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ARCANGEL / ARCANGEL
火薬バカ一代 ★★★ (2008-10-16 22:25:00)
CANNATA名義で数作のアルバムも発表している、アメリカはコネチカット州出身のマルチ・ミュージシャン、ジェフ・カンナタの名を、一躍メロディ愛好家の間に知らしめたバンド(と言ってもグループとしての実体はなかったらしいが)ARCANGEL。その彼らが'83年に唯一残したフル・アルバムにして、マニアの間では「アメリカン・プログレ・ハードの名盤」と絶賛される逸品がこれ。
「泣き」を含んだ声質のVoが切々と歌うフック満載のメロディ、透明感と叙情性を増幅するスペーシーなKey、繊細に泣きつつもハードさを忘れないG、美麗なコーラス・ハーモニー、そして、適度にドラマティックでプログレッシブなアレンジが施された楽曲の数々は、叙情的だがベタつかず、劇的だが大仰ではないと言う、まさに美しきアメリカン・プログレ・ハード・サウンドの理想的ラインを描き出している。
中でも、ARCANGELというバンドの魅力を端的に示す、哀愁とドラマ性を兼ね備えたOPナンバー①、胸キュンものの切ないバラード④、溌剌としたインスト曲⑤から繋がっていく、キャッチー且つ悲哀に満ちた曲調が胸に染み入る⑥、本編随一のプログレ・テイストの色濃さを誇る、ドラマティックに泣きまくるラスト・ナンバー⑨は、メロディ愛好派のリスナーなら絶対に聴かずには死ねない悶絶級の名曲。
聴いていると、どうにも郷愁をそそられ、ノスタルジックな気分に浸ってしまう1枚。
秋の夜長のお供にどうぞ。

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