブラックメタルというより、エクストリームメタルの要素も若干あるプレグレメタルと言った方が良いくらい、プログレ要素の濃いブラックですね。ディープなグロウルや疾走パートなどもあるものの、基本的にはジャズに影響されたような引っ掛かりのあるリズムと、それを中心に展開される知性的アンサンブルで聴かせる音で、ヴォーカルもマイルドなクリーンパートの比率がかなり高め。

個人的に特筆すべきなのは、楽曲の雰囲気にEMPERORの「Prometheus」アルバムであるとか、IHSAHNの「After」以降のプログレ・前衛路線を強めた作品群であるとか、あれらの作品と共通するような、ダークな神話的・神秘的な世界観が感じられることですね。特にギターの、熱に浮かされながら悪夢を見ているかのような、生理的な部分にまで訴えかけてくる神秘性を感じるフレーズが
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AS LIGHT DIES-TLA vol.1 ★★★ (2015-06-02 22:22:14)

2014年発表の3rd。

日本盤が出てたので、何となく購入しましたが、これが非常に面白いブラック。
一言で言うならば、キーボードによるシンフォニックなアレンジや、引っかかりのあるリズムやマイルドでナルシスティックなクリーンヴォーカルを導入した知的で前衛的な構成から、シンフォニック/プログレッシブ・ブラック…という感じになるんでしょうが、楽曲に様々な要素・アイデアが取り入れられており、最初聴いた時は「ブラックメタルを聴いた」という気がしなかったほど(Encyclodaedia Metallumの分類でもデス/ブラック/ゴシック/ドゥームとなっていますね)。

時折聴ける、儚さを軌跡として残していくようなトレモロは明らかにメロディック・ブラック的なんですが、パンキッシュで刺々しいリフが出てきたり、一筋縄ではいかないプログレ的リズム構成を取り入れたり、一つのジャ
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MALHKEBRE-Revelation ★★★ (2015-05-31 12:33:22)

2014年発表の1st。
何気にMARE COGNITUMと同レーベルに所属なんですね。

…どこか不健康な作風の多いフレンチブラックの中でも、一歩抜きん出たグロテスクさを持つ作品。作風というか使われているパーツ自体は、ややノイジーなギターの音色、フレンチブラックらしい独特の美学が伝わるような、病的耽美トレモロ、ブラストを多用した攻撃的なリズム…など、ブラックメタルの枠を大幅にはみ出すようなものではないんですが…それなのに、独特の気持ち悪さや陰湿さが漂っているのが、ある意味で凄いです。

まず展開が気持ち悪い。普通に攻める事をまるで良しとしないような、奇妙なストップ&ゴーもしくはスロウダウン&スピードアップの連続が、妙に耳に引っかかるんですよね…。そして輪を掛けて異様なのがヴォーカル。「呪文を唱える」というには余りにも覇気の無いおっさんヴォイスのクリーンでだ
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MARE COGNITUM-Phobos Monolith ★★★ (2015-05-31 11:46:59)

2014年発表の3rd。
バンド名はおそらくラテン語で「意識の海」でしょうか?

ギターリフの轟音の壁が、意識を現実と断絶させるような、どこか夢見るような雰囲気を醸し出しつつ、神秘的なトレモロリフのメロディと絶叫ヴォーカルを伴い、疾走していく、ポスト/シューゲイザーブラック勢やカスカディアン勢に通じるブラックメタル。ただしカスカディアン勢の自然崇拝的な雰囲気は希薄で、こちらは意識に作用しコズミックな情景を演出するような、どこか思索的というか哲学的な印象の音。

…と言っても、その演出すべきムードを全て音に変換できている感じで、小難しくなく音に身を委ねられるのが良いですね。例えば一曲目の6分を少し越えた辺りのパートなど、聴かせどころではトレモロのメロディをはっきり、音程の上下をくっきり聴かせてくれる辺り、この手としてもメリハリの付いた音に仕上がっていると思いま
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PROJEKT K-OZ-The One Eyed God ★★ (2015-05-30 22:10:54)

2014年発表の1st。

MUTIILATIONのMeyhna’chの新プロジェクトという事で注目されている作品ですが、MUTIILATIONで演っていたような病みプリミティブブラックの面影は無く、なんとインダストリアル・ドゥーム。無機質に刻まれるインダストリアル・ビートの上を機械音的なサンプリングやMeyhna’chのダウナーで生きる気力を奪うようながなり声が乗り、終末感の強いサイバーな空間を構築。

今までと全く違う路線にも拘らず、どこか頽廃的なムードが漂っているのは流石Meyhna’chと言ったところでしょうか。ただし、今作はMUTIILATIONで聴けたような、あの独特な病的さを醸し出すメロディはおそらく意図的にオミットされており、乾いた無常感を演出するような作風なので、その辺りを求めてしまうと多少物足りなさを感じるかもしれません。ヴォーカルも決して主役
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MAN'S GIN-Smiling Dogs (2015-05-30 21:12:31)

2010年発表の1st。

ブラックメタルにトライバルなリズムを導入し、ブラックが本来持つ暴力性や野蛮さに、サイケデリックな陶酔性を融合させた音楽性でカルトな支持を集めたCOBALTのメンバー、Erik Wunder氏によるフォークプロジェクトという事で購入。COBALTでもフォークを目一杯暗黒方向に解釈し、儀式的な雰囲気を醸し出すようなパートがあったので、そのムードをブーストしたような作品を期待し購入したのですが…。

ぶっちゃけ微妙ですね、この作品…。COBALTで見せたようなダークさは「あるっちゃある」程度で、アコギメインの牧歌的な演奏に、おっさんのダミ声によるまろやかなメロディを乗せた作風で、COBALTと比較しての「ダークじゃなさ」にびっくりです…。セッションを楽しんでいるような雰囲気のパートもありますし、COBALTの作風から暗黒系を期待すると大分肩透
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WILL OF THE ANCIENTS-To Our Glorious Dead ★★★ (2015-05-27 22:22:41)

2013年発表の2nd。
自主制作でしたが、翌年にPRC Musicより再発されました。

…オリジナル盤が出たのは2年前とはいえ、去年発売されたCDとしては信じられないくらいの値段で中古で投げ売られてたのでサルベージ。と、軽い気持ちで購入しましたが、これがフルプライス払ったとしても全く惜しくないくらいの、メロディックブラックの良盤。ブラックメタル本来のエクストリームさと、正統派メタルのメロディアスさやドラマティックな楽曲構成、そしてそこはかとなく漂うペイガン臭を組み合わせ、劇的でメリハリのある展開のメロディックブラックを聴かせます。

このバンド、楽曲が良いですよね。アルバム全体で聴ける、時に勇壮に、時に哀愁たっぷりに聴かせるギターメロディが非常に豊潤で素晴らしいんですが、ブラスト時の畳み掛けやヴォーカルのがなりの獰猛さなど、聴きやすい音ながらエクストリー
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WILLOOS-Als Loze Willen Dwalen ★★ (2015-05-26 06:00:15)

2012年発表の2nd。
Self Mutilation Servicesより500枚限定でリリース。

もうイントロの、ノイジーなギターがアトモスフェリックなムードを醸し出し、そのままミッドテンポで悲壮感溢れる本編に雪崩れ込む展開からして、BURZUMへのリスペクトが感じられますよね。ただし、鬱ブラックであることは疑いないですが、BURZUMの深遠でダークな雰囲気というよりは、メロディにはポスト/シューゲイザー系のエモーショナルで儚げな、泣き要素が強い印象があります。

構成は割と大作主義ですが、ミニマルなだけでなく、リードギターによる琴線を掻き毟る事必至なメロディが大フィーチャーされていたり、なかなかにドラマティック。ただ、若干ミニマルな作りのせいか、パートによってはちょっと派手になりすぎないように意識してる感があるような…。個人的には、トレモロの海に溺
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FALLS OF RAUROS-Believe in No Coming Shore ★★ (2015-05-24 12:38:06)

2014年発表の3rd。

2011年の2ndが結構多くのレビューサイトで評価されたり、割と話題になっていたようですが、今更になって聴いてみました。タイプとしては、フォーキーな色の強い叙情メロを、悲痛に叫ぶヴォーカルとディストーションの強い音像が強調し、より悲壮感を持って聴かせるネイチャー/アトモスフェリック・ブラック路線。この、涙を流しながら前に進んでいくような、悲壮な決意でも感じられそうな雰囲気は新世代のブラック特有ですよね。

このバンドは、その中でもメタルとしてかなり取っ付き易い音なんじゃないかと思います。展開も過剰にミニマルになることなく、ドラマ性たっぷりに緩急付けて聴かせるものですし、叙情的なリードギターのソロを結構長めに聴かせたり、渋い泣きの感じられるアルペジオをフィーチャーしたり、構成するパーツが比較的メタリックな感じなんですよね。ポスト方向に行き
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HARAKIRI FOR THE SKY-Harakiri for the Sky ★★★ (2015-05-23 20:58:43)

2012年発表の1st。

日本人なら、どうしても気になってしまうバンド名ですよね(笑)。私もそれに釣られて購入しましたが、これがかなりの「当り」盤で驚きました。基本的にはエモーショナルなメロディを、ブラックメタルらしいトレモロを多用しつつ、ディストーションの強い音像で聴かせる、シューゲイザー/ポストハードコア要素の強いブラック…という感じですが、音に迫力があり、それが楽曲と実にマッチしているのが素晴らしいんですよね。

ダイナミックなドラムのミックス、「音の壁」を作るようなディストーション、その中でもはっきり聴こえる繊細なトレモロ、そしてハードコアのヤケクソさが感じられるような、何かを必死に訴えかけるような、歪み切った怒号ヴォーカル…それらが一体となって迫り来る音像は、聴き手の心をも揺さぶること必至です。そして楽曲そのものも、この手としてもかなり良いと思う。ただ
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PANZERCHRIST-7th Offensive ★★ (2015-05-23 20:53:58)

2013年発表の7th。

93年から活動しているようなので、20周年のアルバムですね。キャリアのあるバンドらしく、非常にハイクオリティなエクストリーム・メタルを展開しています。路線としてはデス要素の強い非常にブルータルなブラックという感じで、速弾きのリードフレーズを多用していたり、かなりメタリックな印象の強い音。

時折挿入されるブラック由来の禍々しいトレモロ、ドスの効いたグロウルに挟まれる切羽詰ったような絶叫が、良い感じに禍々しさを醸し出していますね。超スピードながら粒の揃った音のドラミングといい、整ったプロダクションといい、攻撃性の中にも安定したクオリティと、貫禄を感じるような音。ただ個人的には、楽曲に安定感ありすぎるのが逆に「もう一声」と思う要因に感じるかも。もうちょっとイカれて欲しいというか。

とは言え、キャリア通りの質の高さがあるエクスト
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THE UNCHAINING-Ruins at Dusk (2015-05-23 20:53:07)

2013年発表の1st。

一つの展開のスパンを長めに取り、スケールの大きさを演出しようという構成、ノイジーなリフによる靄の掛かったような神秘的な音像、フォークからの影響の強い叙情的なメロディや、笛の音色などの導入…と、一言で言えばネイチャー系、アトモスフェリック系のブラックメタルという感じですが…これは、この手でも結構ニッチな音という感じがします(笑)。

ミディアムで淡々とした展開、もっさりしたディストーション、妙にガラガラしたヴォーカルなどが、どうも個人的には緊張感を損なっているような印象があるんですよね…。ただし、その上で展開される、トレモロや笛(っぽいキーボード)による幽玄かつ叙情的なメロディは、単なるニッチで終わることを許さない魅力があると思います。この作品、自主制作でリリースした翌年に、Behemoth Productionsが再発してるんですが、確
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AKHLYS-The Dreaming I ★★★ (2015-05-18 00:04:16)

2015年発表の2nd。
NIGHTBRINGERのNaas Alcameth氏のバンドの新作と言うことで、取り合えず試聴してみましたが…次の日即買いに走りました(笑)。最高じゃないですか、これ…。

NIGHTBRINGERや、その関連バンドであるBESTIA ARCANA、INCURSUSなどと同様、禍々しい瘴気を放つトレモロを中心に、邪悪でアトモスフェリックな雰囲気を演出するブラックメタルですが…「闇の濃さ」という点から見れば、これらのバンドの中でも随一かもしれません。

意図的に残響感を醸し出したような音像の中で、百人が聴いて百人が邪悪さを感じ取るであろう、ある意味分かりやすいトレモロや、悪寒と戦慄が走るようなアルペジオ、ブラストを中心とし、グルーヴよりも非人間的であることを重視したような苛烈なリズムなどが織り成す音階は、最早「楽曲」というよりも「邪
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REGARDE LES HOMMES TOMBER-Regarde les hommes tomber ★★★ (2015-05-11 11:03:37)

2013年発表の1st。

…まずはこのジャケを見て欲しいです。
思わずジャケ買いしてしまいそうな、美しく破滅的な光景が描かれてますね。このアートワークが余りにも素晴らしかったので、試聴してみたら音の方も見劣りしないクオリティだったので、即購入決定でした。
タイプとしては、ブラックメタルの禍々しい雰囲気をスラッジの重々しさがブーストする…という感じで、元々相性のいいジャンルを組み合わせた音楽性だとは思いますが…雰囲気の演出の上手さは、この手のバンドとしてもトップクラスなのではないでしょうか。

神秘性と禍々しさを兼ね備えた、破滅を感じさせるようなトレモロと、スラッジに由来する焼け付くような、質量感のある引き摺りリフの音色が合わさると、本当に何か人智の及ばないスケールでの滅亡が展開されているようなムードが演出されますね。ショップではこのバンドのサウンドを
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REGARDE LES HOMMES TOMBER ★★ (2015-05-11 11:01:56)

フランス産ブラック/スラッジ。
バンド名を直訳すれば「倒れた男を見よ」のような感じだと思いますが(フランス語分からないので多分)、由来はジャック・オーディアールの映画作品から。ちなみにこの映画(Regarde les Hommes Tomber)、日本では「天使が隣で眠る夜」とのタイトルで出てますね。


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