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Hammerheart / BATHORY
火薬バカ一代 ★★ (2007-07-07 01:19:00)
ジャケット・アートワークに、英国人画家フランク・ディクシー卿の名画「ヴァイキングの火葬」を用いている事からも判る通り、
これまでのスラッシュ/ブラック・メタル路線から、ヴァイキング・メタル路線へと、その作風を大きく変化させた
'90年発表の5thアルバム。例えるなら、前作収録の名曲“BLOOD,FIRE DEATH"の方向性をアルバム全編に渡って押し進めてみた感じ?
疾走曲が完全に姿を消してしまったため、BATHORYにスピードを求めるファンには本作は耐え難いほど退屈な代物だろうが、
一方で、クォーソンの創造する暗黒世界に魅せられた者にとっては、これぞまさしく捨て曲なしの大傑作。
強烈なうねりを生み出す壮大なスケール感、メランコリックという表現では生温い絶望的なまでにダークなメロディ、
厳粛且つ荘厳な雰囲気を演出するコーラスといった要素に彩られた楽曲の数々は、何れも10分前後に及ぶ大作揃いで、
しかも中~低速を基本としたヘヴィ・チューンばかりながら、油断していると真っ暗闇の深海底へと
引き摺り込まれて行くような不穏な緊張感に満ち溢れていて、冗長さは皆無。
極悪な音質により割れ歪んだGリフが怒涛の如く押し寄せるOPチューン①、神話世界を歌うに相応しい
劇的さと力強さを兼ね備えた②、クォーソンのメロディアスな歌唱をフィーチュアした勇壮なサビメロが
高揚感を演出する④、強烈な悲壮感を撒き散らしながらラストを締める⑦といった楽曲を筆頭に、
確固として構築された世界観はMANOWARに通じるものがあるような。裏MANOWAR?
まさに↑上の方々が仰る通り、「ヴァイキングにムチ打たれながらガレー船で行くバルト海の旅」が追体験できる1枚。
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