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The Catalyst / AMARANTHE
うにぶ ★★★ (2024-11-23 21:28:54)
スウェーデンのモダン・メタル・バンド(「MASSIVE.MODERN.METAL!」とオフィシャルサイトにありました)の'24年の7thフル・アルバムです。
尤も、ジャンル分けに関してはエレクトロニコア(ピコリーモ/エレクトリーモ)/ポップメタル/メロディックデスメタル/メタルコア/パワーメタル/シンフォニックメタル/オルタナティヴメタルなど諸説あるようですね。要は電子音多めでグロウルも取り入れた男女混声メタルです。
曲作りが巧い、トリプル・ヴォーカルの分業が明確な上に各自の力量が卓越している、曲調が幅広く多様なリスナーに訴求する音楽性である。そんなとんでもない条件を満たしながら、メンバーチェンジを挟みつつもテンションを落とさずに高品質のアルバムを制作し続けてきました。
結論を先に言ってしまえば、過去6枚に勝るとも劣らぬ出来かつ、新規要素も取り入れた傑作、文句なしの名盤です。
が、初めに聴いた時は、ちょうど激しめなメタルを重点的に聴いていた時期でしたので、ちょっとなんか攻撃力が足りないかも、なんて思っていました。
ちょっとABBA風味強めで、疾走感も控えめで、メタル耳には物足りないかなー、と。で、半年くらいはあまり聴きませんでした。
しかしながら最近、REASONS BEHINDやMETALITE、BRING ME HORIZENやWHILE SHE SLEEPS、BABYMETALやENTER SHIKARIなんかの電子音多めのバンドを聴くモードになり、AMARANTHEの過去作を聴き直したくなって順繰りに聴いてみたところ・・・この新譜もやっぱり、とんでもねーなという評価に相成りました。
初期2枚ほどの疾走感はありません。ハイテンションでキラキラ爆走してトリプル・ヴォーカルが畳みかけるあの刺激を至上とすれば、それには劣ります。
それでも、2~3分台に凝縮された楽曲に詰め込まれた技巧・工夫・メロディの密度、本気度、情報量の多さには、これまでの傑作群をも上回ろうというバンドの意気込みがあふれていて、圧倒される勢いがあります。
PCのスピーカーで聴くと、あんまり迫力がないんですよね。爆音で流すと、すげーことやってんなこいつら、と納得してもらえるんじゃないでしょーか。
少なくとも今年の似た系統の新譜で、このアルバム以上に魅力的な作品を知りません(あればぜひそれも聴きたい)。
今年イチ推しの逸品です。

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