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Fifth Angel / FIFTH ANGEL
火薬バカ一代 ★★ (2008-10-12 23:32:00)
ATLANTIS RISINGのジェイムズ・バード(G)や、HOUSE OF LORDSのケン・メアリー(Ds)が嘗て在籍していた事で知られる、
米ワシントン州はベルビュー出身の5人組HRバンド(と言ってもBは幽霊メンバー)FIFTH ANGELが、'86年に発表した1stアルバム。
本作は、当初、マイク・ヴァーニーが主宰するSHRAPNEL RECORDSからリリースされたものの、日本を含む世界中の
HR/HMファンの間での、このアルバムの評判の良さに目をつけた米メジャーEPIC RECORDSが契約を申し出て、
'88年にアートワークを差し替え(このジャケットが美麗で非常に秀逸な出来)、リマスターを施してリリースし直された・・・
というエピソードを持っているだけあって、実際、その完成度の高さには目(と耳)を瞠るものがある。
哀愁とフックに富んだメロディを、確かな力量で歌い上げるテッド・パイロットのVo、エモーショナルに歌う
ジェイムズ・バードのメロディアスなGプレイ、そして、とてもアメリカのバンドとは思えぬ、欧州HR然とした湿り気を
たっぷりと帯びた曲調を更に盛り上げる、叙情的且つドラマティックなツイン・リードGを大フィーチュアした楽曲は、
全9曲収録で捨て曲は1つもなし。ライナー・ノーツではオランダのHELLOISEなんかと比較されているけど、
ヨーロピアンな風情を漂わせつつも、決して暗く/重くなり過ぎず、どこか爽やかさを感じさせる作風は確かに共通点が多い。
特に、この1曲のためだけに本作を購入しても損はない!と断言したくなるナンバーが連続する、アルバム前半の隙のない構成は見事で、
取り分け、舞うようなツインGと、心地良く疾走する哀愁のメロディが、どこかRIOTの代表曲“WARRIOR"を彷彿とさせる③は、
FIFITH ANGELというバンドの魅力の粋を結集したかのような名曲。(勿論、スピーディな⑥から劇的な⑨へと至るB面パートも充実)
ここ日本では、UFOの名曲“LIGHTS OUT"のカヴァーを収録し、国内デビュー作となった2nd『TIME WILL TELL』の方が
人気が上のようだが(実際、甲乙付け難いクオリティ)、個人的には、FIFTH ANGELの入門編には、まずこの1stをお薦めしたい次第。

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