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No Dice / BADFINGER
MK-OVERDRIVE ★★★ (2024-07-18 01:19:11)
時は1990年代前半、CDの登場からまだ10年程で新品/中古問わずCDショップ巡りが盛んだった頃、ふと(B)-BADFINGERの所で目にした鎖帷子みたいな素材のビキニを着てこちらを指差す妖しい女性のジャケット。それまでも見覚えはあったが当時の私はJ-POPの方が楽しく洋楽から離れていまして、BADFINGERにしても"Come And Get It""Day after Day""Know One Knows"、アルバムはピート亡き後トムとジョーイで再始動の"Airwaves"しか認識していなかったため見事にスルー。その後いつの間にか買って手許にある当時の輸入盤を聴きながらのレビューです。1970年11月リリース、BADFINGERに改名してからは2nd、IVEYSから通算すれば3rdとなる本作の売れ行きはと言うと、USチャートで最高28位となるも本国UKではランキング外。折しもBEATLES解散騒動最中のこと、どうやらアップルレーベルに居続けたことが彼らの命運を分けたらしく、当初MAL EVANSプロデュースでレコーディングしながら並行してRINGO STARRのシングルやGEORGE HARRISONのアルバム制作セッションに参加させるハードスケジュールを見かねてGEOFF EMERICKに交代したために発売が半年も遅れたとか。上手くいかないのはアルバム制作だけでなくシングルリリースも同様で本作からのシングルは5.とUK盤におけるそのB面8.のみ。6.は他アーティストにカバーされてヒットし有名になっただけで、彼ら自身によるオリジナルのシングルは出ていません。No Dice…振ったサイコロが台から飛び出してノーカウント、無効になって"駄目"だという意味ですから、まだ悪徳マネージャーに捕まる前のこの時点でもうアップルを離れるべきだった、そんな状況を暗示するタイトルな気がします。最後はどうでもいい話、女性の上半身が写るジャケットは開いた状態で下半身も現れるようになっているため、綴じ目が左になるように収めるとタイトルや女性の頭が右へ横向きに倒れてしまうんですね。という訳で買って見て聴いてください。

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