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Agent Orange / SODOM
火薬バカ一代 ★★ (2007-09-04 21:33:00)
雑誌で読んだ「暗くて速い」という評価から、(勝手に)北欧ネオクラシカルっぽい音を想像して、
ついウッカリ1st『OBSESSED BY CRUELTY』を聴いて打ちのめされて以来、名前を見聞きするのも嫌だった
SODOMを見直す切っ掛けとなった、彼らが'89年に発表した3rdアルバム。
デビュー当時の、劣悪な音質/極悪な演奏/凶悪なルックスと三拍子揃ったVENOM直系のブラック・メタル路線から
着実に進歩を重ね、本作では完全に本格派スラッシュ・メタル路線へとシフト。整然としたクリアなサウンド・プロダクション、
メリハリの効いた構成、メンバーの演奏能力の向上と、それによるインスト・パートの充実といった要素を得て、
タイト且つシャープに突っ走る引き締まった楽曲のカッコ良さ/気持ち良さは、これまでの彼らの作品のそれを大きく上回っている。
特に、SODOM屈指の名曲であり、現在でもライブでプレイされ続けている代表曲①⑦はファン人気の高い名曲として知られているが、
個人的なイチオシは②。激烈な曲調の中から不意に顔を出す美しいアコギ・ソロに「SODOMやるなぁ!」と唸らされること請け合い。
また、この曲に限らず、今回はGのフランク・ブラックファイアが非常に良い仕事をしていて、②以外にも、①や⑥といった楽曲で
メロディックなソロを披露。本作を最後にSODOMを脱退する彼からバンド(とファン)への置き土産といったところか。
SODOMの名をオーバー・グラウンドへと浮上させるヒット作となったのも納得の、ジャーマン・スラッシュ・メタル史に残る名盤です。
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