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Hard Impact / CRYSTAL BALL
失恋船長(2024-10-27 21:30:59)
北欧メタルの新生として2000年を目前に彗星の如く現れた彼ら。その煌びやかでメロディアスなサウンドとテクニカルなギターという構成は素晴らしく、歌の弱さを補完するほどのインパクトを誇っていた。
グランジ/オルタナムーブメントの影響はシーン全体を蝕む中での華やかさサウンドというのはメロディ派は勿論、正統派マニアの期待を背負う事となるのだが、今作は実に微妙な立ち位置のアルバムになってしまった。

SEはイイのだが、オープニングナンバーが地味である。良く言えば堅実なのだが、その掴みの弱さは次の曲でも続く。あの高速ギターはどこえやら、歌で酔わせるシンガーではないので、このヴォーカルオリエンテッドな作風、そしてやはり、グランジ/オルタナムーブメントの影響下にある、ダークテイストの増量は前作とは背反するモノであり、メロディ派のマニアにとっては背信行為と映るだろう。勿論、サビでコーラスを重ねキャッチーな歌メロが出てくるのは前作同様なのだが、そこまでの道筋をどう評価するかで結審するでしょう。

個人的には、途中で音源を止め、速めに売りさばくという非道な行為に出ましたが、現在配信盤も出ているので、その判断に間違いはなかったことは確信出来ました。やはり2000年問題が色濃く、このバンドにも降りかかっている。
彼ら最大の魅力である、軽やかで華のあるサウンド、そしてテクニカルなギターサウンドを封印したのはマイナスだろう。

北欧メタルと言えばなスタイルを期待したり、スピーディーなナンバーで駆け抜けてくれという思いがなければ、2000年風メロディックメタルとして大いに楽しめるでしょう。でも1st支持者は落胆するでしょうね。シリアスさとパワーメタル度が高まるのは悪くないのだが、フックのあるメロディと歌メロ成分が減退したのは無念である。

これが2000年。そして次のアルバムは国内盤が見送られた。余程売れなかったんだなぁ。

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