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The Sound of Perseverance / DEATH
火薬バカ一代 ★★ (2007-05-28 21:36:00)
基本的にDEATHのアルバムにハズレはないと考えているんだけれども、その中にあって参加メンバーの顔触れ、
作品の完成度共に最も地味と言わざるを得ないのが、チャック・シュルデナーの夭折により、
奇しくもDEATHのラスト作となってしまった、この'98年発表の7thアルバムだろうか。
ここ数作において、バンドの推進剤の役割を担って来ていたジーン・ホグラン(Ds)の離脱により、
一層の長尺化(6分を越える物が半数以上を占める)、変拍子の多用による複雑化の進んだ楽曲のテンションを
維持しきれていない等、その理由は幾つか考えられるが、やはり最大の原因は、ラストを締める
JUDAS PRIESTの代表曲のカヴァー⑨の存在ではなかろうか。ぶっちゃけ、このカヴァー曲の出来が余りに良過ぎるせいで、
本編の印象が完全に霞んでしまっているような・・・。上手過ぎるカヴァーってのも考えもんですなぁ。
とは言え、その辺を踏まえた上でジックリと聴き込んでみれば、ストップ&ゴーを繰り返しながら
ドラマチックに盛り上がっていく③や、チャックの表現力豊かなGプレイの妙技が堪能できるインスト曲⑥、
引っ掛かるようにして劇的に疾走するスラッシュ・チューン⑦等、如何にもDEATHらしい名曲も多数収録されていて、
並みのスラッシュ・バンドじゃ逆立ちしたって敵わないハイクオリティに本作を仕上げてみせる手腕は、
流石はDEATH(チャック)なのであった。

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