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Bananas / DEEP PURPLE
Boogie ★★ (2003-09-13 02:22:00)
実にナチュラルなスタンスで製作された感のある、屈指の名盤。
全編を包みこむ「暖かい」感触は特筆すべき。
断片的に過去のDPを想起させるパートがありもするし、ギランのVoは紛れもなくDPと呼ばれたバンドであったことを感じさせるが、このサウンドをもはや過去のDPと比較したり、ましてやHM/HRと呼ぶことすらないだろう。
しかし強烈なアドリブ・ソロを売り物にしたライブバンドとして絶大な人気を誇ったバンドであるがゆえに生み出すことが出来たスポンテイニアスなリズムフィールは、HM/HRシーン全体から切り離して考えることはできないのではないだろうか?
エッジをぶつけ合うせめぎ合いでなく、おおらかなグルーヴを演出するインストゥルメンタルの上に、ハミングのように心地よく乗るヴォーカル。最近よく使われる修飾語「オーガニック」という言葉、このアルバムにこそ相応しいと思えたりもする。
あと、僕は個人的にスティーヴ・モーズの大ファンであるので、彼のプレイにもひとこと。
もちろん随所でモーズ節ともいうべきクロマティックラインも聴かれるが、今回耳に飛び込んでくるのはその「定番」ではなく、今まで聴かせたことのないフレーズであり、前述のリズムフィールだ。確かにモーズがDPにもたらした影響は大きい。しかしDPがモーズに与えた影響というのも大きいようだ。

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