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Predator / ACCEPT
うにぶ ★★ (2003-01-21 01:55:00)
ACCEPTのラストアルバム(のはず)。「再結成後の奴らはもう終わってた」「モダン・ヘヴィネスに転んだ奴らのアルバムなんぞ興味なし」って人も多いかもしれませんが、先入観なしで聴けばかなり良いアルバム。
前作『DEATH ROW』を全体的にレベルアップさせたような出来です。
激しさ、重さはそのままに、今回はよりメロディアスになっています。って言っても美しい哀愁のメロディーということではなく、印象に残るフレーズみたいに捉えてください。あくまで「漢の硬派メタル(笑)」ですから。前作はリフ先行の感が強かったですが、今回は自然にメロディーが融合していて、このスタイルでのACCEPTの完成形と言ってもいいと思います。
曲がなかなかバラエティ豊かで、しかもそれぞれキャッチーで良いんですが、特筆すべきなのはベースのピーター・バルデスがヴォーカルに参加していること。(5)「LAY IT DOWN」ではウドと分け合って、(6)「IT AIN'T OVER YET」ではメインヴォーカルとして歌っています。これがなかなか味があるブルージーな歌声で、SPIRITUAL BEGGARSあたりで歌ったらかっこいいかも。
ウドがどうしてもあの声なので、画一的になりがちなところを、ピーターが歌うことがいいアクセントになっています。まあ人によっては余計に感じるかもしれませんが。
実験的なことも色々やっています。従来の彼らのスタイルからはみ出すことも恐れず前進してますね。とにかくこのアルバムは1曲1曲の個性が際立っているので、飽きずに聴くことができます。反面「これ!」という名曲のないのも確かなんですが。
この作品によってACCEPTにはまだまだ新たな可能性が残っていることが明らかになったわけで、この先の彼らを聴いてみたかった気もします。でも余力が残っているところでの惜しい解散の方が、思い入れを保つためには良かったかも。昔の自分達のスタイルをなぞるだけの後ろ向きな方向に戻らなかった点も、個人的に評価したい。
ラストを飾るにふさわしい佳作。

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