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Cursed / MORGOTH
火薬バカ一代 ★★ (2008-02-11 17:37:00)
『RESURRECTION ABSURD』と『THE ETERNAL FALL』という2枚のEPを経て、'92年に発表された待望の1stフル・アルバム。
昔、輸入盤を聴いた時は「何やら重苦しい雰囲気の作品」との印象を受けた覚えがあるのだけど、
今回、中古で国内盤を買い直して改めて聴いてみたら、自分の中で本作の評価が急上昇。
充実したサウンド・プロダクションの下、低音がしっかりと効いて、禍々しさやおどろおどろしさが、以前よりも更に
強調された内容は、重苦しい雰囲気も確かに強いのだが、それ以上に、序曲に始まり終曲に終わる様式的な構成や、
激烈なスピード・パートと、引き摺るようなヘヴィ・パートの対比から生み出されるダイナミズム、アコギ、Keyを用いて
演出される、重厚でドラマティックな荘厳さといった要素が全体を支配。特に、欧州HMならではの美意識が宿る
劇的なGソロの素晴しさは特筆モノで、この「疾走」と「溜め」の繰り返しと、構築性の高いGソロの組み合わせで、
楽曲のテンションを高めていく手法は、中期~後期DEATHのスタイルを彷彿とさせる部分あり。
殆ど間を置かずに畳み掛けてくる①~④の流れや、本編随一のドラマ性の高さを誇る⑧~⑨の展開に代表されるよう、
前2作で培ったサウンド・スタイルを更に発展させ、ある種の「格調」すら備わった作風は、まさにMORGOTHが
本格派デス・メタル・バンドとして成長を遂げた事を端的に物語る。それは、スプラッタ度高めのアクセル・ハーマンの
イラストから、より怪奇趣味が漂うアートワークへと変化した、アルバム・ジャケットにもよく表れているんじゃないかな、と。
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