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At the Sound of the Bell / PAVLOV'S DOG
火薬バカ一代 ★★ (2010-01-03 10:03:00)
バンドの創設メンバーでもあったマイク・サフロン(Ds)とジークフリート・カーヴァー(VIOLIN)が、
「売れるアルバム作り」を目論むレコード会社&マネージメントの策略によって追い出され、代わって、
元YES~KING CRIMOSNのビル・ブラッフォードをゲスト・ドラマーとして迎え制作、'76年に発表された2ndアルバム。
そんな経緯もあって、スリリングな楽器同士の絡みや、ドラマティックな曲展開といったプログレッシブ・ロック的な
要素が薄れ、シンプルにまとめられた楽曲からは、デヴィッド・サーカンプのVoをより前面に押し出した
穏やかな「歌物路線」へのシフト・チェンジが如実に感じ取れる。彼のVoにしても、以前のような鼓膜に
突き刺さる超音波ハイトーンは控えめで、全体的に無難にメロディを歌い上げているとの印象が強いが、
尤も、それでも相変わらず楽曲はハイクオリティな水準を維持しているし、何より、このバンドの生命線たる
「哀愁のメロディ」も——ややポップさが勝っているとは言え——ちゃんと健在。PAVLOV'S DOGにしか作り得ぬ、
美しくも儚い哀メロに彩られた①②はこのアルバムならではの名曲と言えるし、悲哀に満ちたサックスの音色が
堪らなく胸締め付ける劇的極まりない④、泣きまくるサーカンプの熱唱とマンドリンの旋律が涙腺を刺激する⑥、
そしてメロトロンをフィーチュアし、プログレッシブ・ロック然とした壮大さと盛り上がりっぷりでラストを締め括る
⑨といった珠玉の名曲の数々は、泣きメロ好きなら一度は聴いて頂たい!と、握り拳で熱弁奮いたくなる程のクオリティ。
一般的に「デビュー作ほどのインパクトはない」と評される機会の多い本作だが(実際、その通りだと思う)、
凡百のバンドとの格の違いを見せつける、この完成度の高さはやはり圧巻。

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