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Condamnés / MALéDICTION
失恋船長 ★★★ (2024-09-05 10:49:32)
バンド名に呪いの言葉を秘めたフランスの正統派メタルバンド。まさにヘヴィメタル氷河期の時代にフランスから正々堂々とガチンコメタルファイターが登場しました。メイデン、サバス、オジーといったアーティストからの影響も大、そこにNWOBHM仕込みの攻撃性とシケシケ感を盛り込み、同郷の先輩バンドにも通ずるマイナー臭を撒き散らし、ドラマティックなサウンドを展開している。

とは言え似たようなパターンの展開が多いので、その芸の少なさは気に掛るが、デビューアルバムならば及第点はあげられるでしょう。この時代、全てのメディアが黙殺した古典、将来を見据えパイを増やすために、魂を売った商業誌。それを聖典のように崇められる狂信的な岩盤層には、何を言っても無駄ですが(一部の激ヤバ集団は音楽性云々ではなく誰が何点つけたかや、レビュー内容が重要なのです、サクソンアメリカンナイズドとか、NWOBHM四天王とか、聖飢魔Ⅱ0点とかね)

メタルとはなんぞやと思っている若い人には知って貰いたいですね。私は彼らの可塑性に期待します。モダンなメタルコアはメタルに非ず、新しいサブジャンル。そしてメタルもサブジャンル。大元はロックというカテゴライズの中の一つですからね。

なので、属性など気にせずに、自分の心に響くものを愛せば良いのです。○○がアメリカンナイズドと言ったからとか関係無し。でも、そういうのが若者の邪魔をするんだよなぁ。

出している音は2001年でも古いです。完全に80年代に登場した、まだ手垢の付いていないピュアメタルバンドが出している音を踏襲しています。先人達の影響も見え隠れしますが、ギターはキレイなフレーズを弾こうと懸命、リズム隊は変化自在のドラマティックサウンドに食らい付き、屋台骨を支え献身的にサポート、少々線の細いハイトーンですが、逆にマイナー臭を激増させている。弱々しい歌声はマイナスなのだが、ある意味、このサウンドの決め手にはなっている。逆説的に灰汁を薄めているが、パンチ不足は否めない。

ラストに顔出すのはADXのカヴァー、このセンスに共感出来るマニアならば迷わず買いだろう。ワタクシは欧州由来の泣きメロディに弱いのです。

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