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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) 時系列順 1501-1550
DANNAGOISCHD-Emm dichdâ Ondrholz
OBSCURO-Where Obscurity Dwells
TODESSTOSS-Wurmer Zu Weinen
BESTIAL MOCKERY-Christcrushing Hammerchainsaw
MENACE RUINE-Cult of Ruins
THURISAZ-Circadian Rhythm
NINE COVENS-ON THE COMING OF THE DARKNESS
IN AETERNUM-Past and Present Sins
DEADMAN-SPIRITO DI PIETRA
BLACK CRUCIFIXION-Hope of Retaliation
PERPETUAL DREAMER-PERPETUAL DREAMER Ⅰ
GLORIA DIABOLI-Gate to Sheol
VIDSYN-On Frostbitten Path Beneath
ABSU-Abzu
SCHONBERG-Splendid Rosa Birth ~華麗なるロサ、誕生~
TEARS OF TRAGEDY-ELUSIVE MOMENT
UNDER FOREST-月影ニ鳴ク虚像ノ恋詩
ACHERONTAS-Hermeticism
ENOCHIAN CRESCENT-Nef.vi.lim
NAV-The Wolf Sun
FOSCOR-Groans to the Guilty
SATARIEL-Phobos and Deimos
PEST (GERMANY)-Tenebris Obortis
HARZA-WAR
HARZA
DARKEVER OF THE LIGHT-DEMO TRACKS 2011
CROSS VEIN-MOON ADDICT
VORDVEN-History
CIRITH GORGOR-Unveiling the Essence
CIRITH GORGOR
MARE-SPHERES LIKE DEATH
MARE
ARCANE GRAIL-Arya Marga - Ninefold Path to the Innocence
THRUDVANGAR-Durch Blut und Eis
ETERNITY (GERMANY)-Funeral Mass
LICHT ERLISCHT...-The Narrow Path
SAMMATH NAUR-Self-Proclaimed Existence
SAMMATH NAUR
VITSAUS-Sielunmessu
VITSAUS
PERGALE-Horizontalios Maldos Palaima
PERGALE
CRUCIFIST-Demon-haunted World
CRUCIFIST
GLORIA MORTI-Anthems of Annihilation
HELRUNAR-Frostnacht
SVART CROWN-Witnessing the Fall
SKALDIC CURSE-Pathogen
SKALDIC CURSE
LUX FERRE-Atrae Materiae Monumentum
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DANNAGOISCHD-Emm dichdâ Ondrholz ★★ (2011-12-12 21:50:52)

2009年発表の1st。

VINTERRIKETのメンバーが独りで演っているフォークメタル…という触れ込みで買ってみましたが、実際はメタルの要素は殆どなく、ほぼ(ネオ)フォーク/アンビエントと言っていい路線。生っぽい響きのドラムにアコギや笛などによるトラッドメロ、朴訥としたクリーンボイスが乗り、自然音のSEが素朴な雰囲気を演出する作風…ですが、たまにブラックに通じるダークアンビエントパートもあるのが特徴。

しかしやはりアトモスフェリック・ブラックとしては第一級のVINTERRIKETを動かしているだけあって、音で景色を描くのが上手いですよね。聴いてると森林を流れる川のほとりでテント張って暮らしている気分になるような、妙な生活感がある感じしますもん。また低めの声でメロディを歌うノーマルボイスも非常に魅力的で癒されます。時折ちょっと滑稽な感じの掛け声も入り、小さな
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OBSCURO-Where Obscurity Dwells ★★ (2011-12-11 21:45:34)

2008年発表の1st。

スウェーデン産RAWブラック、しかもNoktu社長のレーベル(Drakker Productions)からリリースという時点で完全にリーチ掛かってますが(笑)、期待通りのカルト音源で大満足。路線は当然プリミティブブラックですが、極端な疾走やトレモロリフによるメロウさは敢えて抑え、淡々とした2ビート疾走をメインにした渋い作風なのがまたいいですね。

音質はMUTIILATIONの4th辺りを大分マイルドに整えたような、蟲の羽音系ノイズを多分に含むリフにRAWなドラムが絡む感じで、この音が摺り込むようなギターリフとよく合ってるんですよね。時々ダンジョンの奥底から聞こえてくるような、薄暗く湿ったメロディも出てきますが、この独特のジリジリ感と合わさると壊れかけたスピーカーから音が出てるような、妙に深い味わいのある音になっている気がします。
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TODESSTOSS-Wurmer Zu Weinen (2011-12-11 20:22:54)

2008年発表の2nd。

AURVANDIL等を輩出したレーベル、EISENWALD発のアヴァンギャルドブラックということで興味を持ち、買ってきたんですが…これは正直人を選ぶアルバムですね。かなりカルト度高いので覚悟を決めた方にのみ勧められる感じの作品。

作風は、時にプリミティブっぽかったり、ノイズめいた音色のリフで空間を埋めたり、前衛的なキーやサンプリングを取り入れたりなどの展開を見せるブラックメタルを「バックで垂れ流しつつ」、ヴォーカルが狂気の一人芝居を行う…みたいな音。音量のバランス的にもヴォーカルの気色悪過ぎるパフォーマンスを後押しするために、ブラックメタル要素のある演奏がある…という感じ。

曲自体だけでも奇妙なんですが、このヴォーカルのパフォーマンスはかなりヤバイ…というかもうグロイです(笑)。曲によってパフォーマンスの種類は変えてきま
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BESTIAL MOCKERY-Christcrushing Hammerchainsaw ★★ (2011-12-05 20:47:15)

2002年発表の1st。
再発盤はCDトレイが赤くてなんとも禍々しい(笑)。

音的にはスラッシュやハードコアの要素が強い、オールドスクールなブラックメタルですね。ジャギジャギした感触のリフと、ブンブンいうベース、時折入るイカレ系のギターソロなど、出音がことごとくテンション高い感じで聴いていて爽快。演奏時間はフルアルバムとしては26分とかなり短めではありますが、スカッと聴ける感じがいいと思う。

スラッシュ/ハードコア寄りのブラックの中では、ダーティな雰囲気だけでなく冒涜的なムードもまた強いのが特徴。出音的に最近のDARKTHRONEを思わせる炸裂感や、AURA NOIRに通じる熱さも持ち合わせてはいるんですが、そこに初期BEHERIT的なやぶれかぶれな冒涜性も加わっている感じ。ヴォーカルがプリミティブ系っぽい形振り構わないがなりで、スラッシュ/ハードコアよ
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MENACE RUINE-Cult of Ruins ★★★ (2011-12-05 20:43:28)

2008年発表の1st。

ノイズ/アヴァンギャルド/プリミティブブラックの名産地、ケベックよりお贈りする前衛ブラック…ということで期待して聴いてみましたが、このバンドもかなりキてますね。ブラックとノイズ/ドローンを掛け合わせた作風ではありますが、曲によってはリフの代わりをノイズにさせていたり、リズムがインダストリアルっぽい打ち込みだったり、かなりブラックからは逸脱した音。ヴォーカルが入っても絶叫パートは少なめで、ミステリアスなムードを高める妖しいクリーンが多めだったりしますし。

ただ、音楽的にはメタルをかなり外れた音ながら、演出する雰囲気の価値観はブラックメタルから殆ど外れていないのが素晴らしいですよね。ハーシュノイズ以外にも風の音のようなノイズなど、SE的な音色の使い方も上手く、聴いてると暗黒が視界の真ん中にあってそこに全てが吸い込まれているような空恐ろしい
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THURISAZ-Circadian Rhythm ★★ (2011-12-05 20:39:43)

2007年発表の2nd。

どうもカラオケに配信されるくらい人気の、名前の似たヴァイキングメタルバンドがいるせいで微妙に割を喰ってる感じがするんですが(笑)、このバンドもなかなか高品質なシンフォニックブラックを演ってますね。刻みを多用したメタリックな感触のリフに、荘厳なキーボードを丁寧に絡めてドラマティックに展開する作風。

キーだけでなくリードギターにも結構メロディ振ってるんですが、この音色がアトモスフェリックなキーの音との相性バッチリでかなりかっこいい。メロディそのものも単にクラシカルなだけでなく、古代の遺跡を思わせる神秘性や妖しさがあって、どことなくゴシックな風味も。まろやかなクリーンヴォーカルを入れてるのも、ドラマ性や妖しさを更に強調する結果となってますね。

物凄く個性的、と言う訳ではないですが、クオリティ自体はかなり高いシンフォニック・ブラ
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NINE COVENS-ON THE COMING OF THE DARKNESS ★★ (2011-12-02 20:23:37)

2011年発表の1st。
ENSLAVEDのGrutleがゲスト参加。

Candlelightがブラックメタルシーンに送り込んだ新たな刺客ということで、チェックしてみましたが、なかなか良いですね。ザラザラした質感のリフといいガラガラに歪みつつも太い声質でがなり散らすヴォーカルといい、出音はほとんどプリミティブ・ブラック。ただ展開はそれほどミニマルではなく、ファストな畳み掛けやオールドスクールな疾走を交えたそれなりにドラマ性のあるものだし、音質も意図して粗さを出してる感じで割と聴きやすい音。

仄暗い光景を想起させるような、抽象的なムードを含んだトレモロリフのメロディも特徴的で、それがザラついた音質の中から聞こえてくると本当にジャケットの通りの、暗く神秘的な光景が浮かんできそうな感じですね。鬼火の如き音色でメロディが奏でられる4曲目や、メロディの仄暗さが「儚
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IN AETERNUM-Past and Present Sins ★★★ (2011-12-02 19:44:50)

2001年発表の音源集。
95-01年の音源、VENOMやKING DIAMONDのカバー、ライブ音源を収録。

路線としては、リズム面ではブラストで畳み掛けるパートもありつつ、小気味良いノリのリズムで聴かせるパートも多く交えるという特徴がありつつも、割と典型的なメロディックブラックを演ってるんですが…何気にメロディのセンスが一級品。初期~中期SATYRICONを思わせる、トラッドのメロウさとブラックの残忍さを掛け合わせたような、印象的なメロディ。

曲はずっとメロウなメロディを弾き倒している訳ではないんですが、要所でこの印象的なメロディが出てくることで凄く曲が引き締まってると思う。基本キーボードは使用しないタイプの、硬派なブラックですが、メロディが良いお陰でかなりドラマティック。録音年代で多少音質は変わってきますが、メロディのセンスはどの年代でも共通して素
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DEADMAN-SPIRITO DI PIETRA ★★★ (2011-12-01 21:52:21)

2011年発表の1st。

まずオープニングの、アルペジオが浮遊感を演出し、そこにサブリミナル効果がありそうなキーや、脳内を無数のミクロの虫か這い回るようなノイズ、打ち込みのリズムが絡み奇妙な世界観を演出する、凝ったインストからしてかなり期待感は高まりますが…本編の方もちょっとアヴァンギャルド入った、個性派なブラックを展開してますね。

基本は多少ミニマルな部分もありつつ、パーツ自体は典型的なブラックメタルなんですが…出音にしろ展開にしろ、少しずつ変わってるのが特徴。まずドラムの音が結構個性的で、ILDJARNの一部の作品で聴けるようなスチスチドラムに近い、奇妙に抜けの良い音。この音がインダストリアルっぽい雰囲気を加味していて、ギターリフの閉塞感のある歪みとミスマッチな様でいて意外に合ってるんですよね。

ブラックらしくトレモロリフの含有率も割と高めな
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BLACK CRUCIFIXION-Hope of Retaliation ★★ (2011-12-01 21:48:02)

2011年発表の2nd。
バンド結成20周年を記念した作品だとか。
1~4曲目が新曲、5曲目以降がライブ音源という構成。

速さに任せたブラストで畳み掛けるというよりは、時にロック的なグルーヴ感も感じさせる、心地良い速さのテンポ設定のパートを中心に、丁寧に曲を展開させる作風で、割とオールドスクールな風味が強い感じですね。あまり極端な方向に向かわず、メタルとしてのかっこよさを重視してる感じ。ヴォーカルも発狂系ではなく、地声成分のかなり強いドスの効いた吐き捨てで、妙に貫禄があったりします。個人的にはこのヴォーカル、悪のヒーローが技名叫んでる時の声みたいでちょっと面白く感じたり(笑)。

ただ、基本的にオールドスクールなメタルの感触強めなんですが、ギターのジギジギした感触のディストーションや、トレモロリフの北欧らしい寒々しさ、ブラックらしい邪悪さ・荘厳さなど
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PERPETUAL DREAMER-PERPETUAL DREAMER Ⅰ ★★ (2011-11-30 21:39:06)

2011年発表の1st。
リーフハウンドっぽい帯がまた凝ってますよね(笑)。

「メルヘン・ハードロック」を自称している通り、童話のある意味で残忍なコンセプトを、表現力豊かな女性ヴォーカルが歌うという作風ですが…演奏の方は意外にもハードロックのグルーヴィで骨太な部分が前に出され、ゴス寄りのV系バンドなんかと比べると割とカラッとした感触の音。典型的なメタルのスタイルではない女性ヴォーカルといい、オーソドックスなハードロックのかっこよさを継承した演奏といい、犬神サーカス団辺りに近い世界観を持ったバンドだと思う。

ただ、犬神が歌メロだけ聴いてもサブカルや昭和っぽい如何わしさがあって、それが魅力になっているのに対し、このバンドは歌メロだけ聴くとどこがメルヘンなのか分かりにくいのが残念。SOUND HORIZONも去年メルヘンを題材にしたアルバムを出してますが、個人
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GLORIA DIABOLI-Gate to Sheol ★★ (2011-11-27 22:10:17)

2007年発表の7曲入りEP。
ラスト2曲はCD盤ボーナスで、前年に出たEPの曲だとか。

凄みの効いた荘厳さと、甘美な邪悪さを伴うリフ、地獄から蘇ってきたゾンビの如くドスの効いた、禍々しいがなりヴォーカル、タイトに疾走するドラムと、変則的な要素は殆どないものの、どの要素を切り取ってもレベルの高いブラック。特にどの曲も甘美で邪悪なメロディセンスが発揮されたメインリフがあり、ギターソロを入れてもメロのセンスのためか邪悪さの減退しない、曲作りはかなりクオリティが高いと思う。

ただ、個人的に気になるのは音質なんですよね…ドラムがRAWで抜けの良い音なのは良いんですが、リフに対して少し音が大きめなことと、ギター・ドラム・ヴォーカルの音の分離が妙に良いことが重なって、変に軽快に聞こえてしまうんですよね。RAWさが邪悪さを助長していない感じ。個人的にはよりプリミティブ
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VIDSYN-On Frostbitten Path Beneath ★★ (2011-11-27 22:03:44)

2004年発表の4曲入りEP。
HellhammerとNocturno Cultoがゲスト参加した事でも有名。
特にHellhammerは全編で叩いてるので、彼のファンなら押さえるべきかも。

路線はヴァイキング風味のメロディの入った、刻みリフを中心に展開していくメロディアスなブラックメタルで、やはりHellhammer氏のドラムが素晴らしいですね。全体的に少し音が小さいのがネックですが、ドラムがやけに締まりの良い音を出していて、それがブラックとしてはメタリックなリフと相性良く絡み、実に心地良く聴けます。

ただ、ドラミングを聴いてるだけでも心地良い好盤ではあるんですが、プリブラなどと比べると展開も音作りも「まとも」なだけに、逆に中途半端になってしまってる気も。アコギパート等を設けたりもしてるし、メロディはそれなりに良いんですが、ドラミング以外のところ
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ABSU-Abzu ★★★ (2011-11-27 21:58:48)

2011年発表の6th。
ギターソロでex-MAYHEMのBlasphemerがゲスト参加。
曲数こそ6曲と少ないものの、ラストが組曲形式の大作なので、然程物足りなさは感じないかと。

まずアルバム最初の「あーーーーーーッ」で吹きました(笑)。テレビの企画でジェットコースターに無理矢理乗せられたアイドルの悲鳴を思わせる…と書こうと思いましたが、それよりももっと可愛らしい…と思い直したほどの嬌声ハイトーン(笑)。その声、封印したんじゃなかったのか…しかも、「Tara」アルバムの時より可愛くなってて、思わず萌えてしまいました(笑)。

…それはそれとして、路線の方は前作同様、スラッシュの凶悪さを追求したら、ファストブラックの域に踏み込んだかのようなテクニカルで、疾走感あるブラックメタルでやはりエクストリームメタルとして1級品のクオリティ。Proscript
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SCHONBERG-Splendid Rosa Birth ~華麗なるロサ、誕生~ ★★★ (2011-11-25 23:04:00)

2011年発表の1st。

以前リリースした二枚のシングル「ロサ・ギガンティア」「ロサ・クライシス」を聴いて、アルバム発表を楽しみにしてましたが…あの2枚を聴いてる人が聴いたら驚くんじゃないでしょうか。何もかもレベル上がり過ぎで…特にシングルで痩せたリフの音が前に出てたプロダクションは大幅に改善され、ネオクラ風のフレーズや絢爛なキーが前に出て、かつギターの音色の厚みも増した音像はシングルとは比べ物にならない説得力があると思う。

作風は…特に「クライシス」の方で顕著だったクラシカルでキャッチー、かつ耽美主義的なムードを、更に拡大させた感じでしょうか。歌謡的なメロスピをベースに、ネオクラやプログレの影響を受けた演奏に、オペラティックかつ陶酔的に歌い上げる女性ヴォーカルが乗って醸造される音は、シアトリカルで聴き手をバンドの持つ世界観に引き込むパワーに満ちている感じ。シ
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TEARS OF TRAGEDY-ELUSIVE MOMENT ★★★ (2011-11-25 23:00:17)

2011年発表の1st。

これは2曲目がたまたま店内で流れてて、こらえきれずに購入しました。
路線としてはピアノやチャーチオルガン等、華美なキーボードを配したメロスピに、可憐な女性ヴォーカルによる歌謡曲のキャッチネスと起伏、メロスピの飛翔感を併せ持つ歌メロを乗せた感じの作風で、あそこまで歌メロ超重視主義ではないものの、個人的には「女声ゴシック版のX JAPAN」という印象。

…というか、このバンドのメインコンポーザー、絶対X JAPAN大好きだと思う。ちょっとしたリフであるとか、間奏のギターソロやキーボードの入れ方など、随所に直接的な影響が現れている感じ。しっかりドラマティックさを受け継いでます。ただ惜しいのが、ギターが二人体制ではないことですね…。2曲目とか、ソロパートの後半でハモったら悶絶度が一気に3割は増すのに…。あとドラミングもメロスピなんだし、
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UNDER FOREST-月影ニ鳴ク虚像ノ恋詩 ★★ (2011-11-25 22:56:03)

2011年発表の1st。
まずBeingプレゼンツのシアトリカル・ゴシックというのが衝撃ですよね…。

路線としては、初期JANNE DA ARCやラルク、MALICE MIZER等に通じる、キャッチーな歌モノをベースに、シンフォ・ゴシック的なキーボードとメタリックなリフ・リズムでアレンジした感じで、曲によってはエレクトロ・ゴス的なアプローチも。Being発、しかもエンターテイメント的なコンセプトを持ったプロジェクトという事で、色眼鏡で見てる人はまずこのリフの音色とフレーズがしっかりメタルしてることに驚くと思う。

しかしやはりBeingが関わっているだけあって、どの曲も明確な方向性と分かりやすい歌メロがあり、聴き手を意識した音になっているんですよね。プロデュース能力ははっきりいって殆どのセルフでやってるジャパメタよりも上だと思う。クラシカルなキーボード、泣
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ACHERONTAS-Hermeticism ★★★ (2011-11-25 00:57:36)

2011年発表のEP。
CD盤はDROWING THE LIGHTとのスプリットの曲も収録。
…と言っても、その曲を入れても3曲約16分で、割と短め。

しかしこれ、3曲しか入ってないのが本当に惜しいですよね。彼らの標榜する、「True Occult Black Art」、その言葉が指し示すとおりの、神秘主義の深淵を垣間見るかのような、邪悪極まりないブラックメタル。毒々しく密教的なトレモロや邪悪な存在からの啓示を受けているようなアルペジオなど、構成パーツや音像など自体は特に衒いのないブラックなんですが、聴き手の想像力を喚起する力が半端ない。

もう1曲目の頭、ブラック特有の歪んだリフが視界を黒く塗り潰した時点で日常から乖離した彼らのオカルト世界に引き込まれていくし、2曲目の少し明るい?メロディが出てくる部分は現世から解脱したようで逆に怖い。3曲目のトレ
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ENOCHIAN CRESCENT-Nef.vi.lim ★★ (2011-11-25 00:51:18)

2010年発表の6曲入りEP。
EPですが30分以上ありボリュームはそこそこ。

まずジャケや、ブックレットの表紙などのアートワークが素敵ですよね。私はこのジャケを見て、「これは形而上学的な部分にまで踏み込んだ邪悪さを表現する、芯の芯まで真性なブラックに違いないッ」と意気込んで購入したわけなんですが…見事に騙されました(笑)。変態系のブラックであることは間違いないんですが…ポストブラックというより闇鍋ブラックという感じ。

正統派メタルの如くツインギターでハモるギターリフが出てきたり、高速のブラストとマイペ~スに刻むギターリフを組み合わせてみたり、妙に渋いブルージーなメロディを変な残響の付いたギターで弾いてみせたり、様々なアイデアが敢えて生煮えのままぶち込まれているような感じの、奇妙に歪んだ世界観を演出するブラック。5曲目で「ゴー!ゴー!ゴルゴダ!」の煽りと
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NAV-The Wolf Sun (2011-11-25 00:46:45)

08年発表の2nd。

このバンドも、かなり独特の視点からペイガンを演ってますね…。
やけにグルーヴィでノリの良いリズムに、ツインギターによる刻み中心にメロディ成分もたっぷり仕込んだリフが絡む作風で、クサメタル並に泣きメロや速弾きを披露するギターソロまであり、最早ロックンロールというかグルーヴメタルというか…ペイガンよりそっちの方が近いんじゃ…的な音。ヴォーカルも邪悪系でなく、ダーティ系の地声混じりのがなりですし。

ただ、やはりブラックメタルがベースになっているだけあって、曲展開の主導権は常にリフが握っている感じ。ツインギターの絡みはなかなか聴き応えがあり、最後まで聴かせきるようなパワーは持ってると思う。ただ、音質もクリアだし、メタルとしての質は悪くないんですが、邪悪さや神秘性よりもメンバーが酒呑んで楽しく演奏する様子が浮かんできてしまうのはペイガニズムを
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FOSCOR-Groans to the Guilty ★★★ (2011-11-22 00:24:11)

09年発表の3rd。

ジャケのムードが良かった事と、販促シールのSHINING、SATYRICON、CODEのファンにお勧めという文句に釣られて購入しましたが、これがなかなかの良盤。近年のSATYRICONやCODEを髣髴とさせる、鬱感覚の強いリフのメロディを聴き手の脳に刻み込みつつも、どこかふてぶてしい鈍色の光を放つかのようなブラックメタル。ヴォーカルがダミ声に近いがなりなのも、ふてぶてしさを更に助長。

ただ、近年のSATYRICONがロック的なグルーヴを取り入れ、ライブでも盛り上がるような曲作りをしているのに対し、こちらは展開こそ凝っているものの、リズム面ではまだブラックの要素を強く残しているのが大きな違い。特にミドルテンポのパートにおいては、SATYRICONよりも更に背徳感が強くなっているように思います。この辺りの鬱蒼とした感じはSHININGに近いの
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SATARIEL-Phobos and Deimos ★★ (2011-11-22 00:17:56)

02年発表の2nd。

…メロデスっぽいブラックとは聴いてましたが、もうこれ殆どメロデスですよね。高揚感を伴う、メロウなメロディを仕込んだ刻みリフとそれを活用したテンションの高い疾走、明確なサビやギターソロを聴かせるパートを含む曲構成など、雰囲気こそブラックに近いものの、曲を形作るパーツがことごとくメロデス的な感じ。

サビでクリーンで歌い上げる曲も多く、メタルコア好きがちょっと邪悪なものに手を出してみようとするのにもいいかもしれません。ただ、曲のクオリティは非常に高く、マニア以外も楽しめる好盤ではあるんですが…微妙にプロダクションがチープなのが勿体無い。厚みやクリアさはあるんですが、ドラムの音のバランスが少し悪く、B級っぽさが多少残ってる気がします。

また、メリハリの付いた曲展開にあわせ、詠唱っぽいマイルドなクリーンやデス的なグロウル、メロデス風の
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PEST (GERMANY)-Tenebris Obortis ★★★ (2011-11-20 23:23:54)

2009年発表の4th。

ファストパートを中心に展開するジャーマンブラックですが…NEGATORやGRAUPEL、INFAUSTなどがそうですが、ファストなリズムと寒々しいトレモロで攻めるタイプのジャーマンブラックって、北欧(特にスウェーデン)の同タイプのバンドの音が「吹雪」だとすると、「氷の礫」が吹き付けて来るようなイメージがあるんですよね。このバンドも、そんな感触のメロディのトレモロを含蓄したタイプですね。

ただ、上記バンドと比べると、このバンドは音の太さといい、メロディの毒々しさといい、もっと悪意的なものが強く感じられるのが特徴。メロディに関しては、一部のパートではフランス産地下ブラックに通じる、病んだ耽美なカルト性も感じられたり。ヴォーカルが鬱ブラック寸前の絶叫なのも、曲の狂気的なムードを更に高めていますね。

また、前述の氷の礫のようなリ
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HARZA-WAR ★★★ (2011-11-20 23:18:21)

09年発表の2nd。

戦車ジャケやアルバムタイトルからはいかにもウォーブラック、もしくはファストブラックです的な風情を醸し出していますが…確かに、ダミ声でがなるヴォーカル、戦場に飛び交う火の粉を思わせるリフの音色、カッチリして軍隊的なイメージも想起させるリズム等、確かに戦争を直接的に匂わせる音ではあるんですが…実はそれ以上に、メロウなメロディが強調された作風で、パートによってはヴァイオリンまで入ってきます。

しかもこのバンドの場合、ただメロディがメロウというだけでなく、時折凄まじく即効性の高いメロディを仕込んでくるのがたまらないんですよね…。ブックレットを読むと、単純に戦争を題材としているだけでなく、意に沿わず殺し合いをさせられたり、自分の家族や国を守るために戦った兵士達に捧げるというコンセプトがあるらしく、この悲哀に満ちたメロディのセンスも頷けますね。
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HARZA ★★ (2011-11-20 23:17:30)

ロシアのブラックメタルバンド。
「War」を聴いて、かなり良いバンドだと思ったのに去年解散してたようで残念。

DARKEVER OF THE LIGHT-DEMO TRACKS 2011 ★★★ (2011-11-19 01:08:25)

11年発表の5曲入りデモCD-R。
ケースに入りきらないポストカードと歌詞カードがなんともチープな感じはしますが、中身はかなり良いですね。

ヘヴィな音像と、グルーヴィなリフとリズムの絡みの上に、女性ヴォーカルによるキャッチーなメロディが乗る作風で、個人的には6ft downからゴス要素を減退させ、古典的なハードロック色を強めたような音に感じました。シンフォニックにではなく、曲の骨太さを強調するように入るキーボードも良い仕事してます。ヴォーカルが女性ならではの妖艶さやキュートさと、力強さを兼ね備えた華のある声質なのも良いですね。

また、何より単純に曲が良いと思う。跳ねたグルーヴをヴォーカルが乗りこなし、聴き手をグイグイ引き込む「Ding-Dong」、重厚な世界観を見せ付けるような「MEGALOPOLIS」、ワウギターを用いたリフが印象的な「Communic
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CROSS VEIN-MOON ADDICT ★★ (2011-11-19 01:03:46)

11年発表の2曲入り自主制作シングル。

また、良いバンドが出てきましたね。
クラシカルで耽美な世界観を演出するキーボード、歌謡的でありながらゴシック的なクサさも放つ歌メロなど、MALICE MIZERやMOI DIX MOIS辺りの「コテ系」なヴィジュアル系バンドの作風に、ツーバスドコドコや刻みリフ、ツインリード等のメタル要素をドーピングし、更に個性的な女性ヴォーカルを乗せた感じの作風。

メロスピにありがちな白玉系の間延びしたメロディではなく、歌謡曲でも通用しそうなほど歌メロを重視してくれていて、個人的にはかなり好みな音なんですが、それを歌うヴォーカルも強烈なキャラを持ってますね。声楽的なソプラノボイスに、猫的な婀娜っぽいエキセントリックさを足したような歌い方でかなり独特かつ耳に残る。同人系のシンガーにも通じる、「全力感」があるのがいいと思う。

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VORDVEN-History ★★ (2011-11-16 23:01:51)

2003年発表のコンピレーション盤。
97年のデモ「When the Wind Blew for the First Time」と99年のフル「Towards the Frozen Shadows」、01年EP「Woodland Passage」の3つの音源を収録した、約78分の長大なボリュームの音源集。ちなみに音源集のタイトルは書かれていないんですが、調べたら「History」というタイトルだそうです。

路線は神秘的なキーボードがRAWなバンドサウンドを包み込む、VINTERRIKETやLUSTREなどのアトモスフェリックなシンフォニック・ブラックを先取りしてやっている感じで、VINTERRIKETのような寒々しい世界観よりも、むしろ精神世界的な神秘性を感じる音。基本キーがメイン楽器的な音像ですが、どの音源においてもバンドサウンドに打ち込みを用いていないので、特にド
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CIRITH GORGOR-Unveiling the Essence ★★ (2011-11-16 22:56:51)

2001年発表の2nd。

ジリジリ系のブラック特有のノイジーなギターリフと、靄が掛かったようなベースの音色が溶け合い、暗雲が立ち込めたかの如き仄暗い音像を演出し、そこにメロウなトレモロがうっすらと差し込んでくる、ファストパート多めなメロディックブラック。ヴァンパイアが人間を嘲笑うような、中~高音域で地声交じりのがなりを聴かせるヴォーカルも割と個性的。いきなり高笑いとかしてますし(笑)。

また、メロディが邪悪さ・寒々しさよりも正統派メタルにも通じるような、ストレートなかっこよさを感じられるものなのも特徴ですね。時折ペイガン的な勇壮さも垣間見れたりして、メロディのセンスはなかなかいいと思う。ただし、音像に癖があるので、ある程度ブラックを聴いてる人でないと聴きづらさを覚えるかも。メロブラもプリブラも両方行けて、どちらかといえばメロブラの方が好み…みたいな方はツボに嵌
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CIRITH GORGOR ★★ (2011-11-16 22:53:04)

オランダ産ブラックメタルバンド。
このバンドも指輪物語からバンド名を取ってるみたいです。

MARE-SPHERES LIKE DEATH ★★★ (2011-11-12 11:15:31)

2010年発表の4曲入りEP。

これは個人的にモロにツボな路線ですね。
かっこよさと、邪悪なムードを見事に両立させたブラックメタル。ほどよくノイジーなギターと、うっすら靄が掛かったようなキーボードが妖気の立ちこめる雰囲気を演出し、そこにどこか密教的な響きを持つ、邪悪極まりないトレモロリフが絡むスタイル。脈動するように蠢くベース、Attila系の、邪な真言を厳かに唱えるようなヴォーカルも、作品が放つ邪気を更に強いものにしています。

また、アンビエント方向へのアプローチも見られるのが特徴で、特にパーカッシブなドラミングと妖しげな語りが奥行きのある闇を演出し、そこにギターが邪教徒の儀式に使われる楽器の如く響くタイトル曲は、バンドサウンドを用いてアンビエント風の雰囲気を出していて、かなりムードの濃い曲。ただ、それに加えてラストの曲がキーボードアンビエントなので、
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MARE ★★ (2011-11-12 11:14:36)

KEEP OF KALESSIN、CELESTIAL BLOODSHEDの元メンバーが在籍するブラックメタルバンド。まだフルアルバムはリリースしていませんが、SATANIC WARMASTERのメンバーが運営しているWerewolf RecordsよりEPを出しています。

ARCANE GRAIL-Arya Marga - Ninefold Path to the Innocence ★★★ (2011-11-12 11:09:24)

2009年発表の2nd。
ぶっちゃけセールで安かったから衝動買いしてしまったんですけど、まさかここまで素晴らしい作品とは…ほんとこの出会いに感謝、って感じです。

シンフォニック・ブラックの中でも、ここまで聴き手にインパクトを残せる作品ってそうは無いのではないでしょうか。映画音楽のような壮大なキーボードに、叙情的極まりないピアノ、そしてゲストミュージシャンによる弦楽カルテットがバンドサウンドに絡む音像だけでも凄まじく絢爛。更に男女のオペラティックなコーラスが効果的に配されているので、よりキャッチーに聴こえるんですよね。

しかもリフもメロデスのメロディックで高揚感溢れるものと、メロブラのメロウなトレモロの良いとこ取りでかなりキャッチー。これが前述のど派手な装飾(装飾ってレベルじゃないけど)を連れて疾走するのだから、クサメタル好きにはたまったものではありません
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THRUDVANGAR-Durch Blut und Eis ★★ (2011-11-12 11:04:10)

2010年発表の4th。

かなりメロデスや正統派の影響の濃い、メタリックなヴァイキングメタル。
正統派的なリフでダイナミックに攻め立てつつ、ここぞという時でメロブラ的な広がりのある、メロウなメロディを聴かせる路線で、キーボードもリフの良さを減衰させない味付け程度に用いられてますね。民族メロの濃度はそれ程高くなく、民謡系というよりは映画のヴァイキング出航のシーンが浮かぶような感じ。

ただこのバンド、曲展開やメロディセンス自体は日本盤出してるヴァイキングメタルと比較しても引けを取らないんですが、プロダクションはブラック特有の粗さが少し残っている感じですね。そのノイジーさが、メタリックな重さと両立されているのでかなり迫力のある音になってます。ただ、このプロダクションのせいで少々エンターテイメント性は減ってしまってる感じで、普段からメタルを愛聴していない人には少
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ETERNITY (GERMANY)-Funeral Mass ★★ (2011-11-08 00:00:33)

2007年発表の2nd。

まず余りにもノイジーな音質に圧倒されますね(笑)。
プリミティブブラックの薄っぺらいノイジーさでも、ノイズブラックのメタル離れした音像でもなく、しっかりメタリックな太さを保ちつつ「ドザァァァアア!」感のあるノイジーさで圧迫感が凄まじいです。バンドがノイズの滝を浴びながら演奏してるようなイメージの音。

曲の方は、特に衒いのないブルータル寄りのブラックで、正直WATAINを平坦にした感じに聴こえてしまうんですが…ノイズの中に地獄から聞こえるようなSEを入れて恐ろしげなムードを演出したり、太い音色のギターが邪悪極まりないメロディを弾いたり、エグい音像を利用した演出がしっかり出来ているのはいいですね。中音域でがなるヴォーカルの本気度も良い感じ。

正直必聴盤とまでは言えないんですが、この手の太さと邪悪さが直結するブラックが好
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LICHT ERLISCHT...-The Narrow Path ★★★ (2011-11-07 22:06:14)

2009年発表の1st。

漫画の光のエフェクトにしか見えないバンドロゴが印象的ですが、出音の方は完全に闇属性ですね(笑)。BURZUMの「Filosofem」やNARGAROTHの「Regens~」を思わせる、金属質なノイジーさで奏でられるギターリフに、物悲しいメロディを練り込んだスタイルの鬱ブラック。鬱系の中でもメロディの素晴らしさは抜きん出てる感じで、悲壮感・分かりやすさ共にメロウ方向に本気出したときのNARGAROTHレベル。

ただしギターの音色自体は上記バンドの作品に通じるものの、比較的音像におけるノイジーリフの占める割合は低めで、代わりにドローンめいたキーボードであったり、叙情的なアルペジオだったりが空間を埋めているのが大きな違いですね。NARGAROTHの「Regens~」なんかと比べると、エモーショナルさで譲るものの、より浮世離れした、神秘的な雰
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SAMMATH NAUR-Self-Proclaimed Existence ★★★ (2011-11-06 20:34:45)

2005年発表の1st。

縋りつく者どもを傲然と見下すメタル男ジャケがインパクトありますが、中身も凄まじいですね。デスメタル名産地のポーランド産らしい超暴虐なブルデスに、シンフォブラックの荘厳でスペイシーなキーボード加えたような路線。まずブルデスとしての暴虐さが凄まじく、特にドラムとリフの絡みはまるでガトリングガンの掃射と、それが着弾した時の破壊音さながらの凄まじさ。暴虐で速いだけでなく、リフにフックも設けてあり、単純に聴いていて爽快なんですよね。

で、そこに宇宙的な感覚も想起させる、シンフォブラック風のキーボードが入る訳ですが…これがバンドのブルータリティを見事に後押ししているんですよね。上空から降り注ぐ邪悪な宇宙線を浴びて、ガトリングガンを装備した殺人マシーンが更に凶悪化して暴れまわっているような感じ。基本低音グロウル中心ながら、声が野太過ぎて時折入れる高
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SAMMATH NAUR ★★ (2011-11-06 20:32:44)

VESANIAのメンバーも在籍するポーランドのシンフォデス/ブラック。
シンフォサウンドとポーランド産らしいブルータリティの融合が凄まじいバンド。

VITSAUS-Sielunmessu ★★ (2011-11-06 20:28:35)

2010年発表の1st。
曲数は5曲と少なめですが、ボリュームは35分でそこそこ。

シャー系の音が際立つ平坦気味のリフと、メロウなトレモロリフを従えて疾走する、典型的なプリミティブブラックという感じの音ですね。割とトレモロのメロディを重視するタイプですが、この手の中でもメロディの泣き具合に「格調の高さ」みたいなものが感じられるのが特徴。

ヴォーカルもそこまで絶叫したら音割れるんじゃ…と思うくらい激しく叫んでくれてるし、特に変った要素はないものの非常に良質なプリミティブブラックだと思う。ただ、せっかくメロディのセンスがいいのに、少しだけ引っ込んだプロダクションなのは惜しいですね。際立って聞こえづらい訳ではないけど、ノイズ分とメロディ分の配分が等分な感じ。メロがいいので、個人的にはそれを押し出すとより良かったかな…と。

SATANIC WARM
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VITSAUS ★★ (2011-11-06 20:26:42)

SARGEIST、HORNAのVainajaが在籍するブラックメタルバンド。
バンド名はフィンランド語で「ペスト」を意味する単語だとか。

PERGALE-Horizontalios Maldos Palaima ★★★ (2011-11-05 16:36:32)

2011年発表の1st。
DISK UNIONでLIFELOVERが引き合いに出されプッシュされていたので、何となく買ってしまったんですが…最高ですね、これ(笑)。

路線としては儚げなピアノの叙情メロと、ディプレッシブ・ブラック風の絶叫の入った、ブラック寄りのロックンロールをベースに、ジャジーなアンサンブルやフォーク・カントリーから影響を受けたメロディ等を多少滑ろうが空回ろうがお構いなしにブチ込んでくる、アヴァンブラックでもかなり変態度の高い音。分かりやすい「変」さで、余りにも変すぎると逆にそれがキャッチーに聞こえるという、見本のような作風。

LIFELOVERが引き合いに出されてましたが、確かにアーバンでお洒落なピアノや、SEの使い方等は似てるんですが、こちらはもっと不真面目かつ軽妙さがあると思う。ヴォーカルも普通にかっこいい絶叫も出来るのに、情けなく
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PERGALE ★★ (2011-11-05 16:34:56)

リトアニア産ブラックメタル/ディプレッシブロックバンド。
変態系の多いブラックの中でも、真性の変態で変り種、かつそれがキャッチネスに直結してる、ユニークな音楽を演ってるバンドだと思うので、変わった音楽好きは是非チェックを。

CRUCIFIST-Demon-haunted World ★★ (2011-11-05 16:32:01)

2009年発表の1st。

曲名のほうも「Anus Mundi」というものがあったり、パンチが効いてる感じですが、音の方もスラッシュやサタニックなデスメタルの要素の強い、オールドスクールなブラックメタルでダーティ極まりない雰囲気を醸し出してますね。音の分離は悪くないものの、Dan Lilker氏の弾くベースの音色がやたらヴォルヴォル言ってて、ただでさえ地下臭いムードを更に助長させてます。

この手のスラッシーでオールドスクールなブラックって、割とスラッシュ由来のかっこよくて熱いメロディが多かったりしますが、このバンドはどこか病んで湿ったような雰囲気のメロディが多く、ホラーでカルトなムードも強いのが特徴。個人的には酔っ払いダーティなふてぶてしさで地声混じりにがなりヴォーカルのスタイルはいまいちツボに嵌まらないんですが、黴の生えそうな作風自体は結構好きですね。

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CRUCIFIST ★★ (2011-11-05 16:28:14)

Profound Loreより1枚のアルバムをリリースしている、アメリカのブラックメタルバンド。既に解散していますが、様々な有名メタルバンドに参加した経歴を持つDan Lilker氏も在籍していました。

GLORIA MORTI-Anthems of Annihilation ★★★ (2011-11-04 23:20:23)

2010年発表の3rd。

メンバーの見た目からしていかついですけど、音はもっといかついですね(笑)。
店の紹介ではメロディック・ブラックとされてましたけど、個人的にはその上に「超攻撃特化型」というフレーズを上乗せしたい感じ。とにかくファストパートの殺傷力が半端でなく、粒の揃ったドラミングと、ブラックの粗さではなく、デスの重さに通じる、ヘヴィなリフによる圧殺サウンドが非常に耳に心地良い。

無慈悲に刻むフレーズを多用し、時折メロデスに通じるフックあるメロディを仕込んでくるリフ捌き自体もデスに近いですし、ヴォーカルが低音グロウルとハイピッチの絶叫をするスタイルなのもデスっぽいですが、この無闇で殺気だった爆走やピアノ・キーボードによる不穏さの演出はブラック的と言えるかも。何気に声量あるグロウルと、顎がイカレそうな絶叫のどちらも迫力満点な、ヴォーカルのパフォーマン
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HELRUNAR-Frostnacht ★★★ (2011-11-04 23:13:17)

2005年発表の1st。
…ドイツ語全く分からない私でも意味が分かるアルバムタイトル(笑)。

Lupus Lounge発の、ジャーマンペイガンブラックという触れ込みでしたが、民族っぽさは多少メロディに感じられるくらいで、実質的にはリフやアコギパートに込められた叙情メロで押す、メロディックブラックに分類できそうな音。しかしその民族っぽさが、かなり良い味になってるんですよね。メロブラの身を切る寒々しさだけでなく、民族的なメロウさも兼ね備えたリフのメロディは、他のメロブラよりも神秘的で、一段奥深いような印象を残します。

また、音質も悪くないし、カルト方向に行かない、メタリックさもかなり強い作風ではあるんですが…ヴォーカルの憎々しげに潰れた絶叫であるとか、クリアながらガリガリと金属質で尖った質感のリフの音色であるとか、メジャーでオーバープロデュースされたバンドよ
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SVART CROWN-Witnessing the Fall ★★★ (2011-11-04 23:09:00)

2010年発表の1st。

なかなかに凝ったイラストが描かれたジャケからは、同郷のバンドなら少し前までのDEATHSPELL OMEGAやGLORIOR BELLI辺りに通じる、宗教的ムード漂う邪悪ブラックが予想されますが…半分当たりといった感じですね。

フランス産らしい病んだメロディが、深遠な邪悪さを演出する、真性ムード剥き出しのブラックメタル…という所まではジャケから予想してた通りだったんですが、思った以上にブルータルなサウンド。特にドラムの、鈍器で目一杯どつきまわすような音色にかなり迫力があり、ファストパートはMARDUKと比肩するレベルの破壊力があると思う。

このドラムに加えて、しっかりリフの音色も太く、毒々しく仕上げてくれているのも素晴らしいですね。音量も適正で問題なし。また、ヴォーカルもやや低め~中音域メインのがなり声ながら、声質が太く
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SKALDIC CURSE-Pathogen ★★★ (2011-11-04 00:05:36)

2006年発表の1st。

FENのメンバーが在籍するブラックという触れ込みでしたが…最近テクニカルなポストブラックとして、外部からも着実な評価を集めつつあるFENとはある意味真逆で、プリブラ好きがプリブラ好きのために作ったような、カルト極まりないプリミティブブラックですね。音質もジャリジャリしたギターが壮絶な雰囲気を醸し出してるし、ヴォーカルも苦しみもがきなら叫んでいるような、声帯の壊れる音が聞こえてきそうな本気具合でマジなムード全開。っていうかヴォーカル近いです(笑)。

また、普通のプリミティブブラックよりも、メロディが独特なのも特徴ですね。特に2曲目や4曲目の後半など、正体不明の細菌が体内で繁殖して絶命するような、毒々しく気持ち悪いメロディがかなり耳に残る。5曲目頭のリフもまるで歯医者で神経抜いてるかのようなウゾウゾ感。こうしたメロディの毒が、カルトな作風
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SKALDIC CURSE ★★ (2011-11-04 00:03:34)

イギリス産プリミティブブラック。
意外にもFENやAKERCOCKEと人脈的な繋がりがあるバンド。

LUX FERRE-Atrae Materiae Monumentum ★★★ (2011-11-01 23:29:50)

2009年発表の2nd。

視界全体にどす黒い雲が垂れ込めるかの如き分厚いギターリフの音色と、毒々しく陰鬱なメロディのトレモロリフを特徴としたブラックメタル。曲のかなりのパートをこの毒々しいトレモロリフで覆った作風なんですが、ポストブラックっぽさはほぼなく、常にメタリックな迫力のある音を聴かせてくれる辺り、感性の根っこにはファスト/ブルータルブラックがあると思う。

この作品、出音がメタリックな割にはメロディがかなり陰鬱なんですよね…それがスロー~ミドルのパートでは鬱系に通じる陰湿なムードを、ファストパートではある意味の甘美さを醸し出していて、曲を非常に魅力的にしていると思う。悪魔崇拝的な雰囲気は希薄ながら、病んだ湿り気のある空気感があって、聴いている内に体にメロディに含まれた毒が回っていきそうな音。

ヴォーカルも結構独特で、特に高音絶叫時のエッジの
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