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Theli / THERION
火薬バカ一代 ★★ (2007-10-24 23:35:00)
LOUD PARK 07での初来日公演を体験して以来、すっかりTHERION熱が高まってしまった為、最近は彼らの
作品ばかり聴いているのだが、その中でも一番のお気に入りは、やはり、この'96年発表の5thアルバム。
ブルータルなデス・メタル・バンドとしてスタートを切ったTHERIONが、メロデス・シーン初期の名作の1つとして名高い
3rd『SYMPHONY MASSES:HO DRAKON HO MEGACE』と、音楽的に大化けを果たした衝撃の4th『LEPACA CRIFOTH』を経て、
遂にTHERION流メタルの基本形を確立するに至った本作は、レーベル移籍によりアルバムの制作環境が整った事で、
サウンド・プロダクションが飛躍的な向上を遂げただけでなく、これまでよりも更に大胆に投入されたKey、ストリングス、オペラVo等の
効果を得て、ドラマ性やスケール感を増大させた楽曲のクオリティといい、冒頭に序曲、中盤に間奏曲、ラストに終曲を配した
クラシカルで様式美を感じさせるアルバム全体の構成といい、過去の作品を大きく上回る内容に仕上がっている。
デス・メタル色はほぼ一掃されてしまったものの、必要にして十分なアグレッションを保っているのが、音楽性を拡散させた
後の数作と異なる点で、特に、チリチリしたGリフが激しくシュレッドされ、怒涛の如く突進するリズムに、
美醜の対比を為すドスの効いたシャウトとオペラティックなコーラス、劇的で華麗なインスト・パートといった要素を
兼ね備えた、クリストフェル・ユルソンの美意識の結晶と言うべき⑧は、THERION屈指の超名曲。
その他にも、バンドのテーマ・ソングであり、ライブの定番曲でもある②や、悲壮感タップリに泣きまくる
バラード風の⑨を筆頭に、全編これ捨て曲なし。本作を聴かずしてTHERIONファンは名乗れません。

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