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One Second / PARADISE LOST
寝坊メタル ★★ (2008-10-14 18:38:00)
Music For Nations在籍時にリリースされたフルレンスでは最後となる6thアルバム。
名盤「Draconian Times」の次作となる作品ですが、一言で言うと前作と比べキャッチーになっており、
サウンドは電子音が使われ現代的に洗練され、多くの曲にキャッチーで歌いやすいメロディが配されています。
ただ、どれほどキャッチーになろうと、どの曲も決して明るいとは言えないのが一本筋の通っているところ。
メロディセンスに優れる彼らですから作ろうと思えば作れてしまう気がするんですが、
頑なまでに楽曲に一定の暗さを維持しようとする姿勢はとても彼ららしいですよね。
さて各楽曲についてですが、上記のとおりキャッチー/ポップなメロディが多く、
ほとんど前作の荘厳な雰囲気は感じられません。唯一、③が前作の雰囲気を残す楽曲でしょうか。
しかし、雰囲気は大きく変わったと言えどクオリティは高い水準で維持されています。
涙腺を刺激する哀しげなピアノをサウンドの中心においた①、ダークでエッジの効いた②は、
ライヴにおける定番曲であり、Paradise Lost史上でも屈指の名曲です。
上記2曲は勿論ですが、やたらとノリのいい⑤、メロディアスなサビが印象的な⑦、
シンセサイザーが印象的なヘヴィな⑨などたくさんの良曲に恵まれています。
ラストの⑫で結局、絶望的に急降下させてしまうのも彼ららしくてグッジョブ!(笑)
シンセロックへ接近しとても聴きやすくなった作品。
ゴシック「メタル」と言うより、ゴシックロックと言ったほうが正しいように思いますが、
今では有り触れたヘヴィサウンドとシンセ/ゴスサウンドの融合はこの年代ではやはり前衛的だったのでしょう。
私はこの作品の発表から10年以上もたってこの作品に出会いましたがリアルタイムで聴けなかったのが悔しいです。
まあ、当時の私はメタルなんて微塵も知らない小学生ですから、もし聴いても全く理解できなかったでしょうが(笑)

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