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Bathory / BATHORY
火薬バカ一代 ★★ (2007-07-03 21:32:00)
スッカスカの音質から垣間見えるアングラ主義、暗黒サタニック性、禍々しく寒々しい楽曲、
そして「独りスラッシュ・メタル」と呼ばれる家内手工業的なアルバムの制作スタイルが、後続のバンド群に
多大なインスピレーションを与えたという元祖ブラック・メタラーBATHORY、'84年発表のデビュー作。
尤も、傑作と名高い3rd『UNDER THE BLACK MARK』辺りに比べると、まだまだブラック・メタル的な要素は希薄で、
それよりも不気味なイントロ①に導かれてスタートする②を聴けば判るように、チリチリしたリフにしろ、
ダミ声中心のクォーソンのVoスタイルにしろ、その作風は多分にオーソドックスなスラッシュ・メタル寄り。
とは言え、初期VENOMからロックンロール色を取り除いた代わりに、爆発的な疾走感と、北欧のバンドらしい
暗く湿った質感を加味した感じの陰惨なスラッシュ・サウンドからは、既にBATHORYならではの個性が伺えるし、
切り裂くような③、切迫感に満ち溢れた⑤、不穏な雰囲気を撒き散らす⑦、そして野蛮にして勇壮な
BATHORY屈指の名曲⑨といった高速スラッシュ・チューンの数々は、同じく「ブラック・メタルの元祖」と謳われる
その他幾つかのバンドのそれを遥かに上回る魅力と破壊力を備えている(んじゃないかな、と)。
短いながらもツボを押さえたメロディを紡ぎ出すGソロも良い。
ダークサイド方向の噂ばかりが先行しがちで、すっかり敷居の高いバンドと化してしまった感のあるBATHORYだが、
実際は(初期VENOMとどっこいのチープ・チーパー・チーペストなサウンド・プロダクションを除けば)、
非常にクオリティに高いメタル・サウンドを聴かせてくれるバンドなので、スラッシュやメロデスがイケるクチの貴方は、迷わずGO!

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