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The Spiral Notebook / RIK EMMETT
火薬バカ一代 ★★ (2008-10-23 23:04:00)
前作『IPSO FACTO』から3年のブランクを経て、'95年に発表されたリック・エメットの3rdソロ・アルバム。
彼のソロ作は、ポップス路線だったり、ロックンロール路線だったり、ブルーズ路線だったり、ジャズ路線だったりと、
作品毎にカラーが異なり、またその刺激の少なさゆえ、ファン以外には取っ付き難く感じられる内容の
アルバムが少なくないのだが、どっこい、AOR色が強く打ち出された本作はその例外。HRテイストこそ前作から
かなり後退してしまったものの、その分、メロディのフックと哀愁は大幅UP。お陰でエメット師匠のハイテクニックに
裏打ちされた、一音一音に魂の込められた、エモーショナルで繊細な表現力に長けた絶品のGプレイと歌唱が映える映える。
ただ譜面通りに、正確に歌ったりギターを弾いたりするだけじゃ、絶対にこの深みや情感を演出する事は叶いませんぜ。
メロディアスで温かみに溢れた①、レゲエのリズムに叙情メロディが乗っかる②、絶妙なニュアンスで爪弾かれる
アコギに思わず腰が砕ける③、ソウルフルな歌声が心地良い④、サビのフックが強力な⑤、産業ロック風味のバラード⑥、心地良く弾む⑦、
ポップ・センスが巧みに活かされた⑧⑨、TRIUMPH時代を彷彿とさせる、ダイナミックで陰影に富んだ曲調に引き込まれる⑩、
徐々に熱を帯びていくGとVoが圧巻の迫力を誇る、本編随一のハード・ナンバー⑪・・・と、最初から最後まで一切の捨て曲なし。
極上のVoとG、心に沁みる美しいメロディの数々・・・エメット師匠のソロ・アルバムの中でも屈指の完成度の高さを誇る本作。
師匠の入門編として一般のロック・ファンにも強くお薦めしたい1枚。(個人的にもこの作品が一番好きだ)

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