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Testimony of the Ancients / PESTILENCE
火薬バカ一代 ★★★ (2007-07-11 22:49:00)
パトリック・マメリが中心となって結成された、オランダ出身のデス/スラッシュ・メタル・バンド、'91年発表の3rdアルバム。
曲間を繋ぐ短いSEや、インスト曲を合わせて全16曲収録という実験的な構成は、この作品がコンセプト・アルバム的な側面も持っているからか。因みにプロデュースを手掛けたのは、デス・メタルと言えば勿論この人、のスコット・バーンズ。(レコーディング場所も当然の如くMORRI SOUNDスタジオだ)
前作『CONSUMING IMPULSE』は、直線的な楽曲が揃ったストレートな作風のデス・メタル・アルバムだったが、前任Voの脱退によりトリオ編成となり、パトリック・マメリがGとVoを兼任する本作では、猛烈な疾走感はそのままによりテクニカルでプログレッシブな曲展開が聴かれるようになった。
特に、マメリとUTERWIJK(何て発音すんだ)のWパトリックが奏でる流麗極まりないツインG、CYNICからリクルートされた名手トニー・チョイによるテクニカルなB、そしてスペーシーな空間とスケール感を演出するシンセサイザーの大胆な導入は、楽曲のクオリティを飛躍的に向上。
中でも、荒々しいミドル・チューン③や、バイオレントに疾走する⑦、ドラマチックと表現して差し支えない曲展開が聴ける⑬、本編ラストをシャープに締め括る⑮を筆頭とする押しまくりの楽曲の中にあって、スッと「引く」ことで静と動、美醜の対比を描き出すインスト・パートのドラマ性の高さは、普段、デス・メタルに興味のないリスナーの耳をも惹き付ける強力な魅力を備えているように思う。
PESTILENCEのアルバムでは2nd『CONSUMING~』の人気が高いようだが、個人的には彼らの最高傑作には本作を推したい。
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