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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) 時系列順 1001-1050
NAER MATARON-ΖΗΤΩ Ο ΘΑΝΑΤΟΣ
LUPUS NOCTURNUS-Suicidal Thoughts Pt.Ⅰ
SCHRAT-Schattenwahn
GNOME-SILENT SCREAM
ISKALD
ISKALD-The Sun I Carried Alone
BENIGHTED LEAMS-Ferly Cestesms
BENIGHTED LEAMS
ALTAR THE SKY-Plight of the Vomit Eagle
KHONSU-ANOMALIA
KHONSU
ASTRAL SILENCE
ASTRAL SILENCE-Astral Journey
REGNUM-Regnum
GRAND BELIAL'S KEY-Mocking the Philantrophist
SUNWHEEL-Industry of Death
BRISEN-MADRE TENEBRA
FORMLOFF-Spyhorelandet
HORDE OF HEL-LIKDAGG
SUMRAK (СУМРАК)-LITANIES OF HATRED (ЛИТАНИИ НЕНАВИСТИ)
LITROSIS-I Am Death
THY CATAFALQUE-Rengeteg
FROZEN DEATH-RAVENSTORM
NORTHDARK-Toward the Emptiness
NORTHDARK
FOG-Through the Eyes of Night...Winged They Come
PLASMA POOL-Drowning
ISARNHEIMR-Isarnheimr
FOREST-Forest
POCCOLUS-Ragana
KOSA (КОСА)-EVILABSORPTION (ЗЛОПОГЛОЩЕНИЕ)
THE ARRIVAL OF SATAN-Vexing Verses
VERMETH-Suicide Or Be Killed!
KRAKE-CONQUERING DEATH
GRIGORI
GRIGORI-Principivm et finis
VALHOM-Despair
HORDES OF THE LUNAR ECLIPSE-Dancing Demons in the Grey-Lit Glade
SUPREMACY-Satanic Reich
DIES ATER-Odium's Spring
APOSTASY-Nuclear Messiah
ASHES-HYMNS TO A GREY SKY
ADUSTUM-SEARING FIRES AND LUCID VISIONS
GRABNEBELFURSTEN-Von Schemen und Trugbildern
AD-HOC-Ad-hoC
BLODULV-Ⅲ - Burial
VORKREIST-Sabbatical Flesh Possession
VORKREIST
DIN BRAD
DIN BRAD-DOR
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NAER MATARON-ΖΗΤΩ Ο ΘΑΝΑΤΟΣ ★★★ (2012-10-15 22:18:02)

2012年発表の6th。
前作から大幅なメンバーチェンジがあり、Vicotnik氏やNordvargr氏も抜けてしまった訳ですが…その影響なのか、音楽性も前作とはかなり異なる路線になってますね。

端的に言ってしまうと…まさかのデスメタル化。
ドラムやギターも低音が効いた、ドスの効いたプロダクションに変化、ファストパートは音圧に任せて畳み掛けるような、ミドルパートは重苦しさを感じさせるような、直接的な攻撃性を強く感じさせるような音で前作のメロブラな作風が嘘のよう。ヴォーカルも低音のグロウルに徹してますし、ちょっとしたキメの付け方も完全にデス化してしまってます。

但し、トレモロを前に出したメロディアスなパートもある程度残しており、そういうパートでは前作に通じる陰気ながら印象に残るメロディをしっかり聴かせてくれるのは嬉しい所ですね。そもそも、前作にもリフ
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LUPUS NOCTURNUS-Suicidal Thoughts Pt.Ⅰ ★★ (2012-10-15 22:15:32)

2008年発表の1st。
鬱ブラックの総本山Self Mutilation Serviceからのリリース。

メキシコの鬱ブラックという時点でなにやら期待してしまいますが…メタルに関して過激なものを好むお国柄が反映されているのか、分かり易過ぎるくらい分かり易く鬱ブラックしてる音ですね。スローテンポを基調にメロウなリフでひたすら責め苛むような作風は、ほぼ鬱ブラックのテンプレ通りとも言える音で、ジャンル自体が好きであればすぐにでも没入でき、そうでない人には無用の長物という、ある意味はっきりした音。

何気に鬱ブラックとしてはかなり優秀で、リフは陰鬱なだけでなく、どこかエモーショナルさも感じさせるもので、それが逆に生々しい絶望感を感じさせてくれたり、展開もミニマルさや酩酊感・没入感を壊さない程度に付けられていたり、マニアックになり過ぎない作りが良いと思う。正直これ
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SCHRAT-Schattenwahn ★★★ (2012-10-10 20:50:08)

2011年発表の2nd。
韓国のMisanthropic Artより発売。

作風は、メロブラの中でもジャーマン系と北欧系の両方の特性が感じられるような音ですね。氷の礫が吹き付けてくるような、ザラついたリフの音色、常に薄くメロウな雰囲気を醸し出しつつも、ここぞという所で印象的な泣きメロが炸裂するスタイルは、NEGATORやGRAUPEL辺りのジャーマンブラックに近い感じですが、時折現れる、スラッシーなリズムに哀愁の篭もった、キャッチーなメロが乗るパートはTAAKEやGORGOROTH辺りの、正統派メタルが根底にあるであろうタイプの北欧古参ブラックの影響も感じられたり。

その辺りの名の知れたブラックを比較対象に挙げたくなるほどメロディのセンスは良く、特に3曲目では、FUNERAL MISTの楽曲に出てきそうな宗教色の強いメロディも出てくるなど、単にメロウなだ
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GNOME-SILENT SCREAM ★★★ (2012-10-10 20:46:55)

2012にZero Dimensional Recordsから発売された音源集。
90年代半ばから後半にかけて活動したバンドですが、その時の音源を集めたもの。
2枚組限定盤にはメンバーのアンビエントプロジェクト「Human Soul」の音源も収録。

これは結構驚きましたね…90年代半ばの時点で、日本にこういうブラックメタルを演ってる事にびっくり。柔らかくも不気味で、妖気漂うようなシンセに包まれ展開するブラックメタルに、BURZUM系の裏返り気味の悲痛絶叫の絡むスタイルで、今でいう鬱ブラックとアトモスフェリックブラックを足したような感じなんですが…それだけでは終わらない個性も感じられる音。

近年の鬱ブラックやアトモスフェリックブラックと比べると、まだストレートでオールドスクールなブラックメタルをある程度踏襲しているような感じで、時折リフやリズムに躍動
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ISKALD ★★ (2012-10-08 08:21:36)

ノルウェー産ブラックメタルバンド。
バンド名はノルウェー語で「氷の如く冷たい(ice-cold)」の意。

ISKALD-The Sun I Carried Alone ★★★ (2012-10-08 08:19:35)

2011年発表の3rd。

ISKALDはこれしか聴いてないんですが、何気に大名盤なんじゃないでしょうか…少なくとも、メロディックブラックというサブジャンルの中で、代表格のバンドと上位の座を争えるだけのクオリティは持っていると思います。流石に質の高いブラックの作品をリリースし続けるIndie Recordingsから出てるだけのことはあります。

音は、端的に言ってしまえば「Isa」期のENSLAVEDをメロブラ化した感じ…なんですが、まず当時のENSLAVEDを思わせる音の作り方自体が素晴らしい。メタルとしてのマッシブさをしっかり伝え、その骨太さがどこかスピリチュアルにも感じられる力強い音質ですが、決してオーバープロデュースでやかましいだけになる事はなく、繊細さも残してくれている音作り。トレモロを前面に出したパートやツーバス連打のパートなんて甘美過ぎてそれだけで
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BENIGHTED LEAMS-Ferly Cestesms (2012-10-06 20:52:05)

2004年発表の3rd。

メンバーであるAlex氏の経歴は非常に輝かしいものですが…その輝かしさからは想像も付かないほどのマニアックな路線のブラック。メロディやスピードなどにあかせた分かりやすい展開は極力排し、ジリジリとしたギターとそれに同期するようなドラムが圧迫感・絶望感を醸し出すような音。アンビエントブラックにも通じる暗い耳触り、思想を懇々と説くような語りも楽曲のカルト性を助長。

鬱ブラックのような感情の迸り、アトモスフェリックブラックのような情景の広がりすらなく、ひたすらに陰鬱な音像が続く感じで、「真にマイナスの音楽」というものがあるなら、こういう音なんじゃないかな…とすら思わせる暗さ。正直、無愛想にも程があると思う音なので、ブラック初心者には無用の長物だと思う。はっきり言って私もここまでマニアックだと付いていけないかも(笑)。

ここまで来
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BENIGHTED LEAMS ★★ (2012-10-06 20:50:42)

アメリカ産独りブラック。
唯一のメンバーであるAlex Kurtagic氏は、LUNAR AURORAやTHE MEADS OF ASPHODELを始め多くのブラック関係のリリースで知られるレーベル、Supernal Musicのオーナーであり、DIMMU BORGIRやTORMENTORのカヴァーアートを担当した経験を持ち、更には作家や編集者としての顔を持つ才人。

ALTAR THE SKY-Plight of the Vomit Eagle ★★ (2012-10-06 11:07:05)

2004年発表の1st。

カオティックでダークなメロディを紡ぎ上げるトレモロ、テクニカルデスのバンドがやりそうな、引っ掛かりのあるリフ、デスメタル的なうねりを伴う刻みなどを適宜交えながら展開していくブラックで、独りブラック故にか音質がカルト方面にもメジャー方面にも行ききれてないせいで多少チープな印象を受けるのは否めないんですが、リフやメロディのセンスなどは悪くなく、低い知名度の割にはかなり歯ごたえのある音を出していると思います。特に動きの多いリフがかっこいい。

しかし、何と言っても一番のウリはヴォーカルの、鋭く噛み千切るような絶叫でしょう。個人的にこの人の声、かなりツボなんですよね。喉が引き千切れんばかりに歪んだ、潰れまくった高音絶叫で、かのManiac氏を髣髴とさせます。MAYHEMでいうと、Grand Declaration~期とChimera期の中間くら
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KHONSU-ANOMALIA ★★★ (2012-10-06 06:30:51)

2012年発表の1st。

メンバーやスタッフがKEEP OF KALESSIN絡みのバンドですが…特に「Armada」以降のKOKの影響が顕著ながらも、しっかり差別化されている作風ですね。スラッシュ由来の、刻みを多用したダイナミックで動きの多いリフ捌きを用いた、メタルとして非常に質の高い演奏はKOKに通じるものがありますが、こちらはKOKのように完全にリフ主導の曲作りではなく、3rd以降のARCTURUSを思わせるシアトリカルな展開も多いのが特徴。

サイバーなキーボードや透き通った音色のピアノ、クリーンも用いたヴォーカルワークなどを駆使した、宇宙的な世界観の演出はKOKに通じる動的でかっこいいリフ捌きにより、更にドラマティックなものに。Thebon氏のヴォーカルも、KOKで聴かせたような熱いダミ声がなりだけでなく、不気味さを演出する呪詛系なども用いていて、表現
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KHONSU ★★ (2012-10-06 06:29:49)

ノルウェー産ブラックメタルバンド。
中心人物のS. Gronbech氏はKEEP OF KALESSINのメンバーであり、1stアルバムでもギターを弾いているObsidian C氏の兄弟。またKOKのThebon氏も正式メンバーと、メンバーの多くがKEEP OF KALESSIN絡みで構成されるバンド。先日Season of Mistより1枚目のアルバムをリリースしました。

ASTRAL SILENCE ★★ (2012-10-04 00:15:04)

スイス産スペースアンビエントブラック。
BORGNEのライブメンバーであるQuaoar氏によるプロジェクト。

ASTRAL SILENCE-Astral Journey (2012-10-04 00:11:50)

2010年発表の1st。

ブックレットの特殊なインクを使って凹凸を出したアートワークや、CD盤面の無音部分に施された宇宙風の意匠など、アイテムとしてもこだわりが見える造りの作品ですね…。
作風は、アンビエントパートやミニマルなブラックメタルパートを交互に聴かせ、宇宙的な情景を描くような音で、端的に言ってDARKSPACE系の音なんですが…あちらよりももう少しマニア対象な感じ。

ノイジーなギターとアトモスフェリックなキーボードが混じり、質量のある宇宙を展開する音や、神の座から宇宙に語りかけるかのようにも聴こえるヴォーカルなど、ムードとして徹底してはいるんですが…ミニマルな要素が強く、一応ギターやキーのメロディがある程度はあるんですが、展開としては星や銀河の配列が少しずつ変わったりとか、その程度の変化があるくらいで、基本宇宙が広がってる情景自体は変わらない感
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REGNUM-Regnum ★★ (2012-10-03 17:40:26)

2005年発表の8曲入りEP。
スウェーデンのTotal Holocaustより発売。
演奏時間も30分近くあるので、実質的にはフルアルバム並のボリューム。

定義上、どうしても同じような音になってしまいがちな鬱ブラックですが、このバンドはかなり独特な視点を持って鬱ブラックを解釈してるようですね。とぼとぼと歩くようなテンポのリズムに妖しく眠りに誘うような、妙にクリアなベース、BURZUMの4thを思わせる、しかしもっと弱々しい音色のノイジーなリフ、ノイズ塗れで素の声がほぼ分からない絶叫が絡むスタイル。この手には珍しく、リフはトレモロではなく、平坦にノイズを重ねるようなものがメイン。

鬱ブラックって強烈なマイナスの感情が感じられるものが多いんですが、これは感情を全て吐きつくして抜け殻になってしまったかのような音。ギターの弱々しい音色といいやる気のないテ
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GRAND BELIAL'S KEY-Mocking the Philantrophist ★★★ (2012-10-03 17:37:37)

97年発表の1st。

これはかっこいいですね。
一聴すると、アングラ臭を隠そうともしない、生々しく泥臭いようなリフの音色に、吐き捨てるような低音がなりヴォーカルが乗る、ウォーブラックのような音なんですが…ウォーブラック的な荒さをしっかり感じさせつつも、メロディアスな哀愁であったり、ドラマティックな展開があったり、正統派メタルを通過しているような、メタリックな感性…それもメロデスのような洗練されたものではなく、もっと古臭くアングラなものが備わっている感じのする音。

一見するとその二つって相性が良いようには思えないんですが、アングラでオールドスクールなメタルの素養を感じさせる演奏であったり、時々クサメロの領域に入りかけるメロディアスさであったりが、意外にも汚い音質による生々しい演奏によって更なる魅力を引き出されているんですよね。時に牙を剥く、ウォーブラック的
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SUNWHEEL-Industry of Death ★★★ (2012-10-02 21:32:18)

2010年発表の1st。

耳に痛い音ではないものの、音像を覆うようなノイジーさのギターリフと、アトモスフェリックで澱んだ感じの音色の、厚みのあるキーボードが交じり合い、終末的な雰囲気を漂わせるシンフォニック・ブラック。良く聴くとギターリフなどにはメタリックであったり、メロディアスな部分も多いものの、この手のジャンルの中でもかなり重苦しいムードを醸し出している音だと思う。

常にどす黒い雲が垂れ込めている感じの音作りに呼応するかのように、ヴォーカルもこの手にありがちなハイピッチ絶叫ではなく、何かを威圧するかのようなデスメタル的な低音咆哮を聴かせるタイプ。食い縛った歯の隙間から憎悪や怨嗟が漏れ出しているような、感情の篭もった声。このバンドは以前Swastyka(鉤十字)を名乗っていたことからも分かるとおり、NS的な思想を持っているようですが、この人を寄せ付けない雰囲
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BRISEN-MADRE TENEBRA (2012-10-01 22:34:56)

2009年発表の5曲入りEP。
なんかバンド名がセンブリ茶っぽい(笑)

奇数曲がホラー系のインスト、偶数曲がブラックメタル曲の構成。
何気にキャリアの長いバンドで、96年にフルアルバムをリリースして以来の作品となるらしいですが…オールドスクールな感触とバンドの標榜するオカルトなムードを上手く両立させた、良い作品だと思います。

2曲目は針の筵を転げまわるような、スラッシーなパートが印象的な曲、4曲目はロック的なミッドテンポに妖しい語りが乗る儀式めいた曲。どちらも薄暗いメロディ、喉を絞めたようなキイキイ系ヴォーカルが入り、なかなか独特な雰囲気を持ってますね。1曲目、3曲目のインストも妖しいムード満点で、悪くないと思う。

ただ、ブラック曲はどちらも4分に満たない曲で、ラストのインストがあまり変化のない4分を超える楽曲という構成はちょっと不満
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FORMLOFF-Spyhorelandet ★★ (2012-09-28 20:18:22)

2012年発表の2nd。

疾走パートも適度に交えつつ、聴き手をはぐらかすようなグニャグニャしたパートや、神秘的な音色のギター、キーボード、クリーンヴォーカル等を用いて妖しくカルトなムードを演出するパートなどを挟み、悪夢が広がるかのような病んだ世界観を演出するアヴァンギャルド・ブラック。何気にメロディアスなリフも多いんですが、そのメロディにもフレンチブラックに通じる病的で美しい感触があり、作品を聴きやすくフックのあるものにするだけでなく、更に壊れた雰囲気を増しているような感じがします。

こういう、病的でぶっ壊れた世界観を持ってはいるんだけど、しっかり印象深いメロディがあって、展開自体も作りこまれている…カルトさとクオリティを上手く両立させつつ、個性的でもあるブラックってツボではあるんですが…敢えて不満を挙げるならヴォーカルに暴力性が足りないことでしょうか。声の歪
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HORDE OF HEL-LIKDAGG ★★★ (2012-09-28 20:16:53)

2011年発表の2nd。

…一体何なんだこの変わりようは(笑)。
まず前作で不満だった音の小ささ、弱々しさは完全に解消…どころか、これ音圧で言ったらブルータルブラックと変わりないんじゃ…というくらい爆音に。音の圧力が増し、KRIEGやBLOOD OF KINGU辺りにも通じる殺気を感じる音作りに。まるで人の何倍もある、邪悪なガーゴイルの像が鎮座ましましているかのような圧迫感。

音作りの変化と共に作風もかなり変わり、アンビエントパートもありつつも、それはあくまで補助的な使われ方で、基本はバンドサウンドの凶悪さを直接ぶつけてくるような、ある程度ストレートなものになってはいますが…やはりどこか狂気染みたグロテスクさを感じるのは相変わらず。トレモロリフが邪悪なメロディを奏でる箇所なんて、ガーゴイル像から吸っただけで内腑を腐食させる、有害の波動が放出されているよう
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SUMRAK (СУМРАК)-LITANIES OF HATRED (ЛИТАНИИ НЕНАВИСТИ) ★★★ (2012-09-28 00:27:22)

2004年発表の1st。500枚限定。
DARKTHRONEの「Natassja In Eternal Sleep」カヴァーを収録。

邪気と寒気を帯びたトレモロリフを纏った疾走というプリミティブ・ブラックの本懐はしっかりかっこよく聴かせつつ、呪術的なクリーンヴォーカルやアコースティックギターを用いたメロウなパート、聴き手の邪性を呼び覚ますようなスネアの打ち鳴らしなど、展開やフレーズにプリブラとしてはかなり意匠を凝らしたような作風。生々しく、地下臭さを隠そうともしない音作りではありますが、RAWなメロディックブラックとしても聴けそうなドラマティックさ。

ただし、一般的なメタラーにも受けそうなタイプのメロブラと比べると、邪悪さや陰湿さは段違い。特に時に単音で、時に左右のチャンネルの絡みで聴かせるギターのメロディが毒々しくて素晴らしい。疾走パートでは毒を撒き散
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LITROSIS-I Am Death ★★ (2012-09-28 00:22:21)

2012年発表の1st。

UNHOLY RITUALのメンバーの関わる、ギリシャ産ブラックメタルバンドのデビュー作…とのことでしたが、これはメロデス的を通り越して正統派メタル的な魅力すら感じる、シンフォブラックでもメタリックな作風の作品ですね。時折リフに込められたメロディがイギリスの正統派メタルっぽい湿り気を帯びていたり、シンフォブラックとしてはかなりギターソロに力を入れていたり、ブラックの邪悪さこそ薄いものの、美点・力点はそこではなく、正統なメタルの魅力に置かれている感じ。

しかし、ブラックメタルとしての苛烈さ・シンフォメタルとしての大仰さはしっかり備えていて、ファストブラックを普段聴いていても目を瞠るようなブラスト、ブラックらしい冷気を感じるトレモロ、ヴァイキングメタルに通じる、壮大な物語の始まりを感じさせるようなエピックなメロディが、正統派メタル的なドラ
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THY CATAFALQUE-Rengeteg ★★ (2012-09-23 11:03:28)

2011年発表の5th。

ARCTURUSファンにお勧めという事でブラック関連の棚に陳列されていたのを発見、興味を持って購入した次第なんですが…確かにこれはARCTURUS、それも2nd以降のブラックをある程度離れ、プログレ/アヴァンギャルドメタル化してからのARCTURUSに近い路線で期待通りの音。…というかこれ、ARCTURUSの文脈がなかったら、多分ブラックの棚に陳列されてない作品だと思う。

音的には男女クリーンヴォーカルや、インダストリアル風味から派手めなオーケストラ、妖艶なプログレメタル風など多岐に渡る音色を使い、浮遊感を演出するキーボードを交えた、妖しく幻想的な作風。個人的には高音はSimen似、中音域はGarm似のクリーンヴォーカルの声質にはかなり惹かれるものがあります。正直SimenやGarm程歌唱力高いとは思わないけど、歌い方や声は凄く好み。
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FROZEN DEATH-RAVENSTORM ★★★ (2012-09-22 03:22:40)

2003年発表の1st。
元は自主制作盤でしたが、Midwinterから2000年発表のデモ音源「Winter Domain」を付けて再発されています。

で、内容なんですが、これがかなり素晴らしくてびっくり。
寒々しいメロディをトレモロリフ全開で奏でながら疾走するメロディック・ブラック。トレモロリフの頻度はメロブラでもかなり高めの方ながら、左右のギターでリフの絡みがあったり猛然と刻むパートを設けたり、ブラックメタル、ひいてはヘヴィメタルの範囲から逸脱しない、ストレートなかっこよさも強い音。

個人的な印象としては、DARK FUNERALやNAGLFAR辺りを、もう少しマイルドにしてトレモロ頻度を高めた路線という感じ。ただし音作りはそれらバンドと比べて大分チープで、プリミティブ寄りなんですが…ノイジーで刺々しい方向ではなく、篭もって丸いプロダクション
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NORTHDARK-Toward the Emptiness ★★ (2012-09-22 03:19:03)

2007年発表の1st。

この作品、様式自体はプリミティブブラックのそれを踏襲してる感じなんですが、メロディの使い方がカオスでカルトで非常にかっこいいです。メロ自体は正統派メタルのかっこよさ、もしくはペイガンの勇壮さを感じさせるものなんですが…疾走パートではそれを早回しして剃刀の嵐に叩き込まれるかのような、かなりイカれた感じになっていて非常に邪悪。スピーカーで聴くとコンポに悪霊が憑依したようにも聴こえる。

また、ヴォーカルも悲痛というか、怨念篭もってる感じで良いですね。割れまくりの、怨嗟と怒気を多分に孕んだ怒鳴り声。いわゆる怒号系ですが、野太いだけでなく、負の感情がたっぷり入っている感じが素晴らしい。プリミティブ系としては割と展開を重視した作風なんですが、イカれた部分と叙情的でかっこいい部分が適度にあって、カルトながらカルトすぎて自己満足にならない、マニア向け
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NORTHDARK ★★ (2012-09-22 03:18:09)

ロシア産ブラックメタルバンド。
これまでに4枚のアルバムをリリースしていますが、中心人物のD氏が自殺で亡くなったため、バンドは解散してしまった模様。

FOG-Through the Eyes of Night...Winged They Come ★★★ (2012-09-19 10:47:19)

2001年発表の1st。
ジャケ裏には7曲しか書かれていませんが、短いイントロとやけに長いアウトロを含むので、実際のトラック数は9。

…関連バンドのHORDES OF LUNAR EQLIPSEが割と良かったので、こちらも購入しましたが…予想以上に素晴らしいアルバムでびっくり。スタイルとしては、寒々しいトレモロや猛然とした疾走を交えつつ、緩急付けて展開する、オーソドックスなブラックメタルで、楽曲がやや長尺なことを除けば、特に衒いのある音ではないんですが…これが非常にかっこいい。

まずオーバープロダクションでもなく、ラフ過ぎて聴きづらいわけでもない、適度に湿り気と生々しさのある音作りが素晴らしく、その音でのブラストがホント気持ち良い。安心して音の渦に切り刻まれる感じ。圧倒的なのに、変に耳に痛くない音圧が最高です。加えて、ごくたまに現われる、正統派メタルにあ
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PLASMA POOL-Drowning ★★ (2012-09-19 10:40:37)

97年発表の、おそらく2nd。

Attila Csiharが参加していた事でも有名なバンドですが、音楽性はメタルとは少し距離を置いてる感じなんですね。打ち込みのリズムにシンセやサンプリング、Attilaのヴォーカルが乗り進行していくインダストリアルで、ギターこそ入っていないものの、アトモスフェリックなシンセが醸し出す近未来的だけど破滅的な雰囲気は、ABORYMなどのサイバー系ブラックに確実に通じるものがあると思う。厭人的、厭世的なムードが如何にもブラック人脈っぽい感じ。

そしてAttilaのヴォーカルは相変わらず人外ですね。
彼のトレードマークと言える低音で呪詛を唱えるような、ドスの効いた唸り声ももちろん聴けますが、ホイッスル気味の高音でキイキイ喚いてみせたり、低音で妖しく語るような声を聴かせたり、やはりこの手のヴォーカルの中でも抜群に表現力に長けている
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ISARNHEIMR-Isarnheimr ★★ (2012-09-19 10:36:14)

2006年発表の1st。
割とマイナーなバンドですが、これは意外にいいですね。

シンプルでミニマルな2ビート中心の疾走と、ドゥーミーに引きずり込むようなスローパートを軸に展開していく、如何にもなプリミティブブラックですが…疾走パートにおける、宗教的な恍惚感を引き起こすような神秘的なトレモロ、スローパートにおける聴き手を幻惑するような酩酊感、不協的な生理に訴える気色悪さの篭もったメロディなど、何気にリフのフレーズのセンスが良いんですよね。

ただ、SILENCERや初期BURZUMを、ちょっとヘナチョコにした感じのヴォーカルは頂けないかも…。常に情けなく裏返る寸前みたいな声で、メロディのスケールの大きさと今ひとつ噛み合っていない感じが…。時々殺気が上手く声に乗ってるような時もあって、ピンポイントでかっこよさを感じる時は割と多いんですが…。個人的な好みとしては
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FOREST-Forest ★★ (2012-09-19 10:32:32)

96年発表の1st。
複数のレーベルから何度も再発されているアルバムらしいですね。
私が持っているのは2002年に出たISO666盤。

ロシアのペイガンブラックではかなり名の知れた存在のようですが、これは渋い(笑)。渋いプリミティブと渋いペイガンを掛け合わせたら、激シブのブラックが完成した感じ。オーソドックスなプリブラにペイガン系土着メロとクリーン朗唱を加えた感じですが、3部作期のDARKTHRONE以上にリフのメロディはシンプルだし、クリーンも歌い上げるというよりは呟く感じで、語弊を恐れずに言えば地味な音だと思う。

とは言っても、流石何度も再発されているだけあって、音作りは(プリブラとして)完成されてると思う。このリフの歪ませ方が実に心地良く、ある意味癒されます(笑)。何気に4曲目のラストなんかではかなりメロウなメロディも聴けますし、全体的に控え
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POCCOLUS-Ragana ★★ (2012-09-16 22:24:36)

94年発表の1st。
2009年に96年のライブ2曲を追加、リマスターして再発されました。

NAHASHをレビューしたときも似たようなこと書いた気がしますが…PERGALEやSVARTTHRONを始め、リトアニアのブラックってどこか病的というか、グロテスクな感性を持っているバンドが多いという印象なんですが…このバンドも例に漏れず、黎明期の時点でこんなマニアックなブラックのスタイルを演ってたバンドがいる事に驚きを覚えるような、独自路線のペイガンブラックを演ってますね。

ペイガン系って、少なからず儀式的なムードを持つバンドが多いんですが、この作品はそのレベルを通り越して、ブラックメタルの様式を借りた儀式音楽という感じ。宇宙交信系の奥行きと澱みを演出するようなシンセ・アンビエントを背景にRAWなブラックを展開しているような音で、バンドによる音も土着的というには
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KOSA (КОСА)-EVILABSORPTION (ЗЛОПОГЛОЩЕНИЕ) ★★★ (2012-09-16 22:20:14)

2007年発表の1st。

ウクライナ産のペイガンブラックという紹介でしたが、基本的にはプリミティブブラックの様式を踏襲した作風で、リフに民族テイストのメロディで味付けをした感じですね。一曲目を聴いてまずドラムの音の篭もり具合に面食らいますが、アルバムが進むと大分マシになってきます(笑)。この打ち込みっぽい微妙なドラムのシンプルな2ビートを軸にトレモロの叙情的なメロディで攻めていく訳ですが、このメロディが実は凄く良い。

うっすらメロウなメロディ…というよりは、メロディのメロウ度自体はかなり高く、それが地下臭い音像に薄く被さっていく感じですね。時折このメロディを前面に出して、展開にドラマ性を持たせてくれますが…そのパートではどこかフレンチブラックめいた病的な耽美さも感じられ、それがウクライナらしい土着性と相俟って恐ろしいまでの邪悪さを感じさせてくれます。個人的には
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THE ARRIVAL OF SATAN-Vexing Verses ★★★ (2012-09-16 00:18:43)

2009年発表の2nd。
今にも自傷に走りそうなモノトーンジャケもヤバいですが、中身はジャケ以上に激ヤバな代物ですよ、これ…。

まず1曲目を聴いた時点で圧倒されるのが、殺意すら感じる音圧。ノイジーなギターリフも轟音といって差し支えないんですが、ドラムの演奏終わったらドラムセット一台オシャカになってるんじゃないかと思うようなカチコミブチ切れシバキ倒しっぷりが半端じゃないです。このドラミングが主軸となったやたらやかましい爆音は、プリブラのシャーシャー系ともウォーブラックのボロボロ系とも違ったRAWさがあって、辛口ながらも非常にかっこいい。

…と、まずはその殺気溢れる出音に圧倒されるんですが、よく聴くとリフの質感も独特。意識の底の底まで冷えるような、黒い光を放つうねりが込められているような感触で、一般的なプリブラのトレモロリフやオールドスクールなリフとは明らか
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VERMETH-Suicide Or Be Killed! ★★ (2012-09-16 00:12:26)

2008年発表の2nd。

MUTIILATIONやVLAD TEPESを輩出した事で知られる、フランスのブラックメタルサークルLes Legions Noires(The Black Legions)に属するバンドとして有名なVERMETHですが…他の関連バンドとは少し違う路線の作風ですね。特にMUTIILATIONを始め、LLN絡みのバンドって病的でRAWな作風が多い印象ですが、この作品から感じられるのは病的さよりもストレートな怒り。流石ブックレットに激しい言葉でポーザー連中やブートレグ等に対して激しい言葉で非難してるだけはあります(笑)。

作風的にはRAWで荒々しい、オールドスクールなブラックなんですが…RAWさが篭もった感触ではなく、ノイジーな轟音となって表われているのが特徴ですね。ベースが何気に音量大きめで、リフの荒々しさと相俟ってうねるように怒りを叩
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KRAKE-CONQUERING DEATH ★★★ (2012-09-15 09:52:52)

2012年発表の1st。

ショップの紹介でも、デビューアルバムにして完成度の非常に高いアルバムをリリースしたシンフォニック・ブラックメタルバンドが現れたと話題になっていましたが、確かにこれはクオリティ高いですね。流石ENSLAVEDやKEEP OF KALESSINの作品のリリースでも知られる大手レーベル、Indie Recordingが目を付けるだけあって、プロダクションやメロディの良さ、楽曲構成力などメジャークラスと比肩しうる質の高さのある作品だと思います。

この手の同系統のバンド…1st期のABIGAIL WILLIAMS辺りなどと比較すると、刻み中心の厚みのあるギターワークはドラマティックながらもメロディアス度はやや控えめ、加えてキーボードが楽曲を包み込むような、冷たくアトモスフェリックな音色を多用するため、どこか冷厳で神秘的な印象。ヴォーカルのデス声
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GRIGORI ★★ (2012-09-14 00:28:55)

ニュージーランド産独りブラック。
かなり宗教色強めなカルトなサウンド。

GRIGORI-Principivm et finis ★★★ (2012-09-14 00:28:09)

2009年発表の、ブックレットの香りが素晴らしい1st。
ULVERの「Blood Inside」もこんな匂いでしたね。

英古語やラテン語のフレーズをまぶして宗教色を演出するブックレットや、イントロから邪悪に響く聖歌SEなど、どこか3rd以降のDEATHSPELL OMEGAから世界観的な影響を受けているような感じを受けますが…こちらの方がもっとプリミティブ寄りで、ストレートな音ですね。ドゥーミーに引き摺るギターや聖歌、オルガンやキーボード等を組み合わせたSE的パートを挿入し、宗教じみた厳かなムードを醸し出しつつ進行するアルバム構成が特色。

この引き摺るようなギターはブラックメタル部分にも使われており、まるで邪悪な気を集める磁場がどす黒い音塊の中にあるかのような、圧迫感すら与える音像を演出してますね。加えて宗教的な厳かさが逆説的にブラック特有の邪悪さに繋
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VALHOM-Despair ★★★ (2012-09-13 23:32:03)

2007年発表の3rd。

このバンドって確かアメリカのブラックでしたよね?パッと聴いた感じ、北欧もしくはドイツ産っぽい雰囲気のある作風ですね。トレモロリフと疾走を組み合わせた展開で寒々しさを演出する音はちょっと昔のノルウェー産ブラックっぽいし、氷の礫を連想させる粗いリフにうっすらメロウなメロディを滲ませ、時折明瞭なメロディのフレーズが出てくるところなんかはジャーマンっぽいと思う。その良いとこ取りをしてドラマティックに仕上げた感じで、あまりアメリカっぽい印象はないですね。

メロウさ、妖艶さを強調するアトモスフェリックなキーボードの導入、メタリックになりすぎない=アトモスフェリックさを壊さない程度に用いられる刻みリフなど、各要素の取り入れ方がセンスいい感じで、北欧やドイツのブラックが好きならば安心して聴いていられる音。敢えて欠点を探すとするなら、ドラムの音が無味乾
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HORDES OF THE LUNAR ECLIPSE-Dancing Demons in the Grey-Lit Glade ★★ (2012-09-13 23:28:04)

2003年発表の1st。

バンド名は日本語に訳すると「月蝕の徒」みたいな感じでしょうか。どことなくシンフォニックだったり、オカルティックだったりするものを想像する名前ですが…実際は弾幕系とでも称したくなるような、衝動性溢れる荒々しいブラック。音量やや小さめ、しかし手数が多くRAWなドラミングが粗いギターリフと一体になって出来る、砲撃が次々に着弾するかのような音はWARブラックにも通じるダーティな聴き心地がありますね。

しかしそのRAWな音から漏れ聞こえてくるメロディは、バンド名から想起されるような、青い燐光が仄かに煌くようなオカルト性・ロマン性のあるものでなかなか素晴らしい。特にメロディアスさが強調された6曲目などは、彼らのメロディセンスが堪能できる好例と言えるでしょう。曲によっては弦楽器も導入し、エピックな展開を見せるなど、衝動性だけではない構築性もある楽曲
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SUPREMACY-Satanic Reich ★★★ (2012-09-10 23:14:16)

2003年発表の1st。
特価品コーナーからサルベージしてきたんですけど、これ、そんな扱いを受けるには余りにも不遇な名盤だと思います。もう一聴で邪悪さがビシビシ伝わってきますもん。

作風は、一言で言うなら「プリミティブブラックの要素を強化したFUNERAL MIST」。ヴォーカルこそシンプルなものの、リフが放つ宗教的な邪悪さ、禍々しさはかなり共通していると思う。ただしこちらの方がもっとRAWで粗い音作りだったり、リズムもシンプルな2ビート疾走中心だったり、よりプリブラに近いスタイルですね。

この作品を聴いて、まず圧倒されるのはその邪悪さ。粗い音が元々邪悪であったリフを更に強化し、澱んだ血腥いムードを醸し出し恍惚感すら覚える狂性を演出してます。そこに時折リードギターのフレーズも入りますが、これもまた狂的で非常に邪悪。噛み千切るような絶叫にリバーブを掛け、真
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DIES ATER-Odium's Spring ★★ (2012-09-10 23:10:38)

2007年発表の4th。

実はこの作品、当時聴いた時は余り好きになれなくって、時間を置いて聴いたら気に入った…というアルバムだったりします。作風としては、ドガバキダイナミックに疾走するドラムと、粗いだけでなく、重さや厚みもしっかり感じさせる刻みリフの迫力ある絡みを軸に据えた、非常に攻撃性の高いブラック。そこにアトモスフェリックなキーを被せ、直接的な暴力性だけでない邪悪さを演出しようという試みも見られます。

他のジャーマンブラックと比べると、デス的なダイレクトな攻撃性が高く、メロディアスな部分は少なめですが…いかにもジャーマンブラックらしい冷厳なトレモロが聴ける8曲目、スケールの大きい邪悪さの感じられるラス曲など、メロディを活用する場面ではしっかり聴かせてくれるのが良いですね。まあ個人的にはもうちょっとだけメロディアスな方が好みだったりしますが。


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APOSTASY-Nuclear Messiah ★★★ (2012-09-09 00:18:32)

2011年発表の3rd。

シンフォブラックの中でも、これはストレートにかっこいい一枚ですね。
メタリックで泣きの効いたギターソロを挿入したり、ダイナミックなリフ使いの中にハーモニクスやメロディを入れて味付けをしたり、動きの多いギターワークが特徴の作風で、キーボードを抜いてもメロブラ…というよりメロデスとして成立してしまいそう。刻みを多用しつつも決して単調にならないフレーズの組み方が非常にかっこいい。

また、これだけギターを前面に押し出した、メタリックなかっこよさ重視のサウンドながら、キーボードも要所要所でしっかり良い仕事をしてくれるのが素晴らしいですね。個人的には2曲目、「Parasite Swarm」の轟音の中で可憐に響く、流麗なピアノのフレーズなんかは物凄くツボ。時に壮大さ、時に不穏さを増幅させるような、オーケストレーションの使い方も上手いと思う。
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ASHES-HYMNS TO A GREY SKY (2012-09-09 00:14:08)

2005年発表の1st。

MAYHEMとTHE MEADS OF ASPHODELのスプリットやLUNAR AURORAの過去作、FLEURETY、HATE FORESTなど、有名なブラック関連のリリースも多いSupernal Musicから、UK産RAWアンビエントブラックのファーストアルバムがリリースという事で、セールで安価だった事もあって試しに購入してみたんですが…これは辛いですね(苦笑)。一昔前に「素人にはお勧め出来ない」というネットスラングが流行りましたが、正にそんな感じ。

内容はRAWアンビエントブラックという紹介の通り、デモっぽい粗い音質のオールドスクールなブラックを浮遊感あるキーが包むというものですが…まず構成が酷い。CDケースの背面には曲のタイトルが幾つか書かれているのに、何故かそれが1トラックに纏めて入ってる。しかも長々とSE的な音を挿入す
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ADUSTUM-SEARING FIRES AND LUCID VISIONS ★★★ (2012-09-03 19:01:44)

2011年発表の1st。
注目レーベルWorld Terror Committeeよりリリース。

ベルギー産ブラックメタルバンドのデビュー作という事ですが…ベルギーと言えば20年近いキャリアを持つ大ベテランのENTHRONEDが有名ですが、このバンドも新進気鋭ながらENTHRONEDに喰らい付かんとする、邪悪さもクオリティも非常に高いブラックメタルを演ってますね。ENTHRONEDやWATAIN、AZAGHAL辺りのハイクオリティな真性系のブラックが好きならば、何かしら感じるものはあるだろう作品。

音としては、ミニマリズムやRAWさに頼ることなく、メタリックなかっこよさを残しつつブラック特有の邪悪さもしっかり演出していく、ストレートなブラックメタルで、前述したバンドにかなり近いものがあると思う。ただしENTHRONEDやWATAINの近年の作品と比べると
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GRABNEBELFURSTEN-Von Schemen und Trugbildern ★★★ (2012-09-03 18:57:32)

2001年発表の1st。

やたら長いバンド名や謎のおっさんクリーチャージャケからしてヤバ気なオーラが漂いまくってますが(笑)、その予想(期待?)を裏切らない、奇妙で奇矯なブラックメタル。アトモスフェリック系のシンセやペイガン系のメロディ、メロブラ的なトレモロなどを用い、ドラマティックに仕上げたブラック…と書くとまともそうに聴こえるんですが、全体を通じて妙にユルい空気感があり、そのユルさ故になんだか前衛的で得体が知れない音に聴こえる感じですね。

まずメロディなんですが…普通にメロブラとしてかっこいい、冷厳で耳に残るメロディやペイガン系の土着的なメロウさを発揮する泣きメロをトレモロリフで弾いてたりして、センスの高さを感じさせてはくれるんですが…時折妙に調子の外れたようなメロディを仕込んでくるのが面白い。特に7曲目なんて、一部地獄のお笑い番組のテーマソングがあったら
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AD-HOC-Ad-hoC ★★★ (2012-09-02 00:27:02)

2011年発表の1st。

「アドホック」というバンド名からは、ついインダストリアル/サイバー系のブラックなんだろうな…と予想してましたが、ところがどっこい、激ドラマティックかつハイクオリティなジャーマンメロブラで、良い意味で裏切られました。このアルバムは2011年のリリースの中でもかなりお勧めですね。

路線としては、ヴァイオリンやピアノ、アトモスフェリックなキーボードを絡めつつ、灼け付くような哀愁リードギター、繊細に鳴り響くトレモロを駆使し、極上のメロディアスさで展開していくメロディック・ブラック。ヴォーカルの絶叫こそ食いしばった歯の隙間から憎悪が漏れ出してくるような憎々しげなダーティさを放ってますが、メロディがドイツ産らしい上品なメロウさに満ちていて、それだけでもう悶絶出来ます。

妖しい普通声などを取り入れたり、前衛的な感性も見え隠れしますが、
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BLODULV-Ⅲ - Burial ★★★ (2012-08-31 19:30:42)

2005年発表の3rd。

ファーストインプレッションは「ILDJARNのメロブラ版」?
やたら音のでかい、音圧で押し潰すようなノイジーなリフと、これまたノイジーなエフェクトを掛け、十分な声量と殺気を伴いつつ全力でがなり散らすヴォーカルを、打ち込みと思しきミニマルで、妙に抜けのいいドラムに乗せて展開する、RAWで極悪なブラック。「血の狼」のバンド名に恥じないクソ迫力ノイジー音質といい、ドラムのスチスチ感といいかつてのILDJARNを想起させる音。

但しILDJARNと異なるのは、こちらはメロブラ的なトレモロリフの含有率がかなり高く、極悪でありながらメロディアスな仕上がりになっていること。ほんの少しトラッド色も感じられる、勇壮さ漂うメロディ使いも見受けられ、単調なドラムスとも相俟ってパンキッシュなかっこよさに聴こえたりも。メロディの濃淡や緩急の付け方である程
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VORKREIST-Sabbatical Flesh Possession ★★ (2012-08-31 19:24:29)

2003年発表の1st。

人脈や関連バンドは真っ黒ですけど、作風の方は刻みやハーモニクスを多用したリフ、アングラ臭を効かせつつ低音を効かせ、血腥い暴力性を漂わせる音作り、ブラック系の喚きだけでなく地の底から響くような低音グロウルも使うヴォーカルと、かなりデスメタルの色も強い路線ですね。フランス産に多い病気っぽさはあまりなく、もっと直接的に禍々しく暴力的な雰囲気を伝えるような音。

個人的には、ドラムの音がちょっと篭もり気味なのがかなりツボなんですよね…。却って音が重々しく聴こえて、低音の効いたプロダクションとも相俟って絨毯爆撃でも受けているような感じ。心地良い蹂躙感です。また、アングラで暴力的な雰囲気とは裏腹に、メロいパートは何気にかなりメロディアス。特に9曲目なんて、最初期のARCH ENEMYが泣きメロとギターソロを捨ててアングライズムに特化したような雰囲気
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VORKREIST ★★ (2012-08-31 19:22:06)

フランス産デス/ブラックメタル。
SECRETS OF THE MOONを始め、様々なバンドに参加した経験を持つ女性ベーシストのLSK氏や、MERRIMACKのA.K.氏らが関わるバンド。

DIN BRAD ★★ (2012-08-30 23:37:08)

ルーマニア産ペイガン/ネオフォーク。
NEGURA BUNGETのメンバーによるサイドプロジェクト。

DIN BRAD-DOR (2012-08-30 23:34:15)

2012年発表の1st。

ブラック好きの間でカルトな支持を集める、NEGURA BUNGETのサイドプロジェクトという事ですが…こちらは本家とは異なり、メタル色のない、純粋な暗黒フォークサウンドという感じですね。パーカッシブなリズムやマンドリン、笛などによる薄暗い民族メロディにより演出した幻想的ムードを、更にドラッギーに広がるシンセが包み込み、そこに妖艶な女性声メインのヴォーカルが乗るスタイル。

このヴォーカルがかなり表現力豊かで、森の深部で魔女の説法を聴いているような感覚に陥るんですが…個人的にはこの作品、ヴォーカルがメイン過ぎる感じなんですよね…。アカペラ曲も多く、基本的にヴォーカルの表現力ありきで作られている感じで、私としてはもっと音響・音像重視の作風の方が好みだったり。と言っても純粋な好みの問題で、女性ヴォーカルは十二分に巧いし、男性ヴォーカルも笑いな
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