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Burns Like A Star / STONE FURY
火薬バカ一代 ★★★ (2010-02-03 22:12:00)
ドイツから遠路遥々LAへとやってきたレニー・ウルフ(Vo)が、UNLURY CHILDのブルース・ゴウディ(G)らと結成した4人組HRバンド(但しリズム隊は即席メンバー)による'83年発表のデビュー作・・・だったかな。
レニーと言えば“LED CLONES”として、ゲイリー・ムーアやオジー・オズボーン、酒井康からクソミソに貶された事で良くも悪くも有名だが、当時、さしてLED ZEPPELINやKINGDOM COMEに興味のなかった身には対岸の火事でしかなく、「災難やな~」ぐらいにしか思っていなかったのだが(申し訳ない)、そんな不届き者が本作を購入した理由は、ひとえに「LAメタル屈指の名曲の一つ」と謳われる、STONE FURYの代表曲“BREAK DOWN THE WALLS”を聴いてみたかったがゆえ。
如何にもLAメタルらしい、即効性の高いキャッチーなGリフの上に、欧州風味の哀愁を帯びたメロディが乗っかったその①は、確かにビデオ・クリップがMTVでヘヴィ・ローテーションされ話題を呼んだというのも納得の劇的なカッコ良さ。
ヒステリックな声質のレニーのVoは好き嫌いが分かれるところかもしれないが、歌の上手さは折紙付きだし、何より、聴き手の感性のツボを刺激するフックを備えた、歌メロ構築能力の高さは侮れない。切なくメロウな③や都会的な雰囲気漂うバラード⑨といった楽曲の魅力は、彼の確かな歌唱力に拠るところ大だ。勿論、時に劇的に時に叙情的に、曲調に合致した的確なGプレイで楽曲を盛り上げる、ブルース・ゴウディの良い仕事っぷりも忘れちゃいけない。
作品全体としては本編前半(A面サイド)に優れた楽曲が集中しているため、後半の印象がやや弱いのだが、ともあれ、①~④の流れと、ラスト・ナンバー⑨を聴くためだけでも購入する価値は十二分にある1枚。
本作、既に廃盤らしいが、調べてみるとリプロ盤なら入手は可能のようだ。

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