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The Morning After / TANKARD
火薬バカ一代 ★★ (2007-10-02 23:55:00)
多くのファンが、TANKARDの名前を聞いて想起するスラッシュ・サウンドが遂に完成をみた、'88年発表の3rdアルバム。
初期作品からはそこはかとなく感じられた、ヨーロピアンな湿り気が綺麗サッパリに消え失せ、
カラッと乾いて明るく弾けるサウンドは、「メソメソ、ウジウジしてる暇はねぇ!」とばかりに、
ひたすらポジティブ&アグレッシブ。ライブで大盛り上がりする様が目に浮かぶようです。
正直、ここまで躁状態の続くアルバムを1枚聴き通すのはかなり辛いのだが、このバンドの長所は、
突き抜けて陽気であっても、決してユルくはならない点。安定したリズム隊が叩き出す、
タイト且つハイスピードな疾走感は痛快極まりないし、ジャキジャキと歯切れ良く刻まれるGリフが
カッコイイしで、個人的な好みは兎も角、この完成度の高さは流石だ。
何より、陽性よりも攻撃性が勝るアルバム・タイトル・トラック⑦や、その勢いを受け継ぐ⑧、浮かれ気分の中で
シリアスさが一際光る⑩、そしてジャーマン・ハードコアの大御所SPERMBIRDSのカヴァー⑥といった楽曲は十分に魅力的だしね。
TANKARDの作風は、確かに血中バカ濃度が高めなのだが、彼らが素晴しいのは、そのバカを言い訳にして
曲作りや演奏に手抜きをしないところ。そんじょそこらのバカとは違う、筋金入りのバカを舐めてはいけない(褒め言葉)。
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