この曲を聴け! 

Equinox / STYX
★★ (2003-11-02 19:00:00)
1973年に発表した第2作“STYX Ⅱ"からのシングル“Lady"がラジオのへヴィ・ローテーションがきっかけで「1975年に」全米6位の大ヒットとなった。結果、メジャー・レーベルのA&Mと契約、第1弾のアルバムがこれ。
初のセルフ・プロデュースだが、マイナー・レーベルでの1~4作の流れからは考えられないほど、“音"の完成度が高まっている。4作目までで感じられた“散漫さ"はなく、方向性は“プログレ・ハード"に統一され、「迷いがない」といった印象。アルバムの流れも素晴らしく、無駄な曲はない。文句なく一級品だと思う。
①“Light Up"はポップな曲。シンセサイザーの音も気持ちよく、得意のコーラスも披露、“コンパクトだが起伏のある"その意味では典型的なプログレ・ハード。
②は前述の“Lady"に続き、シングル・ヒット(全米27位)した“Lorelei"。最も簡潔なシングル向きのポップな曲。
③はJohn Curulewskiがリード・ヴォーカルをとるプログレ志向の“Mother Dear"。シンセサイザーが大活躍します。
④はDennis DeYoungらしい、簡潔ながらドラマティックな曲。
⑤はJames“JY"Youngらしい、ハード・ロック。(Tommy Shawはこの曲に「(当時、初めて聴いたときに)ぶっとばされた。STYXってすごいと思った」とかなんとかいってます)実際、かっこいいです。アルバム後半、飛ばしますよって感じ。
⑥はDennis & JY共作。ドラマティック&ハードという、2人のカラーがわかりやすく出ています。Dennisがバンドにいたら、これをライヴ・ヴァージョンで聴いてみたかったです。ハイライトです。
⑦一息ついて、ギターのインスト“Prelude 12"です。③でもそうですが、初期STYXではCurulewskiのこういうセンスが“STYX"の名前のイメージに沿った“怪しい、どんよりした"雰囲気を醸し出していたのだと思います。彼がそのままいたら、それはそれですごいバンドに成長していたと想像します。(しかし、すでにこの世にはいません。残念)
さて、序曲⑦に続き、⑧“Suite Madame Blue"はアルバムの締めにふさわしい、大作です。完璧です。聴いてください。KANSASの、(これまた大作・名作)“Song For America"に重なるテーマを持った曲ですが、素晴らしさもこれに匹敵します。“アメリカン・プログレ・ハード"ではこれらを聴かずにいてはいけません。
(※↑上の“やまねこ"さん、これってバラード?そう言っちゃうと、聴いたこと無い人は誤解しちゃうと思います。後半はまともにハード・ロックしているし。→僕はそもそも、STYXが“非HM/HR"のところにあるの、気になるんだけどなあ。まあ、日本では後期のアルバム“Cornerstone"“Paradise Theatre"“Kilroy Was Here"のイメージしかないようなところがあるからだろうけど、「本来は」間違いなく“ハード・ロック・バンド"でしょ→だから、この辺のアルバムなら、ハード・ロック・ファンの方々も楽しめるんじゃないでしょうか?って言いたいんですよ。それだけ)
次のアルバム“Crystal Ball"(Tommy Shaw初参加)も同じく、すごいです。
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