この曲を聴け!
Tales From Topographic Oceans / YES
ギターの国から2002.遺言 ★★ (2005-01-11 17:28:00)
う~ん、とにかくこの作品を堪能するには体力と持久力が必要だ。
20分以上の曲が4曲。そこらへんの交響曲よりも長い。ブルックナーかマーラーの交響曲に匹敵する(笑)。一気に聴くには、別々の4曲をして考えずに、第1楽章~第4楽章と考えた方が楽かもしれません。
内容はどれも素晴らしいと思います。歌詞がかな~り思想的なので、ややとっつきにくさ・冗長さはありますが、それでも神々しい曲の雰囲気だけで圧倒されてしまいます。
一曲目の「神の啓示」では呪文のようなジョンのヴォーカルで始まり、リックの印象的な主題提示によって曲が展開していきます。本当にこれは長調の交響曲の第1楽章のよう。展開部ではそれこそどんどん場面が変わっていってよいのですが、個人的にはちょっと冗長。もう少しバトルが欲しかった。
続く「追憶」はゆったりとした優しい楽曲。深海に潜っていくような感覚があります。浦島太郎が亀の背中に乗って竜宮城に行ったときってこんな感じだったんだろうか。とても神秘的ですね。気流の隙間の奥の別次元のから語りかけてくるような曲です。
「古代文明」は比較的ゆったりとした曲。中間部~後半のハウのアコースティック・ギターやバラードが美しい曲です。ちょっと日本的なメロディが好感触です。
最後の「儀式」は前半部はスリリングに展開。中間部はスローにギターやヴォーカルを聴かせます。「危機」の有名なフレーズがちょっとだけ聴けますね。後半部はこれぞYES!!!と言わんばかりのアンサンブルの妙が堪能できる仕掛けとなっております。変拍子・不協和音・怒涛の速弾き・突然の演奏停止・奇怪なドラムソロ・おどろおどろしいメロトロン・・・。はい、もう何でも好きにしてください(笑)。大作のフィナーレにふさわしいコーダです。皆さん長旅お疲れ様でした!。
しかし『こわれもの』や『危機』に比べるとキーボードの派手さは薄れていますね。もちろんキーボードの音はありますが、なんだかコードをホワ~ンホワ~ンって弾いてるだけのようで、クラシカルなピロピロ(笑)が少ないですね。これではリックが辞めたくなるのも分かる気がします。
そしてリックはこの時のツアーで、ステージ上にてチキンカレー(詳しくはビンダルー・カレー。激辛らしい)を食べるという暴挙に出ます。果たして彼はYESを脱退するのでした。でも一作置いてまた復帰(笑)。
あ、ジャケもこれまた素晴らしいですね~。こんな状況、現実には有り得ませんが。
『海洋地形学の物語』という邦題も、直訳だけど好き!。
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