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Utter Indifference / BAD LOSER
火薬バカ一代 ★★★ (2023-06-15 00:28:07)
京都出身の正統派HRバンドBAD LOSERが、'91年にMANDRAKE ROOT RECORDSから発表した1stフル・アルバム。
本作を初めて入手した当時は身近にネット環境なんぞなかったので、このバンドに関する知識はほぼゼロ。なので「HURRY SCUARYタイプだなぁ」とか思いながら聴いていたのですが、タイプも何も、そもそもシンガーが元HURRY SCUARYの南安秀なのだから、そりゃそうだと。彼と、元X-RAYの藤井良明(Key)を中心に結成され、一時期はサポートGとして元TERRA ROSAの鈴木弘美も参加していた…と聞くと、アルバムに対する期待値がグングン高まっていきますし、実際その期待に見事に応えてくれる完成度を誇っています。
南の哀愁を帯びた歌唱を軸に、藤井のKeyをしっかりとアレンジに織り込んだ楽曲は、アップテンポの疾走ナンバーからじっくり聴かせるバラードまで、いずれもノリや勢いで誤魔化すことなくカッチリと練り上げられた仕上がり。派手さはないですし、インディーズ制作ゆえのローファイな音質も相まって「苦学生」的な印象が漂うものの、収録曲はそうした弱さを吹き飛ばして余りある魅力が横溢。肝はやはり南の存在で、特にGも負けじと歌っている⑦、愁いを帯びてキャッチーな⑧といった強力な逸品が並ぶ本編後半における、ジャパメタ・シーンについて回った「G高Vo低」の評判をものともしないエモーショナルな歌いっぷりにゃ、「やっぱりシンガーの上手いHRは良いなぁ」としみじみ思わされた次第で。
MANDRAKE ROOT亡き後、中古盤市場では価格が高騰しっ放しなので、是非とも再発を祈願したい1枚であります。

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