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Usher-to-the-ETHERさんの発言一覧(評価・コメント) 時系列順 51-100
SECRETS OF THE MOON-SUN
CRONE-Gehenna
清春-シングル / カップリング / その他アルバム未収録曲等-窓
清春-UNDER THE SUN-JUDIE
清春-SOLOIST-FUGITIVE
清春-SOLOIST
LANIAKEA-A Pot of Powdered Nettles
ODIOUS-Skin Age
DEATHCODE SOCIETY-Eschatonizer
STAHLSARG-Comrades in Death
EASTERN FRONT-Descent Into Genocide
オプソドラス (オサンコラ)
ANACHRONAEON-The Oracle and the Keyholder
HORNWOOD FELL-Yheri
MIGHTIEST-SinisTerra
SOV-Aklamerad Kalamitet
SUSPIRAL-Delve Into the Mysteries of Transcendence
WRATHFUL PLAGUE-Thee Within the Shadows
SKÁPHE-Skáphe²
HAAT-Recidivus in Obscurum
GLORIOUS AGGRESSOR-Retribution Curse
MÄAX-Six Pack Witchcraft
GRAFVOLLUTH-Long Live Death!
NULLINGROOTS-Take Care
ASGRAUW-Krater
BLACK CILICE-Mysteries
THUNDERBOLT-Apocalyptic Doom
FUNERAILLE-Dis Pater
CRIMSON MOONLIGHT-Veil of Remembrance
GALGERAS-Booswichterij
CONTROL HUMAN DELETE-Terminal World Perspective
VIRVEL AV MORKERHATET-Metamorphopsia
SVÄRTA-Sepultus
EOSPHORUS-Winds of Apep
THE UGLY-Decreation
EMPYRIUM-The Turn of the Tides
STURMGEIST-Meister Mephisto
EBONY LAKE-In Swathes of Brooding Light
AIHISNA-凛然とした夢百合水仙
AIHISNA
LE GRAND GUIGNOL-The Great Maddening
EWIG FROST-Rust
ZAVOD (ЗАВОДЬ)-Through the Circle and Five Angles (Крізь коло і п'ять кутів)
MAELSTROM (UK)-Sunlight
EYECULT-Morituri Te Salutamus
P.H.T.O-Affliction
NJIQAHDDA-The Path of Liberation from Life and Death
NJIQAHDDA
RIMTHURS-Svartnar
SEA OF TREES-Aokigahara
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発言している3曲を連続再生 - Youtube



SECRETS OF THE MOON-SUN ★★★ (2016-09-05 10:46:10)

2016年発表の6th。

このバンド、個人的には「ブラックメタルの深遠さを聴かせるバンド」としてイチオシなんですが、今作でもまた深化した音楽性を聴かせてくれますね。「Antithesis」「Privilegivm」「Seven Bells」に続く、ミディアムテンポで陰影の濃い、どっしりとしたブラックを聴かせる路線をベースにしつつ、リフの質感がヘヴィネスより音響的な広がり重視になっていたり、ヴォーカルがクリーンメインになっていたり、今までよりも抽象的なムード作りを優先しているという印象の音に。

…正直、視聴した当初はクリーンがメインになるのは残念だと思っていたんですが、じっくり聴いてみるとこれはこれで悪くないんですよね。無気力に呟くような声が中心ですが、これが隠喩に富んだ、抽象的な歌詞をよりダイレクトに伝える事に貢献しているように思えます。アルペジオなどに顕著に
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CRONE-Gehenna ★★ (2016-09-05 10:45:37)

2014年発表の4曲入りEP。

SECRETS OF THE MOONの中心人物であるsG氏らによるプロジェクトという事で購入。…この後に出た、SOTMの新作「Sun」は今までの路線をある程度引き継ぎつつ、ややブラック離れしたアプローチで更なる深遠さを感じさせてくれる一枚でしたが、この作品はそのステップ・ストーン的な役割も大きかったのではないでしょうか。

音としては、SOTM絡みらしい暗黒な空気感を醸し出すアルペジオなどは引き継ぎつつ、よりポストロックに寄った路線でしょうか。無気力で気だるげなヴォーカルはSOTMの最新作「Sun」にも引き継がれてますね。微妙に昔のOPETHを思わせるリフがあったり、全体としてはSOTMと差別化されている感じですが、スラッジめいたどす黒く引き摺る音響重視のパートなんかは、SOTMの「Sun」にあってもおかしくないと思えたり。
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清春-シングル / カップリング / その他アルバム未収録曲等-窓 ★★★ (2016-08-29 17:48:57)

以前いつかのインタビューで、「カップリングもシングルになり得る位良い曲って言われたい」という主旨の事を言っていたような記憶がありますが…これ物凄く良い曲ですよね。「輪廻」は重要な曲なのでタイトル曲になるのは分かりますが、時期をずらしてシングルにすればいいと思うくらいに…。
サビも悪くないんですが、素晴らしいのはラスト。メロディと声質、歌い回しが最ッ高にマッチしていて、惹き込まれるのを止められない…。この部分を聴くと、今更ですが天性のものを持ってるヴォーカリストだと再認識させられます。

清春-UNDER THE SUN-JUDIE ★★★ (2016-08-29 17:46:10)

これは本当に名曲。
ソロならではの緻密なアレンジがありつつ、刺激的でキャッチー極まりない歌メロやロックとしてのダイナミズム、彼の音楽ならではの頽廃性があり、サビでの小憎らしいまでのクールでキマった歌い回し、呻き声のようなシャウトなど、ヴォーカル部分にキッズが真似したくなるような要素が多くて素晴らしい。
しかしこの歌メロを聴くと、清春さんは印象的な歌メロを書く天才かもしれない…と思わされますね。「Love nest in love nest in」とか一回聴いたらメロも歌詞も頭に刷り込まれて脳内リピート止まらなくなります。

清春-SOLOIST-FUGITIVE ★★★ (2016-08-29 17:44:32)

理屈は分かりませんがものすごく惹き付けられる曲。
メロディは起伏があるし、メロウな中に彼特有の妖艶さが漂っているんですが…正直そんな説明では何故ここまで良い曲に思えるかは伝えられません。どうも感想を具体的に書こうとすると分析的に聴く癖が付いちゃいますが、それを放棄したくなるような良い曲です。

清春-SOLOIST ★★★ (2016-08-29 17:43:57)

2016年発表の8th。

実は彼の関連バンドはSADSの途中くらいからあまり熱心には聴いていなかったのですが、今回アルバムを購入し、本腰を入れて聴いてみて驚きました。楽曲が物凄く良く、かつ丁寧に作られていることと、彼のパブリックイメージである「頽廃的・攻撃的なロック」からかなり遠ざかりつつ、幅広いアレンジが施されているんですよね。前作は「JUDIE」「Law’s」などまだその要素強めな曲もありましたが、今作はそういうイメージとは関係なく、本当に「自然体の、良い音楽を届ける」事に専念している感じ。

…こう書くと以前の黒夢やSADSの音楽に憧れた人にとっては刺激が足りないのでは?と思うかもしれませんが、時に重層的な音作りを見せたり、時にロックのかっこよさを感じられるアンサンブルを聴かせるアレンジは十二分に刺激的。歌や歌詞、リズム、楽器のフレーズ、アレンジなど、聴け
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LANIAKEA-A Pot of Powdered Nettles ★★ (2016-08-28 07:49:06)

2016年発表の1st。

現ULVERのメンバーで、SUNN O)))のライブメンバーでもあるというDaniel O’Sullivan氏のプロジェクトかつ、ULVERの新譜をリリースしたHouse of Mythologyからのリリースという事で、ブラックやドゥーム、エクスペリメンタルメタルなどの愛好者から注目が集まっているであろう一枚。ジャケットのウサギもお洒落で可愛らしく、つい手に取りたくなってしまいます(笑)。

音的にはメタルの要素は薄く、SUNN O)))にも通じるノイジーなドローンリフやアトモスフェリックなキーボード、オルガンやノイズ、サンプリングなどを重層的に組み合わせ、瞑想状態の脳波に寄り添うような、トリップ的で心地良い空間を演出するような、アンビエント/ポストメタル路線。ULVER関連の音源ですし、もっと早く感想書こうと思ってたんですが何回も心
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ODIOUS-Skin Age ★★★ (2016-08-26 10:49:22)

2015年発表の2nd。

一言で説明するならば、デスメタル的なヘヴィネスと、中近東風の妖しげなメロディを取り入れたシンフォニックブラック。日本盤が発売されている事からも分かる通り、モダンでヘヴィさを余すところなく伝えるプロダクションを始め、凄まじくクオリティの高い作品。モダンで整った音ですが、その「ヘヴィさをダイレクトに伝える」性質は、中近東系のエキゾチックなメロディと以外にも相性が良く、密教的な妖しげな世界観により一層の説得力を与えている感じがします。

また、楽曲も「中近東風」メロディが常に横行してはいますが、場面によって浮かんでくる情景が全く違うメリハリの付いた展開なのが良いですね。エジプトのピラミッドを遠景で映していたり、墓を荒らす物達へのファラオの怒りが荒れ狂う場面だったり、色々なシーンが浮かびます。基本いかめしいまでの重々しい音で爆撃する感じですが、
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DEATHCODE SOCIETY-Eschatonizer ★★★ (2016-08-26 10:40:28)

2015年発表の1st。

…なんというか、このカヴァー曲の並びはずるくないですかね(笑)。JUDAS PRIESTで正統派メタルファンにもアピールしておきつつ、ラスト限定盤のみにEMPERORのカヴァー入れるとか…そりゃブラック好きなら興味惹かれない訳ないじゃないですか…!!

そして内容の方もEMPERORをカヴァーするのに恥じないほど、オーソドックスでハイクオリティなシンフォニック・ブラック。キーボードこそ大仰ではありますが、ギターリフが結構不穏なものを弾いていたりするので、ピリッとしたインテンスさが効いている印象。ヴォーカルの絶叫が(特に中期の)EMPERORに近いことも相俟って、EMPERORの2ndと3rdのミッシングリンクを繋ぐような作品にも思えます。

Osmose産らしく、メタルとしても非常にクオリティが高くJUDAS PRIESTの
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STAHLSARG-Comrades in Death ★★★ (2016-08-13 09:50:34)

2015年発表の1st。
EASTERN FRONTの元メンバーが在籍。

…まず一つ言いたいのは、このアルバムが非常に優れたメロブラである…という事ですね。ブラックらしい邪悪メロウなトレモロで聴かせる展開を主軸に、メロデスにも通じる展開の起伏、デスメタル的な重さなども取り入れた良いとこ取りなサウンドですが、トレモロリフで攻めるパートにはDARK FUNERALにも通じる暗黒性と叙情性のバランスの良さが感じられ、決して中途半端にならないレベルの高さがあるように思います。プロダクションもクリアながら、モダン過ぎて聴き疲れしたり雰囲気を損なったりすることのない良質なもので、全体的に高品質な逸品。

ただ、二つほど大きな欠点があるのが惜しいんですよね…。まず一つはヴォーカル。ドスを効かせてがなるスタイルは禍々しさを感じさせ非常に宜しい…のですが、何故かアクセントに
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EASTERN FRONT-Descent Into Genocide ★★ (2016-08-08 19:03:39)

2014年発表の2nd。

バンド名の示す通り、「戦争」をテーマにしたブラックメタルを演っているバンドですが、いわゆる「ウォー・ブラック」的なダーティでアンダーグラウンドな手法ではなく、整ったヘヴィな音で畳み掛ける、ブルータル・ブラック的な音に近い感じですね。時折トレモロリフによるメロディを前に出すパートはあるものの、メロディアスさを過剰に押し出さず、あくまで冷徹で無慈悲な音を貫くスタイルはMAYHEMの「Wolf’s Lair Abyss」辺りと共通するものがあるかも。

「ブルータルな音」としての音作りのレベルはかなり高い印象で、特に速さだけでなく「重さ」も備えたドラムの音が、楽曲の暴虐性を更に際立てている感じ。殺気立ったヴォーカルの絶叫もそうだし、時折出てくるメロディアスなパートでもメロディ自体が幽鬼的な不気味さがあったり、荒廃したネガティブさを醸し出してい
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オプソドラス (オサンコラ) ★★★ (2016-08-08 19:01:37)

まるでコリドラスが古代魚になったかのような、不思議な見た目の魚。色が焼き魚のようでおいしそう(笑)。個人的な印象としてはコリドラスよりも更に丈夫で、特に餌に対しての貪欲さは凄まじいものがあります。普段は物陰でじっとしているのに、餌を撒くと体をビクンビクンさせて躍り出てきます(笑)。給餌時以外にも夜中は結構遊泳しているようですが、他の魚を襲うことは殆ど無いので飼い易いといえるかも。
…コリドラスと比べるといまいちマイナーなのは、枝分かれした髭が昆虫っぽく好みが分かれるからでしょうか。丈夫だし個人的には好きですけどね。

ANACHRONAEON-The Oracle and the Keyholder ★★ (2016-08-08 09:00:21)

2015年発表の5th。

メンバーの内2人が参加する関連バンド、EYECULTも相当にメロディックな音でしたが、こちらもかなりメロディの立ったエクストリームメタルを演ってますね。ただしこちらはもっと真っ当なメタルの価値観で作られている感じで、メロデス8割・メロブラ2割…という感じの音。ブラックメタル的な地下臭い雰囲気や邪悪さを重視するとEYECULTに、メタリックな整合性や攻撃性を重視するとこのバンドの音になるのかもしれませんね。

ただしメロデスとしてはかなり攻撃性の高い音で、ブラストを主軸にしたリズムと同期して猛然と刻み込むリフを聴かせる殺傷力のあるパートがあったり、ヴォーカルがいかめしい低音グロウルで吼えていたりして相当に獰猛な音。とは言え、メロブラ的なトレモロリフによるメロディにもかなり重きが置かれており、マニアックになり過ぎない間口の広さがある感じ。エ
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HORNWOOD FELL-Yheri ★★ (2016-08-08 08:56:51)

2015年発表の2nd。

MAYHEMを始め、ENTHRONEDやWATAINなどに通じる、メロウさ・邪悪さ・攻撃性のバランスの取れたブラックメタル。乾いた質感がありながらもクリアな音作り、トレモロ疾走のみに固執しない起伏ある展開、殺気の篭もったヴォーカルのがなり声、土着性の感じられる不気味なメロディ…と、各要素ソツなくレベルの高い音ですね。結成は2013年の半ばとかなり新しいバンドのようですが、クオリティは既に第一線級。

ブラックメタルの王道の様式をほぼ踏襲しているような音で、特別に尖った作風という訳ではないですが、自然(土着性)と超自然(オカルト)の要素が交じり合ったような、独特な雰囲気があるのが特徴でしょうか。不気味で生気のないクリーンヴォーカルを取り入れたり、所々メタルを若干逸脱して、アンビエンス重視の志向性の禍々しさを醸し出したり、ムード作りの為の創
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MIGHTIEST-SinisTerra ★★ (2016-07-09 11:41:55)

2016年発表の1st。

メンバーは他のバンドを演ってたりしたとはいえ、なんと結成から20年以上が経ちようやく発売された初のフルアルバムだとか。だからなのか、楽曲の展開はかなり力が入っている印象。ドラマティックな展開から伝わるメタリックな力強さ、エピックな土着性が演出するメロウさを丁寧に組み合わせ、トレモロとブラストのみに頼り過ぎない劇的なブラックメタルを演出してます。朗々としたクリーンで歌い上げるパートなんかは若干ペイガンに通じる部分も。

ただし、プロダクションは一般的な「良い音」ではなく、リフをノイジー&ファジーに聴かせたり、アトモスフェリックなキーボードで音像を包み込んだりなど、ブラックならではのやり方で神秘性を強調したもの。この音作りと曲展開のバランスが織り成す独特の神秘性から、ショップでLUNAR AURORA辺りが引き合いに出される所以なんでしょう
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SOV-Aklamerad Kalamitet ★★ (2016-07-08 11:27:40)

2016年発表のEP。
今の所この音源のみリリースしているようです。

ショップの紹介でSNSのアカウント等も特に持たず、正体不明のバンドとあっただけあって、音源を視聴できる所も見つからなかったんですが、何となく衝動的に購入してしまった一枚。しかも値段的にフルアルバムだと思ってたら6曲入り、演奏時間23分強のEPだったという…(笑)。

そんな感じでしたが、まあ内容的には悪くないですね。グルグルと渦巻くような低音がある意味でアトモスフェリック・ブラック的な音像を演出する、意図的にRawさを演出したブラックで、怨嗟や憎悪の篭もったエモーショナルな絶叫を聴かせるヴォーカルは少しハードコアテイスト入ってる感じでしょうか。

結構色々な要素を取り入れるタイプで、オールドスクールな疾走やメタリックなギターソロを見せたかと思えば、オープニングからデジタルな処
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SUSPIRAL-Delve Into the Mysteries of Transcendence ★★ (2016-07-02 22:12:56)

2016年発表の1st。

流石I, Voidhangerからのリリースだけあって、ユニークなブラックメタルを展開してますね。メタリック、アトモスフェリック、カオティックの三要素を上手いバランスで組み合わせ、独自の視点で暗黒趣味な世界観を追求していくような音。纏わり付くようなノイジーさのあるプロダクションは邪悪なアトモス系ブラックのようですが、展開はトレモロ疾走に頼りきらない重厚でドラマティックなもので、刻みリフやギターソロなどパーツ自体は意外にもメタルしてます。

ただし、それらによって紡がれるメロディがひたすらにカオティックで不協的なのが最大の特徴。メロディを感じられるパートは少なくないんですが、メロウさよりも混沌としたムードが非常に強いんですよね。ヴォーカルが呪詛を吐くような低音がなり、助けを求めるような絶叫などを使うタイプであることも相俟って、聴いていると
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WRATHFUL PLAGUE-Thee Within the Shadows (2016-06-29 09:21:48)

2013年発表の3rd。

…これは今まで聴いたものの中でも最高クラスに「訳の分からない」ブラックメタルかもしれません。根幹はアンビエント要素を含むRawなメロディックブラックで、薄っぺらで金属質なノイジーさで責めるリフ、じっとりとしたダークさを演出するアンビエント要素、毒蛇が「シャーッ」という音を真似たようなヴォーカル(微妙)など、一般的なブラックの範疇にある部分はまあ普通に楽しめる感じ。

ただ、何故か多くのパートにおいてギターリフやヴォーカルが、左右チャンネルを行き来するようなミックスになっているのが意味不明なんですよね。催眠的な効果を醸し出したいのかもしれませんが、正直気が散るだけで大して効果的とは思えないです。バンドサウンドをフェイドアウトさせ、アンビエントパートにもつれ込んでいく展開も消化不良感が…。バンドの音を音素の一つとして捉え、加工する事を躊躇わ
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SKÁPHE-Skáphe² ★★★ (2016-06-29 09:19:20)

2016年発表の2nd。

もう赤と黒メインのヴィジュアルのジャケからして饐えた血腥い臭いが漂ってきそうで、思わずレジに持って行きたくなりますが…中身もこのジャケの雰囲気まんまですね(笑)。下手に音圧を稼ぐわけではなく、纏わり付くような瘴気を発生させるようなノイジーなリフ、そこにぶよぶよした質感をプラスし、更に生臭さを際立てるベースなどが絡み、極めて不快指数(愛好者的には快楽指数)高い空間を演出する、カオティックでRawなブラックメタル。

この音源、とにかく混沌とした空間の表現が上手いんですよね。ただでさえ音像が赤黒く不気味なのに、そこに溶け込みながらも妙な生々しさを感じさせるヴォーカル、メロウさよりも不協的な不気味さを感じさせるギターのフレーズなど、楽曲を彩る全てがどす黒さを助長している印象。DEATHSPELL OMEGAがテクニカルさや神秘性ではなく、ひた
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HAAT-Recidivus in Obscurum ★★ (2016-06-27 23:30:08)

2002年発表の1st。

Hailリストの中にILDJARNやAKITSAがあったり、ボーナスにVONのカヴァーを入れていることからも想像の付く通り、一般的な意味での聴き心地の良さに反逆するようなRawブラック。特に打ち込みと思しきドラムの音色が印象的で…ILDJARNがよく演っていた、スチスチと抜けの良い金属的な音にそっくりで、そこか非常に特徴的なんですよね。

リフも薄っぺらなノイジーさではなく、厚みのあるエグめの音で、前述のスチスチいうドラムと相俟ってILDJARNにも通じるプリブラ特有の、この手が好きな人のみが感じられる心地良さが演出されてますね。また、曲間にダークアンビエントを挟みこむのも印象的ですが…雰囲気の演出は良いものの、音割れしてたりするのはちょっと雑に感じてしまうかも。

プリブラって3部作期のDARKTHRONEフォロワーやMU
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GLORIOUS AGGRESSOR-Retribution Curse ★★ (2016-06-27 23:28:19)

2012年発表のEP。
500枚限定で、今の所この音源しか発表していないようです。

まるで日本の某有名メタルバンドの楽曲のようなバンド名ですが、れっきとしたアメリカンブラック。メンバー構成のデータも無く、全く未知数のバンドの初音源としては何気に結構良いレーベル(Obscure Abhorrence)からリリースされているんですが、確かに北欧産、特にノルウェー産のバンドに通じるような、土着性の高い邪悪メロウなトレモロリフなんかは、凄くセンスを感じられるんですよね。

ただ、時折正統派メタルのような流麗なギターソロに展開を割いたり、ドラムがかなり軽めだったり結構特徴的な部分もある印象。特に後者は、真性ブラック的な重々しさは若干薄れてしまっている気はするものの、炸裂感というか聴いていて気持ちの良い音になっており、マイナスにはなっていないように思います。ソロも微妙
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MÄAX-Six Pack Witchcraft ★★ (2016-06-27 00:01:17)

2010年発表の5曲入りEP。

このタイトル…中古で安かったこともあったんですが、ついレジに持って行ってしまった私の気持ちも分かるでしょう(笑)。シックスパック(腹筋が発達し6つに割れている状態を指す)の魔術って…どんなやねん!と…(笑)。しかもジャケット裏のメンバー写真がめっちゃイカツイし。

…ただし内容は、意外にも(?)真っ当なパンキッシュ&オールドスクールなRawブラック。ひたすら脳筋(むしろ腹筋?)な音かと思いきや、若干メロウなリフやハードロック調のリフも使用し、結構展開には起伏がある感じ。何気にヴォーカルの怒声が凄まじくかっこいいんですよね。特に2曲目エコーが掛かって掛け合いのようになっているパートとか凄く良いです。

なによりくぐもったローファイで粗い音が気持ち良いですし、半ばネタのつもりで購入しましたが結構楽しめてしまいました。Raw
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GRAFVOLLUTH-Long Live Death! (2016-06-26 23:59:07)

2011年発表の2nd。

…一言で言うならば、「色々やる系」のブラックでしょうか。
どす黒いエナジーが密集するかのようなノイジーな音像と、粘着質さと切れ味の良さを兼ね備えた、凄まじく邪悪ながなり声を聴かせるヴォーカルが、凄みを効かせる真性ムード高いブラックをベースに、宗教的クワイア風のSEやノイズ方面へのアプローチなど、様々な工夫を凝らして聴かせる音。

ただ、それが必ずしも良い方向に作用しているとは言い難いのが悲しい所…。特にアンビエントに寄ったパート、幾らなんでも音割れ気味の微妙な音色のキーボードや、単調なアルペジオで何分も引っ張るのは肯定的には見れないです。前述の宗教的クワイアも同じフレーズ連続させ過ぎて何かシュールですし…。ひしゃげた音色のトレモロが地獄の情景を映すような、アトモスフェリック寄りのパートやパーカッシブなドラムが儀式的な雰囲気を演出す
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NULLINGROOTS-Take Care ★★★ (2016-06-26 12:53:12)

2016年発表の3rd。
日本のMaa Productionsからのリリースという事で注目してる方も多いのでは。

ブラックメタルの攻撃性と、シューゲイザーの儚いメロディを混合した、いわゆる「ブラックゲイズ」と呼ばれるような音ですが…その両要素の配分がかなり好み。ノイジーさによりアブストラクトな光景を演出しつつも、バンドの音としての魅力もちゃんと感じさせるプロダクション、弱々しさを全く感じさせない絶叫、疾走パート多めながらメリハリの付いた展開など、メタルの魅力をしっかり演出した上で、儚く悲しげなメロディを全編に大胆に取り入れているのが素晴らしい。

ホントにこのバランスが、生と死の境界を彷徨っているような印象を与えるんですよね。ブラックメタル由来の攻撃性は生への執着だったり人生への悔恨から来る無念さ、儚いメロディや非日常的な音像が演出するのは幽世の光景がほの
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ASGRAUW-Krater ★★ (2016-06-26 12:50:29)

2016年発表の2nd。

これ、Hidden Marlyから日本盤が出ている上に、ショップでLUNAR AURORAが引き合いに出されていて、物凄く興味を惹かれたんですが…正直そこまでLUNAR AURORA的な魔性のある音だとは思わないんですが、アトモスフェリックさとメタリックさのバランスのいい、優れたメロブラで、Hidden Marlyが目を付けるだけのことはある作品だと思います。

薄くざらつくようなノイジーさのプロダクションの中で、高音域の清浄な音も含むメロウなトレモロを、時にスラッシーだったりオールドスクールな側面も見せるバンドサウンドに絡めていく、繊細さと攻撃性の入り混じるメロディック・ブラック。音像は派手とは言いがたく、ものすごくインパクトのある音という訳ではありませんが、良く聴くとメロディの絡ませ方がかなり魅力的だったりします。集中して聴けば聴く
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BLACK CILICE-Mysteries ★★★ (2016-06-19 10:35:04)

2015年発表の3rd。
活動当初よりかなりの数のデモをリリースしているようですが、フルとしては3枚目。2016年に日本のレーベル、Hidden Marlyが再発しているので、そこで聴いた人も多いのでは。

ディプレッシブ系の鬱要素と、プリミティブ系の粗さを組み合わせて独特の陰湿さを表現するブラックメタル。疾走の頻度も高いミニマルなリズム、腐食を促すようなネガティブ極まりないメロディ、ザンザンに降り付ける酸性の雨を思わせるような粗いプロダクション…と、音を構成する要素がお互いにカルト臭を高めあい、ある意味でカリスマ性すら感じさせる雰囲気があるように思います。

特に特徴的なのは余りにもRawな音。ギターの歪みの出力が不安定で、ノイズが妙な波形を描いているのだと思いましたが…このノイズに聞こえるやつ実はヴォーカルだったんでしょうか(笑)。ただ、このプロダクショ
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THUNDERBOLT-Apocalyptic Doom ★★★ (2016-06-19 10:31:59)

2007年発表の4th。
この後バンドは解散しているようなので再結成が無い限り目下最終作ですね。

なんとなくパワーメタルバンドっぽいバンド名な気がしますが、中身はブラックメタルのど真ん中直球を行くような音。不気味さやメロウさを感じさせるトレモロやブラストでの畳み掛けによるメリハリの付いた音で、時折MAYHEMの1st辺りのブラックメタル原典へのリスペクトも伺える展開もあるのが熱い。

基本北欧ブラックに通じる邪悪さをストレートに体現してる音ですが、ブラストで畳み掛けるパートでの暴虐性であったり、デスメタル的な切り返しなどはデスメタル大国ポーランドのお国柄を感じる部分かもしれません。プロダクションのノイジーな質感も相俟って、WATAINやMAYHEMなんかと比べるとどこか乾いた印象もありますね。

取り合えずブラックが好きであればなにかしら感じる
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FUNERAILLE-Dis Pater ★★ (2016-06-05 12:01:34)

2009年発表の1st。
中心人物のLyshd氏は元ANNTHENNATHだとか。

何となく好戦的な感じのするバンドロゴですが、実際はフランス産らしい病的なムードやメロウさを強く感じさせる、雰囲気重視なプリミティブ・ブラック。どこか閉塞感を覚えるようなジリジリした音色のリフによる、湿り気のあるメロディや、遠吠えのような掠れきったリバーブの効いた絶叫が、陰々鬱々とした空気感を演出する音。

そこにアトモスフェリックなキーボードが被さってくるのも特徴で、音色だけ聴くとどこか光が差すようにも感じられるんですが、何故かバンドの音と合わさるとより閉塞感を増しているように聞こえるんですよね。また、一部ヴォーカルがガテラルめいた低音も使う部分もありますが、それがまた楽曲のジメジメした薄暗い雰囲気を助長しているように感じます。総じて、プリミティブ系としてはかなり陰湿な印象
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CRIMSON MOONLIGHT-Veil of Remembrance ★★ (2016-06-05 11:58:01)

2004年発表の2nd。

97年から活動するバンドで、初期はシンフォニックブラックだったらしいですが、現時点ではほぼシンフォ要素はなくなり、メロウなメロディを練り込んだトレモロを効かせつつ、メロデス的なメタリックさも垣間見せるリフ捌き、疾走パートではファストブラック並の怒涛の突進振りを見せるリズムなどを武器に聴かせる、メロディックブラックに分類出来そうな音になってますね。

正直、ドラムの音は若干チープさを残しているんですが…だからこそ、無軌道なまでに突進するパートでの野蛮さや殺傷力は、整いきったモダンな音を出しているバンドよりも高いように思います。ただ、ファストパートでのキレ具合が凄くツボなだけに、ちょくちょくミッドテンポで刻みリフを入れたり、メロデスに近いアプローチが見られるのが何となく中途半端に聞こえてしまいますが…。WATAIN辺りと比べるとミッドテンポ
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GALGERAS-Booswichterij ★★ (2016-06-05 11:56:05)

2005年発表の1st。

タイプとしては典型的なプリミティブブラックで、如何にも人体に有害な成分を含んでいそうなノイジーなリフと、ガラガラに歪んだヴォーカルが殺伐とした雰囲気を強烈に醸し出している音。メロディ薄めのミッドテンポのパートでは若干の淡白さを感じるものの、ノイジーなリフから漏れ聞こえるメロディはそれなりの威風があるし、ヴォーカルも堂に入った殺気たっぷりのパフォーマンスで聴かせてくれます。

ただ、妙にキーボード・アンビエントへのこだわりを見せる部分がちょっと微妙なんですよね…。オープニングのインストに3分以上も割いたり、ヴォーカル入りとはいえ5分以上のキーボード曲をプリブラ曲の間に挟むのは流石にダレる気が…。この要素が、プリミティブブラックのパートにあまり反映されていないのは、幸と見るか不幸と見るか…。

しかし、オランダのバンドは北欧のバ
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CONTROL HUMAN DELETE-Terminal World Perspective ★★ (2016-06-05 11:53:39)

2007年発表の1st。

何となくジャケットから予想が付く音ではありますが…打ち込みのマシンビート、サンプリングなどをバンドサウンドに絡めたインダストリアルブラック。ノイジーなリフの音色とこれらインダストリアル要素の相性は良く、厭人・厭世的なムードが上手く演出されてますね。バンドの音単体だとリフに愛想のないパートでも、アトモスフェリックなキーと合わせることで上手い情景の演出になっていたり、この手としてのセンスはなかなか。

個人的には、この音源はマシンビートの使い方が上手いのが良いんですよね。どうもこの手のリズムに打ち込みを取り入れたブラックは、過激な音にしようとドラムのアタックの強過ぎる音像にして、うるさいだけになってしまいがちですが、そこに陥っていないのが良いです。特にトレモロを伴う豪速の疾走パートでは、プリミティブブラックを聴いているような酩酊感を覚えられ
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VIRVEL AV MORKERHATET-Metamorphopsia ★★★ (2016-05-29 16:09:19)

2016年発表の2nd。

これはクオリティとカルト性を高いレベルで両立させた良盤なのではないでしょうか。路線としては、RAGNAROKやTSJUDER辺りを思わせる、ブラストによる疾走を軸にした苛烈なリズムと、トレモロを交えたメロウなリフで聴かせる、北欧メロディック/ファストブラックに近い音。パートによってはVED BUENS ENDEやPARIAなどに近い変則アンサンブルや、効果音・ナレーションなどのSEを挿入し、不条理さを加味するような場面も見られますね。

ただ、前述したバンドと決定的に違うのは、主に疾走時に於けるリフの質感でしょうか。前述のバンドは切れ味の鋭さやメロディのメロウさで聴かせる感じなのに対し、こちらは融解してドロドロになった粘液質の毒性のある液体を、緩やかに流し込むかのような不気味なトレモロがメインなのが特徴。これにより、音や楽曲のクオリティ
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SVÄRTA-Sepultus ★★★ (2016-05-29 16:06:53)

2015年発表の1st。

これはいいですね。プリミティブブラックの様式を踏まえつつも、テンプレ以上の良さをしっかり出せている作品だと思います。ドカドカとRawな音色での2ビート疾走が非常に暴力的で心地良いですし、ブラストで爆走するパートも狂っている感じがあり惹き付けられる。何故か若干右よりから聴こえてくるヴォーカルも、リバーブの掛かった音割れ寸前の絶叫で楽曲のいかれた雰囲気をより強めてますね。

また、プリミティブブラックのキモとも言えるリフも、及第点を遥かに超える魅力があるように思います。トレモロによるメロ自体メロウさと土着的な不気味さからくる邪悪さを感じさせますし、どこか血腥い粘液質な何かに包まれているような感覚を覚える、空間的な響きのある独特の音なのが良いですね。ただ、バンドサウンドのパートは文句なしですが、時折挿入されるアンビエントパートが正直いまいちに
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EOSPHORUS-Winds of Apep ★★★ (2016-05-28 19:58:49)

2014年発表の2nd。
今年に入って日本盤が出たので、チェックしたら良かったので購入。どうも日本盤の発売にはタワレコ関連のディストリビューターが絡んでいるようですね。

ブラックメタル本来のRawさを残し、モダンになりすぎないプロダクション、トレモロ含有度高めながらメロウさに頼りすぎず、殺傷性や殺伐さにも富んだリフ捌き、全体を通じて感じられる、マッシブな暗黒性…DISSECTION辺りの流れを汲む、如何にもスウェディッシュなメロディック・ブラックですが…。こんなことを言うのもなんですが、「Sworn to the Dark」「Lawless Darkness」期のWATAINにめっちゃソックリな音(笑)。マジで一瞬聞き違いそうになるレベルで似てます。

ただ、こういう路線のバンドは多いですが、このバンドは楽曲や音のクオリティでWATAINと勝負できるクオリ
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THE UGLY-Decreation ★★★ (2016-05-28 19:54:11)

2015年発表の2nd。

MARDUK、NORDJEVELのドラマーであるFredrikの参加バンドとして知られるバンドですが…このバンドもそれらと比べて劣らないほどの、エクストリームメタルとして一級品の質の高さですね。乱暴な対比をしてしまえば、MARDUKがファストブラック、NORDJEVELがメロディックブラック要素が強い音なのに対し、THE UGLYはメロデスラッシュの要素が強い感じでしょうか。

この人のドラミングは、フレーズの作り方が上手いのか、ただ速いだけじゃなくて聴いていて心地良くノレるんですよね。それを活かす、ブラストやスラッシュビートを多用した激烈な展開で聴かせる音。意外にもリフにはメロディックな部分が多く、メロウなリフで聴かせておいて苛烈でスラッシーなリフでトドメ、のような流れが劇的でかっこいい。メロディ自体も破滅的というか、廃墟に酸の雨が降
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EMPYRIUM-The Turn of the Tides ★★★ (2016-05-24 00:52:00)

2014年発表の5th。

ネオフォーク寄りのペイガンメタルといえばまず名前が挙がるバンドですが、聴いたのはこのアルバムが初。実際に聴いてみた感じとしては、ネオフォーク「寄り」というよりは、楽曲を構成する要素の8割くらいがそっち系で、メタル要素はかなり薄め。品性を感じさせる、中音域でのマイルドな歌唱、メロディアスなアコギやピアノ、キーボードなどによる仄暗いメロディで聴かせる路線で、打ち込みのリズムなど、情景をより深く描くためならエレクトロ要素を取り入れることも厭わない音。

メロディ自体は明瞭で魅力に溢れたものですが、アルバムを通じて内省的な暗さが貫かれているのも特徴ですね。ドゥーミーに悲哀を演出するリフ、ブラックメタルに通じるような絶叫も一部とはいえ聴かれることも相俟って、初期ULVERなどの仄暗い森林系フォークブラック、ARCTIC PLATEAU辺りの内省的
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STURMGEIST-Meister Mephisto ★★★ (2016-05-24 00:49:19)

2005年発表の1st。

SOLEFALDで独特の感性とヴォーカルを聴かせるCornelius氏が中心人物を務めるバンドですが…アヴァンギャルドブラックを中心に、シンフォ・ゴシック・ペイガン・プログレなど様々に拡散する音楽性を持ったSOLEFALDですが、こちらではシンフォニック・インダストリアル方向にある程度路線を絞った音になってますね。もちろん、彼特有の前衛性のある雰囲気は勿論継承されてます。

基本は頽廃的で、どこか重厚さもある雰囲気を醸し出していますが、時折キレの良いリフと共に入る疾走パートなどはごく真っ当なかっこよさで、楽曲のクオリティもSOLEFALDに劣らず高いですね。しかしCorneliusのヴォーカル…彼のナルシスティックな呻き気味の低音での歌声を聴いていると、どうしてもSOLEFALDの音源を聴いてる気分になりますね。自分色に染めるパワーがや
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EBONY LAKE-In Swathes of Brooding Light ★★★ (2016-05-21 10:22:50)

2011年発表の2nd。

変り種ブラックとして、特にアヴァンギャルド性を薄気味悪さやダークさに転化させているバンドとしてよく名が挙がる彼らですが、ほんの触りを聴いただけでもそれを納得させられてしまうような作品ですね。路線としては、LEVIATHANやDEATHSPELL OMEGAなどのカオティックで暗黒趣味の強いブラックと、LE GRAND GUIGNOLやPENSEES NOCTURNESなどの前衛的で演劇趣味なシンフォブラックを掛け合わせたような、不気味なアンビエンスを醸し出すブラックメタル。

普通では掛け合わせないものを掛け合わせたような音で、正直某雑誌のレビューでレビュアーがこのバンドの音に拒絶反応丸出しの意見を書いていたというのも凄く頷ける感じ。前衛戯曲のガワが剥げ落ちかかって、中の地獄が覗いている…そんな雰囲気のある音なんですよね。ブルータルなパ
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AIHISNA-凛然とした夢百合水仙 ★★★ (2016-05-21 05:44:14)

2015年発表のおそらく6th。

ゴシック趣味の強い、美しくて派手なオーケストレーションを、メタリックなリフ・リズムに乗せて疾走するインストメタルで、メロディのキャッチネスや音像の華美さなど、ゲーム音楽を本格的にメタルに特化させたような音。実際に、このアルバムの中の何曲かは、翌年に発表の弾幕STG「八重の妖泉華」に使用されてますね。実はそのBGMが凄く良かったのでオリジナルフルも聴いてみた次第です。

このユニットの音楽はメロディの印象深さも然る事ながら、その聴かせ方も非常に上手いのが素晴らしいです。オーケストレーションはただ漫然とストリングスの音でメロディを奏でている訳ではなく、時にピアノやヴァイオリンによる高速のパッセージを挟んでみせたり、チェロによる独奏パートがあったりなど、変化と緊張感に満ちている、ドラマ性に富んだもの。

ギターも単にメタリ
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AIHISNA ★★ (2016-05-21 05:43:10)

日本のシンフォニック/ゴシックメタルユニット。
かがやみ氏、かぶ氏による兄妹同人サークルで、音楽のみならずゲームも制作してます。実は海外の超大手レビューサイト、Encyclopaedia Metallumにも登録されてるユニットだったりします(まああそこはUI-70とかCROW’SCLAWなんかも載ってますが)。

LE GRAND GUIGNOL-The Great Maddening ★★★ (2016-05-19 23:54:37)

2007年発表の1st。

「名は体を表す」と言いますが…その言葉をこのバンド以上に体現しているバンドっていないんじゃないでしょうか。楽曲の端々に戯曲的な雰囲気を醸し出すパートを挟み込んでくるシンフォニック・ブラックメタルバンドは少なくないですが、全編がそういうパートで構成され、尚且つバンドサウンドではなく、シアトリカル極まりないオーケストレーションの方が主役になってしまっているアンサンブル…というと、このバンドを置いて他には無いんじゃないでしょうか。

ジャンルとしてエポックメイキングなだけでなく、楽曲の魅力自体も素晴らしい。戯曲を思わせるオーケストレーションが矢継ぎ早に繰り出すメロディは、前衛的・狂的であっても常に美しさやキャッチネスに満ちていて、劇場に入ったが最後、どんなに気が乗らない気分であっても着席を余儀なくされる…そんな心を掴む魅力があるように思います
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EWIG FROST-Rust (2016-05-19 23:51:28)

2009年発表の6曲入りEP。
収録時間は27分ありEPとしてはそれなりのボリューム。

「永遠の霜」を意味するかっこいいバンド名(+中古で安かった)に惹かれて何となく購入しましたが…まず思ったのは、音がちっさい(笑)!FUNERAL MISTの1stのようにイントロの途中で音圧を上げる事でドラマ性を演出するのかと思いきや、特にそういう訳でもなく…。個人的には音が多少割れてもこういう音楽は大音量が良いと思うので、印象は若干マイナスからでしたが…。

本編は悪くないですね。どうもこのバンドはアンチナチズムを標榜しているらしく、パンクの衝動性も加味したような音ですが…パンク要素のあるバンドとしてはかなりメロディや雰囲気が陰鬱なのも特徴。特にミディアムパートでのリフ、酸の雨が降り注ぐような、独特の薄暗さや陰湿さが醸し出されているような印象を受けます。荒廃した都市が
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ZAVOD (ЗАВОДЬ)-Through the Circle and Five Angles (Крізь коло і п'ять кутів) ★★★ (2016-05-19 23:48:35)

2013発表の2nd。

土着的メロディで人気を博するバンドの多いウクライナですが、このバンドも非常に魅力的なメロディをトレモロリフに織り込んだメロディック・ブラックを演っていますね。土着的で湿り気を帯びつつも、どこかエモーショナルでむせび泣くようなメロディ使いが非常に魅力的。ただこのバンドの場合、パンク/ハードコアの要素を取り入れているようで、他のメロブラよりも衝動性が高い音なのが特徴。

トレモロのメロディを強調しながらも、耳に突き刺さるような刺々しさのあるリフのRawな音色、疾走パートに於ける炸裂感、そして殺意や憎悪をぶつけてくるかのごとき、歪み切りつつも感情の感じられる絶叫ヴォーカル…これらの要素が、より音を感情に満ちたものにしていて、前述のむせび泣くようなメロディの魅力を更に浮き上がらせているんですよね。

流石Hidden Marlyだけあ
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MAELSTROM (UK)-Sunlight ★★ (2016-05-19 00:15:10)

2014年発表の2nd。
元はデジタルで自主制作のリリースでしたが、翌年にContagion RecordsというレーベルからCD化されています。

路線は一言で言うならメロディック、プログレッシブ、アヴァンギャルド、シンフォニック…など様々な要素を内包したごった煮で狂気的なブラック。ミディアム中心で、やや変則的なリズムと、それを強調するように刻まれるヘヴィなリフを軸に、ブラックらしいトレモロや神秘性を醸し出すキーボード、デス声のみならずどこか螺子が飛んでるようなミディアムのクリーンも使うヴォーカルが乗る音で、最近日本盤が出たWRATHAGE辺りと感触が似ている印象。

ただ、前衛的ながらシンフォニックブラックが基本にあったWRATHAGEに対し、こちらの基本にあるのはメロディックブラックで、ザカザカ刻まれるリフに、的確に挿入されるメロいトレモロはかなりの煽
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EYECULT-Morituri Te Salutamus ★★ (2016-05-18 13:03:09)

2009年発表の1st。

冒頭の、まるでプラスチック製のドラムを叩いているようなドラムの音による「デデデデデデデデ…ででーん!」みたいなチープ極まりないフレーズを聴いた時は、なにか微笑ましいというか生温かいというか…そんな気持ちになりましたが、その予想を裏切って本編ではかなり良質なメロディックブラックを演ってますね。

某ショップではプリミティブ系の音にも関わらずDARK FUNERALが引き合いに出されていた通り、トレモロリフによる煽情度の高いハーモニーが全編に渡って聴けるのが特徴。ヴォーカルもなかなか気合入ってますし、やや粗めながらメロディをしっかり堪能できる程度にはプロダクションが整っているのも良いですね。個人的には、SÜHNOPFER辺りのメロディックブラックが好きな人にお勧めしたい音です。

冒頭でチープな音と決め付けるのは余りに損な作品。
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P.H.T.O-Affliction ★★★ (2016-05-18 13:00:30)

2011年発表の1st。

緩やかなテンポ中心の楽曲構成+鬱メロディ+悲痛絶叫+アトモスフェリックな音像、と鬱ブラックのテンプレをがっつり満たしてくる作風ですが、類似した音楽性の余りに多いこの界隈でも埋没しない魅力を持った一枚だと思います。

まず音像が他のバンドに比べて厚みがある気がしますが、おそらくベースがしっかりしたメロディを弾き、そこに澱んだトレモロが乗る構成がこの音を生み出している感じがします。そこに乗るヴォーカルも悲痛なだけではない、コシのある説得力のある声ですし、スローだけでなく疾走も交えてくる楽曲構成も巧み。特に疾走パートにおいて、トレモロリフによるメロディを強く押し出す傾向があり、それが上手く楽曲の中でのメリハリに繋がっているという印象です。

そういう訳で鬱ブラックとして及第点を遥かに超える出来ではありますが…このバンドの情報をググ
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NJIQAHDDA-The Path of Liberation from Life and Death ★★ (2016-05-18 12:56:28)

2011年発表の12th。

最近は落ち着いてきつつあるものの、このバンドは年にフルアルバムだけで2~3枚の他大量のEPやスプリット、デモなどもリリースしていて、まずどれを買ったら良いか分からないので取り合えずたまたま中古で安価で売られていたこのアルバムをチョイス。正直リリースが多いというのも良し悪しですよね…。

聴いてみた感じは、良い意味で悪趣味かつプログレッシブ・アヴァンギャルドなブラック。妙なタイミングでのストップ&ゴーなど、引っ掛かりのあるリズムを軸に、奇矯なメロディのトレモロリフを流し込んでくる音で、アトモスフェリック系に分類される中ではかなり実体的な音。展開に目まぐるしさや訳の分からなさがあり、正体を掴ませない感じがあるのでそうカテゴライズされるのかもしれませんね。

楽曲によってはテルミンが使用されていたり、ヴォーカルも絶叫だけでなく、
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NJIQAHDDA ★★ (2016-05-18 12:54:29)

アメリカ産アヴァンギャルド/アトモスフェリックブラック。
メンバーはNJIIJNというアンビエントプロジェクトも動かしているとか。

RIMTHURS-Svartnar ★★ (2016-05-18 12:53:08)

2010年発表の1st。

タイプとしては、アトモスフェリック・ペイガン・メロディックのいいとこ取りのようなブラックメタル…という感じでしょうか。メロウなトレモロを聴かせる疾走パートはスウェディッシュブラックらしさがありますが、内省的で土着性も感じさせるメロディなど、どこか辺境ペイガンブラックっぽい雰囲気もそこに加味されているように思います。ヴォーカルもしっかり凶悪で良い感じ。

個人的にはよく言えばいぶし銀、悪く言えばちょっとだけ地味でしょうか。RAW過ぎず整いすぎずのプロダクション、攻撃性のみでなく、展開やムードの演出にもしっかり気を配った曲の構成、トレモロ含有率高めながら一辺倒ではないリフ捌きなど、しっかりやるべきことをやっているけど、突出したウリには欠けるというか…。まあ誰も彼もが革新的な音を求めている訳ではないですし、叙情的なメロディはかなり上質なので特
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SEA OF TREES-Aokigahara ★★ (2016-04-22 00:11:45)

2011年発表の3曲入りEP。
盤面の無音部分に施された装飾が非常にオシャレ。

このバンド名と作品名…日本人で鬱ブラック好きなら聴かずにはいられなくなりますね(笑)。リリースもMisanthropic Artからなのでクオリティも期待出来そうですし。…実際聴いてみると、予想も期待も裏切らない、鬱ブラックど真ん中の音。やや粗めの録音に、ゆるやかなテンポに陰鬱としたトレモロリフ、BURZUMを更に悲痛に(+もっと情けなく)したような絶叫と、ほんとこの手の王道って感じの音です。

ただ、この手のバンドは雰囲気を出すためか、敢えて明瞭なメロディを避けることも多いですが…この作品はトレモロリフによって奏でられるメロディがかなりはっきりしているのが特徴。個人的にはこれくらい明瞭なメロディの方が酔えるので、これは大歓迎なんですが…トータルの演奏時間が13分しかないのが最
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