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Invisible World / Alkaloid
失恋船長 ★★★ (2024-08-22 10:54:25)
東京X-RAYのメンバーを中心にシンガーは紅一点のANGELさんがフロントを飾る国産メタルバンドのデモ。この幻の音源をイタリアのレーベルF.O.A.D.が2022年にアナログ盤を300枚限定でリリースした。しかもデモに未発表のスタジオセッション音源をプラスした内容。全8曲入のボリューム増とマニア心をくすぐる仕様にリニューアル。こういう音源を日本からではなく海外のレーベルからと言うのが今の国内ハードシーンの現状なんだろう。
どこかダークな色彩美に彩られた国産メタル。古くさい音色はデモ音源というのもあり、マスターテープの状態などどうだったのか?と気にはなるのだが、その分離の悪い音質には苦言も出るが、当時の勢いをパッケージした今作を前に戯れ言は無用。貴重な国産メタルの最盛期に有象無象のメタルバンドが存在していた、その事実をマニアは勿論だが、若い人にも知って欲しい。
個人的には未聴だったスタジオセッションが聴けたのは嬉しかった。勢いのあるサウンド、ドラムもベースも迫力十分。ギターは巧者、ANGELさんもデモ音源よりもイキイキとしており好感が持てる。
彼女、個人的にはヴィヴラードの掛け方が苦手でもうチョイなんとかならんのかと思うのだが、そういう不満はパンキーのスリル溢れるソロが抑え込んでくれる。
それなりにキャリアを積んだ有望なミュージシャン集団。夢破れた彼らではあるのだが、2022年にイタリアのレーベルが手を差し伸べてくれるとは驚きである。アナログ盤は所持していないがbandcanpから配信盤が8ユーロで販売されていますので、興味のあるマニアは是非とも購入前に試聴してください。
個人的には日本のバンドあるあるなシンガーの弱さ、それを抱えたバンドだったと思うが、ハマる瞬間もあるだけマニア心をくすぐる貴重な音源であることに変わりは無い。良くも悪くも当時のシーンを知る上では貴重な一枚でしょう
ちなみにANGELさんは下山脱退後、スーパータイガーや木下明仁プロジェクトなどで活動する、シンガーを務めていた鈴木勝人さんでアルバムを作るも、彼は病気の為に脱退する。真実は分からないが、パフォーマンス云々よりも、彼、人見知りするのかライブではMCやアクションを含めチョット弱かった。プロレスラーのような頑丈な体躯なのに、繊細なんだなぁと感じた。
その穴を埋めたのがANGELさんである。彼女のラインナップで音源を残さなかったのは残念だが、苦しい時代を支えた人物であり、ワタクシも二回くらい、ANGELさんのサーベルタイガーを見た記憶がある。
最近は懐かしのメタルバンドが復活している。WOLFもしかりテラローザも、このバンドもアナログ盤リリース後、記念ライブをやった。それだけに、ここいらで一発新作に期待したい物だ。
RE-ARISEでも頑張っている志村さん。多忙だとは思うが、ここは一肌脱いで欲しいですね。
このまま、埋もれるのは勿体ない。
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