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Eliminated / SABER TIGER
失恋船長 ★★★ (2024-09-27 05:42:57)
全作から6年、待望のフルアルバムをリリース。先行公開された斑の鳥からも、ある程度想像された過去への揺れ戻し。前作は海外のレーベルからワールドワイドな感性を取り込んでのリリース。ラウドネスも、そういうアルバムを作ったが、両者とも随分と差違はあれど様変わりした印象を与えた。特にサーベルタイガーの方は、シンフォニックかつプログレッシブなメロディックメタルへと変貌。
獰猛な初期型メタルや、下山復帰後のモダンさとも違うスタンスで作品を制作という、味わいの違った作品を作っただけに、その反動なのか反省なのか、今作はラウドネスがニッポンのヘヴィメタルをやり、アッパレと言わせたが、サーベルはあそこまでぶっ飛んではいないが、自らの足下を見つめ直すような作風へと回帰した。

それが良いか悪いかは人それぞれの趣向だろう。英詩は海外の人が聴いても不自然さを感じさせないものに仕上げたメンツだけに、ワールドワイド仕様を尽き詰める姿も見たかったが、しかしワタクシ個人サウンドの好みは今作の方であり、痛し痒しな思いはある。少なくともバルト三国でツアーをやった実績は胸を張れるだろう。

まぁ日本人が英語で歌うと、必ず発音がどうのこうのとイチャモンと付けるヤツがいるからねぇ。洋楽を何十年も聞くとナマリが完璧なんてホラッチョ詐欺師&詐欺被害者がいるくらいだから、厄介だから、今回のように日本語歌詞に立ち戻るのは悪いことではない。

サーベルタイガーの歴史、一度は下山と袖を分かつ木下御大。それはマシーンさんとて同じ、そして再度集まった最強の集団。若いリズム隊を引き連れ密度の濃い、ハイテクニックを駆使したサウンドは往年の姿を重ねることも出来るし、メロディもストレートに響かせることにより、全作とは違った味わいでおもてなし、これぞサーベル流メタルと言いたくなるような楽曲が詰まっている。

再始動の中で一番、正統性の強い作風になった。正直、10年前でも良かった気がする、40周年あたりに、こういうのぶつけて欲しかったと思うが、ここは素直に賛辞を贈りたい。多くのメタルバンドが抱える高齢化社会。自らも訪れる衰え、何よりファン層の老齢化が一番心配なのだが、今作は今一度、仕切り直す意味合いの大きさとして、別の道での進化と捉えるべきだろう。

かつて大草原の捕食者として、その巨大な牙を武器に生態系のトップに君臨していたサーベルタイガー、しかし鋭く大きな牙のせいで俊敏な動きが出来ずに、絶滅したと言われる動物。
進化は必要である。同じ場所に立ち止まっても飯は喰えない。次の布石は打った、あとはどう攻勢するか、今後のサーベルタイガーに注目である。
コロナ以降、サッパリライブに行かなくなったワタクシ。今作ならば、プロジェクトワンやタイミステリーなどの楽曲、そして名盤サーベルタイガーのSABER TIGERやブレインドレインといった楽曲からセットリストが組まれても違和感がないだろう。

いまでも彼らはメタルライダーやマボロシをやるのだろうか?そんな事を期待しながら数年ぶりのライブにでも行こうかと考えるのだが、オジサンになるとなぁ、習慣がなくなると、こうなるんだなぁ。ワシも歳食いました。
余談中の余談でお茶を濁しましたが、しなやかでハード、現代的なフィルターを通して、けして昔の流儀に立ち返っただけではない、北の凶獣
サーベルタイガーサウンドの復権。多くのファンが待ち望んだ待望のフルアルバムに仕上がった事は間違いない。

そしていつからCD3500円になったの?超余談だが、Amazonの価格に腰抜かしたぞ、そして他のアーティストもみたがフィルモグのバンドも3100円
じゃん。TMGも3520円、マイケルのUFOも3300円、通常版でコレですよ。
配信全盛の時代に?拘りの強い人は現物欲しいからね。5000円でも10000円でも買うからね。でもスマホの値段に目眩を覚える若者の事を考えると手がでんよ。そりゃ、高齢化するわな。

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