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The Years of Decay / OVERKILL
火薬バカ一代 ★★ (2006-07-15 22:49:00)
'89年発表の4thアルバム。バンドのメロディ面を一手に担っていたボビー・ガスタフソン在籍時代最後の作品であり、
これまでの集大成的作風ゆえ、本作をOVERKILLの代表作として挙げるファンも多い。
曲調に広がりの見られた前作に比べ、心持ち初期の剛速球路線に揺り戻されてる印象で、キャッチーさは薄れたものの、
より強靭に引き締まったリフ&リズムは、さながら鉄塊の如くガツガツと刻まれ、硬質なサウンド・プロダクションと相俟って、
突進パートでは全身に弾丸を浴びているかのような感覚を味わえる。
その一方で、前作で培ったドラマ性も十二分に活かされていて、「これぞOVERKILL!」な高速スラッシュに、
劇的なインスト・パートを持ち込んだ、名曲中の名曲②“ELIMINATION"、重く引き摺るリフとダイナミックな曲展開が
BLACK SABBATHを思わせる⑤“PLAYING WITH SPIDERS/SKULLKRUSHER"、初のパワー・バラード⑧“THE YEARS OF DECAY"、
激しくアップダウンを繰り返す⑨“E.VIL N.EVER D.IES"といった楽曲は、きっちりアルバムの聴かせ所として機能している。
本作を最後にボビー・ガスタフソンが脱退してしまった為、以降、彼らのアルバムで、ここで聴かれるような流麗なメロディ展開を
耳にする機会は、残念ながらかなり減ってしまった。(今のマッチョ路線なOVERKILLも嫌いではないのだけれど)

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