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Siogo / BLACKFOOT
火薬バカ一代 ★★ (2008-02-06 22:51:00)
80年代初頭に勃発したNWOBHMは、新人バンドの台頭だけでなく、中堅~ベテラン・バンドの活性化を促した事でも
よく知られているが、それはこの、リッキー・メドロック(Vo、G)率いるサザン・ロック・バンドBLACKFOOTが、
新メンバーとして元URIAH HEEPの天才Key奏者ケン・ヘンズレーを加え、'83年に発表した6thアルバムにも当てはまる話。
シンセサイザーを大胆に導入したサウンドからは、サザン・ロック的な豪快さや埃っぽさが大幅に後退。代わって、
キャッチーなメロディを重視した、コンパクトに練り込まれた楽曲が数多く並ぶ作風は、従来の路線とはかなり異なる
「洗練されたヘヴィ・メタル」とでも言うべき内容に仕上がっていて、本作発表当時、ファンの間で賛否両論が
巻き起こったというのもむべなるかな。(まさに邦題「革命と反乱」通り)
だが、個人的にはこの路線を断固支持!とにかく曲が圧倒的に素晴しい。特に、シンセのイントロ部分だけでその完成度の
高さを確信し、ドラマティックなリフがスタートした瞬間に思わずガッツポーズを決めてしまう①と、産業ロック的な
キャッチーさと哀メロが胸に沁みる⑤は、全ロック・ファンに必聴を義務付けたい程の超名曲。その他にも、
まるで「哀愁を帯びたHRチューン」の手本の如き②、爽やかに駆け抜ける③、“I SURRENDER"クリソツの
ポップな⑥を筆頭に、収録曲は何れも粒揃い。それでいてリックのVoを始めとして、演奏には
太い芯が一本通っているため軟弱な印象は皆無と、全く以って隙がない内容を誇る。
BLACKFOOTのみならず、80年代HM/HRシーンをも代表する名作の1つ。

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