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CORPORATE WHEEL / DEPARTURE
cozy_ima ★★ (2006-11-09 23:18:00)
メロディアスハードの理想的なバンドといえば、どんなバンドを
思い出すだろうか。
有名どころでは、ボンジョビ、ナイトレンジャー、ヨーロッパ、
ジャーニー、ボストン、デインジャーデインジャー、
フェアーウォーニング、デフレパード等々、古今東西と問わず、
様々なバンドが思い浮かぶ。
しかし私自身、そういう有名どころに限って、なにか物足りない
ものを常に感じていた。確かに悪くないが、絶賛するまでに至る
作品というのは少ない。
一方、あまり認知されていない比較的無名どころのほうが、
なかなか良かったりする場合が多いが、ただ、その多くは、実は
かなり贔屓目に見ているものも案外多い。
振り返って冷静にメロディアスハード、というカテゴリーの作品を
見てみると、ハードロック史上にその名を残すほどの優れたものは、
ないに等しい。
そういうメロディアスハードの中にあって、このDEPARTUREの
CORPORATE WHEELは、それこそ大げさな表現ではなく、文字通り
終始鳥肌の立つような世界を繰り広げている。
ここまで無駄がなく、充実しきった、緊張感溢れる作品というのは
そうそう巡り合えるものではない。少なくともメロディアスハードに
カテゴライズされる作品の中では、最も強烈なインパクトを
放っている。
楽曲的には、何人かのアーティストがライティングに関わっているが、
よくぞここまで選りすぐったものだと、感心するしかない。
この作品の素晴らしさは、その楽曲もさることながら、バック陣の
演奏にもある。
ハードロックのギターとはかくあるべし、というツボという全ての
ツボを心得たギターワーク。
ピアノあり、シンセあり、オルガンありと多彩な表情を見せる
キーボードは圧巻としか、いいようがない。
これほどギターとキーボードが互いに強烈に自己主張しあっていながら、
見事なまでに融合されているケースは稀、というより、少なくとも
私は初めて出会ったように思う。
メンバーの一人は、そのギターとキーボードの両方をこなす器用さを
持っているようだが、なるほどといったところ。
最後になってしまったが、スティーブペリーばりの、これも素晴らしい
ボーカルが影に隠れてしまうほど、絶賛する要素が多い、というか
あまりに多すぎる。
単なる名盤として片付けるのではなく、メロディアスハードマニアを
自認するリスナーであれば、本作は間違いなく聴くべき作品である。
メロディアスハードは、本作を基点に語られるべきであり、その
最高峰に位置する。

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