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Crossover / D.R.I.
火薬バカ一代 ★★ (2007-07-02 21:15:00)
テキサス出身の4人組スラッシャー、DIRTY ROTTEN IMBECILIES(薄汚い性根の腐った悪ガキ共)ことD.R.I.が、'87年に発表した2ndアルバム。
全世界で10万枚以上を売り上げたD.R.I.の出世作として知られる本作は、『CROSSOVER』という
そのものズバリなタイトルが示す通り、メタルとハードコア/パンクのクロスオーバー現象を語る上で
欠かす事の出来ない名盤の1つであり、個人的には、彼らの最高傑作と信じて疑わない1枚でもある。
ヘヴィなイントロを経て猛烈に疾走を開始。中盤にはGソロまでフィーチュアして、最後は再びミドル・パートに戻って幕となる、
緩急の効いたOPナンバー①が端的に表わす通り、もろハードコア/パンク路線だったデビューEP『DIRTY ROTTEN EP』や
1stフル『DEALING WITH IT』の作風から一転、飛躍的にスラッシュ・メタル度を高めた本作は、重厚な音作りといい、
更に鋭くメタリックに研ぎ澄まされたリフといい、よりダイナミズムを増した曲展開といい、前2作の音圧の低さに
物足りなさを覚えたメタル者の耳すらもガッチリとキャッチする、問答無用のカッコ良さを誇るスラッシュ・チューンがズラリ。
勿論、10秒にも満たない③の如きハードコア・チューンもちゃんと収録されてはいるけれど、やはりそれ以上に魅力的なのは、
ダイナミックに疾走する②、起承転結を飲み込んだ④、切り裂くようなイントロ・リフにノックダウンされる⑦、
ベース主導で忙しなく突っ走る⑩といった、硬派な高速スラッシュ・ナンバーの数々。中でも④は
「聴かせる」インスト・パートまで備えた、本編のハイライト的存在の名曲だ。
それ以外の楽曲も総じてクオリティは高めで、捨て曲は見当たらない。D.R.I.入門編としても最適な名盤じゃなかろうか。

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