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Return to Evermore / TEN
マダム理不尽 ★★ (2004-06-27 22:56:00)
哀愁溢れるドラマティックな曲あり、GARY MOOREを彷彿とさせるケルティックな曲あり、近作に顕著な煌びやかなキーボードが目立つポップな曲あり、都会的な雰囲気を漂わせるお洒落なバラードありと、一聴した段階では散漫な印象を受けたが、実はTENの音楽の集大成的なアルバムとも聴きとれた。
随所でキラリと光るアルペジオやコード進行は新ギタリスト加入の影響か?テクニカルなアプローチが得意そうなだけに、何故こんなにギターの音量が小さく、しかも音がこもっているのか不思議というか残念。次作ではもっと前面に出してほしい。
本作もこれまでTENを見守ってきたファンにとっては楽しめる内容だと思うが、アルバム単位ではとても初期の名作に匹敵する出来とは言い難い。個人的には③~⑤、⑦をつまむ程度に終わりそうな気がする。
HM/HRがどこか混沌としていた90年代、往年のハードロックの美学をもって鮮烈にデビューし、多くの支持を得たTEN。同じ路線で7作も出せばそりゃあ新鮮味も薄れるのは当然。しかし、ハードロックの枠の中でいろんなタイプの曲にちょこちょこ手を出すのもいいが、できれば次作では是非統一された作風のアルバムを作ってほしいものだ。
もし今、TENが暗中模索の状態であるのであれば、自身の未来を見つめ直して方向性をハッキリと決め、もう一歩進んで殻を突き破れば必然と素晴らしいアルバム、素晴らしい超名曲を生み出せるような気がしてならない。現状に満足していないことを祈る!
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