この曲を聴け!
No Prayer for the Dying / IRON MAIDEN
絶叫者ヨハネ ★★ (2005-11-12 19:43:00)
上の続きです。
それとももう一つ、いまいちこの作品が評価されないのは、特によい曲がかなり異色な曲というか、他のMeidenの名曲と同じ評価の物差しをあてはめることのできない曲であることにも原因があると思います。バンド最大のヒット曲であり、シングルとして初の全英No1に輝いたBring Your Daughterは最高に愉快で妖しい名曲で、個人的にも大好きなナンバーなのですが、これをAces HighとかHallowed Be Thy Nameと同列に並べて論じるのは相当な無理があるのは明らかでしょう。(これはHoly Smokeにもあてはまります)。
楽曲としての魅力では、上の二曲や他の代表曲と遜色のない出来なのですが、曲の性質があまりに異なるうえ、いわゆるメタル的な「泣き」「ドラマ性」「攻撃性と緊張感」といった評価基準から見るときわめて「微妙」なところがあるのは間違いないです。多くのMeidenファン(またはHR/HMリスナー)の「傾向」を考えると、こういうタイプの曲をメインとして据えているアルバムが評価されづらいのはある意味仕方のないところかもしれません。
でもこういう遊び心に満ちた曲のよさがわかる人たち(ブルースがあっという間に書き上げたこの曲を聴き、大喜びしてバンドで演ろうと言いだしたのはハリス先生だったそう。)だからこそ、Meidenがこんなに大きなバンドになったんだよ。
かなりの長文だったので要点をまとめると、私がこのアルバムを賛美する理由として、
1.録音状態と全体の音像が素晴らしいこと。
2.演奏がライヴ感いっぱいで活き活きしていること。
3.基本的な部分で曲にMeidenらしさがあり、しかも聴いていて楽しい、ノリのよい曲が多いこと。
以上の三つ。
そしてこのアルバムが一般にあまり評価されていない理由として考えられるのは、
1.「Meidenらしい」メロディアス&叙情的な曲が少ない、つまり泣ける名曲がないこと、
2.曲展開がシンプル&ストレートで劇的な盛り上がりに欠けていること、
3.妖しいうえに不気味に明るく、ノリ一発的な曲が主役であること、つまり上の3と全く同じ理由。
以上。ふう疲れた。
→同意