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Renewal / KREATOR
火薬バカ一代 ★★ (2007-10-04 23:48:00)
90年代のKREATOR迷走期のファースト・ステップとなってしまった、'92年発表の6thアルバム。(でもこの後に初来日)
リリース当時、トム・モリスの手による生々しさが強調されたサウンド・プロダクションや、激情の昂ぶりを
薄れさせ、フラット気味な歌唱に終始するミレ・ペトロッツァのVo、ダイナミックな展開を排し
シンプルにまとめられた楽曲、そして作品全体を圧し包む、流行を意識したかのような陰鬱な雰囲気が
「らしくない」と賛否両論を巻き起こした本作。個人的にも初めて耳にした時は、これまでのような
爆発的なテンションの高さがダウンした事と、ヨーロッパのバンドならではのドラマティシズムが大幅に
失われてしまった事に落胆を覚えたクチなのだが、ところが、現在の感覚で改めて本作を聴き直してみると、
これが案外悪くない。というか、実に真っ当なスラッシュ・メタル・アルバムに聴こえてしまうのだから、
時の流れってヤツは恐ろしいというか、偉大というか・・・。
特に、スパスパと切り裂くように、カミソリの如く疾走する高速スラッシュ・チューン①④⑦⑧の有無を言わせぬ
カッコ良さは流石だし、90年代型へヴィネス重視の楽曲にしても、サビで奏でられる勇壮なテーマ・メロディが
印象的な③や、ラストを締める⑨なんかは、十分に魅力的な仕上がり。
但し、全体的にテンションが抑え気味なのと、メロディのフックの弱さとが相俟って、大きな山場が作れないまま、
淡々と最後まで流れて行ってしまう感があるのも事実。ぶっちゃけ、地味なのだ。
別に何を置いてもゲットしなければならない程ではないが、「問題作」というレッテルを気にして
スルーするには、惜しいクオリティを備えた(ように思う)1枚かなと。

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