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Thriller / KILLER
火薬バカ一代 ★★ (2023-07-19 00:35:18)
「フランス、ベルギー、ブリティッシュ、KILLER(KILLERS)に色々あるけれど~♪」と、『ド根性ガエル』主題歌の節付けて歌いたくなるぐらい同名バンドが多いKILLER。こちらはスイス出身のKILLERが’82年に発表した2ndアルバムです。
ゴキゲンに炸裂するAC/DC直系ロックンロール・サウンドが託された本編と、スプラッター映画のゴア・シーンを抜き出したような凄惨なアートワークの乖離がとんでもなかった1stアルバムに対し、今回のジャケットにはコート&ソフト帽姿でキメたシワクチャ顔面なオッサン怪人のイラストがフィーチュア。思わず「売る気あんのかよ?」とツッコミを入れたくなりますが、内容の方は前作同様にAC/DC路線を迷いなく驀進してくれています。
タテノリの明るいロックンロール・ナンバーと、欧州のバンドらしい泣きに満ちたメロウな楽曲の2タイプを軸に構成された本編は、同郷の偉大なる先輩KROKUSに通じる要素も山盛りで、クセの強いシンガーのカミソリ声もマーク・ストレイスからの影響が感じられなくもない…ような。
デビュー作に比べるとテンポが抑え気味になった分はっちゃけたエネルギーの発露は控えめながら、勇ましく刻まれるリフ&リズムをVoの高血圧シャウトが援護射撃するヘヴィ・メタリックな②や、演歌でも始まったのかと聴き紛うイントロからして猛烈に泣きまくるドラマティックな④、ライブじゃさぞかし盛り上がったであろう喧しい⑦等、「らしい」楽曲が要所を引き締め聴き応えは十分。
個人的には1stアルバムよりも聴き直す頻度が高めだったりする1枚ですよ。

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