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Blood Fire Death / BATHORY
火薬バカ一代 ★★ (2007-06-18 21:48:00)
VENOMやCELTIC FROSTと並んで、「ブラック・メタルの元祖」と崇め奉られる
スウェーデンのカルト・スラッシャーBATHORYが、'88年に発表した4thアルバム。
チープな音質、寒々しく邪悪なリフ、性急に疾走するリズム、ヒステリックな絶叫Vo、ある種、宗教的な
荘厳さすら感じさせる楽曲と、後にブラック・メタルと呼ばれる事になるサウンド・スタイルの雛形を
確立した前3作に比べると、ノルウェー出身の画家ペーター・ニコライ・アルボの代表作の1つ、
『THE WILD HUNT OF ODIN(ASGARDSTEIEN)』をアルバム・ジャケットに用いた本作は、大仰さやドラマ性といった
要素が後退して、よりスラッシュ・メタル的なストレートさが前面に押し出されているのが特徴。
クォーソンのVoパフォーマンスにも幅が出て来ているし、サウンド・プロダクションも(極上とまではいかないまでも)
それなりに向上と、全体的にかなり聴き易い作風に仕上がっているので、BATHORY初体験者にもお薦めの作品かもしれない。
個人的には、傑作3rd『Under The Sign Of The Black Mark』に比べると、特に疾走チューンにおけるドラマ性が
減少してしまっているのが残念だが、その一方で、序曲①を経て、アコギやシンセサイザーを駆使して
邪悪且つ荘厳な雰囲気を演出する②や、本編ラストを締める10分以上に及ぶ大作⑧といったミドル・チューンの数々は、
相変わらずのダークでイーブルなドラマ性の高さを誇るので、初期からのファンも安心だ。
中でも⑧。正直「パクリ」と言われても言い逃れが出来ないぐらいMANOWARの名曲“BATTLE HYMNS"にクリソツな
仕上がりなのだが(特にサビのリズム・パターンがまんま)、ともあれ、BATHORYのヴァイキング・メタル路線の
幕開けを飾る本作に相応しい名曲なのは間違いない。必聴。

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